この記事では、e-文書法や電子帳簿保存法など、文書を電子保存する際に理解しておかなければならない法律についてご紹介しました。
似たような法律ですが、要件や適用範囲などが異なります。社内の書類を電子保存する際には、それぞれの内容をきちんと理解したうえで行いましょう。
大塚商会では、今回ご説明した法律に対応した、さまざまなソリューションを提供しています。文書電子化サービスの導入をお考えのご担当者様は、ぜひ大塚商会へお問い合わせください。
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経理業務を効率的に実施するために、電子保存はとても有効です。多くの書類を電子保存できれば、保管場所に困らず、必要な情報を探し出しやすくなります。
しかし、電子保存には、「e-文書法」や「電子帳簿保存法」の知識が必要です。これらは、いずれも書類の電子保存を認める法律ですが、要件などが異なります。まずは、それぞれの法律の違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、e-文書法や電子帳簿保存法の関係性や、内容の違い、それぞれの要件などをご紹介します。
e-文書法は、電子保存における二つの法律を総称したものです。別名「電子文書法」とも呼ばれています。
まずは、e-文書法について、概要や要件をご紹介します。
e-文書法とは、商法や税法、会社法、保険業法などで紙の保管が義務付けられていた書類の電子保存を認める二つの法律のことを指します。
二つの法律とは、具体的には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」です。
前者は、民間事業者などが、これまで紙の保存を義務付けられていた書類の電子保存を認める法律です。これにより、約250の法律を改正せずに電子保存できるようになりました。
一方、後者は、約70の個別法の一部改正により、前者ではカバーしきれない部分を整備した法律です。
この二つの法律は、2005年4月から施行されており、さまざまな文書が対象となっています。例えば、請求書や領収書などの国税関係書類、カルテなどの医療情報書類などが挙げられます。
ただし、緊急時にすぐに読める状態にしておかなくてはならない書類や、現物性の高い書類(例:運転免許証)などは対象外とされています。
実際に電子化するには、法令の要件を満たさなければなりません。要件は、管轄する省庁によって異なりますが、一般的には経済産業省による技術基本要件を満たすものとされています。
ただし、四つ全ての要件を必ず満たさなければいけないわけではなく、後述する「見読性」以外の要件は、対象文書の種類により要不要が変わります。
保存したデータが見やすいかどうか判別するものです。「パソコンやモニターのディスプレイ、プリンターなどを用いて、明瞭な状態で見られるようになっているか」また「必要なときにすぐに表示したり書面で出力できたりするか」などが条件として挙げられます。
保存期間中に、改ざんや消失、破損されないような対策が講じられていることです。実際に内容の変更などが起こった際に、必ずその事実が分かるようにしておかなくてはなりません。
そのため、タイムスタンプや電子署名などを利用して、原本の証明ができることなどが条件として挙げられています。
許可された人だけがアクセスできるようになっていることです。また、不正アクセスが起きないように対策が行われていることも条件です。
文書に必要なデータは、すぐに取り出せるよう体系的に保存しておかなくてはなりません。
では、次に電子帳簿保存法の概要や、e-文書法との違いを見ていきましょう。
これら二つの法律は、管轄する省庁や対象となる書類、要件に違いがあります。
電子帳簿法は、国税関係帳簿書類の電子保存を認める法律です。1998年に施行され、正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」となります。
電子保存の対象となるのは、国税関係帳簿、国税関係書類、電子取引です。これらの書類の保存区分に対応する制度として、「電子帳簿等保存制度」「スキャナ保存制度」「電子取引に係る電子データの保存制度」の三つがあります。以下の表にその概要をまとめました。

なお、電子帳簿保存法の詳しい内容については、「電子帳簿保存法とは? 概要と電子化すべき書類を分かりやすく解説」をご確認ください。
電子帳簿保存法とは? 概要と電子化すべき書類を分かりやすく解説
電子帳簿保存法とe-文書法には、以下のような違いがあります。
e-文書法は、複数の省庁が管轄する法律を横断して適用されますが、電子帳簿保存法は国税関係および電子取引のみを対象としています。
