中高一貫の進学校がICT教育の基盤を整備

コロナ禍での休校措置に備えてオンライン授業ができる環境を構築し、通常授業における教務負担も軽減

攻玉社中学校・高等学校 導入事例

学校1~100名モバイル・タブレット活用ネットワーク環境の構築・改善

東京都の攻玉社中学校・高等学校はコロナ禍で休校措置を余儀なくされたことを機に、本格的なICT教育の実践に着手した。全教員と生徒に最新のノートPCを配布し、双方向のオンライン授業が行える環境を短期間で整備。不測の事態に備えるとともに平時の授業スタイルを一新し、教務の効率向上にも役立てている。

  • ICT教育の実現
  • 教務の効率向上
  • ペーパーレス化促進

2021年10月取材

攻玉社中学校・高等学校

導入先の概要

業種
教育
事業内容
中学校・高等学校の運営
教職員数
72名(2021年10月現在)
ホームページ
https://kogyokusha.ed.jp/

導入の狙い

  • 双方向授業ができるオンライン環境の整備
  • クラウドの活用で、授業や教務で使用する資料のペーパーレス化を促進したい
  • デジタル教材やICTの活用度を高め、アクティブラーニングを加速させたい

解決策

  • 教員と生徒全員に、最新のノートPCを一人一台配布
  • 双方向授業を可能にするコラボレーションプラットフォームの活用
  • 運用管理の負担を軽減するADサーバーの構築

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
ノートPCSurface Pro7(教員用100台)お問い合わせ
Surface Laptop Go(生徒用1,600台)お問い合わせ
 Office 365 for Education-
 AD/WSUSサーバー-

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導入事例詳細

150余年の歴史を誇る中高一貫校。帰国生向けの国際学級も開設

東京都品川区の攻玉社中学校・高等学校は、「誠意・礼譲・質実剛健」を校訓とする中高一貫の男子校である。その出発点は、数学・オランダ語・航海術などを教授する蘭学塾として1863年に創設された「攻玉塾」で、校名の「攻玉」は詩経の「他山の石以て玉を攻(みが)くべし」にちなむ。強い精神力と高い学力を兼ね備えた人の育成を旨とし、進学校でありながらクラブ活動も活発だ。

教育の大きな特色は、中高の6年間を2年ずつの3ステージに分けた独自の教育プログラムを展開している点にある。「ステージ1」では、まず知的好奇心を引き出して学習の習慣づけを促進。続く「ステージ2」では、自ら課題を見つけて解決する力を養い、基礎学力の充実強化を図る。そして「ステージ3」では、自らの可能性を切り拓く力を高めながら学力をさらに強化。結果として、それぞれの進学目標を達成に導くことを目指している。

帰国生の受け入れも積極的で、中学校には帰国生のための国際学級がある。日本での学校生活に慣れてもらう目的から3年間は同一クラスとし、多様な価値観を認め合い、個性を認め合いながら学ぶ環境が整っている。学校行事やクラブ活動では一般学級の生徒と活発に交流できるよう配慮されており、一般学級の生徒たちにも大きな刺激を与えている。

ユニークなクラブ活動があることでも知られている。ガンダム研究部やレゴ部などは他校にはみられない象徴的なクラブといえよう。生物部は、都市生活では接する機会が少ない自然を体験するための野外活動も行っている。自由な発想で感性を育み仲間と共に挑戦するクラブ活動は、人間的な成長の一助となっている。

休校時に生徒が自宅で、授業を受けられるようにしたい

髙木 基之氏

教頭・広報企画部長 髙木 基之氏

2020年に発生した新型コロナ感染症の拡大は、教育現場にも大きな影響を与えた。政府が全国の学校に臨時休校を要請したのは同年2月。それを受け、同校も3月からの休校を強いられた。

「休校中はリモートでの対応を余儀なくされ、教員が生徒に課題を郵送したり動画配信サイトを活用したりして、授業の代わりとなる体制の維持に努めました。しかし、コロナ禍がいつまで続くか分からない状況が続き、生徒が自宅にいながら十分な学びができるよう、オンラインによる双方向の授業が行える環境を構築する必要性を感じました」と、教頭・広報企画部長の髙木 基之氏は振り返る。

最新のノートPCを教員と生徒に配布

同校は2020年6月に教室で対面授業を再開したが、校内にICT化プロジェクトチームを組織して、オンラインによる双方向授業ができる環境整備を検討。公益財団法人東京都私学財団による助成金を活用し、スムーズなオンライン授業を可能にする最新のノートPCを全教員に貸与するとともに、中・高の全生徒へも配布することを決めた。

「複数のベンダーに相談した結果、MicrosoftのノートPC『Surface』シリーズを導入し、『Office 365 for Education』(以下、Office 365)に組み込まれたコラボレーションプラットフォーム『Microsoft Teams』(以下、Teams)を使用して教員と生徒をつなぐ、という大塚商会さんの提案を採用しました。教員の多くは教務でOffice製品に慣れ親しんでいたので、抵抗感を抑えながらの定着が期待できると思いました。生徒にとっては、『Surface』シリーズは軽量で携行性に優れ、社会に出てからも日常的に使用する可能性が高い基本のスキルとなるであろうWordやExcelなどを『Office 365』の利用で習熟できることが決め手でした」(髙木氏)

既にICT導入を進めている他校の中にはタブレットを選択している学校もあるが、生徒が社会に出てからの活用を見据える同校はキーボードになじんでおくことが有用だと判断し、あえてキーボード付きPCを選んだ。

