アイデアを駆使しながらデジタル化を推進

iPadで中古品の検品や精算を効率化。さらに多様なシステムを連携させ、飽くなき業務効率の向上を目指す

株式会社 浜屋 導入事例

卸売・小売業、飲食店101~1,000名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

中古品のリユースやリサイクル事業を展開する株式会社 浜屋は、手書き伝票で行っていた中古品の買い取りでの検品・精算手続きをiPadへの入力に変更。手続きがスピーディー化し、入力ミスや伝票の紛失トラブルもなくなった。ほかにも多くのシステムを連携させ、アイデアを駆使しながらデジタル化を推進している。

  • 業務効率の向上
  • 顧客対応の改善

株式会社 浜屋

導入先の概要

業種
リユース・リサイクルサービス業
事業内容
都市鉱山リサイクル事業、ベースメタルリサイクル事業、リユース事業
従業員数
421名(2024年2月時点)
ホームページ
https://www.hamaya-group.co.jp/

導入の狙い

  • 検品・精算手続きの効率化
  • 手書き入力によるミスの解消
  • 各種システムの連携による業務負担の軽減

解決策

  • iPadと『FileMaker』で構成される買い取り中古品の検品・精算の仕組みを構築したうえで、販売管理システムとも連携
  • 基幹業務システムと連携するさまざまなシステムの導入

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
基幹業務システムSMILE V 販売/会計/人事給与お問い合わせ
統合型グループウェアeValue V(ワークフロー/ドキュメント管理)お問い合わせ
ローコード開発ツールClaris FileMaker-
就業・勤怠管理システム勤次郎お問い合わせ
 たよれーる給与業務支援サービスお問い合わせ
ほか

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株式会社 浜屋 導入事例(PDF:3,108KB)

導入事例詳細

中古品リユース・リサイクル事業を国内外にわたって展開

埼玉県東松山市に本社を置く株式会社 浜屋(以下、浜屋)は、中古品のリユース事業とリサイクル事業を展開する企業だ。1980年に金属スクラップ回収業として創業後、回収した金属スクラップを販売するリサイクル事業や、不要になった家電製品などを買い取り、輸出する事業に進出。現在は、PCなど電子機器の基板を回収して金、銀、パラジウムといったレアメタル(希少金属)を取り出す「都市鉱山リサイクル事業」、鉄・非鉄金属くずなどを回収して加工・販売する「ベースメタルリサイクル事業」、中古家電や骨董品、その他の不要品を買い取って輸出する「リユース事業」を3本柱としている。

代表取締役 小林 一平氏

リユース事業では、東南アジア、中近東、アフリカ、中南米など約40カ国に中古家電などを輸出。丈夫で故障が少ない日本製の中古家電は人気が高く、注文が途切れることはない。

「輸出先は、先代社長が自ら現地開拓してきた国ばかりです。何事にも果敢に挑戦するフロンティア精神が、事業のグローバル化の礎を築いたのです」と語るのは、代表取締役の小林 一平氏だ。

都市鉱山リサイクル事業では最近、モンゴルに拠点を開設し、発展著しい中央アジア諸国で排出される電子機器基板を回収する事業の準備を進めているという。小林氏は、「日本人の美徳である『もったいない』の精神で、廃棄物を価値ある資源によみがえらせ、地球環境にも貢献できる事業をさらに広げていきたい」と熱意を語る。

手書き伝票の手間とミスをなくすため、iPadによる検品・精算システムを導入

浜屋は、中古品リユース・リサイクル業界の中でもいち早く業務のIT化に取り組んできた。2000年代初めには、大塚商会から基幹業務システム『SMILE AD 販売/人事給与』を導入している。本社や全国の支店が買い取った中古品の販売管理を効率化することが目的だった。

