ケア記録システムと見守りセンサーを導入

エビデンスに基づいた介護を目指して、記録とセンサーを連携したICTを構築。記録時間が半減し職員の情報共有が加速

社会福祉法人友興会 特別養護老人ホーム グレイスホーム 導入事例

サービス業1~100名ERP・基幹業務・業務管理営業・業務プロセス効率化

社会福祉法人友興会が運営する特別養護老人ホーム グレイスホームは2021年4月、請求・記録システムと見守り介護ロボットを導入・連携。紙の記録を全て電子化して職員の記録時間半減を実現したほか、システム上でご利用者情報が全てまとまったために、これまでにない情報共有と情報の活用が進んでいる。

  • 業務の効率向上
  • ケアの質の向上
  • ペーパーレス化

2021年10月取材

社会福祉法人友興会 特別養護老人ホーム グレイスホーム

導入先の概要

業種
介護
事業内容
児童養護施設、特別養護老人ホームなど
職員数
60名(2021年10月現在)
ホームページ
http://www.yukokai.or.jp/gracehome/

導入の狙い

  • 紙による記録を減らしたい
  • 訪室にまつわる職員とご利用者の負担を軽減したい
  • リアルタイムな情報共有体制を構築し、アセスメントや質の高いケアプラン作成につなげたい

解決策

  • 記録システムを導入し、手書きや転記の手間を削減
  • 見守りシステムと記録システムを連携させ、情報共有を加速させるICTを構築

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
ケア記録システムほのぼのNEXTお問い合わせ
タブレット記録アプリCare Palette(ケアパレット)-
見守り支援介護ロボットaams(アアムス)-
 Wi-Fi環境-

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社会福祉法人友興会 特別養護老人ホーム グレイスホーム 導入事例(PDF:2,431KB)

導入事例詳細

「地域とともに」の理念の下、児童・高齢者福祉事業を広く展開

社会福祉法人友興会(以下、友興会)は、東京都、福井県、沖縄県で福祉施設を運営する法人だ。1961年に東京都で虚弱児施設クリスマス・ヴィレッジの設立認可を取得。1996年に高齢者向け福祉事業もスタートし、約60年にわたって福祉事業に取り組んできた。高齢者向け事業は特別養護老人ホーム グレイスホーム(以下、グレイスホーム)をはじめ、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業、福祉用具貸与事業などのサービスを幅広く提供している。

地域との交流も深く、年1回開催の「地域交流会」では近隣の方を招いてバザーや模擬店、抽選会などを行い、多いときは300~400人ほどが集まる盛り上がりをみせる。敬老の日には友興会が運営する児童養護施設の子どもたちも共に祝う「敬老会」を催すなど、世代を超えた交流も行われている。

なかなか特徴を出しにくいデイサービスも、同法人は『食のデイサービス』というコンセプトを打ち出し、食に関する催し物を数多く行っている。屋外で開催する秋恒例の『さんまパーティー』は網でさんまを炭焼きにし、大勢で一緒に食べる。和やかな雰囲気の中で普段魚が苦手な方もさんまに手を伸ばす姿が見られるなど、アットホームな雰囲気がつくられている。

児童養護施設の子どもたちから敬老の日に送られたおりがみ(左)や、「食のデイサービス」のイメージが伝わる手作りのポスター(右)が掲示されている

記録の負荷と訪室の根拠を見直し、ICT導入に踏み出す

犬木 一夫氏

施設長 犬木 一夫氏

グレイスホームでは介護、看護、各種相談員と多くの職種が記録業務を行うが、それらは全て手書きだった。

「質の良い福祉サービスを提供し続けるため、当施設は年に一度、福祉サービスの第三者評価を受けているのですが、ある年『紙が多いですね』と言われたことがありました。それは私も非常に気になっていて、ICT導入に着手する際はペーパーレスを踏まえたソリューションを検討したいと強く考えていました」と話すのは、施設長の犬木 一夫氏だ。

また、グレイスホーム 介護支援専門員 生活相談員の伴 隆雄氏は、記録業務を行う立場から記録システムに注目したきっかけを次のように話す。

「記録は複数の種目で同じ内容を記載するものもあり、手書きでは、どうしても転記作業を避けられません。日常業務ではご利用者のケアを優先しますので、一日の最後に記録を行う職員がほとんどで、そのための残業も見られる状況でした。そんな中、記録システムを先行導入している当法人の福井県の特養を視察する機会があり、職員がパソコンやタブレット端末を使ってスピーディーに入力している様子を目にしました。以前から記録を電子化したいと思っていたため、グレイスホームでもぜひ導入したいと施設長に相談しました」

一方、職員やご利用者の訪室負担軽減も課題の一つだった。グレイスホームでは夜間は2時間に1度の定期巡視を行っており、日中も居室にいるご利用者が起き上がったりベッドから離れたりしたときに把握できるよう、離床センサーやセンサーマットを取り入れていた。その巡回の間隔は決まりがあるわけではなく、30分ごととしている施設もあれば、1時間ごととしている施設もある。

「様子が不安定だと思えば頻繁に見に行く、という対応は必要な対応に違いありませんが、ご利用者を近くで見守る職員の経験や勘のようなものを頼りに巡視のタイミングを判断しているとも言えます。ICTの技術が浸透している今、根拠に基づいてご利用者対応できる環境を整えて、職員とご利用者双方の心身の負担軽減につなげたいと思いました」(犬木氏)

