定例業務の自動化で業務効率が格段に向上

精度の高い生産実績の把握をベースに老舗醸造メーカーがDXを推進し、業務の自動化・効率化を実現

マルヱ醤油株式会社 導入事例

製造業1~100名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

マルヱ醤油株式会社は2021年に創業100周年を迎えた老舗の醸造メーカーだ。2008年から『SMILE』シリーズによる業務改善を継続的に推進し、『SMILE』の開発ツール(CAB)をフル活用して煩雑な定例業務の自動化を図り、業務負担を大幅に軽減。インボイス制度などにも柔軟に対応できる業務基盤を整えている。

  • 業務の効率向上
  • 定例業務の自動化
  • 電子帳簿保存法対策
  • インボイス対策

マルヱ醤油株式会社

導入先の概要

業種
食品製造業
事業内容
醤油、味噌、つゆ・たれ、ドレッシング、鍋のもとなどの製造・販売
従業員数
105名(2023年9月現在)
ホームページ
http://www.marue-shoyu.co.jp/

導入の狙い

  • さらなる業務改善を図りたい
  • 煩雑な定例業務を自動化したい
  • インボイスや電子帳簿保存法対策を強化したい

解決策

  • 『SMILE』シリーズのバージョンアップで定例業務の自動化を支援

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
繰返・量産型生産管理システム生産革新 Ryu-jinお問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 2nd Edition 販売/会計/人事給与お問い合わせ
統合型グループウェアeValue V 2nd Edition ドキュメント管理/ワークフローお問い合わせ
開発ツールSMILE V 2nd Edition Custom AP Builder(CAB)お問い合わせ
AI・IoTソリューションAnyform OCRお問い合わせ

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マルヱ醤油株式会社 導入事例(PDF:3,290KB)

導入事例詳細

九州の食文化で長年親しまれる創業100周年の醸造メーカー

マルヱ醤油株式会社(以下、マルヱ醤油)は、福岡県みやま市に本社を構え、しょうゆ、みそ、つゆ・たれ、ドレッシング、鍋のもとなど、さまざまな醸造商品を世に送り出している。九州の食文化で長年親しまれているロングセラー商品の一つが、「しょうゆの実」を指す地元の方言を商品名にした、なめみそ「しょんしょん」である。大豆や大麦、しょうゆを原料にした昔ながらの味もろみで、白飯に乗せたり、きゅうりや焼き魚に添えたり、その食べ方は多種多様だ。

代表取締役 社長 永江 隆志氏

「コロナ禍で外食産業向けの業務用商品の売り上げが大幅に減少しました。しかし、コロナ禍が終息したら必ず需要が戻ると予想し、業務用商品の開発、営業に一層注力しました。その苦労が実り、現在は、市販の製品とともに業務用商品の売り上げが大きく伸びています。また、和食文化の良さを紹介するために、海外向けの商品展開にも力を注いでいます」と語るのは、代表取締役 社長の永江 隆志氏だ。

2021年の100周年はコロナ禍で、予定していた記念行事を行うことができなかったが、従業員の提案で、スポンサーとなっているプロ野球チーム福岡ソフトバンクホークスとのコラボ商品を開発。しょうゆ、みそ、即席みそ汁のセットを商品化し、地域に根差した新たな取り組みとして好評を得た。

“正の数値”を作ること、それが生産管理システム導入の原点

みやま工場の外観。マルヱ醤油の商品は、九州を中心に多くのスーパーマーケットなどで取り扱われ、海外にも輸出されている

マルヱ醤油の商品数は、家庭用から業務用まで約800種類に及ぶ。毎年新商品を投入し、市場の反応を見極めてスクラップ&ビルドを繰り返す関係上、商品ラインアップが常に入れ替わることも特徴の一つだ。昔ながらの製法で醸造したしょうゆ、みそを原材料に、多様な商品に枝分かれしていく加工調味料の工程の複雑さもあり、生産体制の見直しは常に後手に回らざるを得ないのが実情だった。

