製品販売後の保守・サービス業務が、単なるアフターケアから企業利益の柱へと変化しつつある昨今、製造業では「一毛作」=製品販売による利益に加え、「二毛作」=保守部品販売による収益確保が重要な経営課題となっています。その中で、S-BOM(サービスBOM)は、保守業務に特化した部品構成情報として注目されています。
本記事では、S-BOMとは何か、その構築・活用によって、保守部門が利益を生み出すプロフィットセンター化のポイントを解説します。中堅・中小製造業が持続的な成長を実現するため、情報基盤としてのS-BOMの可能性を見ていきましょう。
S-BOM(サービスBOM)とは? 保守部門のプロフィットセンター化で製造業の収益構造を変える
2025年10月 9日公開
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目次
S-BOM(サービスBOM)とは?
製造業において、製品販売後の保守・サービス業務は、単なるアフターケアにとどまらず、企業収益の「二毛作目」を担う重要な領域となっています。こうした保守事業の収益化を支える情報基盤として、S-BOMに注目が集まっています。
S-BOMとは、「サービス(Service)」の視点から再構築された部品構成情報のことです。従来のBOM(Bill of Materials:部品構成表)が設計や製造に重点を置いているのに対し、S-BOMは保守・サービス業務に必要な部品の識別、構成、供給を目的とした情報体系です。別名「保守BOM」とも呼ばれ、保守業務に特化して支援することを目的としています。
S-BOMのSは「サービス」、保守業務の「点検・修理」の意味
S-BOMの「S」は「サービス(Service)」を意味し、保守業務に求められる「点検・修理」や「貢献」といった意味も含まれています。顧客視点を強く意識し、顧客満足度(CS)の向上に寄与する概念として、S-BOMが位置づけられています。
ほかのBOMとの関係性と違い
S-BOMは、設計部門が作成するE-BOM(設計BOM)を構成のベース情報として活用しています。従って、正確なE-BOMの整備が、S-BOM構築の前提条件となります。
従来のE-BOMやM-BOMは、製品開発や製造工程に最適化された情報を提供するものであり、保守の現場でそのまま活用しようとしても、部品特定が困難であったり、構成が複雑すぎてオペレーションに支障をきたしたりすることが多く見受けられます。S-BOMは、それらの骨格を基に保守の視点で再編成された実務型の部品構成情報です。
保守の現場では、「どの部品が、どの製品に、どのように使われているか」を迅速かつ確実に把握できることが求められます。S-BOMは、まさにそのニーズに応えるために設計された情報体系です。
S-BOM(サービスBOM)の構築ポイント
利益を生み出す保守ビジネスを実現するためには、「三つの掟(おきて)」である「早く届ける」「部品ではなく製品として届ける」「正しい部品を届ける」が非常に重要です。これらを可能にするには、S-BOMの構築が不可欠となっています。
1. E-BOMを保守の目線で再構築する
保守作業は、「外して、付ける」という脱着作業が中心となります。そのため、設計段階では見過ごされがちな据え付け現場での作業性や、保守作業者の負担を考慮する必要があります。脱着用の治工具の指定や作業手順の明示などをS-BOMに反映させることで、顧客満足度の向上につながります。
また、保守専任者との意見交換を通じて、現場で「ありがたい」と感じられる情報を取り入れることが実践的なS-BOM構築には有効です。
2. ユニットを積極的に活用する
保守業務では、個別部品を交換するよりもユニット単位で交換した方が効率的なケースが多く見受けられます。そのため、M-BOM(製造BOM)で構成される中間仕掛品やユニットを積極的にS-BOMに取り入れることが推奨されます。
例えば、軸受けやシャフトなどを圧入済みでキット化することで、交換作業の迅速化・精度向上が期待できます。下図はS-BOMにおけるシャフトユニット構成の一例です。保守作業の迅速化に資するユニット化の有効性を示しています。

3. 製品としての付加価値を付ける
保守部品を単なる交換品として扱うのではなく、価値ある「保守用製品」として提供する工夫が求められます。具体的には、以下のような施策が挙げられます。
- 製品ごとに保守部品キットを構成する
- 保守マニュアルや取扱説明書を整備・同梱(どうこん)する
- 社名入りの梱包(こんぽう)材を使用して商品としての位置づけとする など
