『kintone』で運送・レンタルの受注システムを開発

電話とFAXによる注文が『kintone』でスマートフォンから注文可能に。お客様・社員のそれぞれに高いメリット

丸喜運輸株式会社 導入事例

サービス業101~1,000名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

丸喜運輸株式会社は電話とFAXで受け付けていた運送、レンタル品納入の注文を『kintone』で開発した受注システムで受け付ける仕組みに変更。お客様はスマートフォンで簡単に注文できるようになり、社員は受付・手配の負担が大幅に軽減された。今後はAI活用による業務効率アップなども視野に入れている。

  • 業務効率の向上
  • 長時間労働の是正
  • 顧客対応の改善

2022年10月取材

丸喜運輸株式会社

導入先の概要

業種
運輸業
事業内容
運送、リサイクル、仮設資材リース、イベント、揚重サービス、仮設工事
従業員数
119名(2020年11月時点)
ホームページ
http://www.mrk-trans.co.jp/

導入の狙い

  • 電話などによる受注の業務負荷を軽減したい
  • 働き方を変えて、長時間労働がない職場作りを行いたい

解決策

  • 業務アプリ構築クラウドサービス『kintone』を使って受注システムを開発

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
業務アプリ構築クラウドサービスkintoneお問い合わせ
文書管理システムeValue Vお問い合わせ
大塚商会オーダー開発サービスお問い合わせ

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丸喜運輸株式会社 導入事例(PDF:3,850KB)

導入事例詳細

運送からレンタル、リサイクルまで。幅広い事業を展開

工藤 賢一氏

代表取締役社長 工藤 賢一氏

札幌市の丸喜運輸株式会社(以下、丸喜運輸)は、建築資機材の運送をはじめ、仮設資材のリース、仮設工事、揚重、産業廃棄物のリサイクル、各種イベントの企画・制作・イベント用品レンタルなど、多彩な事業を展開する会社だ。

創業は1973(昭和48)年。当初は建築資機材の運送だけを行っていたが、1990年代のバブル崩壊以降、建設需要が冷え込んだことから、事業の多角化によって収益の拡大を図った。

「当社のように建設業の周辺業務をカバーする多様なサービスをワンストップで提供できる運輸会社は、札幌市内にはほかにありません。あらゆる注文にお応えする体制によって、ゼネコンから地元の工務店まで、幅広いお客様のニーズにお応えしています」と語るのは、代表取締役社長の工藤 賢一氏だ。120名近い数の従業員は、下は18歳から上は70代までと年齢の幅が非常に広い。人口減少によって運輸業界の人手不足も年々深刻化しているが、社長である工藤氏自らが地元の高校を回り会社の魅力をアピールするなど、人材獲得には継続して力を入れている。

「即戦力が求められるため中途採用者が多い業界ですが、当社は新卒採用も積極的に行っています。入社後は、教育はもちろん資格取得なども積極的に支援し、確実に一人前に育ててから現場に出てもらっています」と工藤氏。年代間ギャップによるコミュニケーション不足が生まれないよう、定期的に食事会の場を設けるなど雰囲気作りも行っている。

電話とFAXによる受注をやめて、社員の業務負荷を軽減したい

積極的な採用活動によって社員数は増えているものの、運送、レンタル、リサイクルと事業の幅が広いため、事業ごとに配置できる人数はどうしても限られてしまう。限られたマンパワーでいかに日々の業務をこなしていくかということは、同社の積年の課題となっていた。

また、「事業がバラバラだと、事業部門同士の人の交流も希薄になってしまいます。部門を越えたコミュニケーションの機会をなるべく設け、会社としての一体感を保つことは常に心掛けています」と工藤氏は説明する。

日々の業務の中で、特に負荷が重いと感じていたのは、運送やレンタルの受注処理であった。運送の1日あたりの注文は平均120件。その全てを電話とFAXで受け付けていた。

「電話注文を受けてメモに書き取るだけでも大変ですし、その内容をもとに車両の手配をしなければなりません。空いているのはどの車両で、どんなルートで配送させるのか、といったことを専任の担当者だけでさばいており、その担当者に大きな業務負荷がかかっていました」と工藤氏は振り返る。

お客様より依頼を受けた建設資材やリサイクル用の産業廃棄物が次々と運搬・収集される。これらの輸送には創業時より蓄積された荷積みの技術が生かされる

お客様より依頼を受けた建設資材やリサイクル用の産業廃棄物が次々と運搬・収集される。これらの輸送には創業時より蓄積された荷積みの技術が生かされる

電話とFAXによる注文をなくしたい

配車担当者は“職人芸”的に作業を行っているので、ノウハウが属人化してしまい共有できないことも課題であった。「これでは人が育たない」と危惧した工藤氏は、何とか受注と配車の仕組みを変えられないかと考えた。

そこで工藤氏は、長年付き合いのある大塚商会に相談。丸喜運輸は、札幌市では大塚商会と最も古くから付き合いのある企業の一つである。売り上げ管理や会計をはじめとする基幹システムも大塚商会から導入しており、「当社の業務の内容を熟知してくれている。そんな大塚商会なら、我々が求める適切な仕組みを提案してくれるのではないかと思いました」と工藤氏は語る。

工藤氏は、相談にあたって「こんな仕組みはできないか?」と自分の考えを全て書き込んだフローチャートを大塚商会に提示した。その基本コンセプトは「電話とFAXによる注文は一切なくす」というものだった。

