製造業におけるWeb活用による新規顧客開拓・営業展開の方法

2021年12月24日公開

コロナ禍でさまざまなものが変化を余儀なくされています。ワークスタイルやコミュニケーションのあり方が大きく変わる中で、新規顧客開拓や現在の営業手法を見直すべきときがきました。長らく対面営業が主流だった製造業でも、Webを使った営業戦略にかじを切る会社が出てきています。今回は、Web活用が必要な理由と具体的なマーケティング施策について解説します。

withコロナ時代、新規顧客開拓のカギはWeb活用にあり

コロナで非対面・非接触によるコミュニケーションが求められる中、今企業のマーケティング部門が注目しているのがWebを活用した新規顧客の開拓、すなわちWeb営業です。

営業活動を取り巻く現在の状況

これまで製造業では、展示会などに出展して自社の技術や新製品を紹介したり、個別に会社を訪問したりといったリアルな営業活動が一般的でした。しかし、コロナ禍によってこうした営業活動ができなくなり、対面営業の限界が見えてきました。Webの浸透に伴う消費活動の変化もあります。PCやスマートフォンの普及率が高くなり、商品を購入する前に自分で検索して情報を集めてから購買する消費者が増えてきたのです。これはBtoC市場に限らず、BtoB市場でも同様となってきています。

こうした時代の流れに合わせ、製造業の営業活動も対面からWebを活用したWeb営業へと変わってきました。

Web営業のメリット

対面販売には「顔を見て話せるので信頼してもらえる」「購買につなげやすい」といったメリットがありますが、Web サイトを中心に製品・サービスが売れるための仕組みを作るWeb営業には、withコロナ時代にマッチしたメリットがあります。

Web営業のメリット

  • 昼夜問わず24時間稼働できる
  • リードを獲得しやすい
  • パンフレットをデータで置いておける

Webを活用することで、これまで人手不足でできなかった営業活動や夜間の営業活動などもできるようになります。つまり、Webサイトを構築し営業活動につなげることは「24時間動ける営業担当」が加わることとなります。

Web営業の基礎知識

Web営業を実施する際に、知っておきたいキーワードが「AISASの法則」と「リード」です。

AISASの法則とは

AISASの法則とは、Webを利用して購買を行う消費者がどんなプロセスで商品を購入するのかを5段階で表したものです。

Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとった「AIDMA」は、インターネット普及前の一般的な購買行動モデルとして広く知られてきました。インターネット普及後は、Search(検索)した後に購入、購入後にShare(共有)するといった「AISAS」へと購買行動が変わってきています。

さらに進んで、インターネット普及後の社会における購買行動モデル「AISCEAS」が、現在のマーケティングの基本となっています。「AISCEAS」には、「AISAS」のプロセスにComparison(比較)とExamination(検討)が加わっています。

リードとは

リード(Lead)とは、「見込み客」を指すマーケティング用語です。将来顧客になる可能性のある見込み客に対して、それぞれの状況をしっかり見極めて的確にアプローチをする必要があります。

Web営業における五つのステップ

Web営業によって商談が成立するまでには、サイト構築、集客、リード獲得、育成、商談・受注の五つのステップがあります。

ステップ1:サイト構築

Web営業を行うには、まずサイト構築が必要です。ただし、Webサイトを立ち上げただけでは、見込み客を呼び込むことも、問い合わせを獲得することもできません。なぜなら、Webは継続的な運用を行うことで、初めて成果が出るものだからです。

Webサイトを「24時間動ける営業担当」にするためには、以下のポイントが重要です。

Webサイトに営業してもらう三つのポイント

1.見込み客に役立つ情報を掲載する

Webサイトには会社概要、製品一覧を掲載するだけでは十分ではありません。Webサイトを訪問した人がより興味を持ってくれるよう情報の量と質を上げていきましょう。

2.常にWebサイトに最新情報を掲載する

既に廃番になっている製品が掲載されていたり、仕様や価格などが昔の情報のまま掲載されていたりすると、 営業としての機能を果たせないだけでなく、トラブルの原因にもなります。

