CIM、3D点群処理システムを複数ライセンス導入し、ノウハウの早期習得を実現

「測量・設計・施工計画への3次元モデルの早期導入により、施工性に配慮した設計を実現し企業価値を向上できました」

株式会社奥村設計事務所 導入事例

建設業1~100名CAD(設計支援ツール)ERP・基幹業務・業務管理営業・業務プロセス効率化コスト削減・売り上げ向上

株式会社奥村設計事務所は、業界に先駆けて3次元での測量・設計・施工計画に取り組んできた建設コンサルタントだ。その背景には「施工現場とマッチしない設計」を何とかしたいという創業当初からの強い思いがある。発注者やゼネコンから高い評価を受けて成長し続ける奥村設計事業所。そこには、測量機器やITへの投資をいとわず、真心を込めて期待以上の価値を提供してきた同社のブランド哲学があった。

株式会社奥村設計事務所

導入先の概要

業種
建設コンサルタント
事業内容
公共インフラ整備事業におけるデザイン・プランニング(3次元測量/設計/施工計画/CIM)
従業員数
43名(2019年6月現在)
ホームページ
http://www.om-s.co.jp/

導入の狙い

  • 施工現場での手戻り作業をなくしたい
  • 誰もが分かりやすいプレゼンテーションを実現したい
  • 業務効率をアップし、会社全体の残業時間を減らしたい

解決策

3次元の測量機器やCIMの早期導入

導入したメリット

  • 発注者、ゼネコンからの評価が高まり、事業成長に貢献
  • IT活用で長時間労働の問題を解決
  • 代表取締役 奥村 真次氏

    「技術は後から導入したら、習得も後になる。ITは先に導入した方が勝ちです。大塚商会の担当者は相談しやすく、当社のことをよく理解してくれています。こちらが求めなくても新しい情報を提案してもらえるので、とても助かっています」

導入製品情報

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
統合BIMツールAutodesk AEC Collectionお問い合わせ
3D点群処理システムTREND-POINTお問い合わせ
大規模点群編集ツールWing Earthお問い合わせ
就業ソリューション勤次郎Enterpriseお問い合わせ
CIMCIM/i-Construction教育お問い合わせ
CIM/i-Construction研修お問い合わせ

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株式会社奥村設計事務所 導入事例(PDF:3,318KB)

導入事例詳細

時代の流れの中で変動してきた公共事業

「i-Construction」が本格化する10年以上も前から3次元に取り組んできた

公共事業は、時代の流れの中で大きく変動してきた。著しい経済成長の時代は終わり、今後の日本では労働人口減少や高齢化が進むであろう中、新たな課題解決に向けて、2012年からは国土交通省直轄事業におけるCIM試行がスタートした。さらに2016年を「生産性革命元年」とし、測量から設計、施工、検査、維持管理に至る全ての事業プロセスでITを導入することにより、建設生産システム全体の生産性向上を目指す「i-Construction」への転換が進められている。

2002年の創業以来、道路、橋梁、河川・砂防といった公共インフラにおいて、施工計画を中心に設計を手掛ける株式会社奥村設計事務所(以下、奥村設計事務所)は、一貫して「施工性に配慮した設計」をモットーとしている。
「35歳で起業したのですが、前職では発注先に出向し、発注用に図面修正する仕事に携わったことがあります。その時に、施工段階で手直しが必要となる設計が多くあることを知り、現場を見る必要性を痛感しました」と語るのは、代表取締役の奥村 真次氏だ。

提供するうちに目玉商品となった「施工ステップ図」

「施工可能な設計」を行うために創業当初より提供しているのが「施工ステップ図」だ。例えば、山を切り開いて道路を作る場合、工事用道路を作って山を掘削するというステップを繰り返し、徐々に山を切り開いていく。施工ステップ図は、こうした施工手順を誰もが分かりやすい形にビジュアルで表現したものだ。
「大事なところは文字を大きくしたり、いろんな色を使うのではなく3色だけで表現したりするなど、単純なことなのですが一目瞭然の分かりやすさを追求しました。当初は付加サービスとして格安で提供していたのですが、そのうちステップ図が欲しいとセットで仕事が入るようになりました」

真心を込めた仕事でお客様の期待を上回る価値を提供することで、次の仕事につなげる。奥村設計事務所は、こうして取引案件を増やしてきた。

10年以上前から測量・設計・施工計画に3次元を導入

奥村設計事務所が3次元に取り組み始めたのは2005年。「i-Construction」が本格化する10年以上も前のことだ。どこよりも早く3次元に取り組んだ理由を奥村氏は、「施工ステップ図が一通り知れ渡ってからは、さらに新しい付加価値を提供しようと3次元に取り組みました。3次元モデルで施工計画を作れば、経験の浅い担当者でも、画面上でモデルを回転するだけで説明することができます」と語る。

また、施工段階での手戻りをなくすには、現場状況を正確に知ることが不可欠だ。そこで導入したのが、当時としては大変高価な3Dレーザースキャナーだった。
「写真測量が出始めの頃、メーカーの方にデモンストレーションしてもらったのですが、数センチ単位の誤差が出てしまいました。このレベルでは写真測量は使い物にならないと言ったところ、紹介されたのが3Dレーザースキャナーでした。価格が一桁違いましたが、ミリ単位で精度を出すにはこれしかないと思い、すぐに購入を決断しました」

