業務を効率化するアプリを自作し行政DXを推進

LGWANから安全にクラウドへ接続。『kintone』と連携サービスを活用して、多様な庁内業務を職員自ら効率化

大阪府堺市 kintone 導入事例

官公庁・自治体1,001名~文書管理・電子契約・ペーパーレスクラウド情報共有・会議システム経営基盤強化・リスク対策機密漏えい・外部侵入対策

大阪府堺市は業務アプリ構築クラウドサービス『kintone』を導入するとともに、LGWAN(総合行政ネットワーク)からクラウドサービスへ安全に接続できる環境を整備。各部署で内製するアプリによって多くの業務を効率化した。アプリの利用をより便利にする連携サービスも活用し、行政DXを着実に推し進めている。

  • 業務効率の向上
  • 社内の情報共有
  • ペーパーレス

大阪府堺市

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
行政
職員数
5,517名(2025年4月現在)
ホームページ
https://www.city.sakai.lg.jp/

導入の狙い

  • 業務を効率化するアプリを低コストで内製したい
  • LGWANからクラウドサービスへ安全に接続できるようにしたい
  • ライセンスのない職員でも業務アプリへのアクセスを可能にしたい

解決策

  • ゲートウェイサービス『moconavi』を導入し、業務アプリ構築クラウドサービス『kintone』が全庁で利用できる環境を構築。さらに、『PrintCreator』などのkintone連携サービスも活用する

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
業務アプリ構築クラウドサービスkintoneお問い合わせ
ゲートウェイサービスmoconavi LGWAN クラウドゲートウェイサービス-
kintone連携サービスPrintCreator-
FormBridge-
kViewer-

この事例を印刷、保存しますか?(無料)*内容は同じです

整形ずみPDFを入手

大阪府堺市 kintone 導入事例(PDF:3,540KB)

導入事例詳細

ICTの戦略的な活用で行政の効率化を推進する大都市

人口約80万人を擁する大阪府堺市は、人口・面積とも大阪市に次いで府内第2位の政令指定都市だ。「堺」の地名は、旧摂津国と旧和泉国、旧河内国の三国の境(さかい)にあったことに由来するといわれている。古代に仁徳天皇陵を含む世界遺産の百舌鳥古墳群が築造され、中世には海外交易の拠点となって国内では他に類を見ない「自由・自治都市」が形成されるなど、豊かな歴史を育んできた。

現代においても、関西圏のほぼ中央に位置し、幹線道路のネットワーク整備が進んでいるうえ、関西国際空港や堺泉北港を通じて国内の主要都市や海外にもアクセスしやすい地の利から、石油化学、エネルギー、金属、機械をはじめとする企業・工場が多数立地しており、工業生産額は全国の政令指定都市の中で最も大きい。さらに、近年は先端産業や優れた環境技術を有する企業が新たに進出し、高付加価値型産業の集積も加速している。

一方で、人口は2012年をピークに減少へ転じており、持続可能な都市づくりに向けてさまざまなイノベーションを起こし、人や企業を引き付ける都市の魅力を創出することが急務となっている。

ICTイノベーション推進室 主幹 新谷 朝子氏

「その実現には、ICTを有効に活用した行政の効率化が欠かせません。そこで2020年に市長直轄の組織として、ICTイノベーション推進室が開設されました」と説明するのは、ICTイノベーション推進室 主幹の新谷 朝子氏だ。

ICTイノベーション推進室 那須 隆弘氏

さらにICTイノベーション推進室の那須 隆弘氏は、「約40名で構成される当室は、ICTの戦略的な活用で全庁の業務改善を図るとともに、デジタル化の妨げとなるアナログ規制の見直しも進めながら、市政のDXと市民サービス向上に取り組んでいます」と、その役割について説明を加える。

