製造業の現場で日々生じる納期、在庫、工程、原価などに関するさまざまな困りごとを解決する手段の一つが「生産管理システム」です。特に最近では、業務効率化、生産性向上、働き方改革の観点からもあらためて注目されています。企業のニーズに合わせた生産管理システムを導入することで、どのような課題をどのように解決できるのか、生産管理システムの機能や種類の詳細、導入のメリットも併せてご紹介します。
生産管理システムとは? 機能や種類、製造業が導入するメリットをご紹介
2026年 2月17日更新
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目次
生産管理システムとは?
生産管理システムとは、製造業における「モノの流れ」と「情報の流れ」を管理するシステムです。生産管理システムには、納期、在庫、工程、原価といった基本的な情報を管理する機能と共に、生産計画、外注管理、品質管理などの豊富な機能が用意されています。これにより、モノづくりに関する情報を一元管理することが可能です。
生産管理システムを導入することで、効率的かつ精度の高い生産管理が実現し、業務フローの最適化が図れます。近年では、製造業におけるデジタル化・DXが進む中で、これまでのExcelや紙媒体での管理から脱却し、生産管理システムを導入する企業が規模を問わず増えている状況です。
生産管理とは?
生産管理とは、モノづくりの現場で行われる生産・製造業務において、品質(Quality)、原価(Cost)、納期(Delivery)のQCDを最適化することをいいます。モノづくりの現場では、どのような材料をいつ・いくらで・どれくらい調達し、いつまでに幾つの製品を製造し、納品するかという計画や指示に基づいた生産が行われます。在庫の過不足を調整しながら納期までに製品を正しく製造し納品することが重要であり、これを管理するのが生産管理です。

生産管理システムの必要性
生産管理システムが必要な理由
モノづくりを管理するうえでは、特に、納期、在庫、工程、原価の四つを重点的に管理する必要がありますが、生産管理システムでは、それを統合的かつ総合的に管理することができます。
1)納期管理の課題
- どのくらいの受注残/発注残があるのか把握したい
- 納期を短縮したい or 納期遅延を防止したい
- 発注部品や材料が納期どおりに入ってきているかどうかチェックしたい
2)在庫管理の課題
- 材料や部品、製品の在庫をきちんと管理したい
- 材料や部品、製品のムダな在庫を減らしたい
- 材料や部品、製品の欠品を減らしたい
3)工程管理の課題
- 予定どおりか遅れているのか、工程の進捗(しんちょく)を管理したい
- 工程の負荷状況を把握したい
- 忙しい工程と忙しくない工程の平準化を図りたい
4)原価管理の課題
- 製品の原価を案件別、品目別などで把握したい
- 製品の原価(材料費・労務費・外注費・経費)をできるだけ抑えたい
- 標準原価と実際原価を的確に把握したい
このような悩みが生じる理由の一つが、管理方法にあります。Excel・Accessなどを使った属人的な管理を行っている企業が多く、部署間で統一管理ができない、担当者が不在の場合は誰も分からないといった問題が起こってしまいます。
生産管理システムと他システムの違い
生産管理システムと販売管理システム
生産管理システムは導入していなくても、販売管理システムは導入しているという製造業の企業も多くあります。すなわち、売上・請求・入金や仕入・買掛・支払の管理業務のシステム化です。
ただし、在庫管理については別です。なぜなら販売管理システムの一般的な考えは卸売業向けであって、仕入れるモノと販売するモノが同じ「商品」を想定しているからです。
製造業の場合、仕入れるモノと販売するモノが異なり、その間に「製造」という付加価値作業が介在します。この「製造」を管理するのが生産管理システムとなります。さらに生産管理と販売管理とが一体となったシステムであれば、製販一気通貫による管理も可能です。

