生産管理のDX化でデータの精度と業務効率を向上

『生産革新 Ryu-jin』でDX化を図り、IoTとRPAのシステムを連携させて生産設備の実績データを自動的に収集

日本メタルガスケット株式会社 導入事例

製造業101~1,000名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

日本メタルガスケット株式会社は、エンジンの高性能化に不可欠なメタルガスケットを製造・販売しているパイオニア企業だ。『生産革新 Ryu-jin』を長年活用する中で、IoTとRPAのシステムと連携させてDX化を実現。生産設備の実績データを自動的に収集して管理できる先進的な業務基盤を整えた。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上対策
  • コスト削減

2023年12月取材

日本メタルガスケット株式会社

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
メタルガスケットおよび各種ガスケットの開発・製造・販売
従業員数
128名(2023年12月現在)
ホームページ
http://www.jmg.co.jp/

導入の狙い

  • 仕掛品を含めた在庫管理データの精度を高めたい
  • 生産設備の実績データを自動的に収集して管理したい
  • 手入力による時間と手間を削減したい

解決策

  • 生産管理システムとIoT・RPAの連携による業務の自動化とDXの実現

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
繰返・量産型生産管理システム生産革新 Ryu-jin V 2nd Editionお問い合わせ
販売管理システムSMILE V 2nd Edition 販売お問い合わせ

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日本メタルガスケット株式会社 導入事例(PDF:3,299KB)

導入事例詳細

エンジンの高性能化に不可欠なメタルガスケットのパイオニア

日本メタルガスケット株式会社(以下、日本メタルガスケット)が設立された1980年前後は、自動車やオートバイの製造技術が劇的に進歩し、各社がエンジンの高性能化を競い合っていた。ところが、当時は非金属のガスケットが主流だったため、耐久性や燃料効率の面で改良の課題を抱えていた。

そうした中、エンジン高性能化の要求に応えるために、創業者である前社長の植田 耕作氏が開発して世に送り出したのがメタルガスケットだ。これがオートバイのパーツメーカーであるヨシムラに採用されると、そのエンジンを搭載したスズキのオートバイがデイトナ24時間耐久レースなどで相次いで優勝する快挙を果たし、世界中の注目を集める。その後、同社のメタルガスケットは国内四大二輪メーカー(スズキ・ヤマハ・ホンダ・カワサキ)に採用され、さらに自動車やクルーザーのエンジンなどにも販路を拡大。現在は、国内25%、海外75%ほどの比率でグローバルなビジネスを展開している。

代表取締役社長 植田 耕司氏

「当社の強みは、長年メーカーさんと一緒に高性能なエンジンの開発を続けてきたノウハウが蓄積されていることです。また、金型の制作も含め、開発から製造に至る全ての工程を一気通貫で行えるので、エンジンの開発期間を短縮したいという要望にも応えられる体制があります」と語るのは、代表取締役社長の植田 耕司氏だ。

一貫生産体制を構築する中で仕掛品在庫管理の重要性に気づく

鮮やかなブルーの外観が特長的な埼玉県の本社。世界規模で事業を展開する一方、長年の地元密着型採用が良い評判につながり、人材の確保の課題はないという

同社は、高度化・多様化する顧客のニーズに高次元で対応するため、製品の開発・設計から、加工、組み立て、品質保証に至る一貫生産体制を構築。各セクションが有機的に連携することで、品質やコスト、配送などあらゆる面で他社をリードする製品づくりを推進している。しかし、1997年に生産管理システムを導入する以前は、受注情報を1枚の紙にまとめて、ほとんど手作業で製造指示や材料の発注を行っていた。

だが、製品点数が増えるにつれて、人間の手と勘に頼る管理では対処しきれなくなってきた。中でも「在庫管理の大切さ」に気が付いてからは、バーコードを使ったシステムを独自に開発して入出庫の管理を行うことも試みたという。しかし、実態は入り口である材料と出口である製品のみの管理にとどまり、中間の仕掛品の管理ができておらず、課題が残った。例えば、生産工程で不良品が出てもこの管理では気付けないため、目に見えない在庫不足に陥り、欠品による納期遅れが生じるケースなどがあったのだ。

そのとき、あらためて仕掛品と生産工程の動きを把握することの重要性を再認識し、生産管理システムの導入を本格的に検討するようになった。その後、自社に適した生産管理システムを探す中で、大塚商会が提供している繰返・量産型生産管理システム『遉(さすが)』(現在の『生産革新 Ryu-jin』の旧製品名、以下、『遉』)に着目。仕掛品の在庫管理が行えることに加え、さまざまな工程を組み合わせた工程間管理の自由度の高さが決め手となって採用するに至った。

生産管理システムの活用でデータの信頼性が向上

大塚商会から『遉』を導入したことを契機に、生産管理システム活用のファーストステップがスタート。当初は、「どうしてわざわざ生産工程のデータを入力しなければならないのか?」と疑念を抱く従業員もおり、運用はなかなか軌道に乗らなかったという。しかし、実績データを収集する重要性を根気強く説明するとともに、データ入力端末を各生産現場に配置。担当者に自分たちの責任で入力させることにすると、前工程の結果が次工程に大きな影響を与えることを生産現場の担当者が身をもって実感していった。以来、自発的にデータ入力を行うようになり、中間在庫データの信頼性が向上目に見えて不良品が少なくなり、生産性向上に結びついた