あわせて、3D点群処理システム『TREND-POINT』『Wing Earth』、さらに『Revit』『AutoCAD』『Civil 3D』『Navisworks Manage』を含む統合BIMツール『Autodesk AEC Collection』を2005年に導入し、3次元での測量・設計・施工計画に着手。良いものを作るためには投資を惜しまないのも、同社の大切な企業文化だ。

誰もが分かりやすいように施工手順をビジュアルで表現

ミリ単位での正確な測量が鍵

橋の施工計画を作成する流れとしては、まず現場の3次元測量から始める。地上に据え付けた3Dレーザースキャナーに加えて、高解像度カメラを搭載した空撮用ドローンや、河川底や湖底などを計測できる小型ラジコンボートも活用し、“陸海空”からデータで現場を丸ごと持ち帰る。
「スキャンの仕方一つで、精度やその後の3次元モデリング化の手間が変わってくるので、どのように点群を記録するかを大切にしています」

現場状況によって必要な計測機器が変わるため、あらゆる機器を準備して、北は北海道から南は沖縄まで日本全国を飛び回る。
「2万平方メートル程度の現場も1日でスキャンが完了するのですが、現場の敷地はもちろん、周辺の電柱や電線、照明灯など細かいものも含めて点群で記録します。施工計画を行うときに、思わぬ障害になることもあるからです」

これを設計事務所に持ち帰り、『TREND-POINT』で点群データを処理してグラウンドデータを作成。数億点もの大規模な点群データの処理には、軽快な動作を有する『Wing Earth』を活用する。このグラウンドデータから草木などを省き、『Civil 3D』で計画線を入れてグリッドデータ化。ドローンで上空から撮影したオルソ画像を貼ると、3次元の地形モデルが完成する。この地形モデルに『Revit』で作成した橋架モデルを統合する。
「鉄道の架線などとの干渉や、橋を架ける桁行の余裕も正確に把握できます。ミリ単位の精度で測量しているから実現できることです」

複数ライセンスの導入でノウハウの早期習得を図る

ソフトウェアライセンスは『Autodesk AEC Collection』を9個、『TREND-POINT』を6個、『Wing Earth』を2個購入しているが、必ず複数ライセンスを導入していることもポイントだ。
「複数ライセンスを導入すれば、その分コストは膨らみますが、2人以上がお互い教え合いながら習得できるので、スキルアップしやすいメリットがあります。後から導入したら技術が身に付くのも後になるので、ツールはできるだけ早く導入し、複数人でノウハウを習得したい。それが技術者集団である我々の、何よりの財産となります」

ノウハウの習得に際しては、大塚商会の『CIM/i-Construction教育研修』も活用。定期的に講習会に参加し、若手技術者の育成を図っている。

チーム作業が可能になり長時間労働を改善

奥村設計事務所の仕事は、設計と施工計画がセットになったものがほとんどだ。どのような構造物を作るのかに加えて、クレーンを置くヤードの作り方や、掘削後の山留めの手順まで、3次元で表現されている。施工業者や地域住民に対して視覚的に分かりやすいプレゼンテーションができると、取引先からも好評だ。
「毎年複数人を採用していますが、おかげさまでそれを上回る受注が来ています。それでも残業時間を減らすことができているのは、IT活用の成果ですね」

CADオペレーターの残業時間は、およそ毎月40時間から10時間に削減。会社全体の残業時間も月平均20時間以下になった。就業ソリューション『勤次郎Enterprise』によって勤務状況を見える化し、改善方法を検討できたこと、またCIMによってチーム作業が可能になったことが大きい。
「CADオペレーターは19名いますが、朝礼と15時の2回、全員でミーティングして進捗(しんちょく)状況を共有してもらい、作業を分担するようにしています。構造グループ・計画グループも同様で、チームで仕事をするようになってからは残業時間がずいぶんと減りました」

地上に据え付けた3Dレーザースキャナーに加えて、高解像度カメラを搭載した空撮用ドローンや、河川底や湖底などを計測できる小型ラジコンボートも活用し、“陸海空”から現場を丸ごと点群データ化

次の付加価値は3Dプリンター

そして、奥村設計事務所が温めている次の付加価値が3Dプリンターの活用だ。
「目の前に模型をポンと出されるのが一番分かりやすいと考え、3Dプリンターを半年前に導入しました。どのような出力方法が最適かを模索中です」

同社では2030年までの事業目標を立て、事業拡大に応じて必要なシステムの導入を検討している。2020年6月に東京オフィスを開設予定。さらに海外進出も視野に入れている。名古屋発のグローバルカンパニーとなる日は近い。

「施工現場とマッチしない設計」を何とかしたいという奥村氏の起業の思いは今も一貫してぶれない。早くから3DレーザースキャナーやCIMを導入して「施工性に配慮した設計」を実践し、得意な施工計画で業績を拡大してきた奥村設計事務所。人と人のつながりを重視し、真心を込めて期待以上の価値を提供してきた奥村氏のブランド哲学を、大塚商会が支えていく。

大塚商会担当者からのコメント

「今後のCIM活用が大いに期待できる取り組みです」

社長の新しい技術に対する敏感な感性についていけるよう日々勉強させていただいています。メリットがあるご案内を継続的に提供させていただき、今後とも長いお付き合いをさせていただければ幸いです。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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