東京成徳大学中学・高等学校 降矢 貴充(ふるや たかみつ)

2023年7月28日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のClassRoomCLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

ClassroomCLIP第11回目は、東京成徳大学中学・高等学校の降矢 貴充(ふるや たかみつ)先生にご登場いただきました。

iPadは生徒たちにとって当たり前にある道具

降矢先生の学校におけるICT教育の進み具合をお話しいただけますか?

「私は東京成徳で6年目になりますが、私が来たころには、もうiPadが使われていて、2016年には1人1台ありました。最初は、授業中、iPadで遊んだらどうするの? とか、写真でいたずらしたらどうしよう? みたいな、他の学校さんと同じような状況でしたね。

今では多くの先生が使えるようになって、職員室でもこんな便利な使い方あるよとか、知っている先生同士でいろいろ情報交換するなど、ちょっと和気あいあいとした感じです」

今、高校3年生の生徒さんは、もう6年間も使っているから、当たり前の道具になっているという感じですね。

「そうなんです。iPadでノートを取っている生徒はたくさんいます。ノートは、きれいに取れるからとか、素早く使えるからという理由でiPadを使ってもいいし、もちろん、紙のノートに書いてもいいし。自由に選ばせているんです」

『マインクラフト』もiPhoneも、授業に取り入れ活用する

降矢先生は『マインクラフト』を、学校の授業に活用されたそうですね。

「中3の生徒が文化祭で使ったのがきっかけです。元々、その生徒たちは、入学した当時からマインクラフトをやりたいって話もしていました。ただ、その時点では、マインクラフトは、教育現場で受け入れられるのか? といった葛藤(かっとう)もあって。けれども、コロナで文化祭ができなくなった時に、お客さんがオンラインでも楽しめるようなものって何だろう? と考えていたところ、マインクラフトで学校の校舎を再現したらどうだろう、という話が出ました。私も昔、マインクラフトを楽しんでいた1人だったので、やりたいなら挑戦してみようということになったんです」

マインクラフトで何をしたんですか?

「生徒がマインクラフトで校舎を作っていったんです。1メートル1ブロックの単位で、校舎全体と、周りの町も若干含めて」

校内も全部作ったってことですか? すごいですね。

「なかなか大変な作業でした。1チーム10人ぐらいで分担して作業していきました。計測作業は、中1の時に計測アプリを使った数学の授業をやっていたのを思い出して、iPhoneのカメラで写しながら長さを測りました。

その後、みんなでスプレッドシートの共同編集を使って、長さをみんなで共有したりして。自分たちだけでそこまでできるんだと驚きましたね」

すごいですね。マインクラフトを文化祭で使われた結果、どういう成果が得られたでしょうか?

「まず、生徒の親からすごく感謝されました。子どもがマインクラフトのチームに入ってから、学校のできごとを家でいろいろ話してくれるようになった、学校に行くのが楽しくなった、と。さらに、情報系の大学に進学したいという夢もできたなど、ちょっとずついい影響が出ているのかなと思っています。

あとは、トラブルが起こった時、例えばマインクラフト内で、牛を校舎内にたくさん放った生徒がいて、犯人探しが始まった。チームのリーダーの生徒たちとどうする?って話をしたら、いたずらをした生徒をワールドに入れなくしちゃったとかで、そうするとまた別のトラブルが起きたりします。そうするうちにだんだん問題点を自分たちで見つけて、考えていく。共同作業をするということを学習できましたね」

マインクラフトを教育に使えるというのは大変興味深いですね。

GUEST PROFILE

降矢 貴充(ふるや たかみつ)

東京成徳大学中学校・高等学校 数学科教諭

パーソナライズ・クリエイティビティを軸にした数学の授業で、多様な価値観の中で主体的な思考のできる人材育成に取り組む。また、勤務校にてアプリケーション開発のゼミを担当し、自身も学習アプリケーションの開発を行う。Apple Distinguished Educator。

  • *本記事中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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