県内屈指のスピードでGIGAスクール対応を実現

タブレット端末を効果的に取り入れ、児童・生徒の学習意欲を向上させる。先進的な授業が実現

宮城県名取市教育委員会 導入事例

官公庁・自治体101~1,000名モバイル・タブレット活用ネットワーク環境の構築・改善

小中一貫教育やICT教育といった先進的な教育方針を推進している宮城県名取市教育委員会は、2021年に前倒しされたGIGAスクール構想実現に伴い、iPadをはじめとしたICT機器を大塚商会を通して導入。わずか2カ月で市内の小・中・義務教育学校の全15校への導入が完了し、授業での積極的な活用が進んでいる。

  • 教育のICT化
  • 業務効率の向上

2021年11月取材

宮城県名取市教育委員会

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
所管の学校その他の教育機関の管理
職員数
626名(2021年4月現在)
ホームページ
https://www.city.natori.miyagi.jp/

導入の狙い

  • GIGAスクール構想に対応した環境を整えたい
  • ICT環境が整い次第、教員が速やかかつ十分に活用できる体制を整えたい

解決策

  • iPad、モニターなどを導入し授業に活用
  • 大塚商会の教職員向けセミナーを実施

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
 iPad (7,700台)お問い合わせ
 モニター (173台)-
 移動式モニター (53台)-
 プロジェクター (20台)-
 Apple TV (246台)お問い合わせ
MDMツールmobiconnect-

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宮城県名取市教育委員会 導入事例(PDF:2,797KB)

導入事例詳細

独自の教育理念を持ち、小中連携などに力を入れる自治体

鈴木 博幸氏

名取市教育委員会 理事兼 学校教育課長 鈴木 博幸氏

宮城県南東部にある名取市は、仙台空港が位置する東北の空の玄関口だ。東北新幹線や仙台東部道路、国道4号線が縦断し、東北の交通網の中心としても発展している。名取市を代表する農産物としては全国屈指の生産量を誇る仙台セリや東北生産量トップのカーネーションなどが挙げられる。

小学校10校、中学校4校、義務教育学校1校を有する同市の主な教育方針は「学校教育・家庭教育・地域教育の三位一体で『生きる力』を育む」ことだ。

「当市では防災教育に力を入れるほか、地域の特性を生かした教育も取り入れています」と語るのは、名取市教育委員会 理事兼 学校教育課長の鈴木 博幸氏だ。 地域の歴史や文化を学んだり、近隣大学と連携したりするなど、従来の形式にとらわれない学びが実践されている点も特長といえよう。

最大の特長は小中連携に力を入れていることだ。2018年に市内初の小中一貫教育を行う閖上(ゆりあげ)小中学校を開校し、4・3・2制を敷いて中一ギャップの解消などに取り組んでいる。この取り組みを紹介するために他地域の教育委員会の視察を受け入れるなど、先進的な教育の拡充に注力している。

前倒しされたGIGAスクール構想への、早急な対応が必要に

写真は名取市役所庁舎。仙台空港が位置する宮城県名取市は、東北の空の玄関口として発展。教育においては、地域の特性を生かした独自の取り組みを進めている

名取市では2016~2017年に市内1校を対象としてICTモデル事業を実施し、学習のねらいを達成するうえで効果的なタブレット端末の利用法や利用すべき場面について検証を行い、そこでの成果・課題を授業公開や研修会を通して市内各校と共有した。これらの実績を踏まえつつ、GIGAスクール構想におけるタブレット端末の活用法についても、授業で実際に使用しながら検証を続けてきた。しかし、当初5カ年計画が予定されていたGIGAスクール構想は、2020年のコロナ禍によって大幅に予定を前倒しすることが文部科学省より発表される。「これにより、名取市は2021年4月からGIGAスクール構想の本格的な実施が求められることとなり、早急な環境整備が必要となりました」(名取市教育委員会 学校教育課 指導主事 森下 博史氏)

大塚商会のサポートで、迅速にICT教育環を整備

ICT導入の支援業者を選定するに当たり名取市が重視した要件の一つが、60インチ以上のモニターを納品可能かという点だった。名取市教育委員会 学校教育課 課長補佐の尾形 充氏は「各教室に1台大型モニターを設置し、児童・生徒が教室のどこからでもモニターに映し出された情報を確認できる環境を整えたいと思いました。それには大型モニターの調達が不可欠となります。60インチ以上であることを最低条件に、なるべく大きなモニターを準備できる業者を選定したいと思いました」と振り返る。

