社内システムのブラックボックス化を解消する

生産管理や調達・購買システムなどを複合的に導入し、従来の社内システムから大幅に刷新

株式会社コスモ計器 導入事例

製造業101~1,000名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

エアリークテスターの製造を手掛ける株式会社コスモ計器は、長年使用してきたグループウェアで構築・運用していたさまざまな社内システムのブラックボックス化に課題を感じ、刷新を検討。大塚商会が提供する生産管理や部品構成表システム、調達・購買システムなどを複合的に導入した。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上
  • 社内の情報共有

2024年12月取材

株式会社コスモ計器

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
工業用計測機器製造販売、計測器の校正業務など
従業員数
183名(2024年4月1日現在)
ホームページ
https://www.cosmo-k.co.jp/

導入の狙い

  • 構築・運用がブラックボックス化した社内システムを刷新したい
  • パッケージシステムに合わせて業務を標準化したい

解決策

  • 大塚商会が提供する各種のシステムやサービスを組み合わせて構築した社内システムに置き換える

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
ハイブリッド型生産管理システム生産革新 Raijin SMILE Vお問い合わせ
部品構成表管理システム生産革新 Bom-jinお問い合わせ
調達・購買業務支援サービスたのめーるプラスお問い合わせ
文書管理システムeValue V ドキュメント管理お問い合わせ
ほか

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導入事例詳細

エアリークテスターでトップシェアを誇るメーカー

八王子市の本社外観。海外にも複数の拠点を持つ同社は、タイやインドなどの海外拠点が現地企業と直接取引をするケースも増えているという

東京都八王子市に本社を構える株式会社コスモ計器(以下、コスモ計器)は、エアリークテスターと呼ばれる計測器でトップシェアを誇るメーカーだ。1970年に創業して以来50年余り、エアリークテスターの開発・製造を主力として事業を展開してきた。ほかにもヘリウム・水素・バッテリーのリークテスターや圧力計、流量計、異音検査システムなど多彩な製品を生産している。

エアリークテスターとは、気密を要する部品または完成品の漏れを、圧縮空気を加えるか、真空に排気することで微差圧変化を検出し、良否を判定する漏れ検査機だ。

品質計量本部 本部長 栗原 収氏

「空気漏れが絶対にあってはならないエンジンなど、主に自動車部門の検査に用います。そのため、完成車メーカーや自動車部品メーカーなどのお客様を中心に製品を納めています」と語るのは、品質計量本部 本部長の栗原 収氏である。

オーダーメードに近い製作を行う製品が多いため、製品の品質だけでなく、顧客の要望をいかにくみ取り、最適な製品を提案できるかも受注につながるかどうかを左右する。測定結果の正確さを第三者機関が認定するISO17025を取得していることはもちろん、きめ細かな提案を含めた営業活動や丁寧なアフターサポートなどは他社にはまねのできない同社の強みだと栗原氏は説明する。

また、エアリークテスターを構成する重要部品の一つであるパッキンを別の分野の製品にも応用するなど、新しい製品作りにも積極的だ。例えば、衝撃吸収力や伸縮性の高いパッキンの素材を、引っ張る動きで瞬発力を養うスポーツトレーニング用品などに応用した商品の開発も行っている。さらに、地元サッカーチームやプロバスケットボールチームとスポンサー契約を結ぶなど地域貢献にも熱心だ。

ブラックボックス化の解消を狙い、ツール活用による構築・運用から脱却

コスモ計器は長年にわたり、生産管理の肝となる各種システムは自社内で開発・運用が可能なツールを利用してきた。現場のニーズに応じて細かなカスタマイズができるため、非常に利便性が高かったからだ。しかし、ツールを用いたシステム開発や保守を行える担当者は属人化しており、将来を見据えると仕様がブラックボックス化し、システムの維持ができなくなりかねないという懸念が生じた。

「そのため2013年~2016年にかけて、別のシステムにリプレースする新たなシステムを作ったのですが、残念ながらうまくいきませんでした。そうこうしているうちに従来の各システムのサポート終了期限が迫り、早くリプレースしないと生産に影響する状況に追い込まれていたのです」と栗原氏は振り返る。

コスモ計器のエアリークテスターは、顧客の細かな要望に応じたオーダーメード仕様を実現し、組み立ても手作業で行っている

そこで同社は、CADやサーバーなどの導入で取引があった大塚商会に相談。提案を受けて、大塚商会のハイブリッド型生産管理システム『生産革新 Raijin SMILE V』(以下、『Raijin』)、部品構成表管理システム『生産革新 Bom-jin』(以下、『Bom-jin』)など、複数のシステムを組み合わせたソリューションへの置き換えを決定した。

新たな生産管理、部品構成表管理システムを本稼働

他社からのシステム提案も検討したが、最終的に大塚商会の提案を採用したのは、2016年ごろから先行して『Raijin』の前バージョンである『生産革新 Raijin SMILE BS 2nd Edition』を利用していたからである。

