IoT×生産管理システムで現場の「見える化」を推進

『生産革新 Ryu-jin』と『実績班長』連携で工程進捗をリアルタイムに可視化、着実にDXを推し進め業務効率化を実現

株式会社特発三協製作所 導入事例

製造業1~100名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

株式会社特発三協製作所は2006年に生産管理システム『生産革新 Ryu-jin』を導入。その後、「原価管理オプション」の追加やIoT実績収集システム『実績班長』との連携、「品質管理オプション」の追加など、次々と機能充実を図ってきた。そこには生産工程や在庫の「見える化」を推進する同社のDX実現への軌跡が垣間見える。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上
  • 顧客対応の改善
  • 社内の情報共有
  • コスト削減

株式会社特発三協製作所

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
金属バネ製造:板バネ、皿バネ、ウェーブワッシャー、金型製作、試作
従業員数
44名(2024年5月現在)
ホームページ
http://www.tokuhatsu-sankyo.co.jp/

導入の狙い

  • 原価管理を効率化したい
  • 生産工程の進捗状況を可視化させたい
  • 製品ごとの不良品管理を行うなど品質管理を向上させたい

解決策

  • 『生産革新 Ryu-jin』に原価管理と品質管理の各種オプションを追加し、リアルタイムに実績収集から可視化が可能な『実績班長』と連携させる

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
繰返・量産型生産管理システム生産革新 Ryu-jin SMILE V 2nd Edition 販売
(原価管理オプション、品質管理オプション)
お問い合わせ
販売管理システムSMILE V 2nd Edition 販売お問い合わせ
IoT実績収集システム実績班長お問い合わせ

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株式会社特発三協製作所 導入事例(PDF:4,057KB)

導入事例詳細

自動車や家電向けの精密薄板ばねを一貫生産

株式会社特発三協製作所(以下、特発三協製作所)は、1955年に創業した精密薄板ばねの老舗メーカーだ。自動車や家電など、身近な製品に数多く使用されている薄さ0.1~1mmの薄板ばねや皿ばね、ウェーブワッシャーなどの精密部品を製造。設計から試作開発、金型製作、量産加工まで、ばね作りの全工程を一気通貫で対応できるのが強みである。

代表取締役 片谷 勉氏

「取り扱う製品は月間約300品種、1種類で月80万個を製造する場合もあり、自動車メーカーや自動車部品メーカーに納入しています。約7割が自動車向けですが、最近では搬送ロボット用のばねなど、新たな分野からの引き合いも増え始めています」と語るのは、代表取締役の片谷 勉氏である。

従業員数40名余りの会社ではあるが、2004年に「阪神モノづくりリーディングカンパニー100」に選出され、同年「メイドインアマガサキ」グランプリを受賞。2007年には中小企業庁の「元気なモノづくり中小企業300社」に選ばれるなど、高い技術力が知られる。知名度の向上で新規顧客が拡大し、リクルーティングもしやすくなることを実感した片谷氏は、セミナーや大学、子ども向けモノづくり教室の講師などを積極的に務め、さらなるネームバリューの浸透を図ろうとしている。

「他の製造業や同業他社と同じく、当社も人手不足は課題です。一人でも多くの人に当社の名前と技術力を知っていただき、人材とお客様を増やしていきたいです」と片谷氏は語る。

『生産革新 Ryu-jin』を導入し、勘と経験頼りの在庫管理を合理化

近く創業70周年を迎える株式会社特発三協製作所の本社兼製造工場。「全員経営・全社営業」を掲げ、全社員が高い経営者意識を持ち、人も設備も全て営業活動と捉えている

特発三協製作所は、早くから生産現場でのICT活用に積極的に取り組んできた。2006年には、大塚商会から生産管理システム『生産革新 Ryu-jin(旧製品名『遉(さすが)』、以下、『Ryu-jin』)と『SMILE AD 販売』を導入。作業員の勘と経験に頼っていた生産管理や在庫管理などを実績データに基づいて精度高く管理できる体制を整えた。

業務チーム 主任 安部 まり子氏

システムの導入によって特に効果を実感したのは、製品や材料などの在庫管理の精度向上である。かつては、新規注文を受けたのに材料の在庫がなく、すぐに製品を作れないといった問題が少なからず発生していた。「どれだけ材料を仕入れて、どれだけ使ったのかが、全て作業員の頭の中だけで計算されていたので、実際の在庫と食い違い、調べてみたら足りなかったということが頻繁に起こっていたのです」と振り返るのは、業務チーム 主任の安部 まり子氏である。

だが、『Ryu-jin』の導入によって、この問題は一気に解決された。材料の入荷時点、使用した時点で、数量を『Ryu-jin』に入力するというルールを設定。これによってシステム上の在庫数と実在庫が一致するようになり、PCでRyu-jinを確認すれば材料が足りているかどうかを把握できるようになった

「かつては3カ月に1度、材料や製品の棚卸しを行っていたのですが、在庫把握の精度が向上してからは材料の棚卸しは一切不要になりました」(安部氏)