その中で大きな課題になっていたのは、原材料として入ってきたモノの量と商品として出ていくモノの量の相関が見えない点だった。微生物の働きでつくられる発酵食品であるしょうゆやみそづくりでは、発酵熟成やろ過、火入れ、容器充填(じゅうてん)などの工程におけるロスが大きな割合を占める。かつて入出庫をExcelで管理していたが、それだけでは商品ごとのロス率は見えてこなかった。生産管理システム導入の検討を開始した2008年当時を永江氏はこう振り返る。

「Excelのデータはメモ書きを入力した程度のもので、生産体制を見直そうにも、信頼できる数値が存在せず、どこから手をつければ良いのか分からないというのが実情でした。その改善には生産管理のシステム化が不可欠と判断しました」

信頼に足りる数値を永江氏は“正の数値”と呼ぶ。昔ながらのやり方で管理されてきた工場への生産管理システムの導入は“正の数値”を得る挑戦でもあった。

そこで、当時飛び込みで訪れて以来、繰り返し同社に足を運んでいた大塚商会の営業担当から提案を受け、2008年12月、繰返・量産型生産管理システム『遉(さすが)』(『生産革新 Ryu-jin』の旧製品名)の導入を決断する。

まずは情報の一元管理を目指して生産管理やマスター整備の意味を理解することから始めた。商品数の多さゆえ導入以前の情報整理は難航したが、しょうゆ・みそ・加工調味料といったカテゴリーに分け、それぞれマスターと結びつける“工場内の情報の棚卸し”を進めていった。工場の中に隠れていた情報を掘り起こし、一つ一つひも付けていくという途方もない作業をこなしていったのだ。

しかし、「システム化に際して最も意義あることだったかも知れません」と永江氏はこの作業を評価する。情報を一元管理することで売れ筋商品や、生産効率の高い商品を把握し、経営の方向性を見いだすことにつながったからだ。

そして2009年12月、『遉』は本稼働となった。原材料と製品の在庫管理の精度は高まり、そこから得られた原価実績は、従来の原価試算から大きく乖離(かいり)したものだった。

「ふたを開けてみると、赤字販売の商品も少なくありませんでした。赤字前提のセールスもありと考えていますが、理由もなく赤字では話になりません。原価が可視化できたことで、狙いを絞った販売戦略の立案が可能になりました」(永江氏)

売り上げという数値目標が常に存在する営業部門と違い、製造部門の場合、明確な数値目標は設定しづらい。生産管理システムが未整備の場合、それはなおさらのことだ。

「私が“正の数値”が必要であると考えた理由もそこにあります。『遉』導入により、目標を数値として投げかけられるようになったことは、現場で働くスタッフ一人一人の意識改革にもつながりました」(永江氏)

SMILEの開発ツールを巧みに活用、スムーズなDX推進にも効果

2008年に大塚商会から生産管理システム『遉』を導入したことを契機に、同社では本格的なIT活用がスタートした。その後、2012年に『SMILE BS 2nd Edition 販売』を、2017年には『SMILE BS 2nd Edition 会計/人事給与』と開発ツール『SMILE BS 2nd Edition Custom AP Builder(CAB)』を導入。『SMILE』シリーズを相互に連携しながら独自の帳票類も作成し、煩雑な日常業務を自動化する取り組みに着手した。

そして、さらなる業務改善を図るため、2022年11月、『生産革新 Ryu-jin SMILE V 2nd Edition』、『SMILE V 2nd Edition 販売/会計/人事給与』、『SMILE V 2nd Edition Custom AP Builder(CAB)』へバージョンアップ。新たに『eValue V 2nd Edition ドキュメント管理/ワークフロー』も導入し、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に柔軟に対応できる業務基盤を整えた。

一般的に既存のシステムをバージョンアップすると、データ移行などに多くの時間が費やされるケースが多い。しかし、同社の『SMILE V 2nd Edition』への移行作業は極めてスムーズに運び、短期間で完了。とりわけ、『SMILE BS 2nd Edition』のころから『CAB』を使って実装してきた多くのプログラムを、ほぼ手を加えることなく円滑に移行できたことは、『CAB』の利点を生かした大きな収穫だったという。