前述したようにe-文書法には四つの要件がありますが、電子帳簿保存法は「真実性」「可視性」の2要件が細かく規定されています。
なお、以前は、e-文書と異なり、電子帳簿保存法は該当する文書を電子化する際に事前承認が必要でした。しかし、法改正により2022年1月から承認申請が不要になりました。
| 法律名(略称) | 内容 | 対象 | 管轄の省・庁 | 要件 |
|---|---|---|---|---|
| e-文書法 | 保存義務のある 法定文章 (約250の法令) | 医療関係、建築 関係、保険関係、 証券関係の 法定文章など | 厚生労働省、経済 産業省、内閣府、 法務省、警察庁、 国税庁、財務省など | ・見読性 ・完全性 ・機密性 ・検索性 |
| 電子帳簿保存法 | 電子化に関する 施行規則、 ガイドライン | 国税関係帳簿・ 書類、電子取引 | 国税庁、財務省 | ・可視性 ・真実性 |
ここまで、文書を電子化する際に知っておくべき法律についてご紹介しました。
では、文書を電子化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、電子化する際に気を付けるべき注意点は、どのようなものなのでしょうか。
まずは、電子化のメリットを見ていきましょう。
文書の維持や利用に関連して、オフィス賃借料や、什器代、コピー代、郵送費用などのコスト削減が期待できます。また、書類整理にかかっていた人件費の削減にも役立つでしょう。
電子化で検索性能が向上することにより、業務にかかる時間が削減できます。情報共有や情報活用のしやすさにもつながり、結果的に業務全体の効率アップが期待できるでしょう。
では、次に注意点をご紹介します。
長期的に見れば経費が削減できるものの、環境やシステムを整備するためには一時的にまとまった費用がかかります。例えば、スキャン製品やタイムスタンプ製品、文書管理や会計管理システムなどです。
そのため、サービスやツールを選ぶ際は、内容と費用の比較を慎重に行う必要があります。
書類を電子化すると、これまでとは業務のやり方が変わります。そのため、急激な業務改革により一時的に社内に混乱を招きかねません。これが大きな混乱やトラブルにつながらないように、時間をかけて環境を整える必要があります。
電子保存に対応する製品を検討されている方は、大塚商会のソリューションもおすすめです。ここでは、大塚商会がおすすめする製品を幾つかピックアップしてご紹介します。
大塚商会ではコピー機や複合機などのリース契約のご相談が可能です。
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また、時間のかかる導入前の現状調査から製品選定、導入時のネットワークを含めた設定作業、導入後のトラブル対応やトナーや紙などの消耗品のお届けまで、まとめて対応します。
電子帳簿保存法へ対応するにあたって、必要となるのが「タイムスタンプ」です。スキャン後に速やかに付与し、真実性を確保することが求められています。
大塚商会の「paperlogic電子書庫(ペーパーロジック)」では、タイムスタンプの付与はもちろん、立会人型と当事者型両方に対応しているので使い分けが可能です。さらに、請求書・納品書など契約書以外の法定保存文書も全て電子化できます。
大塚商会ではさまざまな文書管理システムを提供していますが、ここでは、複合機との連携で紙文書の電子化をスムーズに実現する「eValue V 2nd Edition ドキュメント管理」をご紹介します。
紙文書は、整理や保管に手間とコストがかかるもの。「eValue V 2nd Edition ドキュメント管理」は複合機と連携し、書類の電子化・ペーパーレス化をスムーズに実現します。また、「属性検索」と「全文検索」を組み合わせた高度な検索が可能。もちろん電子帳簿保存法にも対応しています。タイムスタンプオプションを利用することで、スキャナ保存した証憑(しょうひょう)や電子取引データへのタイムスタンプ付与などが行え、業務効率化やコスト削減に貢献。アクセス管理とセキュリティ機能で、情報漏えい対策も万全です。
また、トラブル防止のため常に最新版のファイルが表示されますが、必要に応じて旧版の内容や更新情報を確認できます。さらに、「SMILE」シリーズの各業務との連携も簡単です。
この記事では、e-文書法や電子帳簿保存法など、文書を電子保存する際に理解しておかなければならない法律についてご紹介しました。
似たような法律ですが、要件や適用範囲などが異なります。社内の書類を電子保存する際には、それぞれの内容をきちんと理解したうえで行いましょう。
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