「水銀に関する水俣条約」において、蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが合意されました。蛍光灯はさらなる値上げと品不足が予想されます。他社のLED照明も樹脂・鋼材などの材料価格の高騰で値上げが予想されます。こうしたことから早めのLED照明導入をおすすめします。
水俣条約
「水銀に関する水俣条約」(以下、水俣条約)は、水銀が引き起こす環境汚染と健康被害を防止するための国際的な取り決めです。2013年10月に熊本県水俣市で採択され、2017年8月に発効しました。この条約は、水銀の採掘から始まり、製品の製造、使用、そして廃棄に至るまで、そのライフサイクル全体を網羅的に規制することを目指しています。
水俣条約とは?
水俣条約は、地球規模で深刻化する水銀汚染問題に対し、国際社会が連携して対策を講じるための重要な枠組みです。日本は、水俣条約の制定に主導的な役割を果たし、2016年2月に条約を締結しました。
国内においては、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」や「大気汚染防止法」を改正し、水銀の採掘や特定製品の製造を規制しています。さらに、水銀廃棄物の適切な処理施設の整備や、水俣病被害者への補償にも積極的に取り組んでいます。
令和5年にスイス・ジュネーブにおいて開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」では、2027年末までに全ての一般照明用蛍光ランプの製造と輸出入を禁止することが決定されました。一般照明用の高圧水銀ランプについては、すでに製造・輸出入が禁止されています。
水俣条約の背景
水俣条約は、1950年代に日本で発生した水俣病の教訓を深く刻み制定されました。水俣病は、工場排水に含まれるメチル水銀によって引き起こされた公害病であり、多くの人々が深刻な健康被害に苦しみました。この痛ましい経験から、国際社会は水銀による環境汚染の深刻さを認識し、水銀の規制を強化する必要性に迫られたのです。その結果、水俣条約が誕生し、世界規模での水銀対策が進められることとなりました。
水俣条約の主な内容
水俣条約では、水銀による被害を根絶するため、水銀の供給と貿易の規制に重点が置かれています。具体的には、水銀の採掘や輸出入を制限し、新たな水銀鉱山の開発を禁止することで、水銀の供給源を断つことを目指しています。
また、電池、蛍光灯、体温計、血圧計など、私たちの生活に身近な水銀を含む製品の製造と輸出入についても、段階的に廃止する措置を講じるよう定めています。これにより、水銀が私たちの生活環境に流出するリスクを低減し、健康被害を防ぐことが期待されます。
さらに、水銀が広く使用されている特定の産業分野においても、水銀の使用を削減または廃止するための具体的な対策を講じることを義務付けています。これにより、産業活動から排出される水銀を大幅に削減し、環境への負荷を軽減することが目指されています。
加えて、水俣条約は、水銀汚染によって被害を受けた地域や人々に対する財政的・技術的な支援を行うことも定めています。これは、水銀汚染の被害者に対する国際社会の連帯を示すとともに、水銀汚染からの回復と持続可能な発展を支援するための重要な取り組みです。
途上国においては、水銀の採掘や使用の規制、水銀廃棄物の適切な処理、汚染された地域への支援といった水俣条約で定められた対策の実施が、資金や技術の不足から困難な状況に直面しているのが現状です。
例えば、水銀採掘に依存している地域では、代替産業の育成や労働者の再訓練には多大な費用と時間がかかります。また、水銀廃棄物の適切な処理には高度な技術と設備が必要ですが、途上国ではその導入が難しい場合があります。さらに、水銀汚染によって被害を受けた地域への支援には、長期的な視点に立った包括的な対策が求められますが、資金や専門家の不足が課題となっています。
これらの課題を克服するためには、国際社会が連携し、資金援助や技術協力を通じて途上国を支援することが不可欠です。先進国は、資金拠出や技術移転を通じて途上国の水銀対策を後押しし、国際機関やNGOは、専門知識や経験を共有することで、途上国の能力向上を支援する必要があります。
(C) nobudget LED研究会 2024.10.15 初版
いま知っておきたい「蛍光灯の2027年問題」に関する情報はこちらから

無駄な点灯時間の削減にも取り組みませんか?
無線スイッチなら、小まめな消灯を簡単に行えます
照明コストは「電力消費×点灯時間」で成り立っています。LED化すれば省電力になり、無線スイッチを組み合わせると不要な点灯を防止できます。ぜひ、ダブル削減をご検討ください。
LED照明に関連する資料を無料でダウンロード

具体的な補助金・助成金に関する資料から、楽しい読み物までLED導入に役立つ資料を幅広くそろえました。ぜひご覧ください。
総務の方必見!「コスト」と「手間」をダブルで削減する方法
LED照明のほかにも、コスト削減の方法はまだまだあります!
面倒な「手間」を減らして「コスト」も削減できる、総務の皆さんが得するとっておきのダブル削減方法をご紹介します。

LED照明の導入事例をご紹介

ナビゲーションメニュー