管理課 課長 松原 聖氏

「通常、システムをカスタマイズすると、バージョンアップする度に一からカスタマイズをやり直す必要があります。しかし、『CAB』を活用することで無駄な時間とコストを省き、継続的に活用できる業務基盤が整いました。ある程度制限はありますが、基本的に『CAB』でできないことはないので、アイデア次第で活用範囲は無限に広がります。まずは実現したいことを明確にすることが重要なポイントだったと思います」と語るのは管理課 課長の松原 聖氏だ。ノンカスタマイズゆえに、DX(デジタルトランスフォーメーション)による大きなシステムの変化にも対応しやすかったのである。また、『遉』の導入を機に培われた従業員のITリテラシーが向上していたことも大いに関係した。

『SMILE』の活用で業務を自動化、休日出社の負担を解消

15年以上の長きに渡り、『SMILE』シリーズを継続的に活用してきたマルヱ醤油。『SMILE』シリーズを使い続けている最大の理由は、バージョンアップを行っても基本的なユーザーインターフェイスが変わらず、マニュアルを見なくても直感的に操作が行える点にあると松原氏。

『SMILE V 2nd Edition 販売/会計/人事給与』へバージョンアップしたことで実感している導入効果は、『SMILEの機能を活用して定例業務を自動化することで、従業員の作業負担が大幅に軽減され、業務効率が格段に向上したことだ

「以前は休日に従業員が必ず1名出社して取引先の発注データを確認し、送り状を印刷して発送準備を行っていました。その作業には2時間くらいかかっていましたが、一連の作業を自動化したことで、その手間が一気に省略され、従業員は休日出勤する必要がなくなりました」(松原氏)

また、以前は営業担当者が取引先の発注データを確認し、その情報をシステムに取り込んで集計する作業に毎日2時間くらいかかっていたが、その作業を『CAB』を駆使して夜間に自動的に処理されるように設定することで、営業担当者の業務負担が軽減。翌日には集計作業が終わっているので、本来の営業活動に注力できるようになっている。

FAX送付の発注書をOCRでデータ化して取り込む

顧客からFAXで送られてきた注文書は受注センターを通し、『Anyform OCR』でデータ化され取り込まれる。この一連のシステム構築により、かなりの人件費が削減された

マルヱ醤油の取引先は小規模な商店が多いため、FAXで発注書が送られてくるケースが非常に多い。以前は、営業所ごとにFAXが送られてきたので、その処理が煩雑で手間だった。そこで同社は2021年に受注センターを設置し、1拠点で一括して受注処理を行う体制を整えた。それに伴い、2022年には『Anyform OCR』を導入。FAXで送られてきた発注書のテキストをOCRで読み取り、『SMILE』に自動で振り分けて取り込める業務基盤を構築している。

「当初は、読み取り違いの修正などに若干時間がかかりましたが、1日50~60件あるFAXによる受注処理がほぼ自動化された効果の大きさを実感しています」(松原氏)

現在は、松原氏が『CAB』の機能をフル活用して業務改善や定例業務の自動化を進めているが、今後は部署単位で『CAB』の機能を自発的に活用できる人材の育成に力を入れる。同時に、『生産革新 Ryu-jin SMILE V 2nd Edition』を有効活用し、原価管理や品質管理の精度をさらに高めていきたい考えだ。基盤は整っているので、老舗醸造メーカーの先進的な業務改善の取り組みが一層進展することは間違いない。

大塚商会担当者からのコメント

「『SMILE』を有効活用することで定例業務の自動化をさらに進めていきます」

マルヱ醤油株式会社様は『SMILE』シリーズの活用で定例業務の自動化を実現されています。システムを導入して終わりではなく、どう活用するかが重要であることをあらためて受け止め、これからも有効な提案をしていきます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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