関西大学初等部 堀力斗(ほり りきと)

2023年11月24日公開分のClassRoomCLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のClassRoomCLIPも、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

ClassRoomCLIP第15回目は、関西大学初等部の堀力斗(ほり りきと)先生にご登場いただきました。

iPadで国語の授業をよりクリエイティブに

以前、学校の取材に伺った時にも、iPad導入をスムーズに行えていて感心しました。いつ頃からiPadを導入されているんですか?

「最初は、2014年か15年の時に、一学年にiPadを入れて、そこから徐々に始めて2017年の段階で、全学年が一人一台使える状況になりました。」

堀先生は何を教えていらっしゃるんですか?

「主に高学年を持っていた時は社会科でしたが、1年生に降りてからは国語を中心に担当しています。」

国語でiPadをどういう風に利用されてるんでしょうか?

「国語は、言葉の学習なので、言葉の力をつけるということが一番、教科の目標としてあるんです。そのために今までは、感想文を書いたり、詩を朗読したりしていました。こうした、今まであった活動にプラスiPadを使うことで、言語活動がよりクリエイティブに、創造的に変えていけるように使用しています。

例えば、動画アプリのクリップスを使って、お気に入りの作品を、相手にどういうところが好きかということを伝えるんですが、それをこれまでは文章だけで書いていたものを、映像や音楽を組み合わせて、その世界観を表現したり。」

その他にはどういう授業をされているんですか?

「私は、クリップスやガレージバンド、あとはキーノート、ページズなどiPadに最初から入っているものを使っていますが、その中でもキーノートをよく使います。プレゼンテーションソフトなので、スライドになっていますから、一枚一枚を紙芝居みたいにできますよね。例えば2年生の国語で習う『スイミー』では、子どもたちに一個一個、絵を描かせて、それを紙芝居のようにしてつなげて、動画で書き出して、音声も入れてお話の世界を表現したりしています。」

朗読の映像版みたいな感じですね。

「そうです。さらに登場人物にモーションパスで動きをつけて。2年生なんですけど、これも国語の力なんですが、お話がどんな順序で、どんな風に人物が動いたりしてるのかっていうのを、アニメーションの順序でちゃんと表現する。あ、先にこっち動いちゃだめじゃんとか、話しながら、試行錯誤していく。

iPadの良さって、そのテクノロジーを使うことによって、その子らしさを表現することができると思っています。自分らしさを国語の中で表現しつつ、さらに国語の教科の内容というのもしっかり抑えることを意識して授業をデザインしてます。」

早い段階からiPadが当たり前にある学習環境を

高学年を担当していた時は、プログラミングも教えていらっしゃったそうですね。

「はい。『スイフト プレイグラウンド』がすごく優れていて、楽しく学べるんですけど、そこにいきなりいくよりは、まず、一時間の中で、アンプラグドな活動を通して概念を理解して、実際使うコードもちゃんと抑えて、それを使ってやってみる。習得と活用というような流れで毎回、回しています。”Everyone Can Code”の考え方でやっています。」

素晴らしいですね。最後に、iPadの導入がうまくいく工夫やコツがあったら教えてください。

「自由にしてあげてほしいなと思うんですね。iPadを使って、こういうことが起こったら嫌だから、と、使うアプリを制限したりしがちですが、逆に失敗させていいと思うんです。そして、早い段階からこれが学習のパートナー、一緒にいなくてはならないものという認識を持って学べること。この授業は使わない、この授業は使う、というよりも、いつでも使っていいよ、というスタンスで横に置いておけるような、心理的安全性がある。いつでも使える学習環境がいいなって思います。」

GUEST PROFILE

堀力斗(ほり りきと)

関西大学初等部

情報教育主任を5年間務め、1年生から6年生までの1人1台環境を整備した。その環境を土台に先進的で創造的な取り組みを学校を挙げて展開し、2017年から三期連続でのApple Distinguished School(ADS)認定に貢献した。いち早く、everyone can codeの考え方を取り入れ、アンプラグドな体験活動を組み合わせ、小学校における誰でも取り組めるプログラミング学習をスタートさせた。2017年にApple Distinguished Educatorに認定されている。教科の専門は社会科であるが、近年はクリエイティブな国語科の授業デザインの実現を目指している。特に単元の中の言語活動において思考力と創造力を育むiPad活用を心がけ、子どもたちと学びを探究する毎日を送っている。

Apple Japan Everyone Can Code ― 堀氏のストーリー ―Apple

  • *本記事中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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