旅行業務の飛躍的な効率アップとコスト削減を実現

ダイナミックパッケージに対応した旅行業システムをいち早く構築し、コロナ禍で反転攻勢の業務基盤を整備

名鉄観光サービス株式会社 導入事例

サービス業101~1,000名製品の導入・活用支援多店舗・多拠点展開営業・業務プロセス効率化

名鉄観光サービス株式会社は、新個人型包括運賃(新IIT)に対応したダイナミックパッケージシステムをいち早く構築。既存の旅行業システム『Dream Journey.NET』に航空会社やJRのシステムを連携させることで、旅行業務の効率改善と人的コストの削減を実現し、コロナ禍で反転攻勢の業務基盤を整えた。

  • 業務効率の向上
  • コスト削減
  • 売り上げアップ対策
  • 事業価値の創造

名鉄観光サービス株式会社

導入先の概要

業種
旅行業
事業内容
旅行業法に基づく旅行業、各種運送代理店業、各種運輸機関の乗車船券類の発売に関する事業、国内・国際会議及びイベントの企画・立案及び請負事業など
従業員数
992名(2022年9月現在)
ホームページ
https://www.mwt.co.jp/

導入の狙い

  • 新個人型包括運賃(新IIT)へ早期対応したい
  • ダイナミックパッケージシステムで販売力を強化したい

解決策

  • 新IITに対応した旅行業システムを構築し、ダイナミックパッケージツアーの提供を可能にする

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
旅行業システムDream Journey.NETお問い合わせ
オーダーメードシステム大会管理システム-

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名鉄観光サービス株式会社 導入事例(PDF:3,343KB)

導入事例詳細

コロナ禍で旅行需要が激減する中、業務基盤を再整備して業績を回復

廣田 達也氏

経営戦略部 副部長 廣田 達也氏

名古屋市に本社を構える名鉄観光サービス株式会社は、中部圏を中心に全国に営業拠点を持つ総合旅行会社だ。団体旅行に重点を置いている一方で、個人旅行でも東京、名古屋を中心に募集型企画旅行のWeb販売に注力。特に親会社の名古屋鉄道やグループ会社と連携しながら、中部地方に顧客を呼び込む「中部IN」の旅行商品の開発に力を入れている。

そうした中、コロナ禍で旅行需要が激減。旅行業界全体が大打撃を受けた。そこで、名鉄グループの中期経営計画「Turn-Over 2023」のもと、全国の支店・カウンターの再編を進め、全体の4分の1に当たる22支店・カウンターを統廃合するなど思い切った改革を実行。固定費の削減を図ることで反転攻勢の体制づくりに努めてきた。

コロナ禍で働き方改革も大きく進展。いち早くZOOMを導入することで、社内の会議、顧客や取引先との打ち合わせが円滑かつ頻繁に行えるようになった。一定数の内勤者の在宅ワークも浸透し、コロナ禍でも安心して働ける環境を整えている。

社内のITシステムを担当している経営戦略部 副部長の廣田 達也氏は、「コロナ禍中に、従来の旅行業システムをブラッシュアップしました。旅行者が運送機関や宿泊先などを自由に組み合わせて旅行プランを作成できるDP(ダイナミックパッケージ)に対応した業務基盤を整備することで、業績は確実に回復傾向にあります」と語る。

新IIT(可変型運賃)に対応したダイナミックパッケージに早期着手

名鉄観光サービスは、大塚商会から旅行業システム『Dream Journey.NET』を導入し、『Mたび』という社内名称で長年運用していた。ところが、国内の大手航空会社のANAとJALが2022年3月末をもって固定型運賃の取り扱いを停止し、空席に応じて運賃が変動する新個人型包括運賃(新IIT)へ全面移行することを表明。このダイナミックプライシングの流れを受け、新IITに対応したDPシステムへの移行が必須となった。その背景には、旅行者の購買行動の変化や航空会社間の競争激化により、従来の固定型運賃ではマーケット競争力を維持できないといった要因がある。

また、JRも2021年にダイナミックプライシングを採用し、新幹線と宿泊施設などを組み合わせて販売することになった。そのため、JRを含めたDPシステムの構築が急務となった。

「以前は、固定運賃を利用し決まった原価で旅行商品を造成し、パンフレットを作成して営業拠点などに配布していました。しかし、可変型運賃のダイナミックパッケージでは、旅行代金が常に変動するため事前に旅行代金の入ったパンフレットを制作することが難しくなります。新IITによって、Web上で旅行者が運送機関や宿泊施設を選択したタイミングで、旅行代金をリアルタイムに表示する仕組みが必要になったのです。そのシステム化を早急に実現することが大きな課題でした」(廣田氏)

そこで、ANAが最初に新IITへの移行を発表した直後に、旅行業界に先駆けて新システムの構築にいち早く着手。しかし、まだ新IITの仕様が明確に固まっていない時期だったので、まさに試行錯誤の連続だったという。

「新システムの構築に当たっては、『Mたび』の運用で長年サポートしていただいていた大塚商会さんの協力が必要不可欠でした。当社の実情を熟知されていたので、意思疎通が円滑に行えることが大きな利点でした」(廣田氏)

