【緊急特集】中堅・中小製造業がwithコロナ、アフターコロナに向けて今後対応すべきこと

2020年 8月11日公開

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大は、さまざまな業界に大きな影響を与えています。製造業も例外ではありません。先の見通しが立ちにくい中、大きな不安を抱えている経営者も多いことでしょう。第2波、第3波が来ると予測されている今、大切なのはいかに新型コロナと共存しながら事業継続をはかっていくか、新型コロナ後の影響を見据えて経営戦略を立てるかです。中堅・中小製造業がwithコロナ、アフターコロナに向けて今後対応すべきことについて紹介します。

withコロナ、アフターコロナ時代の製造業の今後

デジタル化はもはや避けては通れない

私たちの誰もが予測していなかった今回の新型コロナ禍。この突発的な事態を受けて、世の中は大きく変わらざるを得ませんでした。移動や対面でのコミュニケーションが大きく制限されることになり、その結果としてデジタル変革の必要性が一気に高まりました。働き方改革で導入の是非が問われていたテレワークも、新型コロナの発生でまたたく間に普及しました。新型コロナをきっかけに各業界でデジタル化が加速してきた今、製造業でもデジタル化はもはや必須です。

大胆な働き方改革とビジネス変革が求められる

新型コロナは私たちに多くの気づきを与えました。「3密(密閉・密集・密接)」を避けるオフィス・工場作り、業務の自動化・効率化、リモートワークなど、働く環境を見直した企業は多かったのではないでしょうか。
また、リスク管理や緊急事態時の事業継続についてもクローズアップされました。従業員が新型コロナに感染するなど、万が一の場合でも業務継続が可能な体制を構築しておく必要があります。

そして、withコロナ、アフターコロナ時代では世の中のビジネスそのものも大きく変化するでしょう。新型コロナの脅威を経験した後は、これまで以上に「非接触」「非集合」「非属人化」が意識されるはずです。必然的に、製造業でもそうしたニーズに対応した製品の開発・製造が増えていくと予想されます。また、今後のものづくり経営の在り方においても、「非接触」「非集合」「非属人化」でのビジネス手法が求められてきます。企業が生き残っていくためには、こうした変化にいち早く順応していかなくてはなりません。

目指すべきはアナログ+デジタルのハイブリッド

withコロナ、アフターコロナ時代の製造業は、間違いなくデジタル化が求められます。では、具体的にどうすればよいのでしょうか?

欧米では、ロボットやAIを駆使して、ものづくりそのものをデジタル化する動きも出ています。しかし、現場での擦り合わせをベースとした「Made in Japan」のアナログによる技術は世界に誇る日本の宝ですし、全てをデジタル化することがそもそも目的ではありません。ですから、今後私たちが目指すべきは、アナログとデジタルの融合、ハイブリッドであると考えます。

すなわち、日本の製造業で重視されてきた現場・現物・現実の「3現主義」によるリアルでのアナログ技術を生かしながら、デジタル化すべきところをデジタル化していくということです。

製造業では以前からずっとデジタル化が課題とされてきました。そこで次に、デジタル化を今後推進していくうえで前提となるキーワードについて解説します。

製造業が取り組むべきDX(デジタル・トランスフォーメーション)

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは

DX(Digital Transformation、デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタルによる変革という意味です。デジタル技術によってこれまで市場になかったような新しい商品やサービスが生まれ、人々の価値観や行動が大きく変わることをいいます。

これまでは、「デジタル活用(デジタライゼーション)」として、デジタルツールを活用し、製品の付加価値を高めることや業務効率をはかることが中心でした。「DX」では、デジタルツールを活用して、企業経営そのものや事業の在り方を変革することを意味しています。

中堅・中小製造業におけるDXの進め方

世の中に新たな価値を創出していくことは企業の重要な経営課題ですので、DXは大企業だけでなく中小企業にとっても重要です。しかし、DX全体で考えてしまうと、中小企業にとってはどうしても壮大すぎて机上の空論になりがちです。

DXでよくある例として、次のようなことが挙げられます。

例)顧客のさまざまなカスタマーデータを、川上から川下のサプライチェーン全体の各企業で必要部分だけ共有しコラボレーションしながら、顧客への新たな価値を提供できる製品・サービス開発を目指す。

