「水銀に関する水俣条約」において、蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが合意されました。蛍光灯はさらなる値上げと品不足が予想されます。他社のLED照明も樹脂・鋼材などの材料価格の高騰で値上げが予想されます。こうしたことから早めのLED照明導入をおすすめします。
LED電球・LED照明の電気代
従来の電球や蛍光灯に比べてLED照明の消費電力は約1/2~1/10と電気代が大幅に安くなるのはもちろん、熱も発生しないため空調の電気代も削減できる可能性があります。LED照明は従来の蛍光灯の電気代を約58%も削減できるという試算もあります。
質問:LED電球・LED照明の電気代は安いのでしょうか?
回答:LED電球・LED照明の電気代は安くなります。
家庭用や事業所用のLED照明は主に蛍光灯型や電球型が多く使われます。照明タイプに違いはあるものの、従来の電球や蛍光灯と同じ明るさを保ちつつLED照明の消費電力は約1/2~1/10のため、電気代だけでも大幅に安くなります。家庭はもちろんオフィスや商業施設などの照明を多く設置する環境ほど大きな節電効果が期待できます。
LED照明は従来の蛍光灯の電気代を約58%も削減
大塚商会が試算した、明るさがほぼ同じの直管蛍光灯と直管形LEDランプの消費電力比較を見てみましょう。年間点灯時間を2,940時間(1日あたり12時間×245日)、電気代を0.022円/Whとした場合、直管蛍光灯の消費電力は40Wで年間消費電力は2,587円。一方の直管形LEDランプは16.7Wで年間消費電力は1,080円となります。それを5年間使い続けると、直管蛍光灯は12,935円、直管形LEDランプは5,400円となり、電気代は約58%も削減できることが分かりました。5年間で1本あたり約7,535円の削減効果が得られる計算です。
熱を発生しないLED照明は夏場の冷房にかかる電気代も節約
直管蛍光灯は寿命が短いため、5年間で少なくとも1回以上交換することが必要となります。直管形LEDランプの平均寿命は約4万時間といわれ、上記の計算なら13年以上も交換が不要なので電気代のほかにランプ本体の購入コストも削減できます。加えて、LED照明は蛍光灯や白熱電球などと異なりほとんど熱を発生しないので、夏場の冷房も大幅に効率化し空調にかかる電気代も節約できる可能性がります。
調光器対応タイプのLED電球でさらなる消費電力の節約が可能
大塚商会では、FAWOO社製のLED照明を取りそろえていますが、その中には調光器対応タイプのLED電球もあります。従来の白熱電球で用いていたロータリー式、スライド式など既存の調光器と組み合わせて使用でき、環境や使用目的、その日の天気に応じてLED電球の明るさをきめ細かく調節することが可能なので、さらなる消費電力の節約を実現します。
工場や倉庫などでは、より大きな電力削減効果が期待できる
さらに企業の場合、特にオフィスや商業施設、工場、倉庫などではより大きな電力削減効果が期待できます。これも大塚商会が試算した結果ですが、照明1,000本を月間21日(1日あたり12時間)点灯すると仮定し、東京電力の「高圧電力A」での夏季料金単価(16円96銭)をもとにかかる電気料金を計算した結果、直管蛍光灯は17万956円/月、直管形LEDランプは7万1,374円/月となり、その差額はマイナス9万9,582円/月となりました。年間で考えると実に120万円近くの電気代削減が達成できることになります。
世界的なエネルギーコスト上昇時代に不可欠なLED照明
事業所ごとに高圧電力契約をしている企業では、敷地内にキュービクル(変電所から送られる6,600Vの電気を100Vや200Vに変圧する受電設備施設)を設置し、電灯系(照明+コンセント)電力と動力系電力に分けていますが、電灯系電力の割合が大きいほど、照明のLED化による電気代削減の効果は高くなります。原発の停止による化石燃料の輸入増と世界的な原油高、円安加速によって電気代がじわじわと上がる中、その値上げ分を吸収できるばかりか、さらに電気代を削減できるわけです。
LED照明への変更は人に無理させない効率的な電気代削減方法
東日本大震災以後、電力逼迫(ひっぱく)による政府からの節電要請でオフィスの照明を間引く企業が増えましたが、暗いオフィスでは作業効率が低下するばかりか職場の雰囲気も暗くなりがちです。また、JIS(日本工業規格)によって事務所の照明基準は300ルクス~1,500ルクスと規定されているほか、労働安全衛生法 第2章事務所の環境管理第十条により精密な作業は300ルクス以上と規定されています。LED照明への変更は、節電や電気代削減で人に無理を強いることなく、明るさはそのままに効率的で快適な電気代削減方法といえるでしょう。
(C) nobudget LED 研究会 2014.10.03
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