3.自社の「強み」で興味を引く

目立つ位置に伝えたい強みを掲載しましょう。細かい仕様や機能だけでなく、既製品との違いや他社製品と比べたときの優位性を目立つ場所に配置して、Webサイト訪問者の興味をしっかり引きます。

Webサイトがなかったり、運用が難しかったりする場合、既にあるプラットフォームを利用すればWeb営業を手軽に始めることができます。技術情報が集まるBtoBデータベースサイト「イプロスものづくり(IPROS)」などのプラットフォームに情報を掲載することで、集客・販促活動に役立てることができます。

ものづくり向けデータベースサイト イプロスものづくり

ステップ2:集客

Webサイトの集客力を高めるには、検索エンジン対策としてSEOが非常に重要になります。SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化のこと。GoogleやYahoo! などの検索エンジンで検索した際に上位に表示されるように対策して、多くの人の目にとまるようにする施策です。ユーザーにとって利用しやすいサイトに改善すると、GoogleやYahoo! から評価されて上位表示されるようになります。SEOは基本的に費用がかかりませんが、コンテンツの質や量(サイトのページ数)、ほかのWebサイトからの評価(リンク数)などにも左右されるため、上位表示されるまでに時間がかかります。

検索順位を上げる施策として、リスティング広告も有効的です。リスティング広告はクリック課金制で、キーワードや入札額を設定すれば広告枠に上位表示されます。リスティング広告の場合、即効性はありますが広告費がかかります。

ステップ3:リード獲得

将来顧客になる可能性のある見込み客と接触する糸口、きっかけを作ります。例えば資料請求の際、連絡先の獲得をきっかけに購買へつなげるというような営業活動です。見込み客から個人情報を引き出すには、事例集、小冊子、調査レポート、比較ガイドなど「個人情報を出してでも欲しい」と思える優良なダウンロード資料が有効的です。

ステップ4:育成

育成とは、獲得した「リード」を「育成」(ナーチャリング)して自社製品の良さなどを伝え、購買につなげるもので、リードナーチャリングとも呼ばれます。資料請求などで獲得したリードに対して、メールなどで継続的なコミュニケーションをとりながら商談につなげます。

ステップ5:商談・受注

五つのステップを踏むメリットは、商談にまでいたれば成約率が高いということです。従来の営業のようにいきなり商談を持ちかけるのではなく、見込み客に製品や会社に関する情報を十分に与えて購買意欲を高めてから商談に入るため、成約しやすくなります。

Web営業の事例

大塚商会の「生産管理ナビ」の場合、例えばユーザーに有益な情報を発信するための記事を増やしたり、探している情報がすぐ見つかるように設計を改善したり、コンテンツの質や量、Webサイトの使いやすさを意識して運用を行っています。
その効果として、2020年Q2、Q3では、2018年1-3月と比べて、アクセス(PV)が177%、問い合わせ(CV)が267%増加しています。

また、大塚商会でも「イプロスものづくり(IPROS)」へ掲載することで、自社内に限らずさまざまなメディアでの展開を図っています。

イプロスものづくり 大塚商会/製品・サービス一覧

まとめ

Web営業はwithコロナ時代の新しい営業スタイルとして、定番化していくことが予想されます。また、製造業のような、企業が企業に対してモノやサービスを提供するBtoBの場合、製品が高額だったり、社内承認に時間がかかったりすることで、一般消費者向けのBtoCに比べて購入までの道のりが長くなる傾向にあります。そのため、接触機会を作り、見込み客を育成し、購入意欲を高めて、購入につなげるWeb営業が有効です。Web営業を試してみたいけれどWebサイトがない、運用が難しいという場合は、既にあるプラットフォームを利用すれば手軽に始めることができます。
まずはできるところから始めていきましょう。

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