行政の働き方改革。強固なインフラでテレワークを実現

専用回線で情報漏えいリスクなく、自席PCを自宅から遠隔操作。柔軟で働きやすい職場環境が整う

栃木県 導入事例

官公庁・自治体1,001名~情報共有・会議システム通信・ネットワークネットワーク環境の構築・改善営業・業務プロセス効率化

「働き方改革」に取り組む栃木県は、テレワーク中でも情報漏えいのリスクなく庁内業務を遂行できる仕組みを検討。PC遠隔操作ツールや専用VPN回線などを導入した。在宅でも仕事に必要な資料が使え、決裁も電子申請・承認できることの認知が広がり、「出勤しなくても実務は動く」という職員の意識改革につながった。

  • 働き方対策支援
  • テレワーク対策

栃木県

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
県行政
従業員数
4,329名(一般行政部門、2020年4月現在)
ホームページ
https://www.pref.tochigi.lg.jp/

導入の狙い

  • 在宅でも普段どおり働ける環境を整える
  • 行政の「働きやすさ」を就職希望者への訴求につなげる

解決策

  • 自席PCにセキュアにアクセスできる遠隔操作ツールと専用VPN回線などを導入

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
PC遠隔操作ツールRemoteViewお問い合わせ
完全閉域型モバイルアクセスサービスO-CNET AIR TUBEお問い合わせ
VPN(クローズド網)O-CNET SMILE VPNお問い合わせ
テレワーク用PC(100台)

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導入事例詳細

行政サービスと庁内業務のデジタル化を積極的に推進

栃木県は、県民に対する行政サービスの向上と職員の業務効率改善を目指し、2020年12月に「とちぎデジタルスイッチ」というデジタル県庁の実現に向けた取り組みを始めた。

県民向けには、窓口に行かなくてもスマートフォン等から申請手続きや支払いができるサービスや、県の行政サービスについて知りたいことを応答ロボット(AIチャットボット)が答えてくれる仕組みなどの導入を推進。また、県民等からの申請において押印が必要だった4,561種類もある申請手続きのうち、2021年4月までに97.4%に当たる4,443件で押印を廃止する(予定も含む)など、利便性向上のための取り組みを積極的に進めている。

経営管理部 行政改革ICT推進課
課長 廣川 貴之氏

「押印が不要になれば、手続きのデジタル化がしやすくなります。わざわざ県庁や出先事務所に足を運んでいただかなくても、手続きができる環境をさらに整えていきたいと考えています」と語るのは、経営管理部 行政改革ICT推進課 課長の廣川 貴之氏である。

一方で庁内では、子育てや親の介護等の理由で出勤が困難になりがちな職員のため、4年ほど前から「働き方改革プロジェクト」を進めてきた。その中で行政改革ICT推進課は、庁内業務のデジタル化によって、業務効率向上や職員の働き方改革を推進する役割も担っているのだ。

自宅にいても普段どおりに業務ができる環境を目指す

行政におけるDXを積極的に進める栃木県。押印が必要な申請の見直しやAIチャットボットの導入など、行政サービスの向上と働きやすい職場の実現を目指す

栃木県は2021年度の「働き方改革プロジェクト2021」で、「県民サービスの向上」と「職員のワーク・ライフ・バランス」の両立を目標に、(1)BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の視点による業務の見直し・改善、(2)ICT利活用による業務の省力化・効率化、(3)テレワークやフレックスタイム制などによる柔軟で効率的な働き方の推進、の三つに取り組んでいる。

中でも、コロナ禍によって多くの職員が在宅勤務せざるを得ない状況に追い込まれたことから、テレワークを円滑に行える制度や環境の整備が急務となった。

「2020年4月の最初の緊急事態宣言では、それまで在宅勤務の経験がなかった職員もテレワークをする必要に迫られました。その際、自宅からだと普段仕事で使っているグループウェアや、庁内のサーバーに保管されているデータにアクセスできず、全く仕事にならないことがあらためて浮き彫りとなったのです」と振り返るのは、行政改革ICT推進課 情報基盤担当 副主幹の髙橋 孝司氏である。

経営管理部 行政改革ICT推進課
情報基盤担当 副主幹 髙橋 孝司氏

情報セキュリティの観点から、栃木県は職員に対し庁内に保管されている個人情報などの重要データを、PCやUSBメモリーに保存して持ち出すことや、外部からデータにアクセスすることを固く禁じてきた。