「お客様にはスマートフォンアプリを使って注文してもらい、その内容が受注システムにそのまま反映される仕組みを作りたかった。これなら、お客様は24時間365日いつでも注文できるし、社員は電話やFAXで注文を受ける手間がなくなります。お客様と当社の双方にメリットがもたらされる仕組みを作りたかったのです」(工藤氏)

大塚商会の提案を受け、『kintone』の導入を即決

『kintone』で構築し完成した『まーる(MaRu)』のログイン画面。多くのお客様に活用いただけるよう、HPに動画マニュアルを公開している

『kintone』で構築し完成した『まーる(MaRu)』のログイン画面。多くのお客様に活用いただけるよう、HPに動画マニュアルを公開している

工藤氏のフローチャートをもとに、大塚商会が提案したのは業務アプリ構築クラウドサービス『kintone』を使用した受注システムの開発であった。大塚商会が『kintone』を提案したのは、工藤氏の理想を実現するには柔軟にカスタマイズできるアプリ構築基盤が不可欠であり、その条件を満たしているのは『kintone』だけだと判断したからだ。この提案を受け、工藤氏は導入を即決した。

『kintone』は専門知識がなくてもマウス操作だけで、さまざまな業務アプリ(システム)が作れる構築基盤である。「こんなふうに使いたい」という現場やお客様の声を反映しながら、短期間で理想のアプリを作り上げられるのが最大の特徴だ。

丸喜運輸はこの基盤を使って、運送とレンタルサービスの受注をスマートフォン経由に変更し、登録オーダーを『kintone』のワークフロー機能で各部門に内容を確認し、確定されたオーダーのみ自動的に『eValue V』のスケジュール機能に反映して配車までできる受注システムを開発することとした。

お客様本位のシステムのために再構築を決断

先ほども述べたように、同社の運送業務の配車は1人の担当者が行っていた。受付係が電話やFAXで受けた注文のメモを集め、この案件にはどの車両を使い、どんなルートで配送するのかを決める仕事である。担当者は日々の配車スケジュールを1冊のノートにまとめ、それに基づいてドライバーに指示をしていた。

しかし、「この方法では、配車担当者しか全体のスケジュールを把握することができません。全ての社員に『見える化』できるように、受注した内容がそのままスケジュールに反映されるようにしたいと考えました」と工藤氏は説明する。

受注システムの開発プロジェクトは2020年春にスタート。それから約1年後の2021年5月、本稼働にこぎ着けた。

比較的短期間で作り上げることができたが、全て順調だったわけではない。実はシステムが完成に近づき、本稼働が2カ月前に迫ったころ、工藤氏は全面的な見直しを指示している。

「大まかなフローチャートだけを示し、あとは社員に任せて開発を進めさせたのですが、結果、社員の使い勝手は良いけれど、お客様には使いにくいシステムに仕上がってしまったのです。お客様に受け入れられなければ活用は広がらないので、あえて1から作り直すよう指示しました」(工藤氏)

受注を減らすことなく、社員の労働時間が短縮

『SMILE & eValue V スケジューラ』にデータ連携を行い、車両の稼働率、稼働時間、配達件数などの情報を社員の全員が共有できる仕組みが整った

『SMILE & eValue V スケジューラ』にデータ連携を行い、車両の稼働率、稼働時間、配達件数などの情報を社員の全員が共有できる仕組みが整った

その後、短期集中で修正を行い、受注システムは本稼働した。たった2カ月で修正が完了したのは、アジャイルにアプリを構築できる『kintone』だからこそと言える。修正にあたっては、実際にお客様にもシステムを使ってもらい、意見や要望を取り入れながら仕上げていった。

同社はこの受注システムを『まーる(MaRu)』と命名して活用することにした。開発に携わった女性社員たちによるネーミングだそうだ。「実際に使う社員たちが命名すれば、愛着が湧いて、活用が進むことを期待しました」と工藤氏。

取材時点では本稼働からまだ半年足らずだったので、「導入効果が表れるのはこれから」と工藤氏は語っていたが、電話とFAXによる注文は大幅に減り、社員の負荷は格段に軽減されている

「少なくとも、受注は減少していないにもかかわらず、社員の労働時間は以前と比べると短縮しています。今後、着実に効果が表れるだろうと感じています」と工藤氏は期待する。

積極的なプロモーション活動も展開

『まーる(MaRu)』はお客様自身がPCやスマートフォンからログインしてアクセスし、注文はもちろん注文内容を確認することも可能だ。導入効果を高めるためには、お客様がこのシステムを活用して注文するように促すことも大切になる。丸喜運輸は、注文方法を説明するYouTube動画を制作して配信しているほか、社員の名刺にスマートフォンアプリを立ち上げるためのQRコードを付けるなど、積極的なプロモーション活動を行っている。

工藤氏は、『まーる』の開発を支援した大塚商会について、「長いお付き合いの中で当社の業務を熟知しているので、要望にかなったシステムを作ってもらうことができました。本当に満足しています」と高く評価した。

大塚商会担当者からのコメント

「ドライバーも情報共有できるシステムを提案します」

丸喜運輸株式会社様からは、『まーる(MaRu)』の機能をさらに充実させて、ドライバーも情報共有できるようにしたい」というご要望をいただいております。引き続き、ご希望に沿える仕組みを提案します。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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