こうした付加価値を加えることにより、製品としての完成度が高まり、顧客が安心して使用できる環境が整います。
S-BOM(サービスBOM)活用による保守ビジネスの展開
S-BOMを導入することによって、企業は保守業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上や利益創出にもつなげることができます。ここでは、S-BOMがもたらす具体的なビジネスの可能性についてご紹介します。
正確な部品特定と迅速な対応の実現
S-BOMを構築することで、顧客情報(製品名・シリアル番号など)と保守部品情報をひも付けることが可能になります。これにより、正しい保守部品を迅速かつ正確に特定できる仕組みが整い、現場対応のスピードと精度が向上します。
プロフィットセンターとしての保守部門の再構築
保守部品の需要予測から生産部門への発注・受け入れ、在庫管理、資金繰り、原価管理、販売価格政策、利益計画までの流れをS-BOMで管理することにより、保守部門の独立運営を可能とする利益を生み出す「プロフィットセンター」として再定義することが可能になります。
攻めの営業活動への展開
顧客別の製品保守履歴をデータベース化し、部品の寿命時期を予測することで、「故障する前に交換しませんか?」といったプッシュ型の営業展開が可能となります。これにより、単なる故障対応から脱却し、提案型の保守営業へと進化させることができます。さらにIoTを活用することによって、客先の製品稼働状態を把握し、提案型の予測保守を具体化することができます。
顧客接点の強化と業務効率化
保守部品のオンライン販売や保守情報を公開するWebサイトを設けることで、顧客自身が製品に合ったS-BOMを閲覧し、正しい部品を自ら特定・発注できる環境を構築できます。これにより、顧客の利便性が向上すると共に注文受付側の業務効率化も図れます。
信頼関係の構築
納期情報、価格、代替品の有無、生産・保守の中止などに関する情報を一元的かつ有機的に提供することによって、顧客との信頼関係を深めることができます。正確な情報提供は、顧客からの支持獲得にもつながります。
なぜS-BOM(サービスBOM)が今必要なのか
製造業の変化と保守価値の再定義
製造業では、厳しい経営環境に直面し、製品ライフサイクルと収益構造のあり方が変化しています。これまで「製品を販売して終わり」というモデルが主流でしたが、現在では保守・サービス領域が新たな収益源として再評価されるようになっています。「製造業は二毛作」という大切なポイントです。
この変化を支える情報基盤としてS-BOMの整備と活用が重要なテーマとなっています。
製造業を取り巻く環境の変化
製造業をめぐるビジネス環境は大きく変化しており、従来の保守体制では対応が難しくなっています。以下の表では、こうした変化点と新たに求められる対応について整理しています。
| 主な変化点 | 従来型の課題 | 新たな要求 |
|---|---|---|
| 製品の高度化 | 保守部品の特定が困難 | 製品と部品をシームレスに管理 |
| 顧客の期待の変化 | 保守対応の遅延 | 即時対応/正確な部品供給 |
| 利益構造の多様化 | 保守部門は“コストセンター”扱い | プロフィットセンター化の推進 |
| DXの進展 | 紙ベースの保守情報管理 | デジタルBOMによる統合管理 |
このような背景により、構成情報の可視化と再構築を可能にするS-BOMへの注目が高まっています。
保守部門の役割変化と利益構造の転換
かつて保守部門は、製品の修理や不具合対応を担う「必要経費」とみなされていました。現在では、企業の収益に貢献する存在として、次のような価値が期待されています。
| 期待される価値 | 説明 |
|---|---|
| 利益率の向上 | 交換部品は、材料費や工数に対して柔軟に価格設定ができ、高い収益性が期待できる |
| 顧客接点の確保 | 保守対応を通じて継続的なコミュニケーションが可能となり、関係性を強化できる |
| 提案営業の実現 | IoT情報や保守履歴に基づき、交換のタイミングを先回りして提案できる |
このような取り組みを支える構成情報として、S-BOMの整備は不可欠です。的確な部品特定や履歴管理を可能にすることで、保守業務の質を高め、営業活動の精度も向上します。
S-BOM(サービスBOM)活用による「攻めの保守営業」の実現
従来の故障対応中心の保守営業から一歩進んだ「攻めの営業」を実現するためには、情報管理の進化が求められます。以下のようにS-BOMの活用によって営業スタイルの転換が可能になります。