生産管理システムとERP
生産管理システムとERPは、どちらも企業の業務効率化を支える重要な基幹システムですが、目的やカバー範囲には明確な違いがあります。
生産管理システムは、製造業の生産管理業務に特化した仕組みです。生産計画、工程管理、在庫管理、品質管理といった“モノづくりの現場”に直結する機能を備え、QCD(品質・原価・納期)の最適化を実現し、業務効率や生産性の向上、コスト削減を図ります。多品種少量生産や複雑な工程など、製造現場ならではの課題に対応できる専門性の高さが特徴です。
一方、ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業全体の「ヒト・モノ・カネ・情報」を統合的に管理する統合基幹業務システムです。会計、人事、販売、物流、生産など、部門横断の業務を一元化し、情報共有の迅速化や経営判断の高度化を支援します。製造業向けERPには生産管理機能を含むものもあり、現場最適だけでなく“企業全体の最適化”を視野に入れた運用が可能です。
このように、生産管理システムは製造現場の効率化に特化し、ERPは企業全体の経営基盤を整えるシステムとして位置付けられます。目的や適用範囲に応じて、最適なシステム選定が求められます。
【生産管理システムとERPシステムの特徴】
| 生産管理システム | ERPシステム | |
|---|---|---|
| 導入目的 | 製造業においてQCD(品質、原価、納期)を最適化し、業務効率や生産性の向上、コスト削減を図る | 企業全体の資源を一つのシステムに統合し、一元管理することで経営の効率化・最適化を図る |
| 管理対象 | 生産管理に特化 | 会計・人事・生産・物流・販売などの基幹業務全体 |
| 機能 |
|
|
| 導入コスト・運用コスト | ERPシステム全体と比べると限定的 | 生産管理システムも包括している場合は高価 |
生産管理システムとMES
生産管理システムとMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)は、どちらも製造業の生産活動を支える重要な仕組みです。しかし、担う役割と対象範囲は大きく異なります。
生産管理システムは、受注から出荷までの一連の業務を俯瞰(ふかん)し、計画立案やMRPによる材料手配、生産指示、在庫・購買管理など、工場全体から管理部門までを含む“企業全体の計画業務”をカバーします。中長期の生産計画から日次レベルのスケジューリングまで、上位レイヤーでの最適化を目的としたシステムです。
一方、MESは製造現場の“実行”に特化したシステムです。作業指示のリアルタイム配信、実績収集、設備稼働状況の把握、品質データの取得など、ライン・設備・作業者といった現場単位の動きを細かく管理します。分単位の情報を捉え、生産性向上や品質改善に直結するデータを提供する点が特徴です。
【生産管理システムとMESの違い】
| 観点 | 生産管理システム | MES |
|---|---|---|
| 役割の軸 | 計画(Plan)中心 | 実行(Do)中心 |
| 対象範囲 | 工場全体+管理部門 | 現場・ライン・設備 |
| 時間軸 | 日次〜月次の計画 | 分単位〜リアルタイム |
| 目的 | 全社最適(コスト・在庫・納期) | 現場最適(生産性・品質改善) |
| データ | 指示・結果の「記録」中心 | 作業・設備の「動き」中心 |
このように、生産管理システムが日次〜月次の計画を通じて全社最適を図るのに対し、MESは現場のリアルタイム実行を支える役割を担います。両者は競合するものではなく、「生産管理システムで計画を立て、MESで現場を動かす」という形で相互補完的に機能し、製造業の生産性向上を強力に後押しします。
ファブレス企業と生産管理システム
ファブレス企業とは、自社で生産設備(fabrication facility)を持たず、外部の協力企業に100%生産委託しているメーカーのことです。
ファブレス企業は、主に次の二つの形態に分かれます。
- 製品を製造する際に必要となる材料や、部品などの調達も全て外注工場に委託する形態
- 材料や部品は自社で調達し、それを外注工場に支給して製造を委託する形態
2の形態の場合、材料や部品の調達手配、在庫管理、外注支給管理といった観点からも生産管理システムの導入がおすすめです。
生産管理システムの機能
生産管理システムには、生産管理に必要なさまざまな機能が備わっています。ここでは、生産計画、受注管理、所要量計算、発注管理、在庫管理、製造管理、工程管理、進捗管理、外注管理、品質管理といった代表的な機能とその概要を簡単にご紹介します。
生産計画
受注情報や在庫情報、販売計画などの見込情報を基に製品や半製品の生産計画を立案します。「いつ(生産日)、なにを(品目)、幾つ(数量)、いつまでに(納期)」作るかを管理します。
受注管理
得意先からの受注情報を管理します。「いつ(受注日)、どこから(得意先)、なにを(品目)、幾つ(数量)、いくらで(金額)、いつまでに(納期)」納品するかを管理すると共に出荷できていない受注残の管理も行えます。
