新渡戸文化学園 山内 佑輔

2021年2月19日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

番組サマリー

「Happiness Creator」をスローガンとした学校改革

新渡戸文化学園は、こども園から小学校、中学校、高校、短大まである総合学園になります。初代の校長が新渡戸稲造ということで、長い歴史をもつ学校なのですが、近年、学校改革にも力を入れて取り組んでいます。「幸せをつくる人になろう」という意味の「Happiness Creator」育成を最上位の目標にした教育を推進している学校です。

新渡戸文化学園の正門(新渡戸文化学園のホームページより)

学校の中にあるちょっと変わった「ものづくり空間」

VIVISTOPでの放課後活動の様子

新渡戸文化学園には面白い教育施設が幾つかあるのですが、私が今取り組んでいるのが「VIVISTOP NITOBE」という場所になります。「VIVISTOP NITOBE」はVIVITA株式会社と連携しながら手掛けている施設なのですが、子供たちが「やってみたい!」「もっと作りたい!」という物を、大人も一緒になって考え、共に作る、そんな場所になっています。

現在は「レーザーカッター」や、型をとることができる「真空成形機」、「カッティングプロッター」というシールなどを簡単に製造できる機械など、普通の学校にはちょっとないような物が置かれています。そんな、ものづくりの空間が図工室や美術室と同じように学校のキャンパス内にあるわけです。

思いを形に! テクノロジーで広がる可能性

「VIVISTOP NITOBE」で特徴的なのが放課後の活動です。子供たちは「今日、何するの?」と聞いてくるのですが、ここは自分たちで決める場所。「それはキミが決めるんだよ」と答えると最初は戸惑うんですね。でも「どういうこと?」「えっ、なんでも作っていいんだ!」なんて言いながら、自分たちで機材を触り、遊ぶようにして覚えていきます。

小学5年生が制作したイス

最近では子供たちが作る物を決めてから「VIVISTOP」に来るようになりました。そんな変化が個人的にはとてもうれしくて、作りたい物をヒアリングしながら一緒に作ったり、作る様子を見守りながら支えていったり、そんなことが展開されているのが非常に印象的です。

最近面白かったのが、中学年の図工の授業でやる、角材を切って、そこに釘を刺して人形を作るという工作。その細かいパーツをレーザーカッターで切り出す子がいました。作りたい物をテクノロジーの力によって一歩先まで再現できる、イメージを形にできるというところが「VIVISTOP」の強みだと思います。

「VIVISTOP NITOBE」は2020年9月にオープンしたのですが、机やイスをあえて用意せず、小学5年生の授業で子供たちと一緒に机とイスを作りました。その中で、高知県佐川町のデザイナーさんと連携しながら、木を切り出してイスを作るという社会連動のプログラムを授業として実践しました。できあがったときには、だれが一番に座るかということで子供たちも盛り上がっていました。

VIVISTOP NITOBE Project

小学生から高校生までが「ものづくり」でつながれる場所へ

「VIVISTOP NITOBE」は2021年4月に倍の広さになって再オープンする予定です。その際、高校生の授業もここで行われるようになります。「ものづくり」をキーワードに、小学生から高校生までが同じ空間で刺激し合いながら成長していく姿が、ここで展開されることを期待しています。その中でまたどんな化学反応が起きるか、僕も子供たちと一緒に学びを楽しみたいと思っています。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

山内 佑輔(やまうち ゆうすけ)

新渡戸文化学園

ワークショップの手法をもちいて、子供たちのクリエイティビティを育む環境をつくりだす。2020年4月から新渡戸文化学園へ移り、VIVITA株式会社と連携しVIVISTOP NITOBEを開設。新しい学びのあり方を模索しながら、授業と放課後の活動のアップデートに挑戦中。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

バックナンバー

過去のバックナンバー一覧
Teacher's CLIP バックナンバー

ナビゲーションメニュー