目に見えない送風機の気流を「見える化」

送風機を設置する前に気流シミュレーションによる技術提案。施工後の手戻りがなくなる

昭和電機株式会社 導入事例

卸売・小売業、飲食店101~1,000名CAD(設計支援ツール)営業・業務プロセス効率化業務データの活用

昭和電機株式会社は、自社製品である送風機の設置によって室内の気流がどうなるのかを「見える化」するソリューションとして、熱流体解析ソフトウェア『FlowDesigner』を導入。顧客への営業活動に役立てているほか、設置前のシミュレーションによって、再施工などの手戻りをなくすことができた。

  • 営業力強化
  • コスト削減

昭和電機株式会社

導入先の概要

業種
風力技術開発産業機器メーカー
事業内容
電設資材、産業機器、空調システム、太陽光発電、情報関連機器の総合販売
従業員数
251名(2021年6月現在)
ホームページ
https://www.showadenkigroup.com/

導入の狙い

  • 自社製品の設置による空気の流れを「見える化」する
  • 営業のプレゼンテーションや、設置前のシミュレーションに利用する

解決策

  • 気流をビジュアル化できる熱流体解析ソフトウェア『FlowDesigner』を導入

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
熱流体解析ソフトウェアFlowDesignerお問い合わせ

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昭和電機株式会社 導入事例(PDF:3,273KB)

導入事例詳細

工場の温度を最適化する、ものづくりを支えるサービスを提供

昭和電機株式会社(以下、昭和電機)は、送風機や集じん機、換気装置など、空気の「流れの技術」をベースに、生産現場の環境改善などに役立つ装置を製造するメーカーだ。

1950年に小型電動機(モーター)を製作・販売する会社として設立。その後、モーターを駆動装置とする送風機、研磨機(グラインダー)などに製品の幅を広げ、今日では送風機が主力製品となっている。その用途は広く、半導体製造装置の冷却用や工場内における温度調節など、「ものづくり」の現場を縁の下から支える役割を担っている。

清原 一益氏

ちょこっとエンジニアリング部
積算・製図・測定 エンジニア 清原 一益氏

「単に製品を作るだけでなく、お客様の工場の環境に応じて、どこに何台の送風機を設置すればいいのかを診断し、施工まで請け負うサービスも行っています。ちょっとした改善のご要望にもすぐに対応します」と語るのは、ちょこっとエンジニアリング部 積算・製図・測定 エンジニアの清原 一益氏である。

ちょこっとエンジニアリング部は、そうした導入・施工・改善サービスを担当。顧客が抱えるさまざまな課題に応じて、「有機溶剤中毒予防規則」「特定化学物質障害予防規則」「粉じん障害防止規則」などに関する資格を持つエキスパートたちが、フレキシブルにソリューションを提案している。

気流の「見える化」を実現し、「ちょこっとした提案」を明確に伝える

「ちょこっとエンジニアリング」は、昭和電機が特に力を入れているサービスの一つだ。

近年、夏の猛暑などによって、工場内の温度が上昇し、労働環境が悪化する事例が増えている。スポットごとに空調装置を設置して対応する工場もあるが、「広い工場内では冷気が拡散するので、ほとんど効果がありません。むしろ送風機で風を循環させたり、熱気を外に吐き出したりした方が効率がよいということで、送風機をご採用いただくケースが増えているのです」と清原氏は説明する。

ちょこっとエンジニアリング部は、こうした「暑さ対策」の相談に応え、適切な場所に送風機を数台置くだけでも、温度がこれだけ下げられるという「ちょこっとした提案」を行う。

工場では、空気中に粉じんやガスといった有害物質が漂うケースも多いが、作業員がそれらを吸い込まないように、気流を調節するためのアドバイスや施工を行うのも重要な仕事だ。

「おかげさまでニーズは年々拡大しており、昭和電機といえば『ちょこっとエンジニアリング』という認知も徐々に定着しつつあります」と清原氏は語る。名実ともに、同社を代表するサービスとなっているようだ。

課題解決のために気流解析ソフトウェア導入を検討

しかし、このサービスを提供するうえで、同社は幾つかの 課題を抱えていた。一つは、営業段階において、送風機をどう導入すれば気流がどのように変わり、それによってどれだけ温度が下がるのかということを明確に伝えにくいこと。気流算出の数式はあるものの計算には多くの手間がかかるため、結果としてお客様への提案がワンパターンになっていた。

もう一つは、施工した後、思ったような気流や温度の変化が表れず、再設置などの手戻りが多いことであった。

これらの課題を何とか解決したいと考えた清原氏は、「送風機の設置場所や送風方向、風力によって空間内の気流がどのように変化するのかをシミュレーションできるソフトウェアはないか」と探した。そして偶然Webサイトで見つけたのが、アドバンスドナレッジ研究所が開発した熱流体解析ソフトウェア『FlowDesigner』であった。

