進化する「ものづくりDX」

IoTによる設備稼働の可視化を実現し、稼働率10%アップも実現。先進的な取り組みを実践する

株式会社武井製作所 導入事例

製造業1~100名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

商用車や建設機械部品の精密機械加工を手掛ける株式会社武井製作所は、ものづくりDXの先進企業でもある。情報システム開発会社でキャリアを積んだ三代目の取り組みはIoTによる設備稼働状況の可視化や、ものづくりの現場のペーパーレス化、グループウェアによる情報共有など、多様な成果につながっている。

  • 生産性向上
  • ものづくりDX
  • 情報共有の推進
  • ペーパーレス推進

株式会社武井製作所

導入先の概要

株式会社武井製作所

業種
製造業
事業内容
精密機械加工
従業員数
27名(2023年2月現在)
ホームページ
https://www.takeiss.co.jp/

導入の狙い

  • 設備の稼働状況を可視化したい
  • 現場帳票を電子化し、検索性を高めたい
  • 情報共有を全社的に推進したい

解決策

  • 設備の信号灯をアウトプットにしたデータ基盤を構築し、BIツールで分析を行う
  • 帳票電子化ソリューションを活用。グループウェアで情報共有を推進

導入したメリット

設備稼働状況の可視化により10%稼働率向上を実現/400種類の帳票のペーパーレス化を実現

お客様の声を動画でご紹介

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。[動画再生時間:5分14秒]

製品導入にいたった経緯、導入による効果をお客様の声でお話いただいています。IT導入のヒントにご活用ください。

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
繰返・量産型生産管理システム『生産革新 Ryu-jin SMILE V』お問い合わせ
現場記録・報告・閲覧ソリューション『ConMas i-Reporter』お問い合わせ
BIダッシュボード『MotionBoard』お問い合わせ
BIツール・データマイニング『Dr.Sum』お問い合わせ
多機能グループウェア『NI Collabo 360』お問い合わせ
営業支援『Sales Force Assistant』お問い合わせ
見積書作成『Sales Quote Assistant』お問い合わせ

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株式会社武井製作所 導入事例(PDF:3,773KB)

導入事例詳細

卓越した技術力でものづくり企業のアドバンテージを築く

代表取締役 武井 哲郎氏

代表取締役 武井 哲郎氏

株式会社武井製作所(以下、武井製作所)は、精密金属部品加工を行うものづくり企業だ。1948年に設立された同社は戦前よりミシン製造を行っていたルーツを持ち、1960年代以降は高度成長期の波に乗り、ミシン製造で培った技術を生かして自動車部品加工に移行。現在は主に商用車や建設機械分野の精密部品の加工を手掛けている。

同社の最大の強みは卓越した技術力にある。

「お金をかければ誰でもよい工作機械をそろえられますので、機械を扱う人の差が技術力の差として表れます。メーカーはその技術までは教えてくれません。設立から70年以上に及ぶ経験で培われてきた技術・技能を確実に継承してきたことが、技術力の差につながっていると考えています」と自社の強みを説明するのは、創業者の祖父から数えて三代目になる代表取締役の武井 哲郎氏だ。

新卒人材の定期的な採用も、技術継承の取り組みの一つだ。ものづくりの現場は「見て覚える」になりがちだが、同社の場合は手取り足取り教えることをあえて心がけているという。

「実は私自身も、技術は教わるものではなく盗むものと考えています。しかし、そのやり方では伸びる人と伸びない人の差が埋まらず、人が育ちません。そこで、ベテラン社員には常に『おせっかいしようよ』と呼び掛け、積極的に教えるようにしています。その効果から定期的な新卒採用も実現しており、社員の年齢層の偏りなく技術を共有しています」(武井氏)

