同志社中学校 教育ICT推進担当 反田 任

2022年10月28日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のClassRoomCLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

ClassRoomCLIP第二回目は、京都にある私立同志社中学校教師、反田先生にお話をお伺いしました。反田先生は教師歴41年の大ベテランです。ギガスクール構想の始まるずっと前から、授業にノートパソコンを取り入れ、以来iPadも積極的に活用し、先進的な取り組みを続けておられます。

'97年には校内にノートパソコンを40台導入

先生がICTに取り組み始めてどれくらいになるのでしょうか?

ICTのくくりでいえば、1997年に、校内ネットワークを構築しましてインターネットに接続し、ノートパソコンを40台導入したのが始まりです。本格的にiPadを導入したのは2012年ですから、もう10年くらいということになりますね。2014年にはひとり一台のiPadを導入しました。

iPadを使った授業で、記憶に残るエピソードを教えてください。

まだカメラも付いていない、重たい世代のiPadを使っていた時ですが、英語のデジタルテキストを自前で作って、それを使って生徒が、それぞれ自分のペースで発音練習をしたんです。その時の感想が「授業で先生と一緒に読む練習をしていると、分からないところはスルーしてしまっていたけど、デジタルテキストを使えば、自分のペースで進められて、とてもよかった」と。

ちょっとショックでしたけど(笑)、生徒は自分のペースで学習することを望んでいる、ということが分かりましたね。それがiPadを導入する大きな推進力の一つになったと感じています。

トラブルや困ったこともありましたか?

導入したての頃は、iPadを一台一台回収してアップデートをかけていたんです。まだまだネットワークの不安定さがありまして、アップデートをしているときに生徒のiPadを初期化しないといけないような状態になってしまって。蓄積されていたデータが無くなってしまった。ほんの数台だったんですが、生徒にとってはそれまでを記録している貴重なデータですから、ひたすら謝りました。それ以降は、できるだけクラウドに保存するようにしています。

子どもたちにクリエイティビティーを発揮する機会を

ICTをうまく活用できていない学校や先生方にアドバイスをお願いします。

ハード的には、機械、デバイスの特性をしっかりと把握することです。こうした状況に陥るのはどういう原因があるか、今はあちこちに事例が出ているので、参考にしてうまく運用することです。

ソフトウェア的には、一度に色々やろうとせずに、まずは使いやすいもの一つ二つくらいから慣れてもらって、そこから広げていくとスムーズでしょうか。ソフトウェアも色々あるので、本校でも、先生に合ったものを選んで使ってもらうようにしています。

これからのICT教育で、どのようなことを期待されますか?

ICTを使った教育というのは、子どもたちがいろんな情報に触れて学んでいけるということです。さまざまなアプリを使うことによって、例えば、英語の発音をAIがチェックするアプリとか、そういうものをうまく活用しながら、スキルを磨いていってほしい。

このアプリしか使ってはいけない、と制限を設けると、子どもたちがクリエイティビティーを十分に発揮できなくなることも。先生方は、子どもがクリエイティビティーを発揮する機会を保証していってほしいと思います。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

反田 任(たんだ たかし)

同志社中学校 教育ICT推進担当

担当教科は英語。iPadを積極的に活用し、英語で動画・プレゼン制作などに取り組んだり、英語のコミュニケーション能力向上のためにAIアプリやオンライン英会話を取り入れている。また最近ではSTEAMの要素を授業に取り入れた授業デザインを試行している。

Apple Distinguished Educator 2015, Adobe Education Leader 2022

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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