仕掛品の数量管理で「生産を止めない」体制を構築

仕掛品在庫の「見える化」と不良率を把握する仕組みで社内の意識改善が進展

株式会社ベンリナー 導入事例

製造業1~100名ERP・基幹業務・業務管理コスト削減・売り上げ向上営業・業務プロセス効率化

万能野菜調理器を製造する株式会社ベンリナーは、最新の『SMILE V 販売』を導入。アプリケーション開発ツールを使って、仕掛品の数量を把握できる生産管理の仕組みを構築した。また、業務報告システム『快作レポート+』も導入し、部品の不良率とその原因を可視化することで、現場の意識改善につながっている。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上対策

株式会社ベンリナー

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
野菜調理器具製造
従業員数
36名(2020年6月現在)
ホームページ
http://www.benriner.co.jp/

導入の狙い

  • 仕掛品ごとの在庫数量を把握したい
  • 不良率を可視化して生産ロスを抑えたい

解決策

  • 仕掛品の数量を入力できるように販売管理システムを開発ツールでカスタマイズ
  • 業務報告システムで部品のロット管理を行い、不良率を把握する仕組みを採用
  • 拡張項目機能を使って、製品別や輸出先別などの売り上げを正確に把握

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 販売お問い合わせ
アプリケーション開発ツールSMILE Custom AP Builder(CAB)お問い合わせ
業務報告システム快作レポート+お問い合わせ

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株式会社ベンリナー 導入事例(PDF:3,023KB)

導入事例詳細

野菜をカンタンにスライスできる万能野菜調理器のパイオニア

株式会社ベンリナー(以下、ベンリナー)は、野菜をスライスする万能野菜調理器「ベンリナー」をはじめ、千切り、細切りする「コックヘルプ」、野菜を麺のように切る「菜麺器」など、さまざまな野菜調理器を製造するメーカーだ。

看板商品の「ベンリナー」は1950年に誕生。板状の本体の中央部にステンレス刃を仕込み、野菜を滑らせるだけで簡単にスライスできるのが特長である。家庭用も販売しているが、プロの調理師の下ごしらえ作業がはかどることから、生産量の半分以上は業務用が占めている。また、7割は海外に輸出しており、輸出先は25カ国に上る。

「当初は本体が木製でしたが、その後プラスチック製に変更し、安全器具や受け皿付きのものを開発するなど、誕生から70年の歴史とともに進化を続けてきました。最新モデルはスライスの厚さや粗さに変化をつけるため、交換刃を3枚用意しています」と語るのは同社代表取締役の山本 始氏である。

もう一つの人気商品である菜麺器については、「ローフード(生食を中心とする食生活)志向の高まりから、野菜を麺のようにして食べられる菜麺器を求めるお客様が増えています。今後も時代のニーズに対応した新製品を開発していきたいです」と山本氏は語る。

カスタマイズの柔軟性が高い『SMILE V 販売』を選定

代表取締役 山本 始氏

ベンリナーと大塚商会との取引は、同社が販売管理システムをリプレースしたときから始まる。以前に使用していたシステムは伝票発行機のような機能しかなく、在庫管理や売上管理、データ集計などに活用できないという不満があった。

老朽化してきたこともありシステムの刷新を検討した山本氏は、インターネットでさまざまな販売管理システムの情報収集を開始。大塚商会のERPナビにたどり着き、「導入コストが相対的にリーズナブルで、機能も充実していた」(山本氏)という大塚商会の『SMILE V 販売』を選定した。

『SMILE V 販売』を選んだもう一つの理由として、「業務に応じて柔軟にカスタマイズできる点」がある。『SMILE』シリーズには、『SMILE Custom AP Builder (CAB)』があり、業種や商習慣などに応じてユーザー自身が必要な機能を簡単に追加できる。選択やチェック形式で容易にパラメーター設定を行え、一般的な開発言語でのプログラム開発と比べて価格や納期を削減できる点も魅力の一つだ。山本氏は、「この開発ツールを活用すれば、製造現場が長年抱えてきた課題を解決する仕組みを作れるのではないか」と考えた。

仕掛品在庫の数量を「見える化」したい

ベンリナーの製造現場が長年抱えてきた課題とは、仕掛品在庫の数量を正確に把握することであった。同社はさまざまな野菜調理器を製造しており、それぞれのシリーズの中にも多様なバリエーションがある。また、各部品の製造工程は、刃物であれば「コイルカット」「バリ取り」「目立て」といったように多工程にわたり、製品、部品、工程別に仕掛品として在庫管理している。結果として仕掛品の種類は膨大になるが、課題はそれぞれの工程での仕掛品が「今、幾つあるのか」を正確につかめないことだった

「製造現場の担当者たちが目分量で仕掛品の数量が足りているかどうかをチェックしていたので、いざ製品を受注したものの数量が足りず、作ろうにも作れないというトラブルが少なからずありました。逆に、仕掛品を余分に作り過ぎてしまい、無駄な原料費がかかってしまったこともあります。納期を守りコストを抑えるためには、仕掛品の数量を正確に把握できる仕組みが不可欠だと思ったのです」(山本氏)

