管理業務の「効率化」と「見える化」を推進

『kintone』で構築したアプリを使って、製品の入出庫管理などの業務効率を向上。属人化していたナレッジも可視化

株式会社 ニットー冷熱製作所 導入事例

製造業101~1,000名ERP・基幹業務・業務管理モバイル・タブレット活用文書管理・電子契約・ペーパーレス営業・業務プロセス効率化経営基盤強化・リスク対策ネットワーク環境の構築・改善

クリーンエアシステムなどを製造する株式会社 ニットー冷熱製作所は、製品の入出庫管理強化のため、Accessで内製したソフトに代えて『kintone』を導入。業務を最適化して作業負荷の軽減に成功した。その後、非効率的で属人化している他の業務にも『kintone』の活用を広げ、全社で生産性を高めている。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上
  • 社内の情報共有

株式会社 ニットー冷熱製作所

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
空気清浄装置および温湿度管理ユニットの生産・販売・メンテナンス、冷機器の製造
従業員数
152名(2025年4月時点)
ホームページ
https://nitto-reinetsu.com/

導入の狙い

  • 製品の入出庫管理を効率的に行いたい
  • 属人化している業務を標準化し、効率化を図りたい

解決策

  • 製品の入出庫管理を合理化するアプリを『kintone』で作成
  • Excelで行っていた管理業務を『kintone』で作成したアプリでの運用に刷新

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
業務システム構築クラウドサービスkintoneお問い合わせ
アジャイル型開発支援サービスお客様の「これが欲しい!」にこたえる訪問開発サービスお問い合わせ
 たよれーる kintone 伴走支援サービスお問い合わせ
 Customine-

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株式会社 ニットー冷熱製作所 導入事例(PDF:3,304KB)

導入事例詳細

高品質なクリーンエアシステムで、「快適な空気環境」を創造する

「エアシャワー」(写真中央)の組立工場の様子。クリーンルームや無菌室の出入り口に設置し、作業者の衣服に付着しているちりなどを除去する役割を果たす

株式会社 ニットー冷熱製作所(以下、ニットー冷熱製作所)は、空気を清浄化するクリーンエアシステムや温湿度管理ユニットなどの製造・販売・メンテナンスを主力事業とする企業だ。1974年に集じん機や冷蔵器のメーカーとして事業をスタートし、その後クリーンエアシステムの生産を開始。現在の主な製品には、クリーンルームの出入り口で空気中のちりをミクロ単位で除去する「エアシャワー」、生産装置などをビニールカーテンで覆い、移動・移設を可能にした「クリーンブース」、クリーンルーム内で物品を受け渡しする際に、ちりなどの発生源となる人の出入りを極力避けるために使用する「パスボックス」などがある。

FA特機部 マネージャー 河口 滋氏

「これらの製品群は、生産ベースで国内シェア約3割を誇ります。主な納入先は自動車部品、半導体、食品、医療機器などの製造工場で、いずれもお客様の利用環境に合わせた特注品として製造しています」と話すのは、FA特機部 マネージャーの河口 滋氏だ。埼玉県飯能市に構える本社の敷地内には、板金工場や塗装工場もある。製造から組み立てまで自社で一貫して行えるため、製品のサイズや納期などに関する要望に柔軟に応えられ、アフターサービスもきめ細かく提供できる点が強みだという。

一方、一定の空間を局所的にクリーンルーム化する「ファンフィルターユニット」や「セーフティパーティション」などの量産品も製造している。特に、高い集じん能力を備えながらも簡単に移動ができる「セーフティパーティション」は、コロナ禍以降、感染症対策として医療機関の診察室や企業の会議室などで利用する需要が急増し、大きく売り上げを伸ばした。また、クリーンルームの温湿度管理を行う省エネ型精密空調機「eONE」も同社の代表的な製品で、食品工場などに高い需要があるという。

クリーンエアシステムの市場は、感染症対策や健康意識の高まりもあって拡大を続けている。この分野で高い技術力を有する同社は、堅調な成長が期待されている状況だ。

量産品の入出庫管理業務の効率化と標準化を図りたい

前述のとおり、ニットー冷熱製作所は顧客の要望に対する細かな対応力を備える一方で、生産管理などに関わる業務を特定の従業員が抱え込みがちになり、その従業員独自のやり方が確立してしまっていることも多く、標準化が難しいという積年の課題を抱えていた。

その顕著な例が量産品の入出庫管理である。量産品は、製品完成時に個別のシリアル番号を付与し、出荷時まで一定の個数をひとまとめにしたパレット単位で倉庫に保管される。しかし出荷時は、パレット単位で顧客に納品される場合もあれば、1製品ずつ納品される場合もあるため、入庫時にはパレット番号とひも付けた形で製品のシリアル番号を記録しておく必要がある。かつては担当者が入出庫時にシリアル番号を手書きでメモし、それをExcelに入力して管理していたが、その煩雑な作業を効率化するとともに誤記を防ぐため、シリアル番号や生産日などのデータを含むバーコードを梱包材に貼付し、入出庫時にバーコードリーダーで読み込む方式に変更。読み取ったデータはAccessに精通する従業員が自作した「シリアル番号管理システム」に記録して管理していた。

この仕組み自体は便利なものだったが、Accessの詳細を把握しているのが自作した従業員のみだったため、その従業員の退職後、問題が発生しても対応できない状況に陥った。

「Accessの不具合だけでなく、社内LANにトラブルが生じた場合でも生産管理が停止するリスクがあります。また、以前より効率化したとはいえ、入出庫のたびにバーコードリーダーとそれをつないだノートPCを持ち歩いてバーコードを読み込む作業は、担当者にとって大きな負担でした。このため、新たな入出庫を管理するシステムの導入を検討することになったのです」と河口氏は振り返る。