| 従来型 | S-BOM活用型 |
|---|---|
| 故障後に対応 | 故障前に予測・提案 |
| 顧客情報が分断 | 製品情報と保守履歴を一元管理 |
| 誤手配や対応遅延 | 精度の高い部品特定と納品管理により満足度向上 |
顧客別に部品交換の推奨時期を通知、予算化を支援する営業提案が可能になることで、保守部門は受け身の立場から戦略的な役割へと変わっていきます。こうした転換によって、保守業務が企業の利益構造の中核を担う存在へと成長することが期待されます。
S-BOM(サービスBOM)導入に向けた社内体制とステップ
S-BOMを実効性のある形で導入・運用するためには、設計部門だけでなく、保守、製造、営業、情報システムなど、複数部門が連携し、会社全体を俯瞰(ふかん)した大胆な組織改革を視野に入れることが不可欠です。保守部門のプロフィットセンター化は、会社運営そのものともいえる経営課題であるため、部門横断的な取り組みが求められます。
社内体制構築のポイント
S-BOM導入にあたっては、部門ごとの役割を明確にし、継続的な連携を可能にする社内体制づくりが重要になります。S-BOMは、設計情報であると同時に経営情報でもあるため、部門横断型での取り組みが必要不可欠です。以下はS-BOM導入時に関わる主要部門とその役割を整理した一覧です。
設計部門
E-BOMの整備と、品目コード体系の標準化がS-BOM構築の源泉情報として必須となります。
保守部門
「保守という視点」を持ってS-BOMを再構築するため、現場目線での再構成案の提示や「脱・着への配慮」といった作業性要件の反映が重要です。そのためには保守業務担当者との意見交換が有用です。
製造部門
保守現場で役立つユニットを供給するため、M-BOMで生成された仕掛けユニットを積極的に活用し、作り置き品の在庫戦略との連携を図る必要があります。
営業部門
顧客別の製品保守履歴をデータベース化して管理することで、部品の寿命を想定し、「故障する前に交換しませんか?」というプッシュ型の「攻めの営業」を展開することが可能になります。
情報システム部門
S-BOM管理ツールの選定や、顧客別の保守履歴データベースの構築、Web連携システムの実現など、データベースの構築とシステム導入を通じてDX推進を支援します。
経営層
保守部門のプロフィットセンター化は「製造業は二毛作」を実践する具体的な手段であり、全社方針の決定や、生き残りをかけた中・長期経営計画として体制整備を後押しすることが求められます。加えて、保守部品の販売価格戦略は経営層の重要な施策です。保守部門がプロフィットセンターとして成立するためには、価格(利益)と納期への経営的戦略が求められます。
このように、S-BOMは設計情報であると同時に経営情報でもあるため、部門横断型での取り組みが必要不可欠です。
導入ステップと重点項目
S-BOM構築には段階的な取り組みが求められます。次のようなステップに沿って進めることで、情報の精度向上と業務効率化の両立が可能になります。
- (1)現状課題の洗い出し
- 保守部品の識別・手配ミスの確認
ポイント:保守現場の声をベースに実態を把握すること - (2)E-BOMの整備
- 部品構成の正確化、設計履歴の反映
ポイント:情報粒度と設計対応力が鍵 - (3)保守視点での再構築
- 脱着性や作業性を考慮した構成設計
ポイント:保守担当者との協働で再構成する - (4)ユニット化・キット化
- 中間仕掛品活用による作業効率向上
ポイント:M-BOM連携の視点が生きる工程にする - (5)マニュアル・情報添付
- 現場で役立つガイドの整備
ポイント:作業ミス防止・顧客満足度(CS)向上に直結する要素となる - (6)顧客別履歴管理と連携
- 製番とのひも付け、問い合わせ対応の整備
ポイント:Web在庫(販売)連携と保守品目コード検索の仕組みなど
こうしたステップは、設計技術・情報管理・顧客接点を包括的に見渡したうえで整備する必要があります。特に品目コード体系と設計変更履歴の整理は、全体の精度を左右する重要な要素です。
DXとの連携による推進力強
S-BOMの導入は、DX(デジタルトランスフォーメーション)施策の一環として考えられます。クラウド型BOM管理ツールや履歴検索システムの活用により、次のような効果が期待できます。
- 社内での設計・保守情報の一元管理とアクセス性の向上
- IoTと連携した故障予測や遠隔保守の実現
- 顧客用ポータルサイトとの連動によるセルフオーダー支援