また、職員が業務に利用するグループウェアも、保安上の理由などからクラウドサービスではなく、庁内に独自のサーバーを設けてオンプレミス運用しており、外部のPCからはアクセスできない状態になっていた。

そこで行政改革ICT推進課は、データセキュリティが十分に担保された環境の下、職員が自宅や外出先からでもグループウェアや庁内データにアクセスできる仕組みの構築を考えたのだ。

PC遠隔操作とVPNを組み合わせた大塚商会のソリューションを選定

経営管理部 行政改革ICT推進課
情報基盤担当 主事 飯田 健太郎氏

行政改革ICT推進課はこの課題について、庁内で使用しているグループウェアやファイルサーバーなどの保守運用業務を依頼している大塚商会に相談。これに対し大塚商会が提案したのは、職員が外部から庁内ネットワークに接続するための専用PCを配布し、専用のVPNで接続させ、普段自席で使用しているPCを遠隔でリモート操作するというソリューションであった。

クローズドな専用回線を用いれば、途中で情報が盗まれたりする危険はない。さらに、庁内の自席にあるPCを遠隔操作するため手元で操作する専用PCに重要なデータが残る心配もない。「グループウェアでメールを確認したり、庁内サーバーに保管されたデータを開いて作業したり、まるで自席にいるかのように仕事ができる一方で、セキュリティも確保されており利便性とセキュリティを両立した素晴らしい仕組みだと思いました」と語るのは、行政改革ICT推進課 情報基盤担当 主事の飯田 健太郎氏である。

テレワークに適した専用PCを100台導入

2020年12月に、PC遠隔操作ツールの『RemoteView』、完全閉域型モバイルアクセスサービス『O-CNET AIR TUBE』、VPNは『O-CNET SMILE VPN』を導入した。専用PCも、テレワークに適した大きさや重さ、コストパフォーマンスなどを考慮のうえ選定したモデルを100台導入。栃木県庁の職員数は一般行政部門だけで約4,300名いるが、ひとまず住まいが遠方や県外にある職員へ専用PCを配布した。

個人の自宅PCなどからのアクセスはブロックし、必ず専用PCを使用しなければ接続できない仕組みにしました。また、ネットワークも専用モバイルアクセスサービスとVPNの二段構えにすることで、セキュリティをより強固にしています」と飯田氏は説明する。

職員の働き方に対する意識変革が何よりの効果

自席PCの遠隔操作により、庁内のグループウェアを利用している様子。メールチェックや共有ファイルの確認など、普段どおりの業務ができるように

本稼働に先駆け、行政改革ICT推進課は約1カ月にわたって使い方や効果の検証を行った。それを基に利用マニュアルを作成し、専用PCを職員に配布。これらの事前準備によって、さほど大きな問題もなく活用が進んだという。

飯田氏は「中には遠隔操作をしているという実感がなく、手元の専用PCにデータが保存されているものと勘違いしている職員もいました。しかし時間がたつにつれ、そうした誤解もなくなったようです」と語る。分からないことがあれば、行政改革ICT推進課が電話でサポートするので、「心強い」という職員の声も多いようだ。

職員採用への効果も期待

現在は本稼働からまだ半年余りの段階だが、廣川氏は「導入効果は確実に表れている」と手応えを感じている。

「決裁の申請などは、出勤しないとできないと思っている職員が多かったのですが、そもそも電子申請・承認の機能がありますし、それを遠隔操作で行えるようになったのですから、わざわざ出勤しなくても済むわけです。『自宅にいながらでも実務は動く』ということに気付き、働き方に対する職員の意識を変革できたことが、何よりの効果ではないかと思います」と廣川氏は語る。

また、髙橋氏は「在宅勤務でも普段と同じ働き方や、職員同士のタイムリーな情報共有が実現できるようになったのは大きな効果です。電子申請・承認が進めば、ペーパーレス化も促進されるでしょう。加えて、柔軟な働き方ができる環境を整えたことは、職員募集のアピールの一つにもつながるのではないかと思います」と期待を込めた。

最後に廣川氏は、栃木県における今後の業務変革について、「庁内全ての業務プロセスを洗い出し、デジタル化できる部分を積極的に変えていく予定です。これからも、行政の『働き方改革』につながるようなIT活用の提案に期待します」と語った。

大塚商会担当者からのコメント

「行政の働き方改革をITでご支援します」

栃木県様からは、デジタル化できる業務はRPAやOCRなどに積極的に置き換えていきたいというご相談をいただいています。ご要望にお応えして、今後もさまざまなソリューションを提案していきます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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