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請求書の保存期間はいつまで? 電子保存のポイントも紹介
請求書をはじめ決算関係書類や帳簿など、さまざまな書類で電子化が進められています。それと同時に電子帳簿保存法やインボイス制度など、請求書に関連するさまざまな制度も整備されています。しかし、これらの制度にどう対応すべきか悩む方もいるのではないでしょうか。
この記事では、請求書の保存期間や要件、そして近年話題になっている「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」について解説します。
請求書の保存義務とは?
請求書は「証憑(しょうひょう)書類」に該当する書類で、「取引があったこと」を証明するために発行されます。証憑書類は法人税法や所得税法、消費税法などの法律によって、一定期間保存することが義務付けられています。
特に請求書は原本の保存が必要です。請求書を受け取った側はコピーではなく原本を保存しなければならず、発行側は、控えも同様に保管しなければなりません。
請求書の保存期間はいつまで? 法人、個人事業主の違い
請求書の保存期間は「法人」と「個人事業主」のどちらに該当するかで異なります。ここでは双方の保存期間について解説します。
法人の場合
法人は基本7年、可能であれば10年保存できると安心です。
法人税法第六十七条の2項には「普通法人等は、前条第一項に規定する帳簿及び前項各号に掲げる書類を整理し、第五十九条第二項(帳簿書類の整理保存)に規定する起算日から七年間、これを納税地(前項第一号に掲げる書類にあつては、当該納税地又は同号の取引に係る国内の事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地)に保存しなければならない」と記載されており、最低でも7年間は保存することを定めています。
また、2015年度および2016年度の税制改正により、2018年4月1日以降に開始する事業年度に欠損金が生じた場合の繰越期間は10年間とされました。これにより、赤字となった年度の請求書は10年間の保管が必要となりました。
個人事業主の場合
個人事業主は法人とは異なるため、法人税法ではなく所得税法が適用されます。例えば、青色申告、白色申告を問わず、個人事業主の請求書の保存期間は5年です。
また、年間の課税売上高が1,000万円以上の場合は、個人事業主であっても「消費税課税事業者」になり、請求書の保管期間は7年間になります。
さらに、法律上義務付けられている請求書の保存期間は5年間でも、帳簿は7年間保管するよう義務付けられています。
保存期間年数の数え方
保存期間の年数は、請求書の日付から数えるのではなく、事業年度の確定申告書の「提出期限の翌日」から数えます。
例えば、5年間の保存が義務付けられている書類で9月末決算を行う場合は、11月30日が確定申告期限日です。この場合、期限は5年後の11月30日まで保存となります。保管期限が5年の書類と7年の書類がある場合は、保存期間の長い方に合わせると混乱せずに済むでしょう。
請求書の主な保管方法
請求書の保管方法は、紙と電子データなどがあります。ここでは、それぞれの保管方法の特徴やメリット、デメリットを解説します。
紙での保管
以前はデジタル技術が今ほど普及していなかったため、多くの事業所が紙で書類を保管していました。今でも紙で管理しているケースは多い一方、5年から7年も保存するのは簡単ではありません。紙は劣化すれば読みにくくなるほか、ファイリングして管理するためスペースが必要になるなどのデメリットがあります。
また、2022年1月施行の改正電子帳簿保存法によって、電子データで受け取ったものは電子データで保存することが義務化されました。電子データの保存にはタイムスタンプの付与など、さまざまな要件が課せられています。紙での保管は、ほかの保存方法と比べて守るべき要件が少ない点はメリットといえるでしょう。
電子データ保存
請求書をはじめとした書類は、要件を満たせば電子データでの保存が可能です。スキャナーを使う場合、電子帳簿保存法で決められている保存要件を満たすものを使用する必要がありますが、紙に比べ保存スペースの必要がなく、さらには経年劣化などの心配もない記録方法といえます。
インボイス制度導入で何が変わる?
