DX推進でヒューマンエラーや作業工数を大幅に削減

新工場の設立に合わせて刷新した生産管理システム&IoT秤量器連携でトレーサビリティ強化と業務効率化を実現

株式会社シーエスラボ 導入事例

製造業101~1,000名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

株式会社シーエスラボは2004年の創業以来、オールインワンゲルなど幅広い製品のOEM製造に取り組んでいる。館林本工場の落成に合わせて、配合型製造業向け生産管理システム『生産革新 Blendjin』を導入。秤量器(ひょうりょうき)とのIoT連携を実現し、わずか1年で新システムへの切り替えを実施した。

  • 迅速なシステム導入
  • 生産性の向上
  • ヒューマンエラーの抑制

株式会社シーエスラボ

導入先の概要

業種
化粧品・医薬部外品のOEM製造
事業内容
基礎化粧品、頭髪用化粧品、医薬部外品、フレグランス商品などの企画・開発および受託製造
従業員数
約190名(2024年4月現在)
ホームページ
https://www.cs-lab.co.jp

導入の狙い

  • 新工場の落成に合わせて新たにシステムを入れ替えたい
  • ヒューマンエラーの発生を抑制するなど、業務効率を向上させたい

解決策

  • 秤量器とIoT連携した配合型生産管理システムの導入と実稼働を支援

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
配合型生産管理システム生産革新 Blendjinお問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 販売お問い合わせ
開発ツールSMILE V Custom AP Builder(CAB)お問い合わせ
統合型グループウェアeValue V ドキュメント管理/ワークフローお問い合わせ
ネットワーク接続サービスどこでもコネクトリモートお問い合わせ

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株式会社シーエスラボ 導入事例(PDF:3,253KB)

導入事例詳細

工場の落成に合わせて生産管理システムの刷新を検討

株式会社シーエスラボ(以下、シーエスラボ)は基礎化粧品やシャンプー、リンス、トリートメントなど幅広い製品のOEM製造に取り組んでいる化粧品会社だ。全社員の約7割を女性が占め、女性の管理職雇用も推進している。

地熱を使った食堂やソーラーパネルの設置など再生可能エネルギーの導入に加え、地域の特別支援学校と連携して畑でボイセンベリーを栽培するなど、SDGsへの取り組みも幅広い。

また、ISO 22716(化粧品GMP)や化粧品会社では珍しいISO 14000(環境マネジメントシステム)の認証取得など、徹底した品質管理に取り組んでいる。

2020年には最新設備で高品質な化粧品を大ロットで生産できる環境として、新たな工場「館林本工場」を落成した。
新工場でも以前使っていたシステムを使う予定だったが、このシステムの新しいバージョンが出ないことが判明し、新工場の落成に合わせて新システムへの入れ替えを検討しはじめた。

生産管理システム導入の決め手は『SMILE CAB』による柔軟な拡張性

管理部 部長 中村 泰明氏

新システムの選択肢として、以下の三つが考えられた。

  • 使っていたシステムをそのまま引き続き使う
  • 新しいパッケージソフトを探す
  • スクラッチではじめから作る

管理部 部長の中村 泰明氏は、次のように語る。

「新工場の落成まで1年しかなく、スクラッチではじめから作るのは時間的にも金銭的にも難しかったため、パッケージソフトを探すことにしました。最短で納品していただくにはカスタマイズしないことが重要だと考え、必要なところは自分で作る、という選択肢が出てきました。」

このようなパッケージソフトを導入するときの不安材料として「自社の業務内容や作業工程を網羅できるか」という点が挙げられる。そこで、中村氏は大塚商会の営業担当者と最初に会ったときのことを振り返り、次のように語る。

「私も少しシステム開発の知識がありますので、『どのくらいカスタムできるか?』『データベースを直接触ってよいか?』という専門的な話をさせていただきました。その中で、『Blendjin』をはじめとする『SMILE』シリーズには『SMILE CAB(Custom AP Builder)』という開発ツールがあることを教えていただきました。」

『SMILE V』の運用画面。こうした入出力画面の細かなカスタマイズに『SMILE CAB』が活用されている

1年という短期間での納品、稼働のためにパッケージソフトはカスタマイズしないことを前提としていたが、どうしても調整が必要な部分については『SMILE CAB』を活用し、自社流に拡張することで対応できると判断できた。例えば、『Blendjin』にも実績データを確認できる機能が標準で用意されているものの、自社の業務には不足している部分があった。こういった画面なども『SMILE CAB』を活用して追加で開発した。

自社でのデータ移行や帳票の設計によるスムーズな導入

このような新システムへの移行では、データの移行に時間がかかることが多い。しかし、中村氏は「要件定義の段階から、システムのデータ移行は自分たちでやることを宣言していた」と言う。そして、システムの移行に設けられた時間は1カ月という短期間だった。

「このときに役立ったのが『SMILE CAB』でした。一般的なシステムでは、移行すると前のシステムのデータを見ることはできなくなりますが、『SMILE CAB』で前のシステムのデータを見られるような仕組みを構築できるため、1カ月という短期間で移行できたと考えられます。」(中村氏)

なお、一般的にパッケージソフトのカスタマイズや、また担当者が独自のシステムを構築する場合など、その知識が属人化することも問題になる。開発した担当者の人事異動や退職が発生すると、後任の担当者がメンテナンスできないこともあるためだ。しかし、『SMILE CAB』では開発した画面・帳票のシステム仕様書をデータとして残すことができるので、開発担当者が交代しても安心だ。またそのデータをもとに大塚商会側でさらなる開発にも対応できる。これによりパッケージソフトのバージョンアップがあっても資産として移行できる。