山本氏は、柔軟にカスタマイズできる『SMILE V』なら、そのような仕組みが簡単に作れるのではないかと考えた。

あえて生産管理システムは導入せず現場が使いやすい仕組みを構築

ベンリナーは、仕掛品の在庫数量を把握する仕組みとして、CABを使い、『SMILE V 販売』に「作業日報管理」という機能を追加した。これは、調理器の刃物部分を製造する担当者が、どこまでの仕掛品を1日に何枚作ったのかを報告するための機能だ。

「従来は紙の台帳に記入していたのですが、記入ミスや記入漏れが多く正確性を欠いていたので、システムに入力することにしました。毎日正確に数えて、必ず入力するというルールを徹底したことで、在庫把握の精度が上がりました」

この機能を使うようになってからは、加工工程別の仕掛品の在庫数量を把握できるようになり、工程内の課題発見に効果を発揮。工程間の滞留時間が10%短縮され、製造リードタイム全体の効率アップにつながっているという。

一般にこうした仕組みは生産管理システムの導入によって実現するが、ベンリナーはあえてそうせず、販売管理システムに機能を付け加えることで実現している。山本氏は、「現場の製造担当者にはITに不慣れな人も多いので、複雑な生産管理システムではかえって効率が下がるのではないかと思いました。『日報を入力する』というシンプルな仕組みにしたことが成功の秘訣(ひけつ)です」と語る。

組み立て工程の在庫管理には『快作レポート+』を活用

こうしてベンリナーは刃物の仕掛品管理の課題を解決したが、野菜調理器のもう一つの部品である樹脂プラスチック製の本体についても、合理的に在庫管理できる仕組みを採り入れたいと考えた。そこで、大塚商会の提案を受けて導入したのが『快作レポート+』という業務報告システムである。

『快作レポート+』は、タブレット端末を使ってさまざまな報告を行えるツールだ。ベンリナーはこれを組み立て・梱包(こんぽう)・出荷現場に導入し、色や形状などのバリエーションがさまざまな本体部品を、種類別に保管・管理するための仕組みとして使うことにした。具体的には、まず成形加工が済んで入庫された本体部品を種類別に段ボール箱へ入れ、『快作レポート+』を使って段ボール箱ごとのシリアル番号を発行。次に、データ連携させたプリンターで番号と2次元バーコードを付けたラベルを出力し段ボールに貼って、箱ごと部品在庫を管理するという方法を確立したのである。

不良品率と原因の可視化で不良を減らす意識が芽生える

かつては本体部品を種類別に管理していなかったため、受注のたびに混在する部品の中から必要なものを取り出して組み立てていた。しかし、これでは部品を探すだけで時間がかかり、必要な数量がそろっているかどうかも確認できない。

「段ボール箱ごとに本体部品を管理するようにしたことで、種類別の数量把握が容易になり、ピッキングも格段にしやすくなりました」と山本氏は満足そうに語る。

また、種類別の管理を実現した結果、どの本体部品にどれだけの不良品が出ているのかも把握できるようになった。同社は、『快作レポート+』のレポート画面に不良の理由と個数を入力する項目を付け加え、製造現場の担当者に確認して入力するルールを作った。

山本氏は、「各仕掛品の品目別で不良品の種類別数量が把握できるので、成形部門での改善課題が明確になり、対処策を打ち出しやすくなりました。従来は経験則で不良率を管理していましたが、具体的な数量が把握できるようになったことで、プラスチック成型品の不良率は20%も改善されています」と評価する。

輸出国別、製品別の売れ筋も一目瞭然に

刃物の仕掛品管理は『SMILE V 販売』、本体部品の在庫管理は『快作レポート+』と、ベンリナーは大塚商会が提案したシステムを使い分けて業務の合理化を実現した。これによって、余分な仕掛品や部品在庫は減り、現場の業務効率も大幅に改善されるという効果が表れている。

さらに山本氏は、『SMILE V 販売』によって、製品別や輸出先別の売り上げを正確に把握できるようになったことも高く評価している。

「『SMILE V』は、自由に項目を追加できる拡張項目機能があり、受注案件に対して複数のコードが設定できるので、新たに出荷先別のコードを追加してみました。これによって国や地域ごとの売れ筋の傾向が把握できるようになり、今後の生産計画の重要な判断基準となるデータになりました」

山本氏は大塚商会について、「対応が丁寧で、こちらの要望をしっかりと踏まえた提案をしてくれることに感謝しています。これからも業務改善につながる力強い支援をお願いしたいです」と話を締めくくった。

大塚商会担当者からのコメント

「お客様の状況に合わせた柔軟なソリューションを提案します」

株式会社ベンリナー様の『SMILE V 販売』の導入では、システムに置き換えにくい業務はそのまま残すなど、実務の利便性を考慮して柔軟に対応しました。これからもお客様の状況に合わせた提案を心掛けます。

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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