常務取締役 人事総務部 部長 橋本 俊弘氏

「それ以前は、本社・支店ごとに個別のPCへインストールする販売管理システムを使用しており、社内でネットワーク化がされていませんでした。このため、支店が販売データを本社へメールで送り、本社側でシステムに取り込むという手間がかかっていたのです。そこで、各支店の入力データをそのまま本社のサーバーに集約できる『SMILE AD 販売/人事給与』の導入に至りました」と語るのは、常務取締役 人事総務部 部長の橋本 俊弘氏である。2015年には、『SMILE BS 2nd Edition 販売(以下、『SMILE BS2 販売』)/人事給与』にバージョンアップした。

iPad用アプリが開発できる『FileMaker』を導入

それとほぼ同時期に、浜屋は買い取った中古品の検品・精算手続きを効率化する仕組みづくりのため、iPadとiPad用の業務アプリを簡単に開発できるローコード開発ツール『Claris FileMaker』(以下、『FileMaker』)を導入した。検品や精算を行う際、その場でiPadのアプリに買い取りに関する情報を入力。データを無線LAN経由でサーバーに送ると、『SMILE BS2 販売』の販売管理データに反映される仕組みを構築したのだ。

「以前は伝票を手書きしていたのですが、大きな支店では1日200人ほどの来店があり、お客様が長蛇の列となってしまうのが課題でした」と橋本氏は明かす。手書きによる記入ミスや伝票紛失といったトラブル、さらに手書き伝票の内容を販売管理システムに入力する手間もあり、それらも解消したいと考えた。そこで約4カ月をかけて検品・精算システムを開発し、運用をスタート。すると、その効果は絶大だった。

検品・精算システムをiPadで操作する様子。オフラインでも使用できるため、顧客先などWi-Fi接続ができない環境であってもデータ入力が行える

iPad上のアプリには中古品の種類ごとにボタンが用意され、スタッフはそれを押すだけなので業務効率が格段に向上しました。検品では、正確性の向上や該当商品を探す時間の短縮、商品数の増加への容易な対応といった効果が生まれ、約20%の作業時間短縮につながっています。精算手続きに要する時間は、導入前の5分の1ほどに激減しました」(橋本氏)

また、中古品の中には金、銀、プラチナといった相場が毎日変動する貴金属もあるが、『SMILE BS2 販売』のマスターで買い取り価格を更新すれば、スタッフはいちいち当日の価格を調べる必要がなくなり、ボタンを押すだけで済む。「間違いがなくなるだけでなく余分な業務も減るので、その分スタッフは接客に注力できるようになりました」と橋本氏は評価する。さらにアプリによって、同社独自のポイントの仕組みや後述のキャッシュバックの仕組みなどを統合することもできたという。

キャッシュバック用のアプリも開発

検品・精算システム以外にも『FileMaker』で開発したアプリがある。一例がキャッシュバック用アプリだ。浜屋では、同社が開催するオークションで顧客から買い取った中古品が予定額より高く売れた場合、その利益を顧客に還元している。オークション自体は別システムで管理しているが、落札されるとその金額がキャッシュバック用アプリに反映され、顧客に還元する利益も表示されるようにした。間違いなく顧客がキャッシュバックを受けられる仕組みが整い、顧客満足度は確実に向上したようだ。

また、買い取った中古品を輸出する際、その記録用に撮影した写真を保存するためのアプリも『FileMaker』で開発している。iPadのカメラで撮影すると写真がサーバー上に保存され、一定期間が経過すれば自動的に消去される仕組みだ。

橋本氏は、「『FileMaker』導入後、『こんなアプリを作ったらどうか?』というアイデアが社内で広がり、自発的に開発する文化が形成されつつあります。現場発のイノベーションによって、さらなる業務効率化やサービス改善を図っていきたいです」と語る。

『SMILE』シリーズに『eValue』や勤怠管理システムを連携

『SMILE V 販売』の画面。検品・精算システムや『eValue V』(ワークフロー/ドキュメント管理)などと連携させている

デジタル活用を通じた業務変革はその後も続き、2019年には『SMILE V 販売/人事給与』にバージョンアップ。さらに会計システムを他社システムから『SMILE V 会計』にリプレースした。

