生産管理システムと各種ERPを連携しDXを加速

業務標準化と決算早期化を目指して、生産管理システムを『Raijin』に刷新。基幹・情報系の統合とクラウド化を図る

サンコースプリング株式会社 導入事例

製造業1~100名ERP・基幹業務・業務管理文書管理・電子契約・ペーパーレスクラウド紙文書の管理・活用ITの運用・保守の負荷軽減営業・業務プロセス効率化

「定荷重ばね」と呼ばれる製品で、日本の産業や暮らしを支えるサンコースプリング株式会社。技術商社の100%子会社となったことを契機に業務標準化や決算早期化を目指した同社は、生産管理システムを『生産革新 Raijin』に刷新。業務特性に応じた柔軟なカスタマイズなどによって、高い導入効果を得ている。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上

サンコースプリング株式会社

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
コンストン(定荷重ばね)、ばね応用機器設計製作、電子機器用部品を開発生産
従業員数
50名(2025年7月時点)
ホームページ
https://sunco-spring.co.jp/

導入の狙い

  • 老朽化した生産管理システムを刷新したい
  • 属人化した業務を脱却して標準化したい
  • 早期の決算を実現したい

解決策

  • 生産管理システムを『生産革新 Raijin』にリプレースするとともに、部品構成表管理システム『生産革新 Bom-jin』と連携。会計・人事給与システムやドキュメント管理・ワークフローが可能なシステムとの連携・統合によって、全社業務を最適化する

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
ハイブリッド型生産管理システム生産革新 Raijin SMILE V 2nd Editionお問い合わせ
部品構成表管理システム生産革新 Bom-jinお問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 2nd Edition 会計/人事給与お問い合わせ
統合型グループウェアeValue V 2nd Edition ワークフロー/ドキュメント管理お問い合わせ
 AzureゲストOSレンタルV2お問い合わせ
ほか

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サンコースプリング株式会社 導入事例(PDF:3,811KB)

導入事例詳細

産業や暮らしを縁の下で支える定荷重ばねを開発・製造

神奈川県横浜市に本社と工場を構えるサンコースプリング株式会社(以下、サンコースプリング)は、定荷重ばね、ゼンマイばねなどを開発・製造するメーカーだ。1960年に三光発条株式会社として設立し、1988年に現在の社名に変更した。2011年には、技術商社である極東貿易株式会社(以下、極東貿易)の100%子会社となっている。

定荷重ばねの製造現場。カスタム品の場合、用途や必要な出力またはトルク、温度、湿度、振動、衝撃などの使用環境に基づいて仕様を変えて製造する

主力製品は、「コンストン」の商品名で提供する「定荷重ばね」である。ばねというと、圧縮荷重を受けて弾性エネルギーを蓄える「圧縮コイルばね」が知られているが、定荷重ばねは、押しても引いても、ストロークを長く伸ばしても、常に一定の力が得られるばねである。スーパーマーケットやコンビニエンスストアの商品陳列棚で、手前の商品を取り出した後、奥の商品を前に押し出す装置や、列車の窓の昇降装置、医療機関のレントゲン台の昇降装置といった、さまざまな用途に使われている。現在、定荷重ばねを製造するメーカーは日本に数社しかなく、サンコースプリングはその数少ない1社だ。

代表取締役 社長 大川 達也氏

「自動車や家電、医療機器など、幅広い製品に用いられており、7割以上はお客様の注文に合わせて製造するカスタム品です。定荷重ばねを組み込んだユニットをお客様と共同開発するケースもあります」と語るのは、代表取締役 社長の大川 達也氏だ。

規格品の定荷重ばねも100アイテム近く取りそろえており、注文があればすぐに提供できる。最近はECによる規格品の販売が伸びており、売り上げの柱の一つになりつつあるという。

2018年ごろからは、海外市場での営業活動も本格化。欧州や東南アジアのメーカーにも製品を納めている。「今のところ、海外売上高は1割未満ですが、ゆくゆくは3割を目指します」と大川氏は抱負を明かす。

