受発注業務の手入力・転記の手間を解消

学校給食を手掛けるパンメーカーが給食受注システムを『SMILE V』で構築し入力の手間やミスを大幅に削減

クラウン製パン株式会社 導入事例

製造業101~1,000名ERP・基幹業務・業務管理多店舗・多拠点展開営業・業務プロセス効率化コスト削減・売り上げ向上

北九州を中心に広く給食事業を手掛けるクラウン製パン株式会社は、毎日数万食に及ぶ給食用パンの受注管理が大きな課題となっていた。旧受注システムのサポート終了を機に、同社は『SMILE V』を基盤とした新システムを構築。それにより業務が一気通貫し省力化やミス削減といった大きな成果につながっている。

  • 業務の効率向上
  • 生産性向上対策

2020年10月取材

クラウン製パン株式会社

導入先の概要

業種
パン菓子製造
事業内容
パン(食パン、菓子パン、フランスパンクロワッサンほか)、洋菓子の製造、北九州市内の小学校給食パン、米飯の委託加工
従業員数
350名(パート含む 2020年10月現在)
ホームページ
http://www.crown-pan.co.jp/

導入の狙い

  • データのインポートやエクスポートが可能なシステムを導入し、手入力や転記作業を減らしたい
  • 納品書や請求書への押印作業といった生産性の低い作業をなくしたい

解決策

  • 『SMILE V』の豊富な機能と柔軟性の高さを利用して給食受注用に特化したシステムを構築
  • 同業他社との共同開発や助成金の活用で導入コストの削減につなげる

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 販売お問い合わせ
アプリケーション開発ツールSMILE V Custom AP Builderお問い合わせ
システム開発事例学校給食管理システムお問い合わせ

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クラウン製パン株式会社 導入事例(PDF:2,562KB)

導入事例詳細

給食用を中軸として、製パン事業を多角的に展開

クラウン製パン株式会社(以下、クラウン製パン)は福岡・北九州の製パン事業者だ。戦後間もない1948年に創業し、長く学校給食用パンの製造を中心として事業を展開してきた。現在は北九州市内の約70%の小中学校のほか、行橋、豊前、宗像、福津各市の小中学校、近隣の病院・企業など合計8万人分の給食用パンを日々提供している。

その一方で、同社は早くから一般消費者に向けた販路の開拓にも積極的に取り組んできた。「クラウンパン」の名で親しまれる直営店をオープンしたのは1974年のこと。昔ながらの味を大切にしながら、時代に応じて新たな商品開発にも取り組む直営店は現在、北九州市内に4店舗あり洋菓子類が充実する京町店、焼きたてパンをその場で味わえるイートインスペースを用意した桃園店、2018年に創業70周年記念事業としてリニューアルしたコッペパン専門店「70factory1948」など、それぞれ特長ある店舗は多くの市民に愛されている。

さらに1996年にはJR博多駅のコンコース内に焼きたてクロワッサンの店「ミニヨン」を開店。チョコ入りクロワッサンなど魅力的な商品をその場で焼き上げ提供するというコンセプトは広くファンを獲得し、今日では福岡県内だけでなく、大分、宮崎、鹿児島、熊本に計7店舗を展開するに至っている。直近では、直営アイスクリーム店を2店舗オープンするなど、新規事業への積極的な取り組みを続けている。さらに自社のパン職人の技術向上を図る目的でパン製造技能士の資格取得や日本各地で行われるコンテストへ積極的に参加することも同社の特色の一つだ。

業務に柔軟に対応できるパッケージシステムを選定

常務取締役 松岡 寛樹氏

北九州市の学校給食のメニューは2カ月前に決定するが、発注数が確定するのはわずか4日前になる。学校給食では教職員用の給食も合わせて用意する必要があり、授業に伴う担当教員の増減など、直前にならないと確定しない要素が多いことがその主な理由である。そのため、北九州市は各校の担当者が発注数を入力すると自動で集計されるシステムを整備している。

このシステムに対し、給食事業者側は各社共通の給食オーダーシステムを導入し長年利用してきた。しかし、そのシステムの開発ベンダーがソフトウェア事業から撤退することになり、システムサポートも終了することに。それを機に同社が決断したのは、『SMILE V』をベースにした新システムの導入だった。常務取締役の松岡 寛樹氏は経緯をこう説明する。

「長年利用していた給食オーダーシステムは、かなり古くから使われてきたものでデータのインポートもエクスポートもできませんでした。今回、システム移行の前提条件として考えたのは、手厚いサポートが期待できるシステムへの移行でした。撤退する開発ベンダーから紹介を受けた移行先候補の中で、最も柔軟性が高く、コスト面でもメリットが大きいシステム構築を提案してくれたのが大塚商会さんでした。また新システムへの移行に当たっては、中小企業庁のものづくり補助金を活用したいと考えていましたが、その申請手続きに関する力強いサポートを期待できた点も大きなポイントでした」

システム移行は、旧システム同様に市内の給食事業者の統一システムを前提として検討がスタートした。しかし、これを機に自社の業務も見直し、効率向上を図りたいと考えたクラウン製パンと他社が足並みをそろえることは困難も多かった。