「以前の会計システムは、各支店では現金出納帳の役割でしか使っておらず、月末になると本社へ各支店から膨大な経費の領収書が送られてきて、手入力する手間が発生していました。今では各支店で『SMILE V 会計』に直接入力できるようになり、作業負担が分散されました」(橋本氏)

さらに、各システムが『SMILE』シリーズに統一されたことでシステム間の連携も実現。『SMILE 販売』のデータを書き出して会計システムに取り込んでいた作業が自動化された。「作業負担が解消されたうえ、データを基にさまざまな分析が可能となり、経営に生かせるようになった効果はとても大きいです」と橋本氏は話す。

また、同年には統合型グループウェア『eValue V』(ワークフロー/ドキュメント管理)と、就業・勤怠管理システム『勤次郎』、給与明細書配布業務支援サービス『たよれーる給与業務支援サービス』を相次いで導入した。クラウド化に対応し、オンプレミスで運用していたITインフラを『Cloud IaaS』に移行したのもこの年である。

『eValue V』のワークフローは、支店から本社への申請・承認などに用いている。連携する『SMILE』上にある売上伝票修正などの申請・承認をスムーズかつ確実に行うためだ。橋本氏は、「効率を高められたのと同時に内部統制のレベルも向上できたのではないかと思います」と効果を語る。一方、ドキュメント管理機能は、電子帳簿保存法対策として活用。領収書などの帳票類にタイムスタンプを付けて保存している。

勤怠管理システムは以前から導入していたものの、ビジネスが拡大するにつれて問題が起きていたという。「メイン事業とは別にスポーツジムなど雇用条件の異なる事業を始めたところ、当時のシステムでは対応できなかったため、柔軟な設定が可能な『勤次郎』に切り替えました」と橋本氏。同社は『勤次郎』が連携する『SMILE V 人事給与』を『たよれーる給与業務支援サービス』とも連携。給与明細はWebで見られるようになり、紙での出力や封入、郵送といった煩雑な作業はなくなった

発想を膨らませながらデジタル化を推し進めたい

業務効率向上を目的として、さまざまなアイデアを基にデジタル化を推進する浜屋。その文化を盛り上げるのは、ITと自社業務に精通する橋本氏自身だ。例えば2025年には、橋本氏のアイデアで中古品の買い取り現場に自動釣銭機を設置。『FileMaker』で開発した検品・精算システムを『SMILE V 販売』と連携させ、精算が完了すると自動釣銭機から買い取り額分の現金が出てくる仕組みを構築した。橋本氏は、こうした成功の要因の一つに大塚商会の存在を挙げる。

「さまざまな相談をした際、大塚商会さん単独ではできない構想でも、他のベンダーのソリューションも組み合わせて一つのシステムを提案してくれるからこそ、アイデアが実現できていると思います」(橋本氏)

ユニークな発想に基づくアイデアはほかにもある。例えば、車両ナンバー読み取り式駐車場の技術を応用し、顧客の車両ナンバーと検品・精算システムをひも付け、検品・精算にかかる時間をさらに短縮するシステムを構想しているという。

とどまるところを知らない橋本氏のアイデアの実践を小林氏も後押しする。

「業務の生産性向上にはITの活用が不可欠です。現時点で『無理だろう』と思っていたことでも、ほんの1、2年で現実味が帯びてくるほど技術の進歩は速いものです。現状に満足せず、常に新しいものを導入する姿勢を取り続けていきます」と小林氏は意気込みを語った。

大塚商会担当者からのコメント

「浜屋様の事業に有効なAIの活用についてもご提案します」

株式会社 浜屋様からは、お客様や社内からの問い合わせにスムーズに対応するため、AIを活用できないかというご相談もいただいています。今後も最新のソリューションを吟味し、お役に立つ解決策をご提案していきます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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