加藤学園暁秀初等学校 中原 悟

2021年4月16日公開分のTeacher's CLIPの番組サマリーをお届けします。

今週のTeacher's CLIPは、Zoomを使って収録しています。

番組サマリー

日本初のオープンスペースの学校として半世紀前に設立

加藤学園暁秀初等学校は、静岡県沼津市に1972年に日本で初めてのオープンスペースの学校として設立。2022年に創立50周年を迎える学校です。「21世紀に生きる創造性豊かなたくましい人間づくり」を教育理念に、現在、オープンプランとイマージョンプログラムの二つのコースに約500名の児童が在籍しています。

プログラミングを通じて「つくりながら学ぶ」授業

教育理念でもある子どもたちの「創造性」をはぐくむために、つくりながら学んでいく「Creative Learning」の手法を取り入れた授業を実践しています。子どもたちが「つくりたい!」「うごかしたい!」「やってみたい!」と思うものを作り、プログラミングで動かして「みんなで楽しもう」という授業です。

「つくりたい」を形にするプログラミングの授業

例えば、自動走行車やAIブロック、二足歩行ロボット、ゲームや音楽など、各学年の発達段階に見合った機材やソフトを使います。子どもたちは「創造性」を発揮しながら一人1台のオリジナル作品を製作。イメージしたとおりに作品が動いた瞬間には、子どもたちから歓声が上がります。

失敗を恐れずにどんどん挑戦する子どもたちに

二足歩行ロボットをつくるプロジェクトチームが発足

NHKの番組で取り上げられた6年生の姿を見て、3年生男子が「自分たちも二足歩行ロボットを作りたい」と言ってきたことがありました。「先生、作り方教えて!」と言うので、「先生はあまりよく分からないから、ロボット実習室にある機材を使って自由にやっていいよ」と返しました。

そうしたところ、二足歩行ロボットをつくるためのプロジェクトチームが結成されました。あまり口を出さずに見守っていたところ、子供たちどうしで「ああでもない、こうでもない」と、試行錯誤しながらロボット作品を作るようになったのです。

2020年度の後半からは1年生で「Scratch(スクラッチ)」を使った授業を始めました。一人ひとりがクリエーターになってゲームや作品を発表できるよう、Web上でクラススタジオを作成しました。すると、「Scratch」の本を買ってきて、授業でも使いたいという児童が増えました。

プログラミングの授業では、答えは一つではありません。もっといえば、答えは自分でつくりだすもの、見つけ出すものだと考えています。そうした取り組みを通じて、自分で調べ、失敗を恐れず、果敢に取り組む子どもたちになってきたように感じています。

先生が頼りないからこそ子どもたちが動き出す!

教師である私も子どもたちと一緒にプログラミング勉強中です。だから子どもたちの作品から学ぶことがたくさんあります。質問されても分からないことが多いので、正直、「頼りないおじさん先生」に映っているかもしれません。あえてそういった“フリ”をしていることもあります。

だからこそ、子どもたちが自分たちで動き出すのかなと思っています。そのかわり、子どもたちが作品を作り上げたり、悩んでいた課題を解決したりしたときには「すごいね!!」と一緒になって驚きます。そうして、子どもたちと喜びを分かち合うことをいつも心掛けています。

「それ、おもしろそう!」「どうなっているの? 教えてよ」ぐらいの感覚で、子どもたちと一緒にプログラミングを楽しんでしまう。最初のうちはそれでいいのではないでしょうか。実をいうと、私自身もいまだに試行錯誤しているところです。

番組視聴はこちらから

GUEST PROFILE

中原 悟(なかはら さとる)

加藤学園暁秀初等学校

2018年からオープンプランコースのコンピュータ専科として全学年のプログラミング授業を担当。子どもたちの創造性を育成すべくICTやプログラミングソフトを活用した「つくりながら学ぶ」授業を実践している。2019年にはマインクラフトカップで6年生クラスが大賞を受賞。URC国際ロボットコンテストではICTクラブを優勝に導く。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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