大塚商会ハートフル基金 2017年8月支援のお知らせ

2017年 9月26日

大塚商会ハートフル基金では、年に2回、加入者から推薦のあった団体について審議を行い、多くの賛同を集めた団体を支援しています。2017年8月に支援を実施しましたので、支援団体を紹介します。

支援した団体

一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会

「全国心臓病の子どもを守る会」は、医療制度の改善と社会保障および教育制度の充実など心臓病児者とその家族の幸せを目的に、親たちにより1966年に結成されました。現在は46都道府県に支部があります。100人に1人の割合で生まれるとされる先天性心疾患の子どもたち。年間約1万人の赤ちゃんが心臓に何らかの病気を持って生まれてきますが、その症状や治療法は多様で、疾患や病態に関する社会の認知度は決して高いとはいえません。「全国心臓病の子どもを守る会」では、専門医による講演会・学習会の開催や相談事業を行ったり、医師・看護師も参加した療育キャンプなどを開催しています。

ハートフル基金は「全国心臓病の子どもを守る会」の内部組織「心臓病者友の会」で毎年開催される全国交流会の講演会開催を支援します。

一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会

認定NPO法人フローレンス

「フローレンス」は、子どもが病気になったときに預け先がなく子育てと就労の両立を阻んでいる「病児保育」の問題を解決するため、2004年から日本初の訪問型・共済型の病児保育事業を行っています。そのほかにも医療的ケアが必要な子どもを長時間預かることができる日本初の保育園の運営や特別養子縁組の支援事業を開始するなど、制度の狭間で公的サポートから抜け落ちた親子をとり巻く社会問題の解決に精力的に取り組んでいます。

日本の子どもの約7人に1人は貧困状態にあり、中でも母子家庭の子どもたちは、貧困につながるリスクが圧倒的に高い状況にあります。一人親家庭は子育ても仕事も全て一人で抱えており、子どもの急病時には自分が仕事を休むしかなく、安定した仕事に就くチャンスが少ないのが現状です。「フローレンス」では、寄付を原資に安価に病児保育を提供することで、一人親世帯の経済を安定させ、世代間の貧困の連鎖を断ち切ろうとしています。ハートフル基金の支援はこの活動に生かされます。

認定NPO法人フローレンス

一般社団法人ALS協会

「日本ALS協会」はALSと共に闘い、歩むことを趣旨として1986年に設立され、「患者が安心して療養できる医療・福祉の確立」と「病気の原因究明・治療法の確立」を目指して活動をしてきました。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、身体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性する病気で、神経細胞あるいは神経細胞から出て来る神経線維が徐々に壊れていってしまい、神経の命令が伝わらなくなって筋肉がだんだん縮み、力がなくなります。今のところ原因が分かっておらず、発症後3~5年で生じる呼吸筋まひや嚥下(えんげ)筋まひで亡くなる病気とされてきましたが、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、長期に療養することが可能となってきています。

近年、アイス・バケツ・チャレンジの流行(りゅうこう)によりALSという名前を聞いたことがある人も増えてきましたが、病気への社会の理解はまだ不十分です。ハートフル基金の支援でALS理解のためのパンフレットを作成し、ALSへの理解を深め治療薬開発の資金・療養支援を得るための啓発活動に活用します。

一般社団法人ALS協会

NPO法人マドレボニータ

出産後の女性の体は、出産により大きなダメージを受け、精神的にも不安定になりやすくなっています。しかし、出産後は赤ちゃん中心の生活となり母親の健康は放置されがちです。産後うつ、産後クライシス(夫婦の仲の険悪化)、乳児虐待といった問題は、かつて個人の問題とされていましたが、今はその発生件数が、社会全体の問題として無視できない規模になってきています。「マドレボニータ」では、1998年から産後ケアの有用性を啓発すると共に、産前・産後の心と身体をケアするプログラムを提供し、産後の危機の回避・女性の再チャレンジとエンパワーメントに寄与しています。全国約60カ所で産後の教室を開催し、昨年は1万人弱が受講しています。最近では企業向けに社員の復職支援プログラムも提供しています。

「マドレボニータ」では、「マドレ基金」を立ち上げ、社会的に孤立しがちな母親(ひとり親・双子や三つ子など多胎児の母・障がいのある児<こ>の母など)を対象にしたサポートや産後ケアのインストラクターの育成、リーフレットやアプリを使った啓発活動を行っています。ハートフル基金の支援は、この「マドレ基金」で活用されます。

NPO法人マドレボニータ

社会福祉法人日本聴導犬協会

「日本聴導犬協会」は、聴導犬(聴覚障がい者に、生活で必要な音が鳴った場合にタッチすることで音を知らせ誘導する)、介助犬(肢体不自由者の手足となり、日常生活における動作の補助をする)の育成に1996年から取り組んでいます。この団体の特徴は飼い主の見つからない犬を保護し、育成しているところです。

