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株式会社ゆうホールディングス様 DX導入事例

統合型グループウェアの全店舗導入で、紙ベースの承認作業をデジタル化。データ利活用でトラブル対応力もアップ。

株式会社ゆうホールディングスは、京都府を中心に90店舗以上の保険薬局を運営し、医療機関や介護施設と連携しながら在宅医療に積極的に取り組んでいる。同社は統合型グループウェア『eValueシリーズ』を導入。これまで1~2週間かかっていた申請業務を1日で完了するなど、抜本的な業務改善を実現している。

株式会社ゆうホールディングス

導入先の概要

業界保険薬局
事業内容保険薬局の運営、一般薬品などの販売
店舗数95店舗
従業員数585名(2021年4月現在)
ホームページhttps://www.uno-upd.co.jp

導入前の課題

  • 紙ベースの申請・承認業務を効率アップしたい
  • 全店舗で情報を共有できる環境を整えたい
  • 安全で快適なネットワークを構築したい
  • システムの運用管理の負担を軽減したい

導入したソリューション

製品カテゴリー製品名
統合型グループウェアeValueシリーズ
ハウジングサービス2Uハウジングレンタル Hyper-V
ネットワークサービスたよれーる らくらくルーター
たよれーる インターネットおまかせパック2

改善効果

  • ワークフロー業務の申請承認が1〜2週間から1日に短縮。2〜3日かかっていた集計業務が1クリックで完了できるようになった
  • ITの運用・サポートにかかる負担が大幅削減

DX化のポイント

  • 統合型グループウェアを導入
  • 運用代行・保守サービスで、快適なネットワーク環境構築とシステム担当者の負担を軽減

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導入事例詳細

在宅医療に全国でいち早く取り組み、医療のIT化推進活動を行う

株式会社ゆうホールディングス(以下、ゆうホールディングス)は、ゆう薬局グループの中核企業だ。1950年の創業以来、保険薬局の運営業務を主として、医薬品や衛生用品の販売事業を展開。かかりつけの薬局として地域住民の声に耳を傾け、医療機関や介護施設と連携しながら在宅医療にいち早く取り組んできたのが大きな特長だ。現在、京都府に95店舗、滋賀県に1店舗を有しており、そのうち87店舗で高齢者などの自宅に訪問して在宅療養を支援している。

取締役 経営企画室 室長 秘書・広報室 副室長 船戸 一晴氏

「特にコロナ禍では、自宅療養者に医薬品を速やかに届けることが求められています。そうした中、当社はこれまでの実績とつながりから、京都府のコロナ在宅療養チームに薬剤師を派遣。ワクチンの集団接種にも多くのスタッフが携わっています。また保険薬局では、コロナウイルスに関する情報提供もしています」と取締役 経営企画室 室長 秘書・広報室 副室長の船戸 一晴氏は語る。

その一方で、2018年12月にIT化を推進する子会社「株式会社C.Medical」を設立し、クラウド上で患者情報や処方情報を一括管理できる在宅薬歴アプリを独自に開発。全店舗への導入を進めながら、他社への販売も行っている。

既存システムの見直しを行い、申請業務などの業務効率改善に着手

ゆう薬局グループは、2018年のホールディングス化を機に、業務効率を高めるために既存システムの見直しに着手した。以前は、一部の役職者やスタッフがグループウェアやオンラインストレージサービスなどを個別に利用していたが、運用方法がそれぞれ異なるので管理が行き届かず、退職者もシステムにログインできてしまうなど、セキュリティ上の課題を抱えていた。

「以前のオンラインストレージサービスは、本部側がアップしたファイルを店舗側では閲覧しかできませんでした。そのため、本部と店舗間で双方向に情報をやりとりできる新たなツールが必要不可欠となっていました」と経営企画室 システム課の岡本 明子氏は語る。

もう一つの大きな課題は、申請業務を紙ベースで行っていたことだった。店舗からの申請は社内便で本部に届くため、承認されるまでに1~2週間かかることもあったという。

また、同社は全店舗をVPNで結んでいたが、回線速度が遅く、運営会社のサポート体制も万全ではなかったという。そのため、各店舗でネットワーク上のトラブルが発生すると、岡本氏が自ら現地へ急行し、原因の究明や対応策を講じていた。しかし、移動だけで片道2時間近くかかる店舗もあるため、運用管理面で大きな負担になっていた。

必要な機能を網羅しているシステムを選定

そこで、ゆうホールディングスはITベンダー数社に諸課題を解消するための提案を依頼。その中で最終的に選ばれたのが、統合型グループウェア『eValueシリーズ』を活用した大塚商会の提案内容だった。

