サーマルカメラとサイネージで万全の検温体制を実現

介護老人保健施設が検温システムを導入。通所者の体温を自動測定して表示し、安心して施設を利用できる環境を構築

医療法人社団 愛清 介護老人保健施設せせらぎ 導入事例

サービス業1~100名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

医療法人社団 愛清 介護老人保健施設せせらぎは、新型コロナ感染拡大に対応するため、通所者の体温を計測するサーマルカメラ、測定した体温を表示するデジタルサイネージを導入。検温チェックが自動化されたほか万全な感染対策のアピールにもつながり、利用者が安心して施設を使える環境を実現している。

  • 新型コロナ感染対策
  • 業務の効率向上

2020年11月取材

医療法人社団 愛清 介護老人保健施設せせらぎ

導入先の概要

業種
医療法人社団
事業内容
医療ケア、介護サービス、リハビリテーション
従業員数
60名(2020年11月現在)
ホームページ
https://www.aisei-dc.jp/page10

導入の狙い

  • 通所者に行う検温を、ITを用いて徹底しつつ効率アップしたい
  • 新型コロナ感染対策を強化し、利用者に安心感を提供したい

解決策

  • サーマルカメラとデジタルサイネージを組み合わせた検温ソリューションを導入

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
デジタルサイネージソリューションデジタルサイネージお問い合わせ
映像周辺機器HDMIエクステンダー

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導入事例詳細

笑顔とふれあいを大切にしたアットホームな施設

事務長 船山 政幸氏

医療法人社団 愛清 介護老人保健施設せせらぎ(以下、せせらぎ)は、神奈川県愛川町やその周辺の高齢者向けに、医療的ケアと介護サービスの両方を提供する施設だ。「笑顔とふれあいを大切にしたアットホームな施設」を目指し、医師、看護職員、介護職員、理学(作業)療法士、支援相談員、ケアマネージャーなど、総勢60名のスタッフが心のこもった医療・介護サービスを提供している。

介護老人保健施設とは、介護保険が適用されるサービスを提供し、在宅への復帰を目標に心身の機能回復訓練をする施設である。せせらぎでは、病状安定期にある要介護者に対して快適な時間を送ってもらえるよう高齢者ケアの基本を踏まえた日常生活サービスやリハビリテーションを提供し、利用者のQOL(生活の質)の向上を図っている。

「現在、66名の入所者と30名の通所者に当施設をご利用いただいています。そのうち、通所者は新型コロナウイルスの感染拡大とともに、一時は1日10名前後まで減少しました。しかし感染がやや落ち着き、その数は回復しています」と事務長の船山 政幸氏は語る。

新型コロナ対策でサーマルカメラとデジタルサイネージを導入

事務課長 吉井 誠氏

せせらぎでは新型コロナウイルスのクラスター発生防止のため、入所者と通所者が直接接点を持たないようエリアを完全分離するなどの対応を取っているほか、徹底した検温を行っている。

「まずご自宅で体温を測っていただき、次に送迎車の中で、最後に施設に入ってからと、3回の検温を行っています。しかし、スタッフの人手が限られているので、通所者一人一人の体温をチェックするのは容易ではありませんでした」と語るのは、事務課長の吉井 誠氏だ。

そこで、せせらぎは自動検温のできるサーマルカメラとデジタルサイネージの導入を検討。ITを活用することで感染症対策をしっかりと行っていることを利用者にアピールし、安心して施設を利用してもらいたいという思いもあったという。

心強いサポート体制を評価

デジタルサイネージとサーマルカメラを入り口に設置。大きなサイネージが出迎えることで利用者に安心感を提供

せせらぎは、介護サービス施設が感染症対策に必要な物品を購入する場合、その費用を国が全額補助する制度を利用。2020年10月に大塚商会からサーマルカメラと、測定された体温を表示するためのデジタルサイネージを導入した。

大塚商会を選んだのは、複合機やPCなどの導入で以前から取引があったことに加え、同施設の理事長が以前教授として勤めていた大学で懇意にしていたからである。船山氏は「これまでの経験から、心強いサポート体制を高く評価して大塚商会さんにお願いすることにしました」と語る。

導入したのはサーマルカメラ1台と、施設の入り口用(32インチ)と事務室用(21.5インチ)にデジタルサイネージを2台、そして2台のサイネージをLANケーブルでつなぐためのHDMIエクステンダーだ。これらの全てを大塚商会から導入した。