自社での利用イメージができ、興味を持った清原氏は、長年取引のある大塚商会がこのソフトを取り扱っていると聞き、すぐに相談した。

設置後の手戻りがほとんどゼロに。追加工事のコスト削減にも貢献

大塚商会の担当者は、東京にあるアドバンスドナレッジ研究所が『FlowDesigner』の講習会を行っているという情報を提供。早速、講習会に参加して手に触れた清原氏は「これならいけそうだ」と確信。すぐさま1ライセンス分の導入を決定した。

「大塚商会さんとは、基幹システムの導入などで長年のお付き合いがあり、提供する情報やアドバイスの確かさには信頼を持っています。その大塚商会さんも推薦してくれたので、迷わず導入することにしました」と清原氏は振り返る。

『FlowDesigner』は、シンプルな操作で、気流などの流体解析が簡単にできるソフトウェアだ。シミュレーションを行うための空間モデルはマウス操作だけで簡単に構築できる。

この空間モデルの中に、仮想の送風機を配置し、風の方向と風力を決めてボタンを押せば、気流が描き出される。

さらに、その気流によって、空間モデル内のどの位置の温度が、どのように変化するのかといった分布も分かりやすくビジュアル化されるのが大きな特長だ。

同社では『FlowDesigner』を利用して、設備の近辺の気流を解析する「局所解析」と施設や工場全体を解析する「全体解析」を行っている。

送風機の最適な配置を3日で提案できる

清原氏は『FlowDesigner』の魅力について、「何より、今までは言葉でしかお客様に説明できなかった気流の変化を、ビジュアルで表現できるようになったことが大きい。効果が目に見えて分かるので、すぐ納得していただけるようになり、営業がしやすくなりました」と語る。

また、施工段階においては、どの位置に送風機を配置して風を送れば、どれだけ温度が下がるのかをあらかじめシミュレーションできるので、施工後の手戻りがほとんどゼロになったという。「従来は勘と経験に頼って送風機を配置していましたが、実際に動かしてみると、想像していた風の流れとは異なり、再施工せざるを得なくなることが珍しくありませんでした。それがなくなり、無駄な追加工事のコストが減ったのは非常に大きな効果です」と清原氏は評価する。

しかも、設計段階で送風機の配置を換えて、風の流れや温度がどう変化するのかを簡単に比較できるのも大きなメリットだ。

「空間モデルを作るのに1日半ほどかかりますが、一度作ってしまえば、送風機の配置を柔軟に換えて、気流の変化をあれこれ試してみることができます。計3日もあれば最適な配置が提案できるので、短納期にも結び付いています」(清原氏)

空間全体の気流をシミュレーションできるほか、送風機を設置した場所の周辺といった局所解析も可能

気流の変化を「見える化」することで、設置工事の受注率が約3倍に

営業面でも、『FlowDesigner』の導入効果は絶大であった。気流の変化がビジュアルに示せるようになったことで、設置工事の受注率は従来の約3倍に増えたという。

同社は今後、展示会などでも気流シミュレーションを積極的に紹介し、「ちょこっとエンジニアリング」サービスのプロモーションを強化していく考えだ。

また清原氏は、もう一つの導入効果として、「お客様が工場などの設置届を労働基準局に提出する際に、労働安全衛生法に基づく環境を整えているかどうかを説明するのにも役立っています」と語る。

設置義務が設けられていない送風機などを導入する場合、それが労働環境にどう影響するのかを説明する必要がある。その際に、『FlowDesignerでシミュレーションした気流の画像を届出書に添付すれば、安全であることの証明とみなされて受理されるケースが多いのだという。

清原氏は、「これからもお客様にとってメリットのある使い方を研究し、サービスの質を高めていきたい」と語る。

現状の工場環境解析結果(左)と送風機を配置案に沿って設置した場合の解析結果(右)。
解析結果は営業資料などに添付して提示。顧客からも「分かりやすい」と評判だ

今後は粉じんや有害ガスの飛散状況の解析にも活用

さらなるサービス向上の一環として、今後は気流による温度変化だけでなく、粉じんや有害ガスの飛散状況なども解析できるようにしていきたいという。「既に『FlowDesigner』にはその機能が備わっているのですが、残念ながらまだ活用できていません。アドバンスドナレッジ研究所さんや大塚商会さんの支援をいただきながら、もっと使いこなせるようにしたいですね」(清原氏)

社内ユーザーの数を増やし、より多くの顧客にサービスを提供できる体制にすることも今後の目標だ。昭和電機の「ちょこっとエンジニアリングサービス」は、『FlowDesigner』の活用によってさらに進化を遂げそうである。

大塚商会担当者からのコメント

「業務の効率向上を支援する機能の活用をサポートします」

昭和電機株式会社様からは、『FlowDesigner』の機能を、もっと広範囲に活用していきたいというご要望をいただいております。開発元のアドバンスドナレッジ研究所とも連携しながら、しっかりサポートしてまいります。

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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