支援業者の入札は2020年7月に実施され、最終的に大塚商会を選定。条件としていたモニターのサイズも、希望を上回る65インチの製品を納入することになり、現場からも高評価をもって受け入れられたという。

またタブレット端末の選定に当たっては、iPad7,700台を導入した。その理由について鈴木氏は「2年前からタブレット端末選定委員会を立ち上げ、現場の教員の声も取り入れながらタブレットの選定を進めました。また、2016~2017年にICTモデル事業を実施しましたが、その際にiPadを導入した実績を踏まえてもいます」と語る。

森下 博史氏

名取市教育委員会 学校教育課 指導主事 森下 博史氏

尾形 充氏

名取市教育委員会 学校教育課 課長補佐 尾形 充氏

ICT機器の導入は、2020年10月に1校目が完了。12月には市内全ての小・中・義務教育学校に導入が完了している。「導入完了まで2カ月という短期間に収めることができました。結果的に県内屈指のスピードで導入が完了し、地元のテレビ局でも紹介されました」(森下氏)

導入に当たっては、2カ月で15校へ機器を納品し運用を開始するというハードスケジュールだったため、十分に機器を活用できる体制を整えられるよう、オンラインで教職員向けにiPadの基本操作と活用方法についての研修を計9回実施した

「当初は対面で実施する予定でしたが、当時は新型コロナウイルスの感染者が増えているという事情もあったため、オンラインへ切り替えました。教職員にとっても慣れない分野の研修でしたが、きめ細かい大塚商会さんのサポートを利用したことにより、スムーズに活用できています」(尾形氏)

ICT機器を活用した授業風景。iPadを活用することで誰でも積極的に授業へ参加できる。また、板書とモニターを併用することにより、教職員の負担も軽減した

児童・生徒の学習への取り組みに変化

音楽の授業でのワンシーン。担任の先生のトライアングルの演奏を児童がiPadで撮影。モニターへミラーリングすることで、どの席からも分かりやすい授業に

ICT機器の導入以降、名取市の教育現場ではタブレット端末を使用した授業も見られるようになった。例えば、教職員や児童・生徒が利用するiPadは、Apple TVを使って各教室の教壇横に設置された大型モニターにミラーリングすることで活用している。

「授業の準備として、図、絵等の教材を生徒が見やすいように、大きな模造紙に拡大して作図するなどの作業がありました。しかしタブレット端末や大型提示装置の導入により、この教材提示が円滑に行われることが多くなりました」(森下氏)

また、クラス内で話し合いの場を設けるときは、児童・生徒が自分の意見をiPadに入力し大型モニターに掲示することで、板書しなくてもスムーズに共有が可能になった。総合的な学習の授業では、児童・生徒がGoogleスライドやKeynoteといったアプリケーションを使って、研究発表の資料を作る。

「これまでは、児童・生徒が自分の考えを授業で発表する際、黒板やホワイトボードへ手書きしていました。現在はiPadで入力した内容をそのままモニターに映し出すこともできるため、参加の仕方に幅ができました」(森下氏)

なお、特別教室や体育館といった校内全てのスペースでモニターを活用できるよう、移動式モニターも導入している。

また音楽・体育などの実技教科では、生徒同士がお互いの様子をiPadで録画し、自分の動きや演奏の確認に利用している。「以前は生徒が口頭で内容を伝え合ったり、撮影するために学校に数台しかないビデオカメラの順番待ちをしたりするなど、フィードバックの正確性や動画活用の利便性の面で苦労することもありました。iPadの導入により、簡単に確認できるようになったことは大きな効果です」(森下氏)

一方、ICT教育を進める中で、従来の形式の方が適切に情報を伝えられる内容の授業もあることにも気付いたという。「重要なのは児童・生徒の興味関心を高めながら学習のねらいが達成できるような環境づくりであり、従来の手書きの板書やノートの使用による良さや効果も大切にしながらICT機器を有効に活用していくことが課題であると考えます」(森下氏)

また、名取市では今度、ICT支援員の導入を検討している。「機器トラブルや事業支援などに対応できる人材を市内全域に配備していきたいと思います」(尾形氏)

名取市は今後もICT教育を積極的に活用し、「総合的に生きる力を育む」同市の教育を進めていく考えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「スピーディーなGIGAスクール対応を実現した好事例です」

宮城県名取市教育委員会様は、スピーディーにICT機器を導入し、県内屈指のスピードでGIGAスクール対応を実現しました。今後も同市のICT教育の推進に役立つ情報をご提供します。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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