教員・生徒が一斉に配布されたPCを使用するに当たっては、教員が利用にまつわる対応に追われて教務に注力できなくなることを避けるため、大塚商会が提案する専用のコールセンター「たよれーる コンタクトセンター」の利用も決めた。このような盤石な手厚いサポート体制を提案されたことも、選定の大きな決め手となったと髙木氏は言う。

管理負担を軽減しながら、約1,600台のノートPCを運用

2019年に大塚商会がPC入れ替えをサポートしたCALL教室の様子。英語学習に活用されている

2021年春の新学期から生徒にノートPCを配布することを決めた同校は、その前に教員が慣れておけるよう、2020年12月にノートPC『Surface Pro7』100台を導入し、配布。ITやPCに明るい教員が講師役と生徒役をしながら『Teams』などの使い方を中心に、72名の全教員に研修を行うなどの準備を進めた。

2021年4月には、新入生を含む中学校3学年全760名、同年6月に高等学校3学年全740名にノートPC『Surface Laptop Go』を配布することになったが、これだけの台数となるとアカウントやOSのWindowsのアップデートなどを管理する手間が非常に大きなものとなる。そこで大塚商会は、ユーザー情報の一元管理とアクセス権限を管理するためのAD(Active Directory)と、更新プログラム適用を制御するためのWSUS(Windows Server Update Services)サーバーの利用を提案。校内に『AD/ WSUSサーバー』が整備された。

「1,600台ものPCを導入してサーバーも構築するとなると、通常ならかなりの期間が必要になるはずです。しかしいつまた休校要請がくるか分からない状況の中で、一刻も早くオンライン授業ができる環境を整備する必要がありました。そうした事情を理解してくださった大塚商会のSEの方が全力でサポートしてくださったおかげで、非常に短期間で運用開始にこぎ着けることができました」と髙木氏は語る。同校は2019年に大塚商会を通じ、CALL教室の設備を改修している。そのとき懇切丁寧な対応を受けた経験があったことも、今回の導入でベンダーを選ぶ際の要素となったという。

授業の資料はクラウドで共有

同校は現在までのところ再び休校措置を取ることなく平常の授業を続けられているため、学校と生徒の自宅をつないだオンライン授業はまだ実施されていない。一方で、新しい学習環境は多くの通常授業において利用され始めている。

『Teams』にはクラスごとのチャンネルがつくられ、教員が用意する授業の資料や課題は、『Teams』を通して生徒と共有されるようになった。

「生徒に貸与したノートPCは自宅に持ち帰ることも許可しています。原則として利用は学習や学校活動に限りますが、積極的な活用を促進するため、必要以上の規則を設けることはしていません」(髙木氏)。その結果、自然とアクティブラーニングが進み、また、部活動のミーティングや学園祭で発表するコンテンツを生徒たちで製作するなど、幅広い学校生活で有効に使われ始めている。

導入に当たっては、長く従来の授業スタイルで行ってきた教員からは不安の声も聞かれたが、「いざという場合にオンライン授業が行える環境を整える」という大きな目標の下で、ICTを活用する習慣が定着した。生徒たちについても、同校では中学3年生で卒業論文の作成が課されており、『Word』の操作に触れている生徒が多いうえ、高校1年時には「情報」の授業もあることから、PCに対して抵抗感を抱く生徒はほぼいなかったという。「スマホネイティブ世代とはいえ、キーボードでの入力には慣れていない新中学1年生の反応はやや懸念されましたがスムーズに浸透し、全教員と生徒に『Surface』と『Teams』を活用する習慣がすっかり根付きました」(髙木氏)

生徒一人につき1台ノートPCが配布され、教員からログインの方法やプラットフォームの説明など使用に関するガイダンスが行われた。現在は学習を始め多くの学校生活で活用されている

何よりも大きな成果は、生徒に安心感を与えられたこと

『Surface』を授業に用いるようになってから、プリントなどを印刷して配布する手間がかからなくなり、以前からの課題だった教務のペーパーレス化も進展した。また、授業で動画を見るためにわざわざ視聴覚教室へ移動する必要がなくなったことも今回の取り組みの成果である。

「教員と生徒の双方にとって効率向上が図られたわけですが、何よりも大きいのは双方向のオンライン授業ができる環境が構築されたことです。オンラインでいつでも授業できる手段が用意されていることは、生徒に大きな安心感を与えることにつながっています」と髙木氏は説明する。

コロナ禍による新たな非常に備え、同校では普段の授業から教員と生徒が『Microsoft Teams』にログインして共有データにアクセスしたり、チャットでやりとりしたりするトレーニングをクラス単位で行っているという。

多彩なアプリ活用で教育の質をより高めたい

今後の課題は、現状で多く利用されている『Word』や『PowerPoint』、『Microsoft Teams』以外の、『Office 365 for Education』の多彩なアプリを広く有効活用することだ。

「生徒の利用範囲を拡大させるには、まず教員が積極的に使いこなすことが不可欠ですが、日々の教務が忙しい教員はなかなかそこまで手が回らない現実もあります。実績あるベンダーさんならではの豊富な知見を基に、これからもICT活用活性化に向けた提案をいただきたいです」と、髙木氏は大塚商会への期待を語った。

大塚商会担当者からのコメント

「ICTを活用した教育環境の整備をサポートします」

今後コロナ禍による休校を余儀なくされたとしても、最先端のデバイスとクラウドサービスを活用することで、円滑なオンライン授業を行える環境ができました。普段の授業をより充実させるためのご支援も行っていきます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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