生産管理をIoT・RPAと連携し、データを自動収集するDX化を実現

取締役 経営企画室 室長 朝比奈 稔氏

その後、2017年には『生産革新 Ryu-jin BS 2nd Edition』へ移行するとともに、『SMILE BS 2nd Edition 販売』とのシームレスなデータ連携を図り、生産管理と販売管理を一体化して、業務効率をより一層高めている。さらに、2023年2月に生産革新 Ryu-jin V 2nd Edition(以下、生産革新 Ryu-jin V2SMILE V 2nd Edition 販売(以下、SMILE V2 販売へバージョンアップ同時に、IoTとRPAのシステムとも連携させることで、これまで手入力していた業務を自動化する本格的なDX化に着手した。この、IT活用の第二フェーズとも言えるDX化に取り組んだ理由について、取締役 兼 経営企画室 室長の朝比奈 稔氏は次のように語る。

「社会環境が脱炭素のEV化に大きくシフトし、従来のような高性能な自動車エンジンの量産化から多品種・少量生産へと変化しています。これに伴い、製品数も以前の250点ほどから750点以上と、約3倍に増えました。生産工程は10工程を超えるものもあります。この変化に対応するため、DXで実績データを収集して管理する仕組みが必要になってきたのです」

『生産革新 Ryu-jin V 2nd Edition』で作成した生産計画書のQRコードをハンディターミナルで読み取ると、指示書の情報が機械に設置されたタブレットに表示・連携される

その具体的な解決策として実施したのは、『生産革新 Ryujin V 2nd Editionの外部連携機能を活用し、IoTとRPAのシステムと連携を図ることだった。

まず、全ての生産設備にIoTの端末を設置。そのうえで、『生産革新 Ryu-jin V2』で作成した生産計画書を紙に出力し、そこに印字されているQRコードをIoTの端末のスキャナーで読み込み、生産を開始。すると、生産数量や稼働時間、在庫数などがリアルタイムに画面に表示される。日々の生産実績データは蓄積され、その分析データを基にマスターデータを作成し、RPAによって『生産革新 Ryu-jin V2』へ夜間に自動的に取り込む環境を整えたのだ。

実績データの入力が不要になり、5日かかっていた棚卸が2日で完了

今回のDXの仕組みが本稼働する以前も生産管理システムを活用してはいたが、多品種・少量生産で製品点数や生産工程が増えたことによって各生産設備の担当者が実績データを直接入力する余裕がなくなっていた。一日の生産が終了すると、その日の実績を紙の用紙に記入し、その翌日、全ての設備の用紙を事務員が回収し、入力専門のオペレーターが生産管理システムにまとめて手入力する運用になってしまっていたのだ。しかし、このフローでは前日の実績データが翌朝に反映されていない状態で生産を開始することになる。手書きの数字が読みにくくて判読できず、数字を間違えて入力してしまうこともあるので、データの信頼性が低かったという。今回のDXの仕組みを構築したことでIoTの時点管理システムによるリアルタイムな稼働実績を収集するとともに、生産終了時に生産革新 Ryu-jin V2対して即時に実績データを連携するため在庫や生産進捗管理のタイムラグは一気に解消された

「実績データの信頼性が向上したことで、詳細な生産計画が立てやすくなりました。毎日、実績データを手入力していた人員が、1.5人(常時1名とサポートメンバー1名)からゼロになり、その分、ほかの業務に専念できるようになりました。仕掛品も含めた在庫管理の精度も向上したので、これまで5日ほどかかっていた棚卸しが2日に短縮され、業務の効率化に大きく寄与しています」(朝比奈氏)

同社のこの取り組みは高く評価され、2023年、県内中小企業等の優れたDXへの取り組みを表彰する「埼玉DX大賞」を受賞した。時代の流れを読み、多品種少量生産を強みに変える決意の取り組みは、多くの企業の参考となっていく。

設備の稼働状況などが一目で分かるIoTのあんどん画面はオフィスに居ながら確認可能で、実績情報は『生産革新 Ryu-jin V 2nd Edition』ともリアルタイムで連携している

生産計画情報を見ながら製品を製造する様子。製造機械とIoTシステムの連携で、紙の指示票に実績を記載し、翌日事務所でのPCによる実績情報入力の手間がなくなった

DB・APサーバーのクラウド化で安全性も向上

今回の『生産革新 Ryu-jin V2』へのバージョンアップを機に、これまで社内運用していたデータベースサーバー、アプリケーションサーバーを大塚商会のデータセンターを活用してクラウド化した効果も大きいという。自社で運用管理するよりもはるかに安全でメンテナンスの手間がないだけでなく、5年ごとにサーバーを入れ替えていたコストも低減できる

1997年から今日まで、同社は『生産革新 Ryu-jin』を一貫して活用してきた。その主たる理由は、在庫管理の機能が優れていることや使いやすさに加え、大塚商会のサポート力にあるという。「30年近いお付き合いで当社の業務内容を熟知されているので、我々の意見を吸い上げて最適な提案をしてくださいます。大塚商会さんの全面的な協力を得て、DX化は我々が望むべき形になってきました。今後、そのメリットを従業員が実感して効果的に活用していけば、会社の利益率の向上につながる好循環が生まれると確信しています」(植田氏)

大塚商会担当者からのコメント

「生産管理のDX化を総合的にご支援いたします」

日本メタルガスケット株式会社様は『生産革新 Ryu-jin V 2 Edition』の外部連携機能を広く活用し、DX化を実現されています。これからも、さらなる高レベルでの活用をご支援します。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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