安全なクラウド接続環境を確立し『kintone』の活用を促進

ICTイノベーション推進室の取り組みの一つが、大塚商会を通じて5年ほど前に導入したサイボウズの業務アプリ構築クラウドサービス『kintone』の活用である。専門的なプログラミング知識がなくても、ノーコードで業務のシステム化や効率化を図れるアプリを自作できる『kintone』は、部署ごとに業務内容や手続きの方法などが大きく異なる自治体には、広く活用できると考えられたのだ。実際に堺市では、複数の部署でいくつかのアプリを作成しており、業務効率化に有用なことが明らかになったため、全庁での利用が検討され始めた。

そこで障壁となったのが、自治体間を相互に結び、政府共通ネットワークとも接続する行政専用のネットワーク「総合行政ネットワーク(LGWAN)」だ。閉域ネットワークを利用しているためセキュリティが高く、機密性の高い個人情報を安全に取り扱えるメリットがある。一方で、一般のインターネットには直接アクセスできないので、クラウドサービスの利用が制限されてしまう。

「そんなジレンマを打破するきっかけとなったのが、LGWANからクラウドサービスへ安全にアクセスする手段として、『moconavi LGWAN クラウドゲートウェイサービス』(以下、『moconavi』)の活用を大塚商会さんから提案されたことでした」と新谷氏は振り返る。

全庁で業務アプリの作成が活発に

堺市役所は本館と高層館で構成されている。高層館最上階の21階は無料の展望ロビーとして開放されており、多くの市民や観光客が訪れている

『moconavi』は、通信の分離・無害化機能で高いセキュリティを保ちながら、LGWAN環境からインターネット環境へのシームレスな接続を可能にするのが最大の特長だ。これを利用すれば、全庁の各部署で『kintone』と『kintone』の連携サービス(プラグイン)が利用できることに期待をしていた。また、『kintone』によって業務生産性を高めた他の自治体の事例も後押しとなり、ICTイノベーション推進室は『moconavi』を利用して『kintone』を全庁に展開する方針を策定。2024年9月には、実際の業務で試用する検証をスタートさせた。

約10カ月に及ぶ検証過程で個人情報を安全にやりとりできることを十分に確認できた同室は、2025年7月に全庁の業務を対象として本稼働を開始。その間、『kintone』の利用ガイドラインを作成して、運用ルールを周知した。『moconavi』導入にあたり、同製品メーカーのレコモットは『moconavi』の設定時に安全性を徹底的にチェックするとともに、セキュリティガバナンスの構築についてもきめ細かく支援してくれたという。

そのセキュリティガバナンスの下でアプリの自由な試作を認める一方、いわゆる“野良アプリ”の乱立を抑止するべく、業務での利用を正規に始める際は事前申請を必須にした。そうして職員が試作したアプリは累計1,000本を超え、うち実業務での利用を正式に登録したアプリは100本以上となった。

「『kintone』活用の方針を全庁に通知したときの反響は非常に大きく、Webで開催した説明会には前例がないほど多数の職員が参加しました。業務効率化に対する各職員の意欲の大きさが、このような実績に結び付いたのだと思います」と那須氏は語る。

連携サービスを有効に用いて『kintone』の利用範囲を拡大

庁内における各種申請・承認フローを円滑にするアプリは、『kintone』で構築した代表例だ。従来は紙やExcelで申請書を作成し、手渡しやメール添付でやりとりしていたが、書式を統一してアプリに移行すると、手続きのスピードがアップ。現場からは「メールのラリーがなくなった」「ペーパーレス化が進んだ」といった声が届いているという。

市民からの申請への対応でも活用されている。申請アプリと、kintone連携サービスを提供するトヨクモの書類・帳票作成ツール『PrintCreator』を連携させ、申請に対する許可書等の交付文書を速やかに作成できるようにもなった。「1件の申請に対する複数の通知がワンクリックで作成できるのが非常に便利で、多くの部署で利用されています」と新谷氏は話す。

また、退職した職員がかつてAccessで作成したデータベースはメンテナンスが難しくなっていたが、今、その多くが『kintone』に移行しつつあり、多大な業務効率化が図られている。