生産管理のシステム活用を、他社に先駆けて取り組む

最新設備が整う武井製作所の作業工場。天候を含めたさまざまな要素を考慮しつつ、0.001mm単位の製造を支えるのは高い技術力だ

最新設備が整う武井製作所の作業工場。天候を含めたさまざまな要素を考慮しつつ、0.001mm単位の製造を支えるのは高い技術力だ

武井製作所のもう一つの顔が、ものづくりDXの先進企業としての一面である。この取り組みに影響しているのが、かつて情報システム開発会社に勤務した武井氏の経歴だ。

「当社に入社する前、今で言うSEとして、別会社で金融機関のオンラインシステム構築を担当していました。情報システムの基本的な考え方はそこで学びました。当時、既に生産管理システムの開発も始まっていましたが、製造業は金融業に比べて情報管理が複雑なので、かなり苦戦している様子を見ていました」(武井氏)

その後、武井製作所に入社した武井氏は、自社でも生産管理システム導入に向けて動き始めることになるが、そのころになるとパッケージシステムが登場していた。そこで出会ったのが大塚商会だった。

「最初の出会いは大塚商会さんの飛び込み営業で、生産管理システムの提案でした。既に本命視するシステムがあったため話を聞くだけでしたが、実は本命のシステムはサポートに不安がありました。その後、大塚商会さんからフェアなどにお誘いを受けて再び話を聞くと、IT専門部署を持たない当社の場合、大塚商会さんをパートナーにすることが最適解なのでは、と考えるようになりました。それが『生産革新 Ryu-jin』(当時名称『遉(さすが)』)を選定した第一の理由です。今は、その判断は間違っていなかったと思っています」(武井氏)

そうして他社に先駆け、2005年に導入した『生産革新 Ryu-jin』はバージョンアップを経て、今日まで同社の効率的な生産計画立案や適正な在庫管理に大きな役割を果たしている。

補助金を活用し、「工場の見える化」を推進

次に武井氏が目を向けたのは、「工場の見える化」という課題だった。そのグランドデザインを考案したのは2015年のことだ。

作業現場で随時『ConMas i-Reporter』を使って入力を行う作業員。作業で汚れた手でキーボードを操作するのは気が引けるが、タブレットは簡単なタッチだけで入力を完了できる

作業現場で随時『ConMas i-Reporter』を使って入力を行う作業員。作業で汚れた手でキーボードを操作するのは気が引けるが、タブレットは簡単なタッチだけで入力を完了できる

「見える化という課題に目を向けるきっかけは大きく二つありました。一つはISOへの対応です。ISO9001および14001の定期審査では製造履歴のサンプリングが実施されますが、その抽出には30分以上かかりました。紙は便利なものですが、履歴管理にもスペースが必要になります。どうしたものかと思う中、大塚商会さんのフェアで出合ったのが製造現場での手書き帳票を電子化する『ConMas i-Reporter』でした。もう一つのきっかけは働き方改革の推進でした。工場での生産性を上げるには、限られた人員で効率よく設備を動かす必要があります。そのためには設備の稼働状況の把握が不可欠ですが、日報だけでは正確な把握は難しいのが実情でした。解決策として浮かび上がったのが、設備の稼働状況を表示する信号灯と連携したIoTソリューションでした」(武井氏)

専用の無線機を取り付けるだけで簡単に利用開始できるワイヤレスデータ送信システムはNC旋盤機を中心に取り付けて活用。一方向の無線通信のためセキュリティ面も安心だ

専用の無線機を取り付けるだけで簡単に利用開始できるワイヤレスデータ送信システムはNC旋盤機を中心に取り付けて活用。一方向の無線通信のためセキュリティ面も安心だ

武井氏は当初、2016年の「ものづくり補助金」(経済産業省)を利用したシステム導入を図ったが、採択には至らなかった。IoTという言葉が広く普及する以前であることを考えると、早すぎたアイデアだったのかもしれない。しかし、判断は間違えていないという確信があった武井氏は、補助金に頼らず『ConMas i-Reporter』導入を決断。現在はQRコード読み取り機能を活用した入力簡素化など独自の工夫を加えることで400種類に及ぶ帳票の電子化を実現している

