森村学園初等部 齊藤 翔太

2022年3月18日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のTeacher's CLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

歴史ある学校が取り組むICTを使った先進的な学び

森村学園初等部は明治・大正の実業家、森村市左衛門が設立した110年以上の歴史を誇る私立小学校です。神奈川県緑区にあり、「正直・親切・勤勉」をモットーとしています。ICT教育が学園の教育の柱の一つとなっていて、教科の枠を超えてICTを活用した先進的な授業を積極的に取り入れています。

ICTに活用が学園の教育の柱に

また、カリキュラムの中に「プログラミング」の授業があり、小学校1年生から「プログラミング的思考」を身につける機会があるのも特徴です。校内にはWi-Fiが完備されており、端末については、2022年度から3年生以上の全ての子どもたちがセルラーモデルのiPadを持つことになっています。

表現の幅・活動の幅を広げる社会科の授業

表現や活動の幅を広げるツールとしてのiPad

授業では主に「子どもたちの表現の幅を広げるツール」「児童の活動の幅を広げるツール」としてICTを活用しています。子どもたちの表現の幅を広げた活用例としては、簡単なものだと、テーマに沿ったスライド制作やプレゼンテーション、「Pages」を使った新聞・ポスター制作が挙げられます。

また最近では、動画制作を通した表現・アウトプットにも力を入れています。YouTuberのような動画を作ったり、CMづくり、ニュース番組制作などを行いました。テーマに沿った情報収集やそれをまとめる活動、説明用の資料作成、話し方や身振り手振りによる表現などを通して教育的な効果が得られています。

児童の活動の幅を広げた事例としては、動画を視聴したり、ウェブサイトを閲覧するといったインプットの機会が挙げられます。また、オンライン授業時の「Zoom」を使った話し合い、GoogleスライドやGoogleドキュメントの共同編集など、児童が主体となる活動に欠かせないものとなっています。

子どもたちの学習意欲を引き出すICTの威力

子どもたちはICTが大好きです。以前勤めていた学校ではほとんど授業に参加できない児童がいました。そんな児童が授業にICTを取り入れただけで、学習に対して前向きな態度を見せたこともあります、ICTを取り入れることほど、子どもたちの学習意欲を引き出す方法はないのではないでしょうか。

意欲向上だけでなく学習への成果も

また最近、ICTを活用した表現・アウトプットが知識の定着につながっていることに子どもたち自身が気付きはじめました。ICTを取り入れ出した段階では「ICTが使えて楽しい」という認識がほとんどでした。しかし、続けていく中で「学習としての成果」という共通認識が教師と児童との間に生まれてきたのです。

社会科から始める子どもたち主体の学び!

小学校における社会科の役割は、地理・歴史・公民といった「社会」に対して興味を持ち、前向きに取り組む素地を作ることです。これを達成するためには表現の幅を広げるツールとしてのICTの存在が欠かせません。またこれからは、ますます学習者主体の授業がスタンダードになっていきます。

活動の幅を広げるには、児童自身がICTを使いこなす力を身に着ける必要があります。全ての教科で取り組むべきスキルですが、ICTを取り入れやすい社会科から積極的に取り組むことが大事だと考えています。これからも子どもたちが楽しみながら学べるアイデアを考え、実践していきたいです。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

齊藤 翔太(さいとう しょうた)

森村学園初等部 社会専科

青森県弘前市出身。高校卒業後はスペインへ留学。帰国後、教職課程に進む。卒業後は公立小学校、森村学園初等部、私立小学校などを経て、2021年度から再度、森村学園初等部へ。授業づくりで心掛けていることは 「現状維持は一歩後退」。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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