コロナ禍で従来の対面営業がしにくくなった今、製造業でもWeb営業が注目されています。Web営業にはWebサイトが不可欠ですが、今まで対面営業をメインとしてきた製造業の中には「どんなWebサイトを作ったらよいのか分からない」という企業も多いようです。Web営業を行うためのWebマーケティングには、Webサイト構築、集客、リード獲得、育成、商談・受注といった五つのステップがありますが、今回は「Webサイト構築」と「集客」について紹介します。
Web営業の基本~Webサイト構築・集客編~
2022年 1月25日公開
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目次
製造業におけるWebサイト構築のポイント

Webサイトは「24時間動ける営業担当」として営業活動を助けてくれる力強い味方となります。ただし、営業担当としての成果を上げるには、お客様(閲覧者)の知りたい情報、自社の技術や強みを掲載して、他社と差別化したWebサイトを構築する必要があります。
Webサイト構築のポイント
- 自社の技術・強みをアピールする
- 常に最新の情報をアップする
- 自社の技術・強みを見える位置に置く
1. 自社の技術・強みをアピールする
会社概要や製品一覧は、重要な情報ですが、これだけではお客様へのアピールが足りません。会社概要と製品ラインアップだけでお問い合わせにつなげることは難しいでしょう。特に高額な製品を販売する場合はなおさらです。
Webサイトを有効に活用するには、掲載する情報の量と質が重要です。普段、営業担当がお客様に話している情報を詳細に洗い出し、受注につなげるために必要な情報をWebサイトにしっかり掲載しましょう。
2. 常に最新の情報をアップする
Webサイトが更新されず、古い情報しか掲載されていないと、「この会社は大丈夫だろうか?」とお客様に不信感を抱かせてしまいます。Web運用担当がいない会社では、一度作ったWebサイトがそのままになっていることが少なくありません。
既に廃番になっている製品が掲載されていたり、仕様や価格などが昔の情報のまま掲載されていたりすると、お客様とのトラブルの原因にもなってしまいます。Webサイトは構築して終わりではなく、その後の運用が非常に大切です。常に最新情報に更新しましょう。
3. 自社の技術・強みを見える位置に置く
自社の技術・強みなど、強調したい内容は目立つ位置に掲載することも重要です。Webサイト訪問者の目にとまりやすい場所に知りたい情報が掲載されていないと、Webサイトから離脱されてしまう可能性があります。
特にインターネットの場合、Webサイト訪問者の1サイト当たりの閲覧時間は非常に短く、知りたい情報が見つからないと、すぐに興味を失ってWebサイトから離脱してしまいます。また、対面営業のように疑問にその場ですぐに答えるということがWebサイトではできないため、疑問や分かりにくさを感じると訪問者はすぐWebサイトから離れてしまいます。そのため、製品の仕様や機能だけでなく、既製品との違いや他社にはない強み・優位性を訪問してすぐに分かる位置に掲載することが重要です。例えば、まずその製品の特徴が一目で分かるように目立つところにキャッチコピーを掲載し、その後、詳しい仕様を紹介するなど、掲載の順序も工夫する必要があります。
Webサイトを活用した集客のポイント
Webサイトを活用した集客施策としては、主に検索エンジン対策(SEO)とリスティング広告があります。Webサイトを活用するには、それぞれのメリット・デメリットを理解して使い分けましょう。
集客力を高める検索エンジン対策(SEO)

SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化のことです。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のWebサイトが上位に表示されるようにWebサイト構築を工夫することをいいます。検索結果の上位に表示されることで、クリックされやすくなり、多くの人が自社のWebサイトに訪問してくれるようになります。
SEO対策の特徴
最近では、上位表示されていても広告として表示されていることを認識しているユーザーが増えています。ユーザーは自然と広告を避ける傾向にあるため、一般的に、SEOで上位表示されているWebサイトのほうが、リスティング広告よりもクリック率が高くなる傾向にあります。また、常に上位表示されて露出されることで、ブランディング効果も見込めます。SEOは無料ですが、施策を行ってから上位表示されるまでに時間がかかり、確実に効果が出るともいえません。すぐに思うように施策の成果が出なくても諦めず、PDCAを回しながらじっくり取り組むことが大切です。
SEOの主な特徴
- SEOそのものには費用がかからない
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 確実に検索順位が上げられるとはいえない
- SEOで上位表示されているWebサイトのほうが、リスティング広告よりクリック率が高くなる傾向にある
SEO対策のための重要ポイント
SEOといわれても、何から手を付ければよいか分からない……という人も多いはず。まずはSEO対策の基本ポイントを押さえましょう。
SEO対策のための基本ポイント
- 見込み客に役に立つ情報を掲載する
- 見込み客に役に立つページ・コンテンツをたくさん作る
- 自社の強みに関連するキーワードを適切に盛り込む
- 定期的に更新し、更新頻度を上げる
1. 見込み客に役に立つ情報を掲載する
Webサイトには見込み客に役に立つ情報を掲載する必要があります。日本国内の検索エンジンのシェア7割以上(2021年12月現在)を占めるGoogleでは、最も優先されるべき理念として「ユーザーに役に立つ情報を提供すること」が掲げられています。つまり、見込み客に有益な情報を提供できていないページは、検索エンジンからの評価が下がってしまう可能性が高くなるのです。見込み客に役立つ情報には以下のような情報があります。
見込み客に役に立つ情報の例
- サンプル、見本
- 問題解決ハンドブック
- 導入事例集
- デモ機貸し出し
- 専門分野の基礎知識集
- 業界調査レポート
2. 自社の強みに関連するキーワードを適切に盛り込む
ユーザーは悩みや疑問を抱えて検索します。見込み客となりえるユーザーが入力するキーワードを把握することは、Web集客の重要なポイントになります。Webサイトを作成する際は、見込み客が検索するときに入力すると思われるキーワードと、自社の製品の情報が掲載されたページなど、誘導したいWebページの情報を関連付けてキーワードを適切に設定にしましょう。
1ページに設定するキーワードが多過ぎると、キーワードの効果が分散してしまい、最も伝えたかったキーワードで上位表示されにくくなる可能性があります。また、逆に設定キーワードが不足していると、誘導したいWebサイトのページに関連したキーワードで検索しても、適切に検索結果で上位表示されない可能性があります。
3. 見込み客に役に立つページ・コンテンツをたくさん作る
自社の製品や技術に関するページをたくさん作成することで、関連キーワードで検索された際に自社ページが表示される可能性が高くなります。すぐに顧客となりえる見込み客だけでなく、今後顧客となりえる情報収集層を取り込むためにも、製品紹介だけでなく、関連情報や派生情報をたくさん登録して、製品に関する情報を幅広く網羅しておきましょう。
ただし、やみくもにページを増やせばいいわけではありません。重複した内容のページを複製してしまうと検索エンジンから「コピーコンテンツ」という評価を受けてペナルティーを受ける可能性があります。コピーコンテンツとは、他のWebサイトの内容をそのままコピーしたり、ほぼまねて作られたりしたコンテンツのことです。関連ページを作成する場合は、同じ写真や同じ文章をそのまま使ったページを作らないように注意しましょう。
4. 定期的に更新し、更新頻度を上げる
Webサイトでは常に最新の情報をお客様に伝えるようにしましょう。更新頻度が低く、古い情報しか掲載されていないと、訪問者の役に立つ情報が提供できていないと検索エンジンに判断されて、検索結果で上位表示されなくなります。また、仕様や金額などに変更があった場合は、ユーザーとのトラブルの原因にもなります。
確実に上位表示させるリスティング広告

リスティング広告とは、検索連動型広告のことです。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のキーワードで検索したときに、検索結果画面の上部や下部、サイド部分などの目立つ場所に広告表示される仕組みで、1クリックいくらという課金方式の有料インターネット広告です。
リスティング広告の特徴
リスティング広告のメリットは、なんといっても即効性です。広告の設定から表示までがとても速く、すぐに上位表示されます。リスティング広告は有料広告のため費用がかかりますが、広告料金は自分の予算の範囲内で自由に決められます。競合が多いキーワードの場合には、1クリック当たりの単価が上がったり、キーワードによっては想定よりクリック率が低くなったりする可能性があるため、新製品を発売したりキャンペーンを行ったりする際に一時的に活用するなど、リスティング広告をうまく取り入れていきましょう。
リスティング広告の主な特徴
- 予算の範囲内で広告料金を設定できる
- 即効性がある
- キーワードによってはクリック率が低い
検索エンジンに評価されているプラットフォームの活用事例
大塚商会では、「イプロスものづくり(IPROS)」などへ掲載することで、自社内に限らずさまざまなメディアでの展開を図っています。SEOですぐに効果を出すことは難しいため、検索エンジンに評価されているWebサイト(プラットフォーム)の活用がおすすめです。また、Webサイト構築自体が自社ではなかなか難しいといった企業の場合や、本国の許可がないとホームページを自由に更新できない外資系企業の場合も日本向けのページとして、既存のプラットフォームを利用することで、気軽にアップデートや修正ができます。

まとめ
Webサイトを構築したら、集客できるWebサイトにしなければ意味がありません。Web営業を行うためのWebマーケティングの基本を押さえて、見込み客を呼び込み、興味を持ってもらい、お問い合わせや成約につなげていきましょう。
Web営業を試してみたいけれどWebサイトがない、運用が難しいという場合は、既にあるプラットフォームを利用すれば手軽に始めることができます。まずはできるところから始めていきましょう。
本記事の参考・引用元
【イプロス】Webマーケティングの基本~まず押さえるべき5つの基本ノウハウ~
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