2019年に消費税が原則10%に上がったものの、食品(外食を除く)などは8%の軽減税率が適用されるため、現状二つの税率が混在しています。消費税について正しい納税額を算出する目的で、2023年10月1日からインボイス制度が導入されました。
インボイスとは「適格請求書」と呼ばれるもので、これまでの「区分記載請求書」の記載事項に加え、請求書を発行する事業者の登録番号や適用税率、消費税額などを記載しなければなりません。
この制度が導入されたことにより、買い手は仕入税額控除の適用を受けるためにインボイスが必要となり、売り手もインボイスを求められたときのために請求書の写しや電子データを保存しておかなければなりません。双方7年間の保管が義務付けられています。
なお、インボイスを交付できるのは、国税庁に登録申請して承認を受けた「適格請求書発行事業者」のみとされています。
電子取引における請求書データは電子データ保存を
電子帳簿保存法が改正され、電子データで受け取った請求書などの書類は電子データでの保存が義務化されたと紹介しましたが、具体的な変更点や要件などの情報をあらためて確認しておきましょう。
電子帳簿保存法が改正
今回の改正により、事前承認手続きの廃止やタイムスタンプの要件緩和など、電子データでの保存に対するハードルが下がりました。さまざまな書類を電子化できるため、紙による保存で問題点になっていたスペースの圧迫や、書類の劣化などを気にせずに書類の管理ができます。
また、メールやカード払いの電子領収書など、電子データで受け取った情報は電子データとして管理することが義務付けられています。
電子化で請求書の保存期間に変更はない
請求書などの保存期間に変更はなく、今までどおり法人は7年間、個人事業主は5年間の保存が求められます。要件のハードルが下がった分、気軽に電子データでの管理や保存ができるようになった一方、虚偽の報告や隠ぺいがあった場合の罰則が重くなりました。具体的には不正があった場合、重加算税が10%加重される措置などが挙げられます。
電子取引の保存要件の紹介
電子帳簿保存法では、国税関係帳簿や書類を「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分に分け、それぞれについて保存要件を定めています。ここでは、2022年の改正で示された電子取引に関する保存要件を紹介します。まずは自社の環境と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
真実性の要件 | 以下のいずれかの措置を行うこと
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可視性の要件 |
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【出典】国税庁「電子帳簿保存法が改正されましたー電子取引の保存要件」より
なお、「検索機能の確保」については、令和5年度税制改正大綱で一層の緩和策が講じられることになりました。2024年1月1日以降にやり取りする電子取引データについては、「前々年度の売上高が5,000万円以下」もしくは「データの印刷物を取引年月日・取引先ごとに整理された状態で提示・提出できるようにしている」対象者については、税務調査の際に電子データのダウンロードが可能であれば、「取引年月日」「取引金額」「取引先」の検索機能要件の全てが不要となります。
請求書の電子化、電子帳簿保存法対策のご相談は大塚商会まで
近年はさまざまな組織でIT化などが進み、決算関係書類などもそれに準じて電子データで保存するようになりました。
しかし、適正に保存するためにはさまざまな要件を満たす必要があり、要件を満たしていないと書類として認められないケースもあるため、単に書類を電子データ化すれば良いわけではありません。自社で扱っているシステムが電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているのか、確認しておくことも重要です。
こういった法改正に伴い、業務の見直しが必要になる事業所や組織は多く存在します。何から始めるべきか悩む方にお勧めしたいのが、基幹業務システム「SMILE V 2nd Edition 販売」と「eValue V 2nd Edition ドキュメント管理」です。
SMILE V 2nd Edition 販売
インボイス制度にも対応している基幹業務システムです。売上や売掛から仕入、買掛、在庫管理までをカバーしています。オリジナル帳票の作成や、多角的なデータ分析などの機能も備えています。さらに、グループウェアとの連携により、電子帳簿保存法の検索に必要な属性を付与して、自動的にドキュメント管理に登録できるため業務の効率アップにつながります。
eValue V 2nd Edition ドキュメント管理
属性検索や全文検索にも対応しており、有効期限管理などの機能も備わっています。タイムスタンプオプションを活用すれば電子帳簿保存法にも対応可能です。
paperlogic電子書庫(ペーパーロジック)
タイムスタンプ付与が可能で、電子取引だけでなくスキャナ保存にも対応した文書管理システムです。シンプルな機能と分かりやすい操作性で簡単に電子帳簿保存法に対応した保管が可能です。
「SMILE V 2nd Edition販売」と「eValue V 2nd Edition ドキュメント管理」を用意すればインボイス制度と電子帳簿保存法のどちらにも対応できます。ソリューションの導入を検討中の方は、ぜひお気軽に大塚商会までお問い合わせください。
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