所要量計算
生産計画や受注情報、各製品の構成マスター情報などを基に製品や半製品の製造に必要や材料・部品の所要量を算出します。同時に製造納期から購買リードタイムや製造リードタイムを逆算し、材料・部品が必要となる日の各品目の有効在庫から不足分の発注予定データおよび製造予定データを生成します。
発注管理
製造に必要な材料・部品の発注情報を管理します。「いつ(発注日)、どこへ(発注先)、なにを(品目)、幾つ(数量)、いくらで(金額)、いつまでに(納期)」発注するかを管理すると共に受け入れできていない発注残の管理も行えます。
在庫管理
材料・部品・半製品・製品などの各品目に関する在庫情報を管理します。「なにが(品目)、どこへ(倉庫・棚)、幾つ(数量)、いつ(予定)、入り(入庫)または出て(出庫)いくのか」を管理すると共に適正在庫や有効在庫を時系列で管理できます。
製造管理
生産計画や受注情報、所要量計算、各種マスターの情報を基に製造現場に対して生産指示書を発行し、製造した結果の実績を登録します。「なにを(品目)、幾つ(数量)、いつまでに(納期)、どのように(工程・作業)作るのか」という生産指示および実績の管理を行います。同時に製造する際に使用した材料・部品の在庫を引き落とすこともできます。
工程管理
製品の製造過程における作業を分類化・体系化した工程ごとに生産指示および生産実績の管理を行います。また、工程ごとの1日の生産能力に対する負荷状況などを見ながら、平準化を行います。
進捗管理
各工程の生産指示・製造納期に対する進捗状況の管理を行います。「どこで(作業ライン、社内/社外)、なにを(品目)、幾つ(数量)、どのように(作業)、いつまでに(納期)」といった計画に対して、「実際にどこまで進んでいるのか」を管理します。
外注管理
製造工程の一部を外注先に依頼する際の発注・受入の管理を行います。「なにを(品目)、どこに(外注先)、幾つ(数量)、いつまでに(納期)」依頼するかを管理すると共に外注先に対して支給品がある場合は支給品の払い出しなどの管理も行います。
品質管理
仕入先や外注先から受け入れた品目の受入検査や、各工程で製造した品目の品質検査の管理を行います。品質検査の結果や不良数量、不良原因などを管理します。
生産管理システムの種類
生産管理システムは、業種・業態・生産形態によって解決すべき課題が異なるため、備わっている機能も異なります。そのため、導入検討する際には、自社の業種・業態・生産形態に合ったシステムを選ぶことが重要です。
業態・生産形態による違い
| 業態・生産形態 | 繰返生産 | 個別生産 |
|---|---|---|
| 組立業 (機器、機械、装置など) | あらかじめ仕様が決まった製品を、複数の部品や材料を基に組み立てる | 顧客の要求に合わせた個別仕様の製品を、複数の部品や材料を基に組み立てる |
| 加工業 (金属製品、樹脂・ゴム製品、 ガラス製品など) | あらかじめ仕様が決まった製品を、複数の加工工程を経ながらまとめて製造する | 顧客の要求に合わせた個別仕様の製品を、加工を中心として少量ずつ製造する |
| 配合業 (化学薬品、食料品など) | あらかじめ仕様が決まった製品を、複数の原材料を基に配合する | 顧客の要求に合わせた個別仕様の製品を、複数の原材料を基に配合する |
一般的には、組立業向けの生産管理システムが最も多い傾向にあります。どの業態・生産形態を得意としているかによって、用意されている機能が大きく異なることを知っておくとよいでしょう。
企業規模による違い
生産管理システムは、大企業向け、中堅企業向け、中小企業向けなど、企業規模によっても必要となる機能や特徴が異なります。
基本的には、企業規模が大きくなるほど機能面も充実していく傾向にありますが、その一方で、導入・運用にかかるコストが高くなったり、自社に必要のない機能が増えて操作が複雑になったりする恐れがあります。自社の企業規模や必要とする機能、費用対効果などを総合的に踏まえたうえで、生産管理システムを比較するようにしましょう。
【企業規模別の生産管理システムに求められる視点と機能】
| 規模 | 想定拠点 | 重視ポイント | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| 大企業 | 国内外の多数工場・広範囲グループ展開 | 全体最適・統合・ガバナンス・グローバル対応 | 多拠点統合、グループ全体の需給最適化、高度なスケジューリング、ERP統合、品質管理・トレーサビリティの高度化、強固な内部統制・セキュリティ管理 |
| 中堅企業 | 複数工場・マルチプラント、限定的グループ展開 | 柔軟性・短納期対応・スピード | 複数工場の生産・在庫管理、工場間調整、計画・実績の短サイクル連携、外注・品質管理、内部統制・セキュリティ強化 |
| 中小企業 | 1~3工場 | 導入しやすさ・運用負荷軽減・低コスト | 基本機能、簡易計画・在庫管理、現場入力簡便化、セキュリティ強化対応 |
提供方式(オンプレミス型・クラウド型)による違い