「原価管理オプション」を追加して作業の合理化を図る

システムの利便性を実感した特発三協製作所は、『Ryu-jin』の機能をさらに充実させていく。2014年には『生産革新 Ryu-jin SMILE BS 2nd Edition(以下、生産革新 Ryu-jin SMILE BS2』)に刷新し、翌年、「原価管理オプション」を追加導入している。これは文字通り、原材料費や外注費といった製品の製造原価を管理できる機能で、片谷氏はシステムのバージョンアップを機に、この機能を是が非でも追加したいと考えていた。というのも、それまでの原価管理の仕方があまりにも非効率だったからだ。

「当社では、売り上げから仕入れ金額を差し引いた粗利で原価管理を行っているのですが、以前は製品ごとの売上伝票と材料ごとの仕入れ伝票をそれぞれ発行し、粗利計算をするたびにそれぞれの伝票を探して照合していました。非常に煩雑で時間のかかる作業なので、何とか合理化したいと思っていたのです」と片谷氏は明かす。

「原価管理オプション」を追加してからは、ロットごとの仕入れや生産実績、売り上げをRyu-jinに入力することにより、製品ロット単位での粗利が簡単に自動計算されるようになった。照合作業がなくなり業務効率が向上しただけでなく、粗利計算の精度も高まったことに、片谷氏は手応えを感じていたという。

新たな機能を次々と追加、工程の途中段階が「見える化」

『実績班長』で工場の機械稼働状況を事務所で確認する様子。『実績班長』はあらゆる既存設備・機械と連携し、生産状況の情報収集が可能になる点も特徴だ

特発三協製作所はその後も、『Ryu-jin』に新たな機能を次々と追加している。2018年11月、同社はIoT実績収集システム『実績班長』を導入して、『Ryu-jin』に連携させた。また、同時に「品質管理オプション」も追加導入している。

『実績班長』は、生産工程の途中経過が管理できるシステムだ。生産計画どおりに工程が進捗(しんちょく)しているのか、それとも遅れているのかなどをPC上で確認できる。同社は、『実績班長』を工場で稼働する全ての機械と連携。各製品の生産工程の進捗だけでなく、各機械の稼働状況までPC上で「見える化」できるようにした。

「工場に電話をかけたり、足を運んだりしなくても、事務所にいながら全体の状況を把握できるようにしたいと思ったのが導入の理由です」と片谷氏。飛行機のパイロットがコックピットで全てを制御できるように、工場全体の作業進捗や機械の稼働率をPC上で監視・制御できる環境を目指した。

片谷氏は、製造実行システムと工場内の機械を連携できるシステムの存在は以前から知っていたが、特定の機械だけしか連携できないものばかりだったので、導入を見送っていた。その点、大塚商会から提案された『実績班長』は、あらゆる機械と連携できる点、そして『Ryu-jin』と標準で連携できる点が採用の大きな決め手になった。また、「品質管理オプション」では、『Ryu-jin単体では製品単位の不良数しか把握できなかった不良実績が、製品別・不良内訳別単位で把握できるようになった効果は大きい。2022年12月、同社は最新の『生産革新 Ryu-jin SMILE V 2nd Edition』と『SMILE V 2nd Edition 販売』へバージョンアップ。インボイス制度にも対応可能な体制へと強化させた。

機械の稼働状況がひと目で分かり、無駄のない生産管理が可能に

『SMILE V 2nd Edition 販売』の画面を確認しながら、取引先からの問い合わせに対応する様子。PC一つあれば、お待たせすることなくあらゆる情報を確認し対応可能だ

工場内に設定されている『実績班長』(上)と製品仕様と実数のデータを確認しながら、検品作業を行う様子(下)。精緻な情報共有と正確な情報で止まらない製造を実現している

一連のバージョンアップや機能追加によって、特発三協製作所は目標とする“モノづくりDX”を着実に推進している。片谷氏は、「工場のどの機械が動いていて、どの機械が止まっているか、という状況が『見える化』するようになったので、無駄のない生産計画が立てやすくなりました」と評価する。

日々の生産計画と実績を管理する安部氏も、「以前は終業時間にならないと、どの製品の生産に遅れが出ているか分からなかったので、途中経過は工場へ行って確認していました。今はPCがあれば、事務所でいつでも進捗状況を確認できるので、移動せずにスケジュールを管理できます。遅れが発生している製品は空いている機械も使って生産するなどの調整が可能なので、進行遅れの早期発見によって納期遅れを防げるようにもなっています」と語る。

特発三協製作所は、今後もテクノロジーをフル活用して、“モノづくりDX”をさらに推し進めていく考えだ。片谷氏は、「まだアイデアベースですが、AIを使った自動車や家電の需要予測に基づき、無駄なく、タイムリーに材料調達ができる仕組みなどを構築できないかと考えています。大塚商会さんにも、ぜひ知恵を拝借したいです」と期待を込めて語った。

大塚商会担当者からのコメント

「働きやすい現場づくりのソリューションも提案していきます」

精度の高い情報管理による作業効率の向上を実現された株式会社特発三協製作所様へは、働きやすい生産現場づくりなど人材獲得のためのソリューションのご提案も行い、人手不足解消についてもお役に立ちたいと思っています。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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