業務標準化・決算早期化に向け、生産管理システムの刷新を決定

サンコースプリングは早くから生産管理システムを活用してきたが、受注・仕入れ・在庫などの情報を入力して参照する「データ保存」の目的で使用されるにとどまり、実際は社員がメモを見聞きして納期を調整したり、現物を見て計算したりしながら業務を行っていた。また同社は、「お客様第一」の営業姿勢で顧客からのイレギュラーな要求にも柔軟に個別対応し、強固な支持を獲得してきた一方、社内的には業務の属人化が進み、効率化を妨げる要因となっていた。

執行役員 兼務 経営管理グループリーダー 加藤 裕一氏

「将来を見据え、この機会に業務の標準化を推進したいと考えました。そのためには既存システムから脱却し、新しいパッケージシステムを導入して、システムに業務の運用を合わせるべきだと判断したのです」と説明するのは、執行役員 兼務 経営管理グループリーダーの加藤 裕一氏だ。

そうして、2013年ごろ刷新を決定。複数製品の検討を経たうえで、2015年に大塚商会を通じて、規格品の繰り返し生産とカスタム品の個別受注生産の両方に対応するハイブリッド型生産管理システム『生産革新 Raijin SMILE BS』(以下、『Raijin』)と、それに連携する設計部門の部品構成表(BOM)の構築、流用化・標準化設計支援が可能な部品構成表管理システム『生産革新 Bom-jin』(以下、『Bom-jin』)を導入。同時に、会計と人事給与システムを、同『SMILE』シリーズの『SMILE BS 会計/人事給与』にリプレースした。

さらに、図面管理の利便性を高める統合型グループウェア『eValue NS ドキュメント管理』や『SMILE 人事給与』と連携する勤怠管理システム『勤次郎』も導入し、相互に連携させてシステムを統合。刷新の最大の目的である業務改善と平準化、業務効率向上を実現する仕組みを構築した。

競争力の源泉となる業務には開発ツールで機能を追加

1960年代に子どもたちの間で大ブームとなったばねのおもちゃ「TomBoy®(トムボーイ)」は、かつてサンコースプリングが製造していた

システム構築にあたり、サンコースプリングはパッケージ機能に業務を合わせることを基本としながらも、競争力に直結する核心業務についてはシステムの保守性や拡張性を損なわない範囲でカスタマイズや開発ツール『Custom AP Builder』(以下、『CAB』)を用いた機能追加を実施した。

「大塚商会さんは導入時から、弊社の業務を深く理解しようと努め、弊社独自の製品構成や製造過程などを理解したうえで、単に高機能なシステムを提案するのではなく最適解を見極めて、『ここは貴社の強みなのでカスタマイズしましょう』といった丁寧な説明と身の丈に合った提案をしてくれました。そのおかげで、機能追加は最小限に絞ることができ、結果的に大塚商会さんが提案するソリューションを全面的に採用するかたちになりました」(加藤氏)

中枢となる『Raijin』と『Bom-jin』の連携を軸に、会計や人事給与、ドキュメント管理のシステムが適切に連携された環境によって、タイムリーな情報共有と一元管理が実現。販売と生産管理が別で管理されていた以前は、複数の画面を開いて情報を見る必要があり、二重入力も避けられず、仕掛かり進捗も現場に確認しないと分からない状況だったが、今は『Raijin』からあらゆる情報を確認できるだけでなく、工程ごとに実績入力が可能なのでリアルタイムな進捗も把握できる。また、受注に対する製造の指示残や発注残を加味した在庫把握も可能になったことで、欠品率の低下による顧客満足の向上、ビジネスチャンスの損失防止がもたらされている