聴導犬・介助犬を育成するには1年半程度かかります。トレーニングの終盤で、聴導犬・介助犬ユーザーが「日本聴導犬協会」の施設に2週間寝泊まりし、聴導犬・介助犬と生活を共にする滞在訓練を行います。年々高齢のユーザーや介助犬を希望する身体障がいのあるユーザーが増えているため、ハートフル基金の支援でリクライニング機能のある介護用ベッドを購入します。

社会福祉法人日本聴導犬協会

認定NPO法人日本IDDMネットワーク

「日本IDDMネットワーク」は、1型糖尿病(生活習慣ではなく、原因不明で突然発症する糖尿病で、子ども期での発症が多い)の根治等に取り組む最先端の研究者への研究費助成や患者・家族への正確な情報を伝える活動をしている団体です。現在の医療では、1型糖尿病は不治の病で、生涯にわたって毎日4、5回の注射やポンプによるインスリン補充をする必要があります。ハートフル基金では昨年・一昨年も支援をし、患者・家族へ提供する情報冊子やオウンドメディアの制作を支援しました。

今回は、患者・家族が1型糖尿病の根絶に向けて研究を行っている現場(研究室)を訪問し、研究者と患者・家族が研究の内容・進ちょく・問題点・目指すゴールなどについて語り合うサイエンスカフェの開催を支援します。

認定NPO法人日本IDDMネットワーク

NPO法人Tier Heim KOKUA

「Tier Heim KOKUA」はブリーダーから虐待された犬猫、飼育放棄された犬猫、行政の動物愛護センターからの保護要請に基づき多くの犬猫をレスキューしています。「Tier Heim KOKUA」では保護犬シェルターを運営しており、ドッグトレーナーとボランティアが力を合わせ、犬のケア、リハビリ、しつけなどを行い人間への信頼を取り戻させつつも社会性を教えながら新たな家族とのご縁を結んでいます。ドッグホテル・トリミングサロンも運営しており、ここでの収益は保護犬シェルターのサポートに使われています。

保護犬には去勢避妊手術・健康診断・血液検査・狂犬病ワクチン等を施し、健康な状態で新しい家族のもとへ行きます。ハートフル基金では、保護犬の医療ケアとシェルター環境整備を支援します。

NPO法人Tier Heim KOKUA

認定NPO法人多文化共生センター東京

外国にルーツを持つ子どもや家族は教育に関する情報が得にくく、日本語が十分でないために学校に受け入れてもらえない子どもが相当数存在しています。特に母国で中学校卒業後に来日した子どもたちは、日本語指導が必要であるにもかかわらず、制度の狭間にあって中学校へは入れず、高校進学も困難です。「多文化共生センター東京」は、子ども達(たち)の教育を保障し改善するために日本語や教科の学習ができる「たぶんかフリースクール」を立ち上げ、多言語で多文化、多様性にあふれる個性豊かな子どもたちが社会で活躍できるように活動をしています。

「たぶんかフリースクール」には、埼玉県、千葉県など遠方から通学している生徒も多くいます。しかし、正規の学校ではないため、生徒は通学定期券を購入することができず、交通費が大きな負担となっています。経済的な理由で学びを断念せざるを得ない子どもが出ないよう、ハートフル基金は通学費用をサポートします。

認定NPO法人多文化共生センター東京

認定NPO法人SHIP

「SHIP」は性的マイノリティである同性愛者・性同一性障がい者の方を対象にした、自由に集えるフリースペースの開設・情報の提供・電話相談や学校や行政に対する講演活動を行っている団体です。

ハートフル基金では、昨年神奈川県の中高生向けのリーフレット作成を支援し、計776校に配付されました。今回の支援では教員向けの啓発資材を作成し、教育委員会を通じて神奈川県内の小中高校に配付し、授業や生徒たちへの接し方に役立てられます。また、性的マイノリティに関するシンポジウムも開催します。これからの社会を担っていく子どもたちに、性の多様性を高めることで社会全体が多様性を認め誰もが生きやすい社会づくりにつながることが期待されます。

認定NPO法人SHIP

NPO法人チャリティーサンタ

「チャリティーサンタ」は、クリスマスイブの夜にサンタクロースに扮(ふん)したボランティアが、小さな子どもがいる家庭にプレゼントを届ける「サンタ活動」をしている団体です。サンタ活動の際に家庭から預かったチャリティー金で、日本や海外の困難な状況にある子どもたちにプレゼントを届けています。23都道府県30支部で活動しています。

現在、「チャリティーサンタ」では、経済的な事情や家庭の事情で「プレゼントがもらえない子ども」へ、チャリティーサンタが準備したプレゼントやサンタからの手紙を届けるための「ルドルフ基金」に力を入れています。貧困家庭は経済的な貧しさだけでなく、レクリエーションをするといった経験・体験が不足しているという指摘があります。「チャリティーサンタ」の取り組みは、クリスマスにサンタさんからプレゼントをもらうという子どもにとって忘れられない思い出を作り、自己肯定感を育む機会となります。ハートフル基金では「ルドルフ基金」の認知拡大と寄付増加のために広報用のチラシ・コンセプトムービーの作成を支援します。

NPO法人チャリティーサンタ