車いすの利用者に配慮してスタンドを円形キャスターに

サイネージのスタンドは車いすが引っ掛かり転倒しないよう、円形でキャスター状のものを選定

せせらぎが選んだサイネージは、シンプルな操作でさまざまな映像や画像が表示できる多機能型デジタルサイネージである。表示も非常に美しく、19V型から58V型まで、画面サイズのバリエーションも充実しているのが特長だ。

せせらぎは当初、21.5インチのサイネージを入り口と事務室のそれぞれに設置することを検討していたが、大塚商会が設置予定スペースを確認し、「この広さなら、もっと大きなサイネージが置けます」と入り口については32インチを置くことを提案。大きなサイネージの方が高齢者には見やすく感染対策のアピールもしやすいということで、同施設は大塚商会の提案を採用した。

また、入り口に設置するサイネージについては、スタンドを円形のキャスター状のものにしている。これは車いすを使用する利用者がスタンドの足に車いすを引っ掛けて転倒しないようにするための配慮である。さらに、サーマルカメラの高さに関しても車いすの利用者がきちんと画面に映るよう、高い位置に角度をつけて設置している。

警告体温の設定をより厳格に

機器の設置や設定は全て大塚商会とメーカーが行い、導入したその日からすぐに使用を開始することができた。

入り口に32インチのサイネージとサーマルカメラを設置。サイネージには、サーマルカメラによって撮影された来訪者の映像とともに、その体温が表示される仕組みである。さらに、同じ映像はLANケーブルとHDMIエクステンダーを経由して事務室側の21.5インチのサイネージにも表示される。入り口側だけでなく、事務室側でも体温を二重にチェックすることで、万全を期すことにした。

また、一般にこうした検温における警告体温は37.5℃に設定されるが、せせらぎではやや低めの37℃に設定している。「要介護状態の高齢者をケアする当施設にとって、厳格な感染症対策を行うのは当然のことです。大塚商会さんのおかげで万全の体制を整えられたことには、本当に感謝しています」と船山氏は語る。

来所が集中する時間帯でもスムーズに検温が完了

サーマルカメラは車いすの利用者もきちんと映り込むよう、天井付近から角度をつけて設置している

自動検温の仕組みを整えたことで、せせらぎにおける通所者の受け入れは、よりスムーズになった。

サーマルカメラとデジタルサイネージを導入してからも自宅と送迎車の中での検温は続けており、入り口を含めた三重の検温体制は維持している。しかし、「通所送迎は毎日午前10時ごろに集中し、多いときには一度に7~8名が同時に来所するので、非常に手間がかかっていました。それが、入り口を通過してもらうだけで体温が測れるようになったので、非常に助かっています。入り口で通所者を待たせることがなくなったことも、ありがたい点です」と吉井氏は語る。

また、デジタルサイネージに自分の体温が表示されることは、通所者の安心感にも結び付いているようだ。「『今日も平熱だね』とほっとしてくださると、こちらの気持ちも軽くなります。安心して施設に入り、リハビリテーションなどに励んでもらえる環境が整いました。何より、施設に入ると大きなサイネージが出迎えてくれることで、『感染症対策をしっかりと行っているのだな』と思ってもらえるようになったことは、大きな導入効果だと思います」と船山氏は評価する。

検温以外での活用も検討

HDMIエクステンダーを経由し、入り口のサイネージ映像を事務室にも表示。検温結果をスタッフがダブルチェックし、より徹底した感染対策が可能に

せせらぎでは、今後もデジタルサイネージの活用を進めていく方針だ。検温だけでなく、利用者向けの案内掲示板として利用するなど、さまざまな用途を検討している。吉井氏は、「デジタルサイネージには、スマートフォンで撮った写真や動画を表示するなど、さまざまな機能があるようなので、大塚商会さんにはいろいろな使い方を提案していただきたいですね」と期待する。

最後に船山氏は、大塚商会に「利用者の皆様にもっと施設を楽しんでいただけるような仕掛けや、職員の負担を軽減するシステムなどを、これからも提案していただけるとありがたいです」と要望した。

大塚商会担当者からのコメント

「検温以外の活用法についてもご提案します」

医療法人社団 愛清 介護老人保健施設せせらぎ様からは、検温以外のデジタルサイネージの活用法についても教えてほしいというご要望をいただいています。これからも、より幅広い使い方を提案させていただきます。

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