こうした課題解決に取り組むべく、グレイスホームは請求システムの更新時期が迫ったタイミングに合わせて、請求システムを刷新、記録システムと見守りセンサーを導入・連携したICT環境の構築を決断した。

法人の目的を捉えた最適な提案が、システム選定の決め手に

導入に当たり、グレイスホームは2020年6月にICTプロジェクト会議を発足。伴氏を中心に、介護、看護、各相談員など複数の職種がメンバーに加わって具体的なソリューションの検討に入った。幾つかの製品はデモも確認し、選んだのは大塚商会が提案した請求・記録システム『ほのぼのNEXT』と見守り介護ロボット『aams(アアムス)』だった。

「『ほのぼのNEXT』は画面の見やすさが職員から好印象を得ました。しかし何よりも、それまで使ってきた紙の記録をカスタマイズして記録システムに取り入れられる点が決め手になりました」と伴氏は振り返る。携帯可能なタブレット端末も導入し、タブレット記録アプリ 『Care Palette』でも記録できるようにした。

また、『aams(アアムス)』は心拍、呼吸、離着床、睡眠の状態などの情報を離れた場所から確認できるため、ご利用者のバイタルや睡眠の状態を把握したうえで、根拠をもって必要な介護を行うことが可能になる。グレイスホームが求める機能を備えたバランスの良いシステムだったことから採用を決定。Wi-Fi環境も整えた

伴 隆雄氏

介護支援専門員 生活相談員 伴 隆雄氏

「費用的な制約もある中で、大塚商会さんには補助金の活用も提案いただき、希望する機能を備えた最適なシステム構築のプランを提案いただきました。当施設に足しげく通い、ICTプロジェクト会議に頻繁に参加してくださったことも、必要な確認や判断が早くできたと感謝しています」(犬木氏)

東京都の補助金の申請も通り、導入準備は着々と進められ、2021年3月、まず請求システムから稼働スタート。続いて記録システムと見守りセンサーを連携させ、センサーから得た情報を記録システムに取り込めるようになると、2021年4月中旬から全てのシステムを本稼働させた。

見守りセンサーはご利用者のケアを行う3フロアで、それぞれ7台ずつ配置。PCとタブレットも3フロアにそれぞれ1台ずつ配置した。携行できるタブレットは看護師や相談員とデイサービスのフロアにも配布し、サービスや職種の垣根を越えて情報共有できる環境が整っていった。

フロアに配置されたPCとタブレット。見やすい画面がスムーズな記録に役立っている

マットレスの下にセンサーマットを敷いて設置する『aams(アアムス)』

勘と経験に頼ることなく、エビデンスに基づいた介護を実現

本稼働から半年たった今、さまざまな場面で効果が表れ始めている。最も大きな効果が表れたのは、記録時間の短縮だ。記録の電子化によって記録時間が半減。以前は職員一人当たり1時間程度かかっていたところ、30分程度で済むようになった。また、情報共有で見られる効果について、伴氏は次のように説明する。「これまで、ほかの職種が記録したものを見るには保管されている現場へ行かなければなりませんでした。今は記録システムの中でご利用者ごとに統一された記録があるので、看護師がどんな記録をしているか、相談員が家族とどのような話をしているかなどを自分のPCで把握できます。情報共有が圧倒的にスムーズになりました」

アセスメントやケアプラン作成、モニタリングも、速やかな情報共有が実現したことでご利用者に向き合う時間を確保でき、以前より質の高い対応ができるようになってきているという。

排せつ介助などのサービスの質が高まる

見守りセンサーの導入は今、ご利用者の身体的負担を減らすことにも役立てられ始めている。

「センサーによってご利用者の眠りの深さが確認できます。以前は睡眠の深さなどは勘と経験で察して対応するほかありませんでした。排せつ介助に入りご利用者を起こしてしまう不安は職員の心の負担であり、ご利用者にとっては体への負担でした。今は眠りが浅いときを狙って介助に入る取り組みをしています。これにより、介助後の入眠の負担を抑えることができているようです。このようなご利用者の状態に合わせた根拠のある介助の実現はまさにICT導入の目的であり、双方の負担を軽減して介助に入れることの安心と効果を職員は大きく受け止めています」(犬木氏)

伴氏は今回のICT構築によって、同時期に始まったLIFE加算(科学的介護推進体制加算)に対応できる体制になったことも、法人として高い効果を得られていると話す。また、将来のICT活用について、職員の身体的負担を減らす介護ロボットに注目している。「移乗の際、職員の体、特に腰にかかる負担はかなり大きいものです。職員を守ることは、ご利用者へのサービスを向上させることにも直結します。大塚商会さんには、豊富な実績を基に、これからも私たちをサポートするソリューションをご提案いただきたいです」と語った。

大塚商会担当者からのコメント

「エビデンスに基づくサービス改善をご支援します」

特別養護老人ホーム グレイスホーム様からは、エビデンスに基づいてサービスを改善できるソリューションを提案してほしいというご要望をいただいております。ご期待にお応えできるように今後も努力いたします。

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  • 印刷して稟議書に添付して
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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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