アプリル株式会社/プログラミングスクール コプリ(PCN大阪) 福嶋 伸之

2023年4月28日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のClassRoomCLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

ClassRoomCLIP第8回目は、大阪のアプリ開発会社『アプリル』の福嶋 伸之(ふくしま のぶゆき)さんにご登場いただきました。

少人数制のプログラミング教室で楽しみながらステップアップ

福嶋さんは、アプリの開発と同時にコプリというプログラミングスクールをやってらっしゃるんですが、どのような体制で行われているのでしょうか?

「私の会社の応接室に1クラス最大4人で、私と外部の著名なプログラマーの先生とふたり体制で教えています。小・中学生が対象ですが、一部、Pysonクラスで高校生もいます。」

Pysonなど、かなり高度なこともやってらっしゃるのですね

「最初に始めるところまでは敷居が高いですが、環境を整えて始めてしまえば高校生でもアイデア次第でいろいろなものが作れるようになってきます。小学生や中学生には、主にベーシックで簡単なゲームを作ったりなど、プログラムを中心に教えています。中学3年生から高校生にかけて徐々にステップアップしていき、PysonやUnityを使ってゲームを作るといったようなことをやっています。ゲームがある程度完成して、遊ぶことに夢中になっているうちに、テクニックを見つけたり、改造したり、ちょっと難しくしてみたり……。みんなすごく楽しんでますね。最近ではタミヤの昆虫型ロボットに光センサーを付けて、光に向かって動くロボットをプログラムしたりもしています。」

プログラミング教育への取り組み方に大きな差が生まれている

ギガスクール構想によって学校でもiPadが導入されたり、教育にコンピュータを使わなければならなくなりましたが、急に導入が進んだために、学校の先生としても何をすればいいのか分からない状況です。

「先生はそもそもプログラマーではないですから、言われたことを教えてはみるけれども、それが何をどう見せてるのか分からないみたいなところもあると思います。」

現場で客観的に見てらっしゃって、今の小・中学校のプログラミング教育というにはどういう問題がありますか?

「ギガスクール構想が始まる2年ぐらい前から、プログラミング教育が必修になるという話が持ち上がって、かなり皆さん熱心に研究したんですが、まずデバイスは何を使うのか、次に一体だれが、何を教えるんだ? という問題がありました。そして、何となくこういったことでいいのかなというのが見えてきたところでコロナがあり、オフライン授業が主になった。つまり、うまくスタートできずに困っていらっしゃる学校が多いのかなというふうに思います。

その状態で3年が過ぎましたが、現状は、非常に熱心に取り組んでる一部の学校と、毎年このぐらいずつやっておこうというようなイメージで、最低限に近い進め方の学校とに大きく分かれているような印象です。」

「このぐらいやっとけばいいのかな?」というのは、どれくらいのことをやってらっしゃる感じですか?

「Scratchを触ってみる、タイピングを勉強してみるなど、総合学習の時間を使って延べ一時間程度行うといったような形が多いかと。それ以上のことをやろうとすると、やはり専門の先生が教えるといった体制づくりが必要になってきます。カリキュラムを作ったり、実際にそれを行ったりする、人側の予算というものはなかなか出せない、特に公立校では、プログラミング教育について潤沢な予算を組むのは難しいと思います。

最近では協力やアドバイスを求めていただくこともあるので、年間に何日間か集中してプログラミングのコツをやりませんか? とご提案しています。総合学習の時間をまとめていただいて、その中で子供たちに、例えばプログラミング言語など初歩の部分を体験してもらうといったようなことですね。」

子供たちが「プログラミングは楽しい」と思えることがゴール

プログラミング教育にはどういうメリットがあるとお考えでしょう?

「学校で行われているプログラミング教育で、おそらく先生方がお考えなのは、それによって論理的な思考力を身につけてほしいといったことであるかと思います。ただ、私が個人的に目指しているゴールは、プログラミングを楽しいと思ってもらうこと、これがゴールとして設定していることです。」

今後、学校のプログラミング教育はどういうふうになっていけばよいと思われますか

「小学生では難しいかもしれませんが、中学生の間に何か人の目に触れる、人に使ってもらえるプロダクツソフトウェアを作れたらいいのではないかと思います。内容はどこかで見たようなものでもいい、バグがあってもいい、けれども何か自分の手で1つのソフトウェアを完成させるという経験を中学生ぐらいの時に積んでもらえたら、と考えています。」

GUEST PROFILE

福嶋 伸之(ふくしま のぶゆき)

アプリル株式会社/プログラミングスクール コプリ(PCN大阪)

小学3年生のときパソコンが欲しくて欲しくて、段ボール箱にキーボードを描いて打つ練習をしていたところ、両親がPC-8001mkIIを買ってくれたのがプログラミングとの出会い。テレビ局のグループ会社に就職し、ウェブコンテンツ制作に従事する傍ら、スクールから依頼されてウェブ制作の講師業を開始した。2011年に退社しアプリル株式会社を設立、iPhone・iPadアプリ開発とスクール運営を手掛けている。
近年は子供へのプログラミング学習機会の提供に注力し、子供向けプログラミングスクール・コプリを運営するとともに、小学校から大学まで、さまざまな学校で講師として授業を行っている。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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