最終的には全てがデジタルでつながっていくイメージですが、1社だけでは進めることはできません。
また、そもそも社内の各業務プロセスにおいてデータ連携がされていないと、他社と接続のしようもありません。

 そこで、まずは以下のようなものからDXに取り組んでいくのはいかがでしょうか。

  1. 人の手によるものづくりから、人ができるだけ介在しないものづくりへのシフト

    生産状況に関する情報をデジタル化して、リアルタイムに拠点間・工場間と共有し、生産計画のスピーディーな見直しをはかる。

  2. リモートによる現場の見える化とコントロール

    技術者を派遣しなくても遠隔で点検・修理ができるように、リモート管理の仕組みを作る。

製造業が取り組むべきBCP(事業継続計画)

BCPとは

BCP(Business continuity planning、事業継続計画)とは、災害など不測の緊急事態が発生した場合に、企業活動への影響を最小限に抑え、事業継続ができるようにするための計画のことをいいます。企業活動にとって、業務を止めてしまうことは最大の経営リスクになります。そのため、災害時を想定した計画をあらかじめ立てておくことが重要なのです。

中堅・中小製造業におけるBCP対策

製造業においては、国内外の工場の稼働を止めないようにすることが最大の課題です。万が一のときでも、生産をストップさせないためのポイントは三つ。生産設備を常に使えるようにすることと、必要な労働力を確保できるようにすること、そして製品に必要な部品を用意できることです。

この三つを確保するには、サプライチェーンを見直し、リスクを分散しておくことが必要です。今回の新型コロナでも、中国だけに調達を頼っていて材料や部品が届かなくなり、生産をストップしてしまった企業が多くありました。

加えて、新型コロナのような事態では、作業者を減らして対面しない状態でも長期的に、かつ安全に稼働できる仕組みが必要です。ここが自然災害などを想定した従来のBCPとは異なる重要なポイントといえます。

製造業が取り組むべきRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは

RPA(Robotic Process Automation、ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、業務プロセスの自動化のことをいいます。例えば、パソコン業務をソフトウェアで自動化すると業務効率が改善され、社員はもっとクリエイティブな仕事に時間をさけるようになります。これがRPAです。

中堅・中小製造業におけるRPAの活用事例

製造業では、例えば次のようなRPA活用事例があります。

【受注業務】Web-EDI受注データのダウンロード

得意先からのWeb-EDI受注データについて、毎日担当者がダウンロードして基幹業務システムに入力していた作業をRPAで自動化。

【調達業務】適正在庫割れ間近の品目情報を担当者に通知

適正在庫数量が割れる間近の品目を抽出して、発注担当者にメール通知する業務をRPAで自動化。

【製造業務】製造現場への製造指示データの送信と実績データの取り込み

製造現場への製造指示データ送信をRPAで自動化し、さらに製造指示に対する実績データの生産管理システムへの取り込みをRPAで自動化。

製造業が取り組むべきスマートファクトリー

スマートファクトリーとは

スマートファクトリーとは、デジタルデータを活用して生産活動を行う工場のことです。工場設備や作業者の作業データなどをIoTで取得・収集・分析し、これにより生産業務の効率化や新しい製品の開発などに生かします。

中堅・中小製造業におけるスマートファクトリー化

工場をスマートファクトリー化してデータ活用をしていくと、生産ラインの改善ポイントが分かりやすくなります。各工程のデータを集めることで工場全体の動きも可視化できるので、工場全体の生産性を高めることにつながります。また、ものづくりの現場に多い"人から人への技術・ノウハウの継承"も、熟練工の技術を見えるようにデジタル化していくことが可能です。加えて、今回の新型コロナのような危機的状態になっても、人手を減らして3密を避けながら生産を続けることもできます。

大塚商会のソリューション

昔ながらのものづくりというイメージが強い製造業も、いまやAIやIoTを活用した次世代製造業を目指す時代が到来しています。最新技術の活用は、もはや業務改善というレベルではなく、万が一の緊急事態時にも生産を止めないためのリスクヘッジ策として、不可欠かつ緊急の課題になっています。まずは、今すぐできるデジタル化から取り組みましょう。

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