これに加えて、帳票の設計もパッケージソフトでは問題になることが多い。しかし、『Blendjin』にはCSV形式でデータを出力できる機能がある。このため、システムをカスタマイズしなくても、出力されたCSVファイルを表計算ソフトで帳票に変換することで、自分たちで自由に集計やフォーマット化を実現できた。

タッチパネルにより操作性が向上、ドキュメントも一括管理を実現

生産部 製造課 課長代理 吉田 達哉氏

新システムがこれまでの秤量システムと異なる点として、タッチパネルの導入がある。旧システムでは秤量器の画面をキーボードとマウスで操作していたが、新システムではタッチパネルで操作するように、シーエスラボの担当者が自分たちで操作画面を設計した。

そのタッチパネルへのこだわりを生産部 製造課 課長代理の吉田 達哉氏は次のように語る。

「マウスとキーボードは場所を取りますが、タッチパネルにするとそれがなくなります。また、スマホに慣れている若い人は、スマホを使う感覚で操作できます。」

左下にある金属の台が秤量器。机の上のシステムをタッチパネルで操作することで、作業の煩雑さを解消した

同時に、生産管理システム『Blendjin』の画面や帳票の設計には『SMILE V』の機能である「拡張項目」や『SMILE CAB』を駆使。生産現場の社員が操作しやすいよう、表示する文字数などを調整し、分かりやすい画面を設計した。

「例えば、秤量では原料名の全ての文字が表示されないと異なる原料と見分けがつかなくなり、ミスが発生するのですが、標準機能だと名称の表示に指定された桁数までしか表示されないことがあります。これだと入り切らないのですが、拡張項目を使うことで、原材料名を全て表示することができました。」(吉田氏)

また、『eValue V ドキュメント管理/ワークフロー』を導入したことで、作業の手順やフローが明確になり、誰がどのような形で作業をしたのか、いつ承認されたのかといった記録も残るようにした。
化粧品GMPの取得には作業の記録や承認の記録を残すことが必要であるが、『Blendjin』と合わせてドキュメント管理のシステムを導入したことで、一貫して記録ができている。

IoTによる秤量器の連携で生産指示と現場での生産実績が誤差なく管理・記録できるようになった。

「『Blendjin』の標準機能で指示書などを出力できますが、その版の改訂なども含めてドキュメントが一元管理できることに助かっています。また、生産管理のメンバーが申請した状況について申請中か承認済みか確認できるので、現状を把握できて間違いがありません。手順とフローが決まっているので、誰がどのような形で作業をしたのかが分かりやすいと感じます。」(中村氏)

さらに、『どこでもコネクトリモート』によりリモート作業が可能になり、コロナ禍になってもスムーズにテレワークを実現できた。

300 kgを計量できる秤の導入、IoT連携で効率アップ

これまでは原材料の計量に100 kgまでの秤(はかり)を使用していたが、今回は300 kgを計量できる秤を大塚商会から提案を受けて導入。これにより、大量の原材料をまとめて計量できるため作業効率がアップした。

さらに、秤量器と『Blendjin』の連動などは大塚商会のサポートもあり、IoTによる連携を実現。バーコードの読み取りと現物との照合チェックをシステム化することで、トレーサビリティの強化や業務の効率化、ミスやエラーを発生させにくい仕組みを構築した。

「昔は間違いが起きると二重チェック、それでもダメならトリプルチェックという方法を使っていましたが、どうしても限界があります。少ない人数、スキルのない新人でも間違いがないようにするために、バーコードで違う材料を選んだときには、エラーが出る仕組みを構築しました。」(吉田氏)

旧システムではシステム上の在庫は確認できるが、実際の在庫がどれだけあるかは分かりづらかったと言う。しかし、新システムでは、秤量しながら現物の在庫を目視で確認できるようになったため、各作業者が実態を把握でき、誤差があるとすぐに原因を調査できる。「材料の無駄もなくなり、体感でミスが半分以下になりました。」(吉田氏)

ヒューマンエラーの大幅削減にDX施策・提案を検討

秤量器と『Blendjin』の連携により、実績の取り込みがボタン一つでできるようになった。これにより、当日生産した実績の入力作業においては年間5,000分相当の工数削減ができたと言う。

また、新人であっても作業ができ、ヒューマンエラーが起きない、間違いが起きないことが作業員の自信にもつながっている。また、システムの運用が始まったあとも大塚商会のサポート体制が整っており、SEのレスポンスが早いこと、安定して稼働できていることが安心感につながっている。

『Blendjin』の導入により、業務効率の向上を達成しているシーエスラボだが、今後の展望や大塚商会への期待として中村氏は以下のように語る。

「エラーの発生を限りなくゼロに近づける、次世代へ確実に技術を伝承するなど、まだまだ解決したい課題がありますので、今後もどんなDX施策・提案が待っているのか期待しています。」

大塚商会担当者からのコメント

「最新技術を生かした魅せる工場のさらなる進化をご提案してまいります」

シーエスラボ様は新しいことへのチャレンジ精神が強い会社なので、今ある技術だけでなく、今後活用いただけるものを継続的に提案したいと思います。魅せる工場として、AIを組み合わせるとこんなことができる、という提案を考えています。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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