LEDニュース・事例

青色LEDの実用化でLED照明への道が開けました

LEDは波長の短い光ほど開発が難しくなる傾向があります。光の三原色（赤、緑、青）の中で最も波長の短い青色で発光するLEDは、充分な強さの光を出すのが困難でしたが、1993年に日亜化学工業が初めて高光度タイプの商品化に成功しました。同社では、この青色LEDに、青い光を吸収して黄色い光を放つ蛍光色素を組み合わせる方法で、1996年に白色LEDの開発にも成功。これによりLED照明への道が開けました。以後、白色LEDはさらなる高輝度化が進み、また三原色LEDを一つのパッケージにまとめる形のフルカラーLEDなど、他の方法での白色光も実用化されるなど多様化していきます。

LED照明の採用拡大。宇宙にも進出します

この白色LEDを光源としたLED照明は、特に初期には電球や蛍光灯など既存の光源より割高でしたが、器具をコンパクトにできること、消費電力や発熱が小さいこと、長寿命などの特長から、懐中電灯やデスクランプなど小型の照明器具や、イルミネーションなどの用途から取り入れられていきました。また、目新しさもあって、商業施設や公共施設などにLED照明を採用する例が次第に増えていきました。こうしたLED照明の中には、特殊な環境向けに作られたものもあります。2011年にJAXAが打ち上げた「こうのとり」2号機には、宇宙用として世界初のLED照明が搭載されました。宇宙ステーションなど照明には長らく蛍光灯が用いられており、ガラス管が割れたときにも危険にならないよう厳重に保護する必要があったのに対し、LED化により安全かつ使いやすくなると期待されています。

LED電球、LED蛍光灯の市販で普及が進みました

電球用照明器具に取り付けるLED電球や、蛍光灯用照明器具に取り付けるLED蛍光灯は、2009年頃から登場してきました。これらは、既設の器具を生かしつつLED化することができるため、LED照明の普及に大きく寄与することになりました。LED素子の生産数量が一気に伸びた結果コストダウンが図られ、全体的に低価格化が進みました。また同時に、LED照明市場の競争も激しくなり、多機能化などによって差別化を図った商品も増えていきました。

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