航空会社やJRとシステム連携し、Web上で旅行代金を自動表示

新システムは、既存の『Mたび』をベースに開発。ANAやJAL、JRなどのシステムとAPI連携することで、自社のWebサイト上で旅行者が選択したダイナミックパッケージの旅行代金をリアルタイムに表示する仕組みを構築することが重要なポイントだった。

航空会社との運賃・座席連携は、以前からシステム連携できる仕組みがあったので、可変型運賃に対応する機能を追加する程度で済んだ。しかし、旅行商品販売サイトは、運送機関と宿泊施設を組み合わせた時点の旅行代金を、その都度自動計算して表示するという大掛かりなシステム改修が必要だったので、少なからず苦労したという。

旅行商品販売サイトの見せ方に独自の工夫

「ダイナミックパッケージは、利用者からすると選択肢が多すぎて複雑に見えがちです。そこで、表向きはツアーパッケージのように見せて、詳細画面で飛行機などの日時を選択して予約できるようにするなど、旅行商品販売サイトの見せ方にはこだわりました」(廣田氏)

独自の旅行プランを自動作成。OTAに負けないパッケージを提供

森川 大地氏

経営戦略部 森川 大地氏

新システムは、2020年11月に本稼働した。折しも、コロナ禍の真っただ中だったので、軌道に乗るまで少し時間がかかったという。

『Mたび』の運用管理を担当している経営戦略部の森川 大地氏は、「ちょうど、Go To トラベルが始まった時期で、割引の条件付けや割引率の設定が複雑だったため、導入当初はかなり手間取りました。しかし現在は、ダイナミックパッケージの取り扱いが確実に増えています。今後コロナが終息すれば、その効果が目に見えて出てくると思います」と語る。

例えば、ANAとJALの取り扱いは、以前は契約によって東京発・名古屋発に限定されていたが、ダイナミックパッケージでは、全国の空港の発着便を利用できるようになった。特に北海道や九州発着の取り扱いが増えたことで、マーケットの範囲が大きく広がった。

「今回のシステム化による一番の導入効果は、旅行プランの作成が自動になったことです。以前は、航空運賃や宿泊料金などを合算した旅行商品を季節ごとに作ってお客様に提供していました。しかし、現在は、お客様自身がWeb上で運送機関や宿泊施設を選択して旅行プランを作成し、自動で合算されたモノが旅行代金として表示されます。そのため、旅行プランを作成する手間が省け、業務効率が格段にアップしました」(森川氏)

さらに、独自のダイナミックパッケージも提供できるようになったという。

私どもが持つ中部圏の宿泊在庫と組み合わせることで、OTA(オンライン旅行会社)をはじめとした他社では提供できないオリジナルの商品を提供できることが強みになっています」(森川氏)

また社内では、旅行商品の企画や商品登録、パンフレットの作成など、商品造成のためのコストが大幅に削減された効果は大きいという。

「コロナ禍の組織再編でリストラを余儀なくされたのですが、新システムの構築によって業務効率が向上したことで、人手不足問題の解消にも役立っています」(廣田氏)

ダイナミックパッケージをいち早く取り入れた名鉄観光のサイト。ANAやJAL、新幹線に加えてLCC(ローコストキャリア)のダイナミックパッケージも取り扱っている

コロナ禍で大会管理システムが大いに活躍

一方で、以前に大塚商会から導入していたオーダーメードの『大会管理システム』も、コロナ禍で大いに効果を発揮している。もともとは、教育やスポーツなどのイベントの運営管理を効率よく行うために活用していた。イベントごとに募集要項や管理内容が異なるので、それに合わせて自由に項目を設定できることが大きな特長だ。これを新型コロナウイルスのワクチン接種会場の運営管理などに応用することで、コロナ禍における新たな需要に対応している。

「『大会管理システム』を導入していたおかげで、地方自治体からのワクチン接種会場の運営管理などの要請に迅速に対応できるようになりました。その結果、旅行業以外の売上が増え、コロナ禍のマイナス要素を補えるようになりました」(廣田氏)

今後は、ANAとJAL以外の航空会社やレンタカー会社との連携も実現し、競合他社と差別化を図りながら、ダイナミックパッケージの裾野を拡充していく予定だ。同時に、旅行業で培った商品やサービスの企画力、運送機関や宿泊施設の手配力のノウハウを生かし、旅行業以外のビジネスにも積極的に参入し、企業競争力をより一層高めていく。

最後に廣田氏は、「システム基盤の『Dream Jurney.NET』導入からすでに13年以上が経過していますが、『Mたび』をここまで進化させていただいたことに感謝しています。旅行業界は常にマーケットの動向を注視し販売方法を工夫する必要がありますが、世間一般でも言われているように、各社ではIT人材の確保が難しくなってきています。今後もできる限りユーザーと同じ目線で要望をくみとっていただき、スムーズなコミュニケーションのもと、我々の求めているシステムを実現していただきたいと思います。そういった意味では大塚商会の皆様は気さくな方が多く、話もしやすいので意思疎通もうまくいっていると感じています」と、話を締めくくった。

大塚商会担当者からのコメント

「旅行業界の最先端のシステムづくりをご支援します」

名鉄観光サービス株式会社様は、ANAやJALの可変型運賃(ダイナミックプライシング)にいち早く対応された旅行会社です。大塚商会では、今後も旅行業界の変化に迅速かつ柔軟に対応したシステムづくりをサポートします。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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