こうした仕組みを構築することで、S-BOMは“顧客との強固な関係づくりに貢献し、製品販売後の関係強化ツール”として企業の差別化要件に育てることができます。
導入時に注意すべきポイントとよくある課題
S-BOMの導入は、保守部門のプロフィットセンター化を実現するための重要なステップである一方、現場ではさまざまな課題が顕在化しています。導入を成功させるためには、以下のポイントに留意し、よくある障壁を事前に把握しておくことが不可欠です。
注意すべきポイント
E-BOMの整備が前提条件
重要な前提条件として流用化・標準化設計環境が整っていることです。そこから生み出されたE-BOMの存在が必須です。
S-BOMはE-BOMを保守視点で再構築することで成り立つため、設計部門による正確なE-BOMの整備が不可欠です。設計変更履歴や品目コード体系の不備がある場合、S-BOMの構築に支障をきたします。
保守業務との連携
実際の保守作業に即した情報(脱着性、ユニット構成、作業性など)を反映する必要があります。設計部門と保守部門の密な意見交換が求められます。
ユニット活用と製品化の視点
単品部品ではなく、ユニット単位での構成や、マニュアル・梱包材などを含めた「保守製品」としての付加価値を意識することが重要です。その意味で、生産用に構築されたM-BOMを上手に流用する意識も重要です。
情報のひも付けと検索性
顧客名、製品名、シリアル番号などから正確な保守部品を特定できるようS-BOMと製品情報のひも付けを徹底する必要があります。
生産用ユニット・部品と保守用ユニット・部品の外観や機能は同一であっても、原価や在庫としての管理粒度の観点から保守部品業務専用、つまりM-BOM専用 の品目コード体系を構築することも考えたいところです。
よくある課題
設計変更履歴の追跡困難
古い図面や設計ファイルに依存している場合、どのバージョンが使用されているか不明となり、誤部品の提供につながります。
品目コード体系の未整備
コード体系が曖昧なままでは、部品の識別が困難となり、正しい部品の特定ができません。
在庫戦略との不整合
類似品種が多すぎると在庫管理が煩雑になり、迅速な部品提供が難しくなります。流用化・標準化設計との連携が必要です。
保守部品の「横取り」問題
生産用部品を保守目的で流用することで、生産部門に混乱を与え、全社的な効率低下と利益損失を招くケースがあります。
生産中止部品の反映調査
購入品で頻繁に起こる生産中止・仕様変更に対する製品(含む過去製品)への影響範囲の調査が困難であったり、製品捕捉不全を起こしたりしてしまいます。
S-BOM(サービスBOM)による業務改善と保守部門のプロフィットセンター化
S-BOMの構築と活用は、単なる業務効率化にとどまらず、保守部門の収益性改善にも直結します。ここでは、S-BOMによって得られる業務改善ポイントを整理します。
業務改善の主な効果 正しい部品供給による信用向上と誤出荷の削減
S-BOMを活用し正確な部品手配を行うことで、誤出荷を防ぎ、顧客からの信用低下を防止します。誤った部品供給は信用失墜やビジネス破綻の原因となるため、S-BOMは重要な解決策です。
保守作業性の向上による時間短縮
S-BOMは、保守現場での「脱着」作業を考慮した構成やユニット化により、作業の円滑化とトラブル対応時間の短縮に貢献します。保守に優しい「保守用製品」の提供につながります。
在庫戦略との連携による保守リードタイムの短縮
S-BOM情報に基づく在庫の適正配置と予備部品の準備は、「早く届ける」という保守ビジネスの基本を支え、保守リードタイムの短縮を実現します。これは、流用化・標準化設計によっても促進されます。それらに伴う保守部品在庫金額や価格政策もあわせて重要な経営戦略となります。
顧客満足度の向上と保守予算計画への貢献
S-BOMを核とした保守履歴管理は、製品寿命を想定した予防的な「攻めの営業」(プッシュ型営業)を可能にします。これにより顧客満足度を高め、顧客の保守予算計画への寄与も期待できます。IoT環境を積極的に利用した予防保全や製品稼働状況情報サービスなどの新たな保守ビジネスも視野に置くべきです。
これらの業務改善は、保守部門がコストセンターから利益を生み出すプロフィットセンターへと転換するための重要な基盤となります。
S-BOM(サービスBOM)が支える新たな経営
S-BOMは、単なる保守情報の管理ツールではなく、製品ライフサイクル全体を通じて価値を生み出す情報基盤として、その役割を担うようになってきています。