カスタマイズの例としては、ばねの受注生産という特殊な業務に合わせて『Raijin』に追加した仕入れと材料管理の機能がある。ばねは材料となる鉄の板を切断して加工するが、どの材料を仕入れ、どのように切断、加工したのかという材料や仕掛かり品の在庫管理は、かつては紙の台帳で行っていた。

「材料の歩留まりを高めるには、『どの仕掛かり品が、どの材料から作られたものか』というトレーサビリティーを高めることが重要です。以前は、紙の台帳と照らし合わせながら追いかけていたのですが、『Raijin』に仕入れと材料管理の機能を追加したことで、スピーディーかつ正確なトレースが実現できました」と加藤氏は満足そうに語る。

会計システムとの連携や在庫管理強化で決算を早期化

同社のシステム刷新にはもう一つ、「決算早期化の実現」という目的もあった。極東貿易の連結決算の対象となり、親会社へのスピーディーな決算報告が要求されるようになったためだ。従来、決算には約2週間を要していたが、『SMILE BS 会計』と『Raijin』の連携によって、『Raijin』に計上された仕入れや売り上げのデータは、そのまま『SMILE BS 会計』に反映されるようになり、決算のスピードは格段に速まった

Azureを中心としたクラウド基盤でシステムの安定稼働を実現

『eValue V 2nd Edition ドキュメント管理』では、製品の図面や申請関連書類、ISO文書、社内掲示物などを保存している

2022年、同社は更新時期を迎えた『SMILE BS』シリーズを『SMILE V 2nd Edition』シリーズに、『eValue NS ドキュメント管理』を『eValue V 2nd Edition』シリーズへバージョンアップするとともに、『eValue V 2nd Edition ワークフロー』を追加。各種社内申請など十数種類の承認フローが稼働中だ。

さらに加藤氏はこのタイミングで、『CAB』で開発した「納期調整システム」を『Raijin』に実装。7割以上の製品を受注生産している定荷重ばねは、材料の入荷が遅れると納品が遅れてしまうことがある。また、顧客からの注文内容が途中で変更され、納期を調整せざるを得ない場合も珍しくない。こういった際は、各部門が連携して納期を調整していくが、以前は共有サーバーにあるExcelで情報管理しており、同時入力は不可、入力ミスも起きやすいなど、非効率であった。

「『納期調整システム』によって情報更新のタイムラグがなくなり、納期調整の手配やお客様への連絡が迅速に行えて、顧客満足の向上につながっています。弊社の強みである、小回りの利く生産体制をITで支える重要な機能となりました」と加藤氏は評価する。

さらに同社は、『AzureゲストOSレンタルV2』を導入し、システム基盤をクラウドへ移行。物理的なサーバーの管理から完全に解放された

「今回のバージョンアップで、生産管理の『生産革新 Raijin SMILE V 2nd Edition』とドキュメント管理の『eValue』が、サーバーレベルからシステムレベルまで含めて完全に統合されました。ユーザー管理やバックアップなどを一元的に行えるようになり、運用管理が格段に楽になっています。また、ハードウェアの故障対応やリプレース計画といった、本来の業務とは異なる作業に頭を悩ませる必要がなくなり、より戦略的なIT企画に時間を使えるようになったことも大きなメリットです」(加藤氏)

大川氏は、「今後はシステムに蓄積されたデータを積極活用し、精度の高い需要予測と無駄のない生産計画を実現していきたいです。AI活用を考えるうえで重視しているのは、単なるコスト削減ではなく、持続可能なIT投資を通じて長期的な業務効率と競争力を確保することです。将来の拡張性を確保した堅固な業務基盤がありますので、大塚商会さんには引き続きサポートをお願いしたいです」と期待を込めて語った。

大塚商会担当者からのコメント

「生成AIを活用した業務効率化など、新たな挑戦もお手伝いします」

サンコースプリング株式会社様は、技術職の人材不足に対処するため、生成AIなどの活用を検討されています。大塚商会としても、業務の効率化や自動化を目指す挑戦を引き続きお手伝いします。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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