| 代表的な提供方式 | 内容 |
|---|---|
| オンプレミス型 | 自社でサーバーを導入してシステムを運用する方式 |
| クラウド型 | インターネット上で提供会社が管理するサーバーにアクセスし、システムを運用する方式 |
生産管理システムの提供方式は、自社でサーバーを導入してシステムを運用するオンプレミス型と、インターネット上で提供会社が管理するサーバーにアクセスしてシステムを運用するクラウド型の2種類に大きく分けられます。
オンプレミス型のメリットは、自社ネットワーク内で運用するためセキュリティ面の管理がしやすい点や、機能のカスタマイズがしやすい点です。デメリットとしては、サーバーの管理を自社で実施しなければならないこと、導入までの期間とコストが比較的かかりやすいことなどが挙げられます。
クラウド型のメリットは、サーバーを自社で管理する必要がない点や、導入までの期間とコストを抑えられる点です。デメリットとしては、社外ネットワークで運用するためセキュリティ面での懸念があること、機能のカスタマイズがしにくいことなどが挙げられます。
このようにオンプレミス型とクラウド型は一長一短であり、どちらかが明確に優れているというものではありません。それぞれの特徴を正しく理解したうえで、自社のニーズに合った方式を選ぶようにしましょう。
生産管理システムのメリット
生産管理システムの導入でできること
生産管理システムは、製造業の生産管理に関する課題を解決することに特化したシステムです。導入することで、製造管理に関わる一連の流れが「見える化」できるので、さまざまな成果が期待できます。管理が全社で一元化できるので、Excel・Access管理による属人化、分散化リスクを避けることも可能です。また、QCD(Quality:品質/Cost:原価/Delivery:納期)のバランスを取ることも容易になります。
【生産管理システムでできること】
| 把握できること | 期待できること | |
|---|---|---|
| 納期 | いつまでに用意すればいいのか いつまでに納品すればいいのか | 納期遵守率向上(D)納期短縮(D) |
| 在庫 | 何をいくつ作ればいいのか/どの材料・部品がいくつあればいいのか | 余剰在庫削減(C)欠品防止(D) |
| 工程 | どのような工程・手順で作ればいいのか/今どこまで進んでいるのか | 品質向上(Q)納期短縮(D) |
| 原価 | 何にいくらかかるのか/いくらかかったのか | 原価低減(C) |
在庫確認、発注手配および製造手配の自動化
生産管理システムを導入することで、これまで手作業やExcelで行っていた在庫確認から脱却し、リアルタイムかつ正確な在庫情報を把握できるようになります。人的ミスが発生しやすく時間もかかっていた従来の方法に比べ、必要なタイミングで発注手配や製造手配を自動化できる点が大きなメリットです。これにより、在庫不足や過剰在庫の発生を防ぎ、適切な在庫水準を維持しやすくなります。
その結果、業務全体の効率性と正確性が大幅に向上し、担当者の作業負担も軽減されます。余裕が生まれたリソースを、より重要な業務や付加価値の高い取り組みに振り向けることができ、組織全体の生産性向上にもつながります。
情報共有体制の構築と柔軟な役割分担
これまで部署や担当者ごとに分散して管理されていた情報が集約されることで、全社での一元管理が実現します。情報が統合されることで社員間の共有がスムーズになり、業務全体の可視化も進みます。さらに工程ごとの進捗状況や在庫、受注情報をまとめて把握できるため、部門間の連携が強化され、業務の属人化を防ぐ効果も期待できます。
その結果、担当者が不在の場合でもスムーズに業務を引き継げる体制が整い、役割分担を柔軟に調整できるようになります。こうした仕組みによって業務停滞のリスクが軽減され、組織全体の生産性向上につながります。
最適な在庫管理の実現
現在の在庫数だけでなく、将来の受注状況や製造計画を踏まえた「有効在庫数」を基準に管理できるようになるため、より精度の高い在庫コントロールが可能になります。これにより、在庫の過不足を防ぎつつ適正在庫を維持でき、不要な保管コストや資材ロスの削減、在庫回転率の向上が期待できます。
さらに急な需要変動にも柔軟に対応できる体制が整うため、製造業務全体の安定化にもつながります。加えて、在庫情報を一元化することで、販売管理システムとExcelなど複数の管理方法が混在することで生じていた在庫差異の問題も解消され、より正確で信頼性の高い在庫管理が実現します。
受注から納品までの業務改善と対応力の向上
受注情報が入力と同時にシステムへ反映されることで、製造計画の立案や納期管理がスムーズに進み、受注から納品までの一連の業務フローが最適化されます。これにより納期遅延のリスクが大幅に低減し、得意先への対応スピードも向上します。結果として、顧客が求める納期を確実に守れる体制が整い、高品質なサービス提供が可能になります。
こうした改善は、顧客満足度の向上や信頼関係の強化につながり、モノづくりにおいて重要な「納期(Delivery)」の最適化にも直結します。