このように、S-BOMは製品の「使われ方」や「保たれ方」に関する情報を蓄積・活用することで、製造業の経済合理性の両立を支援する仕組みとなります。
「つながる製造業」への進化とサービスBOM(S-BOM)の役割
IoTやクラウド技術の進展により、製品は販売後も企業と“つながり続ける”時代に入りました。S-BOMはこの流れの中で、次のような役割を果たします。
- 製品稼働状況の把握
- IoT連携により、現場での使用状況をリアルタイムで取得可能。
- 故障予測と提案
- 稼働データと履歴を基に交換タイミングを予測し、提案営業につなげられる。
- 顧客ポータルとの連携
- 品目コードやシリアル番号でS-BOMを検索・閲覧できる仕組みを構築可能。
- サブスクリプション型保守
- 定期点検や部品交換をサービス化し、継続的な収益モデルを構築できる。
このような「つながる保守モデル」は、顧客との関係性を深化させると同時に予防型・計画型の保守を実現します。
中堅・中小製造業にとっての可能性
S-BOMは大手企業だけでなく、中堅・中小製造業にとっても導入価値の高い仕組みです。特に以下のような点で、競争力強化と持続的成長の両立が期待されます。
- 顧客との接点を保守業務で確保し、リピート受注や新製品提案につなげられる
- 保守部品のネット販売やポータルサイト活用により、営業リソースの効率化が可能
- 製品履歴を基にした提案で、顧客の予算計画に寄り添った営業が展開できる
- 保守部門の収益化により、事業の多角化と安定収益源の確保が可能になる
「生産革新 Bom-jin」によるS-BOM(サービスBOM)の実現
S-BOMは、保守・サービス業務に特化して再構築された部品構成情報であり、設計部門が作成するE-BOMを源泉情報とするため、正確なE-BOMの存在がその構築の前提となります。
大塚商会の「生産革新ファミリー」の部品構成表管理システム「生産革新 Bom-jin」は、S-BOMの基盤を築くうえで重要な役割を果たします。
設計技術部門の図面や技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理し、BOM(部品構成表)の構築を支援します。これにより、S-BOMに必要な正確で標準化された部品情報が整備され、保守業務における「正しい部品を届ける」という課題解決に貢献します。
「部品構成表管理」の製造業向け生産管理システム
製品原価の80%は設計段階で決定されます。「生産革新 Bom-jin」は生産管理とのデータ連係を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、標準化と流用化を実現します。また、生産管理システム「生産革新 Raijin」と連携し、生産部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減・納期短縮・生産効率の向上を実現します。
まとめ
保守業務の高度化と収益創出が求められるいま、S-BOMはその中心に位置づけられる情報基盤です。E-BOM(設計BOM)を起点に、保守視点で部品構成を再編成することで、「正しく、早く、価値ある形で部品を届ける」保守体制が整います。
S-BOMの導入により、部品特定の精度向上、保守履歴の管理、顧客提案力の強化などが実現し、保守部門はプロフィットセンターとして再定義されます。DXやIoTと連携することで、故障予測やオンライン保守、サブスクリプション型サービスにも展開可能です。
S-BOMは、保守部門の改革を超え、企業全体の利益構造と顧客関係を進化させるきっかけとなります。製造業が「二毛作」を実現し、持続可能な成長を目指すために、S-BOMの活用と社内体制の再構築は今後ますます重要な取り組みとなるでしょう。
大塚商会が提供する「生産革新 Bom-jin」は、S-BOM構築の実務を支えるシステムとして、情報の正確性・整合性を高め、設計~製造~保守を一気通貫でつなげる強力なソリューションとしてお役立ていただけます。
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本記事の監修者

谷口 潤(株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント)
開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。
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