在庫管理とは? 製造業における在庫管理の役割と重要性
在庫管理とは、企業が保有する商品・原材料・仕掛品などの在庫を、適切な量・タイミング・場所で保持・管理する仕組みです。在庫管理を徹底することで、必要な製品を必要なタイミングに供給できます。
ここでは、製造業において在庫管理が果たす役割と重要性をご紹介します。
在庫管理とは何か
在庫管理とは、原材料・部品・仕掛品・製品など、社内で保有するあらゆる品目の数量・場所・状態を把握し、必要なタイミングで必要な量だけ供給できるように管理する取り組みです。
適切に運用できていないと、下記のようなリスクが連鎖的に発生するため、在庫管理は全社業務を支える基盤的な管理と位置づけられます。
- 過剰在庫の場合:保管コストの増大や廃棄コストの発生、資金繰りの悪化
- 在庫不足の場合:生産・出荷の遅延や欠品による販売機会の損失 など
在庫管理は単なる「モノの管理」ではなく、コスト・売上・信用・経営判断に直結する重要な企業活動の一つです。
製造業における在庫管理の役割
製造業において在庫管理は、生産の安定稼働の維持に不可欠な役割を担っています。
製造業は、生産・販売・調達など各業務において在庫状況を前提に動くため、在庫管理は生産計画や購買、工程管理、納期管理と密接に連携する基盤業務です。
そのため在庫状況の過不足は、生産の安定性や現場の負荷にまで影響します。例えば、部品が不足すれば製品の供給量が下がったり、反対に部品が過剰に在庫を抱えると保管コストや管理負担が増大したりします。
また、在庫データは「今どれだけ売れているか」「どの商品が滞留しているか」を可視化するため、生産計画や仕入・調達計画、資金計画など、経営判断を支える情報でもあります。
余剰在庫・欠品在庫がもたらすリスク
製造業において、在庫は余剰になっても欠品になってもリスクがあるため、常に適正量を維持する必要があります。
| 余剰在庫のリスク | 欠品在庫のリスク |
|---|
| 保管スペースの逼迫(ひっぱく)と保管コスト(光熱費・人件費・物流費含む)の増大 | 受注機会の損失(売上ダウン) |
| 長期滞留による品質劣化・廃棄ロスの発生 | 特急対応による輸送費・残業費の増加 |
| 探索の手間増加によるヒューマンエラー | 納期遅延による顧客信頼の低下 |
| 資金の固定化によるキャッシュフロー悪化 | 取引停止や競合への切り替え |
| 値引き販売の強制 | 原材料・部品の欠品による生産ライン停止 |
余剰在庫・欠品在庫どちらも企業にとってマイナスです。「念のため」の在庫増は、最終的に余剰・欠品の両方につながる悪循環を招きます。適正在庫の維持こそが経営の健全化に直結するため、在庫管理により相反するリスクをいかにバランスよく整えるかが重要です。
製造業における在庫管理の目的
製造業において、在庫管理の主な目的は、必要なタイミングで、必要な量の部品・原材料・完成品を、過不足なく供給できる状態を保つことです。在庫管理によって、以下のような目的が達成され、それに伴う効果・メリットが得られます。
欠品と過剰在庫を防ぎ、適正在庫を維持するため
欠品(機会損失・生産停止・納期遅延)と過剰在庫(保管費・劣化/陳腐化・廃棄)の両リスクを抑えることが、在庫管理の大きな目的です。
そのためには適正在庫の維持が大切。適正在庫とは、欠品リスクと在庫コストのバランスが取れた水準です。言い換えれば、欠品・過剰在庫どちらのリスクも最小の状態だといえます。
ただし、全ての品目を一律に管理するのは非効率です。生産への影響度や調達リードタイムなどを考慮して、A・B・Cなどランク分けして、重要度の高いAランク品は安全在庫を厚めに設定、影響度の低いCランク品は在庫を絞るといったように品目ごとに管理方針を変えましょう。
需要予測に基づき、生産・調達を最適化するため
製品在庫情報を正確に把握することで、需要予測(売上予測)が明確になり、そこから連なる→在庫計画→生産計画→調達計画といった工程を最適化できるようになります。
