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年末調整手続きの電子化とは? メリット・デメリットや導入のポイントを紹介

テレワークが普及している昨今において、電子契約や電子申請は出社を要さずに手続きを済ませられる方法として注目されています。2018年の税制改正によって、2020年分からの年末調整の電子申請が可能になりました。従来の書面による手続きでは事務処理の負担が大きかった作業を電子化することにより、正確かつ迅速に処理することができます。
この記事では電子化のメリット・デメリットから、導入のポイント、おすすめのサービスまでご紹介します。

年末調整手続き電子化の概要

年末調整の電子化によって、従来書面で提出していた書類を電子データで提出できるようになります。そのため会計担当者の事務負担軽減や、従業員側が行う手続きの利便性向上が期待できるでしょう。
ここでは、年末調整手続き電子化の概要や、従来の方法との違いをご紹介します。

年末調整の電子化はいつから可能になった?

2020年10月以降、各保険会社などから取得した控除証明データを基にした年末調整が可能になりました。これにより、申告書を従業員に書面で配布する必要がなくなったほか、会計ソフトに手作業で入力を行う手間も削減されました。電子化の普及・促進によって勤務先が行う事務処理業務の簡便化を図る目的です。

なお、2年前に発行した法定調書が種類ごとにみて100枚以上の企業は、電子化が義務化され、e-Tax、光ディスク等、または国税庁の認定を受けたクラウドサービスを利用して提出しなければならなくなりました。しかし、例えば、年末調整にかかわる法定調書を100枚以上発行していない企業は対象外となるため、書面での年末調整手続きも行えます。ただし、従業員や経営担当者の負担を考慮すると、電子化の検討をおすすめします。

年末調整の電子化で変わったこととは

従来の書面での年末調整手続きは、従業員が各自で取得した控除証明書から申告書を作成して勤務先に提出していました。提出を受けた勤務先の会計担当者は、申告内容を確認し連携している会計システムへの入力処理などを行います。

このとき、申告内容に不備がある場合の従業員側への訂正依頼作業や、過去7年分の申告書を保管する作業などが付随して発生します。書面をベースにした年末調整手続きの業務は煩雑になる傾向にあり、従業員と勤務先の双方の業務を圧迫する要因となり得ました。

一方で、年末調整を電子化することによって手続きが簡便化され、従業員と勤務先の負担が軽減されます。最大のポイントは、「生命保険料・地震保険料の控除証明書」「住宅ローン控除申告書」「住宅ローン控除証明書」などがデータで取得可能になった点です。データで取得できることによって控除額の検算が不要となるほか、添付した原票の確認や保管業務に関する事務処理の軽減が期待できます。

年末調整手続きを電子化するメリット

年末調整の電子化は従業員と勤務先の双方にメリットをもたらします。ただし、少なからずデメリットもあるため、電子化を実施するに当たっては注意が必要です。

従業員のメリットは書類作成の簡便化

従業員は、国税庁の「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」でデータを作成することができます。それによって、控除額の計算が不要になるほか、書面による手続きの際に発生していた申告内容の不備も削減できます。

さらに、政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」に対応している保険会社であれば、マイナポータル経由で複数の控除証明書をまとめて取得可能です。データで取得すれば保管の負担がなく、紛失した場合に再発行できる点もメリットでしょう。

ただし、団体扱いの保険料控除証明書は電子発行ができないため注意が必要です。

また、年により控除額や年税額などが変更になる可能性があるので、年調ソフトは年末調整を行う年分ごとにダウンロードする必要があります。ただし、作成した申告データは翌年分のソフトに取り込むことが可能になる予定です。

年調ソフトによって正確な申告書を簡単に作成できるため、修正から再提出にかかる手間や時間もかかりません。こうした手続きの簡便化は従業員の業務を削減させ、コア業務に集中できることによって生産性向上へとつながります。

勤務先のメリットは業務効率向上

従業員が年調ソフトを使って申告書データを作成することによって、会計担当者の事務処理の手間とコストは大幅に削減されます。

例えば、従来の書面による手続きの場合に負担になっていたのが、申告書に添付された原票と各控除申告書の内容の確認作業でした。
しかし、データによる申告の場合、ソフトウェアによって自動で控除額の検算や集計が行われます。そのため作業の手間も軽減され、申告書の正確性が飛躍的に向上します。正確な申告により、従業員への修正依頼や問い合わせ対応の業務負担の軽減も期待できます。