生産管理システムのデータをAIで活用することによる高度な意思決定支援
蓄積された膨大な生産関連データをAIが分析することで、より高度かつ効率的な意思決定が可能になります。AIは、過去の生産実績や需要の変動傾向、在庫状況といった多様な情報を統合的に解析し、精度の高い需要予測や最適な生産計画を自動的に導き出します。これにより、ムダのない製造プロセスを構築でき、在庫コストの削減や資源の有効活用が実現します。
さらにシステムに備わった異常検知機能によって、設備の故障予兆や不自然な在庫変動を早期に把握でき、トラブルの未然防止にもつながります。こうしたAI活用の仕組みは、現場の安定稼働を支えるだけでなく、企業全体の競争力向上も期待できます。
生産管理システム導入による中堅・中小企業のメリット
「システム導入は、中堅・中小企業にとってハードルが高い」と敬遠する企業も多いかもしれません。しかし、実は中堅・中小企業だからこそ、ITの助けを大いに借りるべきなのです。
例えば、生産管理システムがうまく稼働すれば、これまで煩雑だった業務が大幅に効率化されるため、限られた人員の中で生産性の高いモノづくりを実現することができます。
生産管理システム導入までの流れ
生産管理システムの導入プロセスは、「検討」「導入」「稼働」という三つのフェーズで進められます。
まず検討フェーズでは、経営トップと現場の双方とが参画する全社プロジェクトとして進めることが大切です。双方を巻き込み、全体最適の視点から導入目的を明確に定義します。そのうえで、その目的に基づいて自社に必要な要件を整理し、業種・業態に適したシステムを選定します。
続く導入フェーズでは、選んだシステムが実際の業務とどの程度適合しているか、またどこに乖離(かいり)があるかを詳細に分析します。実運用を想定しながら運用方針を固め、代表的な製品を用いたマスターシミュレーションや、新しい運用フローに沿った運用シミュレーションを繰り返し実施します。その後、新旧システムを比較しながら並行稼働を行い、本稼働に向けた準備を整えていきます。
最終段階となる稼働フェーズでは、事前に設定した切り替え基準を満たしていることを確認したうえで本稼働へ移行します。システム導入は本稼働して終わりではなく、むしろここからが本番です。プロジェクトを解散せず、定期的な定例会を通じて導入目的の達成度を評価し、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善を進めることが、導入効果を最大化するために欠かせません。
生産管理システムの検討・選定・導入におけるポイント
大きな成果が期待できる生産管理システムですが、コストと時間をかけて導入したものの、システムをうまく生かし切れていないという会社も少なくありません。生産管理システムの検討・選定・導入を成功させるためのポイントは大きく分けて三つあります。
目的を明確にしたうえでシステムを導入する
システムを最大限に活用するには、自社のモノづくり経営における戦略に沿った「導入目的」を明確にすることが重要です。システムはあくまでも道具(=ツール)であり、その道具をどのように使っていくのか、何のために導入するのかという導入目的が明確でないと、結局は宝の持ち腐れになりかねません。
全社的なプロジェクトとして取り組む
生産管理システムは生産フロー全体を管理するもので、営業や設計、調達、製造など、さまざまな部門にまたがります。そのためにも、システム導入を全社プロジェクトにし、経営トップ層が自らプロジェクトリーダーとなって、部署横断的に取り組むとよいでしょう。
自社の規模や業種・業態に合った最適なシステムを選ぶ
自社の企業規模や業種・業態に合わないシステムを導入してしまうと、余計に業務が複雑化してしまったり、カスタマイズ費用がかさんでしまったりする恐れがあり、注意が必要です。導入を検討する際は、そのシステムの導入事例などを確認し、同業他社や同じ規模感の企業でどのような実績があるかを確認するとよいでしょう。
システム導入に役立つ記事
機器・機械・装置など、複数の部品や材料を基に製品を組み立てていく業種における生産管理の三つのポイント「部品構成表の管理」「部品の発注管理」「部品の在庫管理」を解説しています。
自動車・電気部品や、金属・樹脂などを加工する業種における生産管理の三つのポイント「工程管理」「共通材料の在庫管理」「工程間の仕掛在庫管理」を解説しています。
化学薬品や食品のように、釜などの生産設備・装置に原材料を投入して製品を製造する業種における生産管理のポイント、「レシピ(配合表)の管理」「原材料などの在庫管理」「製造工程における品質管理」について解説しています。
大塚商会の生産管理システムの強み
「生産革新ファミリー」は、お客様の要望を製品開発に生かした大塚商会のオリジナル生産管理システムです。六つのパッケージシステムを備えており、あらゆる製造業に対応しています。受発注、在庫、品質、原価など、さまざまな生産管理の課題を解決し、販売や会計など基幹業務システムとのデータの相互連携も実現します。
「生産革新ファミリー」の特長