ライセンスがなくてもデータ入力や情報共有が可能に

堺市の職員は約5,500名で、会計年度任用職員や非常勤職員、業務委託先も含めるとおよそ9,000名に上る。その全員に『kintone』のライセンスを付与することは難しく、現在は約3,600IDに限られている。そこで、『kintone』を利用する業務の多くではライセンスが必要であるものの、入力のみができる補助的なツールとして、トヨクモのWebフォーム作成ツール『FormBridge』を導入。ライセンスを持たない職員などでもデータ入力はできるようにして、さらなる業務効率化を進めている

一例として、これまで別のシステムで行っていた約130台の公用車の運転日報の入力を、『kintone』で作成した管理アプリへ『FormBridge』からデータ入力する運用を2026年4月に開始したところだ。

『FormBridge』は、学校の活動を支援してくれる外部スタッフの活動報告にも活用している。こちらも、これまでは専用のシステムで管理していたが、そのシステムが更新時期を迎えたのを機に新しいアプリへ刷新した。

また、同じくトヨクモの情報共有ツール『kViewer』も導入。『kintone』のアプリに蓄積された情報のうち、必要な情報のみを抜き出して他の職員が閲覧できる仕組みを作り、情報共有を図っている

業務改善に対する職員の意識が大きく向上

仁徳天皇陵古墳に隣接する大仙公園内では、2025年10月から気球の運行を開始した。上空100mの高さから世界遺産を眺められるとあって人気を博している

『kintone』と『moconavi』、さらにkintone連携サービスを組み合わせた堺市の業務効率化の取り組みは、当初の想定を上回る速度で進展しているという。「高額なシステムを導入することなく、各業務にフィットするアプリを低コストで作れる環境が整った結果、自らの工夫で業務を改善しようとする風土が全庁に醸成されつつあります」と新谷氏はその効果を語る。

背景には、大塚商会に加えてメーカー各社によるサポートがある。レコモットは、前述のセキュリティガバナンス構築に加え、『kintone』へのログインに際し、ID・パスワードの入力を省略できる設定を用意するなど利便性の向上も図った。サイボウズとトヨクモは、研修動画の提供などで活用を支援。大塚商会は各社と協力し、アプリ作成のワークショップを開催するなど『kintone』の利用ハードルを下げる役割を担った。

那須氏はそのことに謝意を表しつつ、「生産性を高める余地はまだまだあるので、『kintone』と連携サービスを使った業務改善をさらに活性化させたいと考えています」と話す。ICTイノベーション推進室は、引き続き行政DXを推進していく構えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「大阪府堺市様の業務効率化を全力で伴走支援していきます」

行政DXの推進は、多くの自治体にとって喫緊の課題です。大塚商会は、他自治体の先進事例もご紹介しながら、今後も大阪府堺市様へ最適なソリューションとその活用を積極的にご提案していきます。

この事例を印刷、保存しますか?(無料)*内容は同じです

  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

整形ずみPDFを入手

大阪府堺市 kintone 導入事例(PDF:3,540KB)

  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

大塚商会は、オフィスIT全般について、幅広く対応します

大塚商会は、お客様のビジネスチャンスの獲得やコスト削減・生産性向上・競争力強化といった課題や要望に対するソリューションをワンストップでご提供しています。
また、販売したコンピューター・サーバー・通信機器・複合機などのあらゆるオフィス機器、ネットワーク設備、ソフトウェアの保守サービスを、当社が行う「自営保守」の原則があります。そして、多くのスタッフや専用回線を持つたよれーるコンタクトセンター、全国に展開するサポート拠点、社内に数多く在籍する公的資格・メーカー認定資格者が、お客様を強力にサポートしています。

大塚商会の企業情報

大塚商会のサポートは、さまざまなメーカー・機器にも対応!

お客様のお手間を取らせず、一つの窓口でいつでも対応します。

導入後も支持される安心のアフターフォローとは?

オフィスのIT全般の導入について、お気軽にご相談ください。

最適なソフトを教えてほしい」「費用はいくらくらい?」などのご相談も承っておりますので、気になることはお気軽にご相談ください。

*メールでの連絡をご希望の方も、お問い合わせボタンをご利用ください。

ページID:00306958

ナビゲーションメニュー