復興応援プロジェクト 2017年

「大塚商会ハートフル基金 復興応援プロジェクト」の2017年の支援団体をご紹介します。

支援決定団体とそれぞれのプロジェクトテーマ

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

「東日本大震災で被災した子どもに学びの機会を届けるプロジェクト」

東日本大震災で被災した貧困世帯の子どもに対して学習塾や習い事などで利用できる学校外教育バウチャーを提供し、教育支援を行うプロジェクトです。バウチャー提供額は小学生15万円、中・高1~2年生20万円、中・高3年生30万円で、被災地域の教育委員会や福祉部局と連携して支援対象となる子どもに対して案内を行い、世帯所得や学習意欲等を考慮して支援対象の子どもを決定しています。単にバウチャーを提供するだけでなく、研修を受けた大学生ボランティアが定期的に子どもと面談し、進路・学習・生活・バウチャー利用に関する相談にのってサポートしているのが特徴です。

NPO法人元気になろう福島

「避難農家による川内村農業支援事業」

福島県川内村は2012年4月の帰村以降、村の主幹産業である農業の復興に取り組んできました。その成果として年々作付面積が回復する一方、農業を再開する農家の数は決して多くはなく、人手不足が深刻な課題となっています。一方で避難することで農業を離れてしまった人もいらっしゃいます。このプロジェクトでは、避難農家から支援者を募集し、川内村の農業法人二団体の田んぼで作業してもらいます。共に農作業を行うことで、川内村の農業支援にもなり避難農家の営農意欲の維持・生きがい作り・農家ネットワークの形成にも寄与します。

NPO法人日本教育再興連盟

「南相馬市の子どもたちを対象としたキャリア教育プログラム つぼみプロジェクト」

震災による原発事故の影響で離職・休職をされた方が多くいらっしゃいます。賠償金や補償金により現在の生活は保障がなされても、こうした公的扶助を受ける家庭はそうでない家庭と比べて子どもの勤労意欲やキャリア意識が低くなるという調査結果があります。

日本教育再興連盟では、キャリア教育に焦点を絞り、夏休みに福島県南相馬市の小中学生20名を東京へ招待し、企業を訪問、見学、ワークへの取り組みを通して子どもたちの職業に対するイメージ・意欲を醸成します。プロジェクトの大部分は教育や子どもに興味のある大学生ボランティアの手で進行されています。

一般社団法人SAVE TAKATA

「陸前高田市内の中学生を対象としたマイプロジェクトプログラム」

岩手県陸前高田市において、中学生が抱いている夢と地域課題を接続し、中学生が地域づくりに参加する機会を提供するプロジェクトです。学校内外において、事前学習プログラムおよび地域内外の外部講師と接する機会を設け、支援を行います。SAVE TAKATA以外にも地域の大人による会議体がプロジェクトを支援することになっており、学生・大人が共に事業を行うことで地域づくりを体感するとともに、地域で教育を支える仕組みを作ります。

NPO法人難民を助ける会(AAR Japan)

「地域みんなで元気になろうプロジェクト」

震災から6年経過しましたが、いまだ約12万3000人が仮設住宅、みなし仮設と呼ばれる借り上げ賃貸住宅、公営住宅、親類・知人宅などで避難生活を余儀なくされています。仮設住宅内は狭く、若い世代が避難して独居生活を送る高齢者が多数います。一方、災害公営住宅では仮設住宅で育(はぐく)まれたコミュニティが離散し、転居先で新たなコミュニティを形成できず高齢者を中心に地域になじめず孤立するなどの問題が生じています。

今回のプロジェクトでは福島県南相馬市や岩手県大槌町等で計6日間仮設住宅や災害公営住宅で暮らす被災者を対象に、理学療法士・作業療法士・鍼灸(しんきゅう)マッサージの専門ボランティアによるマッサージ、運動指導を実施し、同時に日本産業カウンセラー協会の傾聴専門ボランティアによる傾聴活動(お茶会)を実施します。AAR Japanではこの活動を震災発生以降約450回開催し、被災者から支持を受けています。

ママのぱわーすぽっと陸前高田

「被災地で子育て中の女性が地域に笑顔の花を咲かせる架け橋『ぱわーすぽっと』」

岩手県陸前高田市は半数を超える世帯が被災し、ほとんどの公共施設は壊滅的な被害を受けました。現在も仮設住宅には3000人を超える人が暮らし、町中を復興工事車両が往復し、親子が安全に遊べる公園や安心して過ごせる場所が少なく、乳幼児を育てる母親同士が出会う機会が非常に限られています。また、育児中の母親が求めるリラックス・ストレス解消の場、スキルアップや学びを得られる講座の開催も少なく、育児への気づき・ゆとり・自信を得られない状況があります。

ママのぱわーすぽっと陸前高田は、育児環境を自分たちの手で変えて行こうと子育て中の母親により立ち上げられました。第一回、第二回と子育て中の母親を対象にしたイベント「ママフェス」を開催し、助産師相談、ベビーマッサージ、マザーズコーチング等の企画に80組を超える多くの母子が参加しました。復興応援プロジェクトでは、第三回となる「ママフェス」開催と再就職を目指す母親向けのマナー講座の開催を支援します。