強み1:それぞれの業種・業態に特化
「生産革新」は、製造業の多種多様な業種や業態に対応できるよう設計されています。部品製造、アセンブリ加工、食品製造など、それぞれの業界に特有の業務プロセスやニーズを深く理解し、それぞれに特化した機能を提供しています。また、多品種少量生産や見込生産、受注生産といった異なる生産形態にも柔軟に対応できるため、どの業態の企業にとっても使いやすいシステムです。業務の流れにフィットする高いカスタマイズ性で、導入企業の効率化や最適化を支援します。
強み2:ERPとしての拡張性と柔軟な拡張性
「生産革新」は、ERP(統合基幹業務システム)の一つであり、システムの拡張性と柔軟性が特徴です。ほかの「SMILE」シリーズのモジュール(販売、会計、人事など)との連携が可能なため、企業全体の業務を一元管理できます。これによりリアルタイムな情報共有と効率的な意思決定をサポートします。さらに必要に応じて外部のIoTデバイスやAI技術、BIツールとも統合できるため、最新技術を活用したシステム運用ができます。成長企業に適したスケーラビリティを提供し、企業規模や業務ニーズの変化にも柔軟に対応します。
強み3:開発・販売・サポートの一体運営
大塚商会では、「生産革新」の開発、販売、サポートを一貫して提供しています。この体制は、他社にはない大きな強みです。開発からサポートまでを一手に担うことで、迅速な対応と高い信頼性を実現しています。ユーザーのニーズに素早く応えるのはもちろん、カスタマイズやトラブルの発生時もスムーズに対応します。
導入後は、充実した運用支援やトレーニングなどによって、システム導入による効果を最大化するためのサポート体制を整えています。また、長期的な信頼関係の構築を大切にしており、その姿勢が企業の成長に寄り添い続けるパートナーとしての役割を果たしています。
大塚商会の生産管理システム
「生産革新ファミリー」は、お客様の要望を製品開発に生かした大塚商会のオリジナル生産管理システムで、六つのパッケージシステムにより全ての製造業に対応しています。受発注、在庫、品質、原価など、さまざまな生産管理の悩みを解決し、販売や会計など基幹業務システムとのデータの相互連携も実現します。