こうした状況の中、松岡氏が声掛けを行ったのは、クラウン製パンと同じく長年にわたり市内で学校給食用パンを製造してきた株式会社ライオンズベーカリー(以下、ライオンズベーカリー)だった。同社常務の冨永 英希氏は振り返る。

「規模は違いますが、当社もクラウン製パンさんと全く同じ課題意識を持ち、移行システム選定を進めていました。松岡さんから相談を受け、共同で開発コストを折半する形で大塚商会さんのシステムへの移行を進めることにしました」

CSV出力を前提にスムーズな共同開発を実現

株式会社ライオンズベーカリー 常務 冨永 英希氏

新システムは、『SMILE V』の機能をベースに、アプリケーション開発ツール『SMILE V Custom AP Builder』で学校給食パンの受注から製造指示、納品書や請求書発行など、用途に応じた形でデータ出力できる一連の仕組みを構築するという考え方で進められた。

その第一のポイントは、レイアウトされた帳票スタイルではなく、Excelによる加工を前提としたCSV形式でデータを出力する点にある。

「両社は会社の規模も違えば帳票の種類も異なるので、見やすい帳票に対する考え方も違ってきます。それを無理に擦り合わせするのではなく、必要なデータをCSVとして出力し、それぞれ自社の帳票スタイルに落とし込むことを前提にシステム開発を進めました。そのうえで、どうしても自社独自の様式で必要な帳票については、成形されたExcel形式で出力できるように調整しました」(冨永氏)

受注データの一気通貫でシステムへの再入力の手間を解消

現在、クラウン製パンは約200校、ライオンズベーカリーは約50校の公立小中学校の学校給食を担当している。北九州市の場合、4日前に自治体側のシステムに発注数量がアップロードされ、各社はそのCSVデータをダウンロードして受注数量の詳細を確認する。

「学校給食の発注は、児童生徒の学年やクラス、教職員用などに分けて行われます。200校分を担当する当社の場合、以前のシステムへのデータ入力は2名の従業員が1日8時間かけて行う作業量に相当していました。4日前というと余裕があるように思えるかもしれませんが、原材料発注などの事前工程を考慮すれば、データ入力に丸1日費やしてしまうと全く余裕はありません。システムを全面的に刷新したいと考えた背景には、こうした事情もありました」(松岡氏)

新システムでは、CSVデータをそのまま取り込むだけで受注入力が完了する。また、SMILEからエクスポートしたCSVデータを製造指示や配送の各工程で利用、また、成形されたExcel形式での納品書や請求書の発行まで、一気通貫でできるようになったことは新システムによる大きな改善点だ。

2人がかりで8時間かけていた入力作業を30分に短縮

新システム移行の効果としてまず挙げられるのが、データ取り込みによる大幅な省力化だ。これまで2名が毎日8時間かけて行ってきた入力作業はわずか30分に短縮された

「学校給食の場合、事前にFAXで通知されるメニュー内容がこのタイミングで変更されることもありますが、この変更の有無を確認する手間を含め、30分程度で受注登録が終了しています」(松岡氏)

配送用ラベルが出力できるようになったことも効果の一つだ。給食用パンはクラス別に箱詰めされて配送されるが、その際、パン箱にはクラスを示す物流ラベルを貼付する。クラウン製パンの場合、そのラベル数は毎日3,000~5,000枚に及んでいたが、旧システムはその出力が行えず、画面を見ながらラベルに宛先を転記する必要があった。しかし、新システムではCSVデータとして出力したデータをラベル用のWordの印刷フォーマットに取り込み印刷するだけなので、手書き作業が一切なくなった。

押印済みレイアウトのExcel形式での帳票出力も可能。枚数の多い納品書や請求書発行に活用し、押印作業の削減につながっている

「物流ラベルの宛先転記と印刷を含め毎日4、5時間かかっていましたが、移行後は10分程度で印刷まで終えられるようになっています」(松岡氏)

クラウン製パンではCSV出力だけではなく、成形されたExcel出力も活用している。毎月各校に発行する納品書は1校につき2、3枚発行し、毎月約600枚の納品書を発行している。これを、電子印鑑を押印済みのExcelフォーマットで出力することで押印作業がなくなった。以前はその押印だけで毎月1時間程度の作業が必要だったが、移行後はその手間が一切不要になった。

松岡氏が今後の課題として挙げるのが、給食メニューに関する情報のさらなる電子化である。

「新システム移行後は、作業手順を間違えない限り転記・入力ミスが起こらなくなりました。給食メニューは今もFAXで受け取り入力するという作業が発生しているので、こちらもデータで受け取れるような仕組みができると、さらなる業務効率アップにつながります」

業務の効率向上、スリム化という観点でも注目したい取り組みといえそうだ。

大塚商会担当者からのコメント

「データをCSVで出力することで、2社の帳票に対応するシステムを実現しました」

クラウン製パン様とライオンズベーカリー様との共同開発では、給食オーダーに特化した柔軟性の高いシステム構築を実現しています。帳票の文言やレイアウト変更にも即座に対応できると好評です。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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