「当時、メインフレームの生産管理システムが更新時期を迎えたため、『Raijin』シリーズを導入していたのです。既に、ある程度は使いこなせるようになっていたので、それなら部品構成表管理システムも『Bom-jin』に置き換え、大塚商会のソリューションを中心にシステムを再構築しようと考えました」と栗原氏は説明する。折しも、『Raijin』『Bom-jin』を含む大塚商会の基幹業務システム『SMILE』シリーズが、「BS 2nd Edition」から「V」にバージョンアップしたことも採用を後押しした。

こうしてコスモ計器は、従来のシステムから大塚商会の各種システムを複合的に活用し刷新するプロジェクトを2020年1月に始動。2年半余りの開発および移行期間を経て、2022年9月に本稼働させた。

『Raijin』『Bom-jin』を中心に、大塚商会のソリューションを活用

製造部 購買課 課長 二ノ宮 聡氏

旧システムからの移行作業において特に苦労したのは、膨大な製品マスターの整理である。ほぼオーダーメードに近い同社の製品には、標準品だけでなく顧客ごとの仕様に合わせた大量の派生品がある。

「一品当たりの部品構成だけでもかなりの数に上るので、マスター整理には気の遠くなるような苦労を強いられました。しかし、これを何とかしないと移行後の生産が回らなくなってしまうので、全社を挙げて取り組みました」と明かすのは、製造部 購買課 課長の二ノ宮 聡氏である。

具体的には、マスター管理のための専門部署を新たに設置。生産や技術、購買などの各部門から一部の人材を異動させ、マスター整理に専念させた。さらにプロジェクト期間中に整理を終わらせるため、外部から派遣スタッフも採用。こうした全社を挙げての取り組みによってマスター整理を完了できた。

『Raijin』と親和性の高い『たのめーるプラス』で見積り依頼、発注依頼を電子化

エアリークテスターは使用する温度などによって検出する数値が微妙に変化するので、検査工程において、どのような温度でも正しく動作するように調整している

2022年9月に本稼働したコスモ計器の各種システムは、『Raijin』『Bom-jin』のほか、大塚商会が提供する調達・購買業務支援サービス『たのめーるプラス』、文書管理システム『eValue V ドキュメント管理』、営業支援システム『SFA顧客創造日報シリーズ』(以下、『SFA』)などで構成されている。

『たのめーるプラス』は購買部門が電子調達を行うための仕組みとして『Raijin』と連携させた。同社では、従来のシステムを利用していた時代から、主要な仕入れ先においては、見積り依頼や発注依頼を電子化しており、その仕組みを継承するだけでなく、機能強化したいと考えて大塚商会に相談したところ、『たのめーるプラス』の活用を提案されたのだ。

従来のシステムから『Raijin』や『Bom-jin』を中心とするシステムに全面的な移行が完了すれば、受注変動に対応しつつ、納期設定の精度を上げられると期待しているという

従来のシステムと同等なだけでなく、汎用性や『Raijin』との連携性も高いため採用しました。仕入れ先企業とのやりとりに影響があることなので、仕組みを切り替えるのは大変ではないかと思いましたが、使いやすいサービスだったので、現在はおおむね問題なく利用できています」(二ノ宮氏)

また、『eValue V ドキュメント管理』は、『Bom-jin』に格納されている部品構成表を協力会社と共有するために活用している。『eValue V ドキュメント管理』上に貼られている製品ごとのリンクを協力会社がクリックすれば、部品構成表が表示される仕組みだ。「これによって、協力会社は当社が発注した製品の部品構成表がいつでも見られるようになり、外注製品のリードタイム短縮や品質向上につながっています」と栗原氏は評価する。さらに、生産管理システムとの連携によって営業と技術、生産の各部門の情報共有を強化するために『SFA』も導入している。

受注変動への柔軟な対応のため、社内システム運用に磨きをかける

今のところシステム刷新による定量的な効果はまだ確認できていないが、栗原氏は「カスタマイズが徹底的に施された従来の属人化したシステムからパッケージ主体のシステムを複合的に利用したことで、業務の標準化がかなり進んだのではないか」と話す。また、『Raijin』と『Bom-jin』の併用による生産管理の効率化や利便性の向上は、数字にこそ表れていないものの「強く実感している」と二ノ宮氏。さらに管理する数字の精度が上がり、各システムと経理システムの数値の食い違いを削減できた点も同社は高く評価している。

コスモ計器は今後、まだ従来システムによる運用が残っている部分についてもさまざまなシステムとの連携を図り、より精度の高い生産管理を実現したい考えだ。栗原氏は「受注変動に柔軟に対応できるようにするためにも、今回の新たな複合システムの運用に磨きをかけていきたい」と語った。

大塚商会担当者からのコメント

「お客様の課題解決に向け引き続きご支援します」

株式会社コスモ計器様には、従来のシステムから、当社のさまざまなシステムやサービスを採用いただきました。今後も、お客様の課題解決につながるようご支援します。

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  • 印刷して稟議書に添付して
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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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