近畿大学附属小学校 宮崎 慶子(みやざき けいこ)

2023年10月27日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のClassRoomCLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

ClassRoomCLIP第14回目は、近畿大学附属小学校の宮崎慶子(みやざき けいこ)先生にご登場いただきました。

iPadは英語で自分を『表現』することに役立つ

まずは、自己紹介をお願いします。
「私は奈良県にある近畿大学附属小学校で英語の専科の主任をしています。」
iPadを英語の授業で、どのように活用されているのでしょうか?
「iPadは、なくてはならないものになっています。例えば、自分の日課のビデオを作ったり、海外の児童と交流したり、アップル純正の『Clips』というアプリケーションを使って自分の学校の1日の様子を紹介したりしています。」

国際交流では、どういう人に協力してもらいますか?

「私の場合は、2019年のADE・インスティチュートの時に出会った先生方とのコネクションがすごく大きくて、そこから別の先生を紹介してもらったりして輪が広がっています。」

日本の学校側では、英語を勉強したいという気持ちがありますが、外国の方が日本語を勉強したいというケースは多くはないと思います。なぜ、海外の小学校が協力してくれるのでしょうか?

「オーストラリアの小学生と交流した時に、向こうは日本の文化が知りたい、日本の学校生活の様子が知りたい、と。そうすると、こちらで子供たちは、休み時間にiPadを持って校庭に出て行って、『一輪車しているよ!』とか、『鬼ごっこしているよ!』とか、『昼食はこんなもの食べるよ!』と写真を撮って、お互いに送り合ったりして、とてもうまく交流できました。」

そうなんですね。オーストラリアの小学生は、日本の何を見て珍しがりましたか?

「お弁当の話はすごく盛り上がっていましたね。海外のお弁当って、サンドイッチやフルーツ、お菓子など、とてもシンプルですが、日本のお家の方が作るお弁当ってすごく手が込んでいます。また、うちの学校の給食にケータリングのお弁当があるんですが、バランスよく小さなおかずがあって、ご飯があって……、という感じがオーストラリアの小学生には新鮮だったようです。逆に本校の子供たちは、『え? お菓子が入っているの?』と驚いていました。文化の違いを学びました」

子供たちが自分からやってみたいと思えるような英語の授業を

それは、海外の小学生にとってもメリットですね。先生が今、教えていらっしゃるのは何年生ですか?

「1年生と5年生、6年生です。」

近大附属小学校では、学年ごとにどういう英語の勉強をしていますか?

「1年生は歌って踊って、体を動かしながら一緒に楽しんで、英語に触れる、慣れていく。そして、少しずつ単語や文章を読めるように授業を組み立てています。5~6年生になると、英語が好きで、塾に行ったり習ったりしてすごく力が伸びている子もいれば、学校の授業だけで学習している子もいます。自分で自分のことを表現するという意味では、英語で7~8分のスピーチができたり、自分の好きなものや、簡単な自己紹介ができたり、そういったところをゴールにしています。子供たちが興味を持って取り組めるような、学校でしかできない、というところにこだわって、授業しています。子供たちが英語を使ってみたい、と思い、話したことが伝わった、と達成感を味わえるような授業を意識しています。」

海外の小学校とダイレクトにつなぐってすごいことです。

「そうですよね。でも今は、本当に簡単にできるんです。スケジュールもちょっとメッセンジャーとかで海外の先生と打ち合わせして、パパパパって決まっていく感じなんですよ。」

でも、多くの先生方は、海外とオンラインでつなげてください、と言われても困ってしまうのでは…

「きっとそうだと思いますし、相談もよく受けます。今は世界中で、海外交流をやっている先生方は多いです。それを自分で見つけていって、コンタクトを取って。自分から動けば、交流先は世界中に溢(あふ)れています。もちろん、どんな相手かとか、向こうの学校がどんな学校かとかって、SNSから見抜くことは難しいとは思いますが、全くできないということはないんじゃないかな。」

最後に、どうやったら、iPadやデジタルデバイスを授業にうまく導入できると思われますか?

「まず、先生たちが使ってみる。どんな使い方ができるのか、先生が知ることが大きいと思っています。その時にiPadをただ使うだけじゃなくて、自分が持ってる学年、担当の教科に応じて、この単元ではこんなことができるんだ、と示すことで『あ、これなら私もできそう』とか、このステップならいけそう、とか。簡単なところから始めてみるのがいいと思います。いきなりiPadを使って授業してね、と言われるよりは『この授業でこんなことできますよ』『うちの学校でこんなことやったら、子供たちはすごく表現力豊かになりましたよ』といった具体例を見せて、一緒に体験することはすごく有効かな、と思います。」

GUEST PROFILE

宮崎 慶子(みやざき けいこ)

近畿大学附属小学校

2008年から近畿大学附属小学校で、英語専科教員として勤務。15年に渡り、国際交流を担当。ICTを活用した小学校英語教育を推進している。2015年~17年には、日本私立小学校連合会外国語部会の運営委員を務める。現在、AR(拡張現実)を活用した小学校英語教育の指導法の開発を研究。2019年Apple Distinguished Educator、2023年Apple Professional Learning Specialist に認定。

  • *本記事中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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