汎用性の高い業務システムを構築するサービスを選定

Accessに代わる在庫管理システムをリサーチする中、2024年6月、河口氏が目を留めたのが業務システム構築クラウドサービス『kintone』だった。プログラミングの知識がなくても業務アプリを作れる『kintone』を使えば、入出庫管理にとどまらず、属人化している多くの社内業務を標準化できるのではないかと考えたのだ。

「取引のあった大塚商会さんに相談すると、そのAccessの仕組みとほぼ同じ働きをするアプリの仮バージョンを、SEの方が1週間ほどで作成してくれました。しっかり作り込めば入出庫管理の課題を抜本的に解決できると確信しました」(河口氏)

『kintone』はノーコードの開発ツールであるとはいえ、社内で一から構築するには労力が要る。開発工程全体を大塚商会に支えてほしいと考えた同社は、アジャイル型開発支援サービス『お客様の「これが欲しい!」にこたえる訪問開発サービス』と『たよれーる kintone 伴走支援サービス』を活用し、システムを刷新する計画を決めた。

スマホで入出庫管理ができるアプリを『kintone』で構築

『kintone』による入出庫管理アプリの開発は、2024年8月に開かれた大塚商会のSEとの第1回打ち合わせを皮切りに、何度かオンラインによる打ち合わせを経て進められた。そして、同年11月、最初の打ち合わせ開始からわずか約3カ月後という短期間で本稼働にこぎ着けたという。

スマートフォンのカメラで製品のシリアル番号(バーコード)を読み取る様子。スマートフォン一つでの入出庫管理が完結できるようになった

仮バージョンをベースに『kintone』のアプリ開発が進められたが、河口氏からは搭載したい機能に関して、幾つかのリクエストが出された。例えば、入出庫管理アプリでは、担当者が重たいノートPCとバーコードリーダーを携行しなくて済むよう、スマートフォン一つで業務を行えるように構築した。スマートフォンのカメラで読み込んだバーコードのデータが、そのまま『kintone』に記録されるようになった。これだけでも、大きな業務負荷軽減と効率化を実現した形だが、現場の課題を熟知している河口氏は、例えば倉庫内の暗い場所ではスマートフォンのカメラでバーコードにピントを合わせるときに手間取る場合も多く、また、バーコードが汚れていたりしていて読み取れないときもあるため、バーコードの数字を手入力することもできるようにしたいと希望した。こうした細かなリクエストにも大塚商会のSEはしっかり応え、その機能も搭載されたという。

クラウドサービスなので自社によるメンテナンスが不要

『kintone』の入出庫管理アプリでは、どのシリアル番号の製品が、いつ入荷し、どのパレットに積載されているのかが一目で確認できる

取り込んだ製品のデータは、スマートフォン上の『kintone』アプリからプリンターに送り、帳票を出力することもできる。その帳票をパレットに貼っておき、出荷時に回収すれば、製品のシリアル番号を個別に拾わなくても出荷データをパレット単位でまとめて管理できる

またAccessでは、製品モデルごとに専用のファイルが設けられ、別モデルのデータを登録するたびに異なるファイルを開かなければならなかったが、『kintone』では100種類あまりのマスターを登録することで、全製品を一元的に管理できるようにもなった

『kintone』アプリを使うようになってからは、スマートフォン1台で手軽にデータを読み込めるようになり、梱包工程の作業時間は、ほぼ半減したと喜ばれています。さらに、社内LANが停止した場合でも、スマートフォンの通信回線を経由すれば対応可能なため、BCP対策としても有効です」と河口氏は語る。

多様な業務アプリを作成して、全社の生産性を高めたい

入出庫管理アプリに続き、同社は『kintone』の活用を製品仕様書の改版履歴管理をはじめとする別の業務にも広げ始めている。河口氏が担当する製品のデータベース管理も、最近、Excelから『kintone』アプリに移行した。多くの従業員がデータベースにアクセスできるようになり、製品の価格に関する問い合わせなどが減っているという。

河口氏には、さらに新しいアプリを構築する構想もある。

「販売した製品をお預かりして修理する保守サービスは、不具合の箇所や交換が必要な部品の写真などをExcelに貼り付けて進捗を管理していますが、次第にファイルのデータが重くなってしまうのが難点です。これを『kintone』でデータベース化すればデータ容量の問題は解決しますし、修理の見積書や作業報告書の作成もより簡単になるはずです」と河口氏。保守サービスの品質は、各製品に精通した従業員の知識や経験に依存しており、対応が特定の従業員に限られる場合が多い。そうしたナレッジを『kintone』に集積すれば、属人化したノウハウを可視化して若手の従業員に継承させることも容易になる。

「将来的には、『kintone』で読み込んだ量産品の入出庫データを基幹業務システムが自動的に取り込むようにして、在庫をタイムリーに管理できる体制も思い描いています。情報システムの専門部署がなく、IT構築については可能な限りアウトソーシングをしたいと考える弊社にとって、大塚商会さんは心強いパートナーなので、引き続き手厚いサポートをお願いします」と河口氏は期待の言葉を口にした。

大塚商会担当者からのコメント

「これからも業務効率化を全力でご支援します」

株式会社 ニットー冷熱製作所様は、業務生産性の向上に意欲的に取り組まれています。『kintone』のさらなるご活用を通じて、今後もDX化につながる幅広いご提案を積極的にしていきます。

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  • 印刷して稟議書に添付して
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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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