『kintone』の効果的活用で行政DXを推進

「新・放課後子ども総合プラン」という先進的な取り組みの課題だった、毎日の出欠管理を『kintone』で省力化

愛知県豊橋市 導入事例

官公庁・自治体1,001名~製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

2020年度から新たな放課後教育「のびるんdeスクール」をスタートさせた愛知県豊橋市は、毎月の申し込みや当日の欠席連絡をスムーズに行える基盤構築が急務の課題になっていた。そこで『kintone』の新プラットフォームを構築し、活用。保護者の利便性向上と運営サイドの省力化の両面で大きな成果をあげている。

  • 行政DX推進
  • 業務省力化
  • 顧客対応の改善
  • ペーパーレス

愛知県豊橋市

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
行政
職員数
3,842名(2023年4月現在)
ホームページ
https://www.city.toyohashi.lg.jp/

導入の狙い

  • 毎月の体験学習の予定表を電子化して保護者に届けたい
  • 児童の出欠管理作業を省力化したい

解決策

  • 『kintone』の活用で保護者と管理者の双方にとってメリットがあるシステムを構築

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
業務アプリ構築PaaSkintoneお問い合わせ
トヨクモ kintone連携情報公開ツールkViewer-
トヨクモ kintone連携Webフォーム作成ツールFormBridge-

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愛知県豊橋市 導入事例(PDF:3,231KB)

導入事例詳細

いち早く地域密着型の放課後教育を実践

愛知県南東部に位置する豊橋市は人口約37万人で、中核市にも指定されている東三河の中心都市だ。三河港周辺は工業地域が形成される一方、温暖な気候にも恵まれて農業も盛んな同市は、広大な太平洋も一望できる豊かな自然環境が魅力だ。多くの自治体にとって人口減少が課題になる中、第6次豊橋市総合計画で掲げるまちづくりの基本理念である「私たちがつくる 未来をつくる」のもと、目指すまちの姿「未来を担う 人を育むまち・豊橋」実現のために、さまざまな取り組みを実施している。

豊橋市 教育委員会 教育部 生涯学習課 鈴木 麻奈未氏

文部科学省と厚生労働省の連携による「新・放課後子ども総合プラン」に対応した、豊橋市独自の取り組み「のびるんdeスクール」もその一つだ。教育委員会 教育部 生涯学習課の鈴木 麻奈未氏はこの取り組みについて、次のように説明する。

「教員の働き方改革の観点から、小学校の部活動が廃止されたことがそもそもの始まりでした。児童クラブとも連携した放課後の有効活用を考える中、注目したのは児童と地域の大人が交流する機会を積極的に作っていく、ということでした。幅広い年齢層間の交流は、児童の社会性を培ううえでも大きな意味を持つと考えたのがその理由です」

「のびるんdeスクール」が提供する体験学習内容は「スポーツ」「カルチャー」「アカデミー」の3ジャンルあり、例えばカルチャーでは地元楽器メーカーの社員が講師役を務める、というように地域の人たちと交流できるような仕掛けになっている。日替わりで提供されるメニューから児童が参加したい体験学習を自由に選んで申し込むというのが基本的な考え方で、日ごろ放課後児童クラブを利用している児童も申し込み可能だ。

「のびるんdeスクール」の公式マスコットキャラクター「のびたろう」。名前は市内在学の小学生から公募で決定した

2020年春、全52の小学校のうち、まず先行して二つの小学校で運用を開始する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大によって4、5月は休校を余儀なくされた。これにより6月からのスタートとなった「のびるんdeスクール」だが、実運用において真っ先に直面したのは、紙をベースにした申し込み手順の見直しだった。「児童や保護者は翌月の予定表から自由に体験活動のメニューを選んで参加するのが基本的な考え方です。そのために前もって予定表を配付するのですが、コロナ禍の休校中は学校で手渡しするわけにはいきませんでした。また、児童の保護者からの欠席連絡対応も課題の一つでした。当初は、私たちがまとめて全校分をメールで受け付け、各校にFAXで通知していましたが、これがとても大変でした。ちょうど自治体の行政手続きのオンライン化が国から周知され始めた時期だったこともあり、電子化を本格的に考えることになりました」(鈴木 麻奈未氏)

生涯学習課が当初採用したのは愛知県の電子申請・届け出システムだったが、その性格上、体験学習の申し込みや欠席連絡という用途にはうまくマッチしなかったという。例えば、予定表の確認と申し込みのために毎月新たなIDが発行されたり、スクリーンショットなどで申し込み内容を記録しておく必要があったりするなど、保護者の利便性という観点では課題が多かったという。

職員教育まで含めた総合力を高く評価

豊橋市 総務部 行政デジタル推進室 植草 大輔氏

管理業務の簡素化と保護者の利便性向上という二つの課題解決に向けて庁内で支援したのは、行政DX推進を目的に2021年度に新設された同庁の行政デジタル推進室だった。総務部 行政デジタル推進室の植草 大輔氏は、当時をこう振り返る。

