「洗足学園小学校ではiPadを使わない日はないくらい、さまざまな場面で活用していますね。具体的には三つの活用場面があるなって思っていて。一つ目は記録や観察のための活用です。実験結果を写真や動画としてまとめたり、ナンバーズを使って、結果を表やグラフで表現したり。二つ目は共有のための活用です。ロイロノートとか、パドレットというアプリケーションを使うことで、瞬時に児童の考えや表現を全体に共有できるのがいいなと思っています。三つ目は教具・教材としての活用です。現在は理科に関係するアプリやWebサイトがたくさんあるので、より分かりやすく、より楽しく授業が進められるようにデジタルの教具・教材というものを授業の中で使っています。」
洗足学園小学校・教諭 山田 将太(ヤマダ ショウタ)
2024年8月30日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。
番組サマリー
ClassRoomCLIP第24回目は、洗足学園小学校・教諭 山田将太(やまだ しょうた)先生にご登場いただきました。
以前は、公立小学校の先生を、次にグラフィックデザイナーのお仕事をされていらっしゃったとお聞きしましたが。
「埼玉県の公立の小学校で働いていましたが、そこでの仕事がとても大変で。自分がやりたいことって他になかったかなっていうのをもう一度見つめ直した時に、デザイン系のことがやりたいなっていう風に思って決意したんですが、やはり、また小学校の先生に戻ってきました。」
今、何を教えていらっしゃるんですか?
「今は3年生の理科を教えています。」
小学校の理科って、いろいろ実験とか楽しかった記憶があリますが、iPadをどういう風に授業で活用されているんでしょう?
PhETという実験シミュレーションソフトを利用。ブラウザーでログインの必要はなく、無料で利用できる。
ご自身が小学校で習われた時と、今とはだいぶ違うと感じられますか?
「本当にそうだと思っています。私は先生の話を聞いて、それをノートに書き写して……っていう一方向型の授業をずっと受けてきていたので、そういった点では全く違うなと感じています。電子黒板もなかったですね。」
iPadを、先生ご自身の授業にはどういう風に導入されていきましたか?
「理科は実物を見せるのが難しい単元だったりとか、ちょっと危険で体験しづらいような実験とかもありますよね。例えば、電気の単元では、ショート回路は、やっちゃだめだよって言うんですけど、でも実際にはどうすればショート回路になるのか、ちょっと試したいなって思っている子どもたちもきっといると思うんですよね。そこで、理科でもシミュレーションソフトがあるので、それで疑似体験してみたりとか。」
子どもにしてみたら興味をそそられますよね。今ご自身が携わってみて、iPadのどの辺が美点でしょう?
「ちょっと違う見方から言うと、探求学習と非常にマッチしている点があるなと思っていて。iPadを使えば、授業の効率が格段に上がる、いわゆる時短につながるというところが探求学習にとてもマッチしていると思っています。例えば、3年理科の『チョウを育てよう』という単元を『チョウ育成プロジェクト』という形にして、探求的な学びにしたいと考えようとすると、どこかの単元で時間を削ったり十分にゆとりを作らないといけないですよね。そのためには、昔ながらの毎回の授業で先生が板書して、子どもたちがそれを書き写すスタイルをずっと続けていると探求に充てられる時間を捻出することができなくなってしまいます。iPadを使って効率的に学習をする、メリハリをつけて、時間を作って探求を取り入れるっていうのが、私の今考えているiPadの美点だと思っています。」
「チョウ育成プロジェクト」の様子。表紙のデザインはアドビエクスプレスで作成。探求学習にはある程度の時間が必要。授業にメリハリをつけ、iPadを使って効率化し、時間が産み出して探求学習で活用する。
最後に、これまでiPadをうまく活用できていない先生に何かアドバイスがあったら教えてください。
「まずは触ってみる。で、触ってみて分からないところは調べてみるっていう、この繰り返しに尽きるかなって思っています。私もデザインの勉強を始めた時は独学でしたが、今、ユーチューブでもいろいろなデザインに関する情報やノウハウがあったりするので、そこで調べたりできる。デジタルデバイスのユーザーインターフェイスと操作画面とか操作方法っていうのは結構似ていることが多いので、スマートフォンを使えているのであれば、きっとほかのアプリケーションも使いこなせると思います。気張らずに気持ちを楽にして挑戦してほしいなと思っています。」
校庭の砂を顕微鏡で観察し、iPadを使って写真で撮影する児童の様子。もはや記録や観察のためにiPadは欠かせない。
GUEST PROFILE
山田 将太(ヤマダ ショウタ)
洗足学園小学校・教諭
千葉大学教育学部・同大学院を修了後、埼玉県内の小学校に勤務。その後、フリーランスのグラフィックデザイナーを経て、現職。理科を担当。「理科の本質を捉えたクリエーティブな授業づくり」を大切にしている。ロイロ認定ティーチャーでもある。
- *本記事中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。
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