製品ロゴにマウスを合わせると
説明が表示されます

販売管理と一体化された組立業向け製販一気通貫型の生産管理システムです。製品構成が決まっている標準品の見込・受注生産に対応し、構成部品の発注・在庫管理や製造・進捗、出荷・売上、請求・入金・支払などをトータルに管理。「リードタイム短縮」、「納期遵守」、「コスト低減」、「生産性向上」等をサポートします。自社工場を持たないファブレス企業にも対応できます。


標準品や規格品の“繰返生産”と、個別品や特注品の“個別受注生産”との両方に対応したハイブリッド型の生産管理システムです。また、販売管理と一体化された組立業向け製販一気通貫型のシステムであるとともに、部品構成表管理システム「生産革新 Bom-jin」と連携し、設計部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減、納期短縮、生産効率の向上を実現します。


自動車・電気部品や、金属・樹脂・食品などを繰返生産・量産加工する製造業に特化した生産管理システムです。内示・フォーキャスト・確定受注などの情報を基に、変化に強い柔軟な生産計画が行え、工程間の仕掛在庫なども含めた在庫の適正コントロールが可能。


販売管理をベースに工程管理や製造指図書発行などが行える、シンプルなオールインワンパッケージのクラウド型システムです。「大げさな生産管理システムは必要ない」といったお客様のご要望にお応えします。また、クラウド利用で初期費用を抑えることによって、これまでシステム導入が難しかった小規模加工業様もすぐにご利用いただけます。


化学製品・食品・香料・化粧品・薬品などを配合する製造業向けの生産管理システムです。配合表・レシピをもとに材料手配、製造指示、製品・材料・資材などの在庫管理や、ロットトレース機能による品質管理、品質検査の記録管理などをトータルにサポートします。


生産管理とのデータ連携を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンの要となるBOM(部品構成表)構築、標準化・流用化設計、設計業務の効率化を実現します。

生産管理システム導入による改善事例
生産管理システムを導入し、生産管理の効率化を実現させた企業の事例をご紹介します。
株式会社ワイ・デー・ケー九州
事業内容
半導体製造装置、FPD製造装置、自動車関連設備の設計・製造、精密機械部品の切削加工
月次決算の集計時間が8分の1に短縮。在庫管理の正確性が向上
株式会社ワイ・デー・ケー九州は、データの一元管理と共有化によって誰でも必要なデータを見られる環境を整備し、事務作業を効率化するために生産管理システムの見直しに着手。ハイブリッド型生産管理システム「生産革新 Raijin」と「SMILE V 販売」を連携させて活用することで、社内のデータが一気通貫に流れる業務基盤を構築しました。

従来は各部署が作成したExcelのデータを手作業で集計していたため、ミスが生じる可能性がありましたが、現在はシステムに入力したデータを基にプロジェクト単位で月次集計(売上・仕掛・工数・生産高)や原価管理一覧表などが自動的に算出されるため、データの信頼性が一気に高まりました。月次集計表を作成する時間も従来の8分の1程度に短縮され、今後の営業方針をタイムリーに検討できる環境が整ったといいます。また、実務者が入出庫のデータをきちんと入力すればシステム上で在庫数をリアルタイムに確認できるため、在庫管理の正確性も向上しました。