「庁内のさまざまな課題に対し、デジタル技術を活用した業務変革を推進していくことが私たちの立ち位置です。生涯学習課から相談を受けたとき、まず注目したのは多くのユーザーに広く開かれたシステムの選定という観点でした。庁内ではAccessやExcelマクロで構築された多様なサブシステムが使用されていましたが、多くは属人化され、新たな用途に活用するのは困難でした。現場のひらめきが簡単にシステムに反映できる新たな基盤を構築したいと考える中、今回の生涯学習課からの相談はまさに適したプロジェクトでした」

第一段階として行政デジタル推進室では、生涯学習課と共に業務システムの一元運用が行えるSaaSを利用して実証実験を実施。効果を検証したうえで、本番システムの選定をプロポーザルで行うことになった。

「実証実験を行った製品以外も検討したいと考え、公募型プロポーザルを実施した結果、大塚商会さんによる『kintone』の提案を採用することになりました。『kintone』というツールの使いやすさもありますが、選定委員会で特に高く評価されたのは大塚商会が提案したサポート体制でした。職員が自分でプログラミングを行えることまで視野に入れた今回のプロポーザルで、大塚商会さんの提案はとても説得力があるものでした」(植草氏)

豊橋市 総務部 行政デジタル推進室 主査 鈴木 久美子氏

総務部 行政デジタル推進室 主査の鈴木 久美子氏も、次のように評価する。「プロポーザルでは製品提供、開発支援、職員教育の3項目の総合力を評価していますが、採用後の今、大塚商会さんはメーカーさんとタッグを組んだ職員研修にも熱を持って取り組んでいただいています」

2023年4月から全小学校を対象に全面運用をスタート

市内二つの小学校からスタートした「のびるんdeスクール」は、2021年度に12校に拡大。2022年度には市内52の全ての小学校へ展開を完了した。当初2022年9月から『kintone』運用開始を想定していた豊橋市は、1月に先行して2校で運用を開始し、2023年4月から全校へと展開するスケジュールの見直しを行っている。その理由を教育委員会 生涯学習課 主幹の住田 政大郎氏はこう説明する。

豊橋市 教育委員会 生涯学習課 主幹 住田 政大郎氏

「のびるんdeスクール」に対応したシステム構築は、大塚商会さんのSEの方が私たちへのヒアリングに基づき行っていますが、我々のITリテラシーの問題もあり、具体的なたたき台が出るまでは有意なコミュニケーションが取れなかったというのが反省点です。形が見えてからは急ピッチで作業が進んでいますが、今後の行政DX推進においても職員のITリテラシー向上は重要な課題であると感じました」

今回のソリューションの最大のポイントの一つが、閲覧者ごとに個別URLを用意することで、保護者がオンラインでスムーズにそれぞれの申し込みや欠席連絡を行えるようになった点にある。

「保護者のメールアドレス(ID)でログインすれば、申し込み内容が即座に確認でき、キャンセルも行えます。また、兄弟姉妹がいる場合も一つのIDで管理できるため、使いやすさは大きく向上します。1月に先行して行った2校の例では、保護者の問い合わせはゼロで非常にスムーズな導入が実現できたと考えていますが、全校展開にあたり、問い合わせに確実に対応できる体制の構築に力を入れています」(鈴木 麻奈未氏)

管理業務の大幅な省力化を実現

保護者の利便性向上と共に効果が期待されるのが、管理業務省力化への貢献である。参考データという位置付けになるが、2021年9月に12校の児童1,200名を対象に実施された以前の愛知県の電子申請・届け出システムによる電子化では、月次予定表の出力、配付、回収、集計の省力化により、一人あたり14時間/月の工数削減が実現されている。52校を対象にした今回の取り組みでは、より大きな成果につなげることができる。

「専門性あるスキルを持った地域の大人が講師を務め、児童と多様な交流を行う『のびるんdeスクール』はまさに地域密着型の取り組みです。職員も少しでも多く現場に足を運びたいと考えていますが、その実現には事務作業の省力化が大きな意味を持ちます。運営側にとっては、何よりもその効果が大きいと思います」(鈴木 麻奈未氏)

一方、現場レベルの当日の出欠管理は、今も『kintone』で集計したデータをFAXで各校に配信するという運用を継続している。

「公立小学校を基盤とする以上、放課後児童クラブと連携し、児童の出欠状況を正確に把握することはとても重要な課題です。そのため、現時点では誰もが確実に視認できる紙ベースの運用を継続していますが、将来的には、現場スタッフがタブレット上で管理できる体制に移行したいと考えています。豊橋市として全面的な電子化の仕組みを構築し、『のびるんdeスクール』と共に全国に発信することは今後の目標ですね」(鈴木 麻奈未氏)

豊橋市の先進的な取り組みにおいて、『kintone』と大塚商会は今後さらに大きな役割を果たすことになりそうだ。

大塚商会担当者からのコメント

「プログラミング教育まで含めた総合的なサポートをご提供します」

広く庁内に開かれた情報基盤を構築するうえでは、製品導入やシステム開発だけでなく、職員教育まで含めた取り組みが求められます。大塚商会は目的に応じた講師選定も含め、お取り組みを力強くサポートします。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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