「大塚商会さんとは、以前からオフィス用品通販サービス『たのめーる』の取引があり、総合的なサポートをしてもらえる企業だという信頼感がありました。そのうえで『eValueシリーズ』は当社が求めていた機能を全て網羅していたので、これなら従来の課題を解消できると確信したのです」(船戸氏)

また、同社はハウジングサービス『2Uハウジングレンタル Hyper-V』の導入も決定。万全な災害対策が施されたデータセンター内で、大塚商会がサーバーの監視や障害対応を実施するので、自社でサーバーを運用管理する工数が省け、BCP対策の観点から安全性が高まると判断したからだ。

機能を限定した段階的な活用で、全店舗へのスムーズな導入を実現

ゆうホールディングスは、2018年3月に『eValue』を導入。その際、一気に全ての機能を活用するのではなく、優先順位を決めて段階的に活用していくことで、無理のないスムーズな全社導入を実現している。

経営企画室 システム課 岡本 明子氏

「最初はコミュニケーション機能だけを活用しました。まずは、エリアの担当者に操作説明を行い、エリア担当より各店舗のスタッフに周知してもらうようにしたのです。もともと操作方法が簡単なこともあり、半年後には全スタッフがワークフローを含めた機能を当たり前のように使いこなせるようになりました」(岡本氏)

申請業務にかかる日数が大幅短縮し、トラブル発生時の報告業務も改善

ゆうホールディングスは、『eValue』のワークフロー機能を活用し、申請業務の時間短縮を全社規模で実現した。

「以前は、各店舗の申請書類を1週間に1回、社内便でブロック長のいる別店舗に送っていました。そこで承認印を押してもらってから、本部に送っていたのです。そのため、社内便のタイミングを逃すと、処理に1~2週間かかることが多々ありました。しかし、現在は、わずか1日で完了します。どの承認者で止まっているかも一目で確認できるので、急ぎの場合は、その人に直接催促できるようになりました」(岡本氏)

進捗(しんちょく)は全てシステム上で確認が可能。承認の依頼や不備による差し戻しは通知されるため、確認漏れを防ぐこともできる

同社独自の工夫として、アクシデント・クレーム発生時の報告・集計作業の迅速化も図った。以前は、各店舗内でトラブルが発生すると、Excelで報告書を作成し、上長などに確認印をもらってから、数日後に本部に報告が上がる流れだった。しかし、現在は、ワークフローに報告を記入し申請することで業務のスピードアップを実現している。

「以前は、クレームの内容やブロック別の件数などを集計する作業に2~3日かかっていましたが、今は1クリックで完了します。そのため、全店舗へ注意喚起や改善策を速やかに周知できるようになりました」(岡本氏)

必要な人が必要な情報をリアルタイムに共有

コロナ対策などの本部からの伝達事項は掲示板で周知徹底する一方で、ドキュメント管理も効果的に活用している。会議資料やブロックごとの年間売上目標などのフォルダを作成。店舗ブロックや部署、役職ごとにアクセス権を設定し、必要な人が必要な情報をリアルタイムに共有できる環境を整えた。ファイルの版管理機能により、常に最新版の情報を確認できるので非常に便利だという。

以前はExcelで作成していた報告書をワークフローで入力できるように整備。リアルタイムな情報共有と集計作業の効率向上を実現している

「毎月の店舗の売上報告は、本部の商品課のフォルダに入れれば完了するので以前のようにメールでやりとりする手間が省けました。ほかのブロックの店舗がどのような取り組みを行っているかも一目瞭然です」(岡本氏)

快適で安全なネットワーク環境を整備

『eValue』の活用が進む中、『たよれーる インターネットおまかせパック2』と『たよれーる らくらくルーター(導入時のサービス名は「らくらくルーター for NEC」)』を導入し、VPNの張り替え作業を順次実施。従来のネットワーク回線の遅延などの課題を解消した。インターネット接続に関する煩わしい作業を大塚商会が一括して行うことで、全店舗で情報共有できる快適で安全なネットワーク環境を整備した。

「万が一、何かトラブルが発生しても、大塚商会のサポート窓口に連絡すれば迅速に対応してもらえるので安心感があります。以前のように何時間もかけて現地へ出向く必要がないので、本来の業務に専念できるようになりました」(岡本氏)

「当社のスタッフは、複数の店舗を行き来しながら業務を行うことが多々あるのですが、『eValue』は各店舗の端末で各自のユーザーアカウントを入力してアクセスすれば、その場で必要な情報を確認できます。VPN内でしか利用できないので、社内の情報が漏えいする心配もありません」(船戸氏)

今後は、自社開発している電子薬歴の機能拡充に加え、新たにオンライン服薬指導や投薬後のフォローが行えるシステムの開発・販売も計画中だ。これからもITを有効活用することで煩雑な事務作業を軽減し、地域医療や在宅医療に注力できる体制づくりに努めていく。

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