事例詳細をPDFでご覧いただけます。
導入システム:生産革新 Raijin/SMILE 販売/RemoteView/たよれーる どこでもキャビネット/FortiGate/LED照明(3,000本)
- 形式:PDF
- ページ数:5ページ

永興物産株式会社
事業内容
合成樹脂原料の販売、合成樹脂原料の着色加工、合成樹脂原料の再生加工
マスターの単価変更に要する日数が3日から0.5日に。ロット別製品管理でトレーサビリティが容易に
永興物産株式会社は、膨大な種類の生産仕様書(レシピ)と諸条件などの詳細な情報を管理するために生産管理システムの刷新に着手。化学製品・食品・香料・化粧品・薬品などを配合する製造業向けの生産管理システムであり、配合表に基づく在庫管理やロットトレース機能による品質管理にも対応している「生産革新 Blendjin」を導入しました。

システムの導入後は、情報管理のルールに基づいてコードが自動的に生成される仕組みを採用し、生産仕様書の検索・変更を容易に行えるようになりました。その結果、製品の原料価格や電気料金の変動に伴う単価の改定作業などに要していた時間を大幅に短縮できたといいます。また、製造日や原料などの違いで異なるロットも完全にトレースできるようになり、目標としていたトレーサビリティの強化も実現しました。

事例詳細をPDFでご覧いただけます。
導入システム:生産革新 Blendjin/SMILE 販売/SubGate/FortiGate/Cloud Edge/SKYSEA
- 形式:PDF
- ページ数:5ページ

まとめ
モノづくりを行う企業にとって、生産管理を最適化することは生命線ともいえる重要な課題です。生産管理システムはその課題を解決できる重要なシステムとなりますので、機能や種類、メリットを正しく理解したうえで導入を検討してください。
また、生産管理システムで最適化すべきポイントは企業によって異なります。自社の課題を解決するには、専門的なノウハウを持つよいパートナーと共に、最適なシステムを選択・導入・運用することが重要です。
大塚商会では、製造業の問題解決に特化した専門チーム「製造SP」が、お客様の導入目的の設定から課題の抽出、最適な業務フロー策定などをパートナーとしてご支援しています。
本記事の監修者

酒田 裕之(株式会社カクタル 生産管理コンシェルジュ)
前職(大塚商会)では、本部で製造業専門チームを率い、生産管理システムの企画、開発、導入支援に注力。中でも生産管理システムの実稼働をとなえ、稼働するだけではなく、導入目的が実現するところまでサポートすることを標ぼうしました。現在はその経験を生かし、お客様に寄り添って、生産管理システムの実稼働を支援するコンサルティングに従事しています。
生産管理システムの検討に役立つ資料
BOM
生産管理システムの導入
クラウド型生産管理システム
生産管理システムに関する記事
生産管理システムについて
生産管理システム導入までの流れ
生産管理システム導入で失敗しないためのポイント
生産管理システムの機能
BOMに関する記事

BOMの基本
BOMとDX
E-BOM・M-BOM・S-BOM
BOMエキスパートコラム
他の記事を読む(新着記事)
生産管理システムに関するセミナー・展示会情報
開催中のセミナー情報

- 2026年 2月18日(水) 10:00~17:00
- 2026年 2月19日(木) 9:30~17:00
- 開催地:大阪府・大阪市
年に一度開催する大塚商会最大のIT総合展示会。2026年は「AIで拡がる!まるごとDX」をテーマに、AIのあらゆる可能性と企業が直面する課題解決のヒントをお届けします。
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生産管理システム導入事例集

大塚商会のERPソリューションが現場の課題をどのように解決し、成功へと導いたのか。導入前の課題、導入後の効果、当社との出会い・活用法、今後の展開など、製造業のお客様の事例を集めました。
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生産革新ファミリー総合カタログ ダウンロード

「生産革新ファミリー」は、製造業における受発注・在庫・品質・原価など、さまざまな生産管理のお悩みを解決し、販売や会計などの基幹業務システムとのデータ連携も実現します。お客様の要望を製品開発に生かした大塚商会オリジナルの生産管理システムで、五つのパッケージシステムにより、全ての製造業に対応します。
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