一方、設備の稼働状況を可視化する仕組みは、2019年に「ものづくり補助金」で採択された。

「信号灯の情報を無線ユニットでアウトプットし、データ分析基盤である『Dr.Sum』に蓄積するというのがその基本的な考え方です。データの可視化にはBIツールである『MotionBoard』を利用しています。どんなデータをどのタイミングで抽出するかなど、きめ細かな調整が必要で、大塚商会さんと当社のスタッフがタッグを組んで3カ月ほど作業に要しましたが、狙い通りの情報を表現できるようになりました」(武井氏)

さらに2020年にはIT補助金を利用し、グループウェア『NI Collabo 360』を導入。

「きっかけは情報共有に関する課題でした。EV化をはじめとする市場の変化を受け、当社も新規顧客の開拓に努めていますが、顧客数が順調に増える中で新たな課題として浮上したのが情報共有でした。見たい資料を探すとき、まず誰が管理しているのかを確認することから対応が必要というのは、その分かりやすい例です。ビジネスチャットも試しましたが、特にコスト面でもう少し導入しやすいツールはないのかと考えていたところ、大塚商会さんから提案されたのが『NI Collabo 360』でした。他社製品と比較して月額料金が安く、IT補助金の対象ツールでもあることから即座に導入を決断しました」(武井氏)

導入メリットとしてまず挙げられるのが、スムーズな情報共有の実現だ。

現場リーダーに何かを伝える際これまでのように一人一人に確認する必要がなくなったことが一番大きなメリットです。企業規模を問わず、何かを始めると必ず『聞いていない』という人が現れますが、それは聞いていないのではなく聞く気がないのだと思います。組織の問題をあぶり出すうえでも、グループウェア導入は大きな意味があると思います。見なければ置いていかれるという状況が前提としてあれば、皆がグループウェアを利用するはずです」(武井氏)

同社は『NI Collabo 360』に合わせ、営業支援システム『Sales Force Assistant』と、見積書作成システム『Sales Quote Assistant』を導入。多様な案件への迅速な見積り作成に役立てている。

株式会社武井製作所の「ものづくりDX」全体図

稼働状況の可視化が、大幅な業務改善に貢献

加工設備の稼働率や製造計画の数値は『Dr.Sum』に集められ、見たいデータを数値化して『MotionBoard』で図やグラフで表現。誰もが作業中に見られる大画面で表示させている

加工設備の稼働率や製造計画の数値は『Dr.Sum』に集められ、見たいデータを数値化して『MotionBoard』で図やグラフで表現。誰もが作業中に見られる大画面で表示させている

ものづくりDXの観点で特に注目されるのが、設備稼働状況の可視化への取り組みだ。

「人はよく見られたいものです。日報での稼働状況の把握が難しかった理由はそこにあります。そのため、各設備が8時間中、何時間稼働したかがデータとして見えるようになった意義は極めて大きいと考えています。実際、全体で10%ぐらい設備の稼働状況が上がりました。理由は使用者と設備自体の調子の両方が考えられますが、そのデータは業務改善の基盤として大きな役割を果たしつつあります」

武井製作所のものづくりDXの取り組みは、現場レベルの課題抽出・解決への『MotionBoard』の活用など、現在も進行中である。一方で武井氏は、同業他社への啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

「DXに向けた取り組みの有無は、今後確実に差として表れるはずです。先日はDXの事例を、多くの企業の皆様の前で紹介させていただきましたが、それは自分たちの取り組みを整理するうえでも有意な経験になりました。『生産革新 Ryu-jin』を20年にわたり使い続ける中で得た知見や補助金採択のヒントなど、困っている方がいれば積極的に情報提供していきたいと考えています」と武井氏は述べ、ものづくり業界の将来を前を向いて突き進む。

大塚商会担当者からのコメント

「ツールがつながると新たな価値が生まれるということを教えていただきました」

ITツールは使い方次第でさまざまな可能性が生まれます。武井製作所様のDXの取り組みはツールをつなげることで確実に前進し続けています。その取り組みを、私たちもオール大塚でサポートし続けます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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