紙の書類に関する保管場所の確保も不要となり、オフィスをすっきりさせることができるのもメリットです。

年末調整手続きを電子化することで考えられるデメリット

ここまで、電子化に関するメリットをご紹介しました。ただし、電子化には適切なシステムの導入・運用と従業員の理解が必要不可欠です。社内で電子化のルールやシステムを統一しなければ、書面とデータでの申請が混在してしまい、かえって業務効率を悪化させてしまう恐れがあります。

そのほか従業員が電子データをスムーズに作成できるようにするため、PCやネット回線などの環境を整える必要があります。また、PCやスマートフォン操作に不慣れな従業員に対して支援体制を構築するなど、電子化導入に当たって追加業務が発生することも想定されます。

なお、マイナポータル連携を活用する場合は、マイナポータルの利用者登録やマイナンバーカードの取得を促すことも必要です。このような、付随する業務の負担を考慮したうえで導入を検討しましょう。

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年末調整手続き電子化の準備と導入のポイント

前項で紹介したデメリットを解消するためには、システムやソフトの選定からデータの受け渡し方法まで、セキュリティを含めたさまざまな観点から導入を検討する必要があります。ここからは、年末調整手続きの準備と導入のポイントについてご紹介します。

電子化に向けて勤務先がすべきこと

勤務先における電子化の準備には、以下の四つのポイントがあります。

ソフトウェア導入と自社システムについて検討

年末調整申告書データを作成・提出する方法には、国税庁提供の年調ソフトを使用する方法や、同様の仕組みを備えたソフトウェアを使用する方法などがあります。ソフトウェアを導入する際には、現在運用している会計システムとの連携が可能か、自社のシステム運用方針をどのようにするか、などの点から検討が必要です。

会計システムなどの改修

提出された申告データを会計システムに取り込むためには、会計システムが電子化に対応していなければなりません。そのほかマイナポータルを利用する場合は、対応する会計システムへの改修も必要です。

従業員への周知は早めに

前述したように、電子化の導入・運用には従業員への説明とサポートが必要です。マイナンバーカードの取得などの期間を考え、2カ月程度前には申告データの取得方法や年調ソフトのダウンロード方法などを周知しておきましょう。

所轄税務署への承認申請書提出

従業員からデータによる提出を受けるには、所轄税務署へ承認申請書を提出しなければなりません。このとき、申告データの授受方法や、電子署名などによって従業員を個別に特定する方法を検討する必要があります。

電子化に対応するため従業員が準備すべきこと

年末調整手続きの電子化を導入するために、従業員も準備すべきことがあります。
まず、年調ソフトなど、年末調整申告書データを作成するためのソフトウェアを準備することです。国税庁提供の年調ソフトを使用する場合、個々のPCへのインストールが必要になります。ほか民間ソフトを利用する場合もログインIDやログインパスワードが必要になることがあるため、会社で指示された方法に従いましょう。

もう一つは、控除証明書の取得方法の確認です。控除証明書はマイナポータル経由で取得するものと、各保険会社のホームページから取得するものに分けられます。マイナポータルを経由する場合は、マイナンバーカードとマイナポータルの利用者登録が必要です。一方で、各保険会社などからデータを取得する場合、マイナンバーカードは必要ありません。

年末調整電子化の手続きの流れ

年末調整手続きが電子化された場合は、下記のような流れとなります。

  1. 従業員が保険会社などから控除証明書などを電子データで取得し、そのデータを年末調整控除申告書作成用ソフトウェアにインポートして電子データを作成する
  2. 勤務先が1で提供された電子データを給与システム等にインポートして年税額を計算する

大塚商会のソフトウェアが年末調整の電子化をサポート

ここからは大塚商会が提供している、年末調整の電子化に適したソフトウェア「SMILE V」をご紹介します。

年末調整の電子化には、SMILE Vの基幹系システムである「SMILE V 人事給与」を活用できます。「SMILE V 人事給与」では、従業員が年調ソフトで作成した申告データを取り込み、自動で年税額の計算を行うことができます。そのほか、在宅・テレワークでの手続きにも対応しています。

年末調整の電子化なら、大塚商会にお任せ!

年末調整手続きの電子化導入のご相談は大塚商会まで

ここまでご紹介してきたように、年末調整の電子化は「従業員側の理解」と「電子申請への一本化」によって多くのメリットが得られます。書面でのやりとりが不要になることで、バックオフィス業務を削減できるというメリットを周知することが重要なポイントです。
電子化を導入する際には、現在の会計データの運用方針の再検討が必要になる場合もあります。そのほか、「自社の方針に適しているか」「電子化に伴うルール設定は適切か」などの検討も行いましょう。

年末業務の電子化をご検討中であれば、ぜひ大塚商会へお問い合わせください。

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