なぜなら製品在庫情報を正確に把握できていると、「何がいつどれだけ売れるか」といった需要が「見える化」できるからです。反対に在庫管理が不正確だと需要予測がブレ、その誤差が在庫・生産・調達の各計画に増幅されながら伝わっていくリスクがあります。
とはいえ、どうしても予測と実績の差(ブレ)は生じるため、定期的に計画を見直すことが重要です。製品在庫管理が正確だと急な注文でも部材可否を即判断できるため、受注生産の対応力が高まります。
また、原材料や部品などの調達時には、リードタイムを考慮して「いつ」「何を」「幾つ」手配するか決めることも大切です。時間に余裕を持って手配することで、必要な製品を必要なタイミングに供給できる体制が整います。
キャッシュフローを改善し、利益を確保するため
在庫が適正に管理されることで、資金の滞留期間が短縮されるため、結果的にキャッシュフロー改善につなげることが可能です。
在庫は、企業が原材料や部品を仕入れた時点で資金がモノに変わるため、過剰に抱えるほど手元のキャッシュが減少します。在庫や加工後の製品が売れるまでの間、現金は「モノ」という形で眠った状態になるため、在庫が増えるほど資金繰りの悪化を招きます。
在庫管理が徹底されており、需要予測と在庫情報が正確であれば、必要以上の仕入を抑制できるため、現金のムダな流出を防ぎキャッシュフローの悪化を防ぐことができます。
また、余っている在庫を正確に把握することで、売れ残りによる評価損・廃棄・値引き販売や、欠品による機会損失(売上・利益の取りこぼし)といった「利益を圧迫する要因」の可視化できます。
適正な在庫量を保つことで「資金効率」と「収益性」を両方改善できるでしょう。
生産性を向上させるため
在庫管理により、製品や原材料・部品などが「どこに」「どれだけ」保管されているか正確に把握できていると生産性が向上します。
製造業では、製品や原材料・部品の保管場所・数量が分からないと「在庫を探す」「欠品でラインが止まり待つ」「製品が見つからず作り直す」など、在庫管理不足に起因するムダが生じやすくなっています。この段取りや欠品対応に費やすムダな時間を削減できれば、本来注力すべきコア業務にリソースを注ぐことが可能です。
また、在庫管理の推進により入出庫・引当・工程実績のデータが整備されると下記のような変化が起こるため、手戻りを最小限に抑えられるのも生産性向上につながります。
- 担当者の手配判断や現場への指示が速くなる
- 計画変更が生じた際の影響(不足・過剰)を早期に把握できる
データの整備により、担当者の勘と経験に頼る属人的な運用から、ルールとデータに基づいた判断へ移行できます。
管理コストを最適化するため
適切な在庫量を保つことで、余分な管理コストを削減して最適化するのも在庫管理の目的の一つです。
原材料や部品、製品などの在庫を抱えることは、下記のような間接コストを発生させます。特に過剰在庫の状態が続くと、これらのコストは大きくなります。
- 保管スペースの確保
- 倉庫にかかる費用の発生(レンタル料や光熱費、人件費など)
- 倉庫作業
- 棚卸
- 廃棄/返品 など
在庫管理が徹底され余剰在庫を防止できれば、こうした間接コストを削減できます。
また、副次的効果として、在庫管理を徹底するプロセスで、在庫差異の原因である入力漏れや単位違い、ロケーション不備などを減らせるため、管理工数を下げられる効果もあります。
帳簿上の在庫と実際の在庫が一致するおかげで、半年に1回、1年に1回など、棚卸を頻繁に行う必要がなくなるのもメリットです。対象を絞って繰り返し実施する循環棚卸のような現場の負担を分散しながら在庫精度を高める手法も取り入れやすくなります。
顧客満足度を向上させるため
在庫管理を行うことは、顧客対応の質を高めるうえで重要な取り組みです。
適切な在庫量を保つことは、欠品防止や納期順守、安定供給につながるため、顧客からの信頼の獲得や継続的な取引を支えます。
また、リアルタイムな在庫状況を把握できれば、急な注文や仕様変更に対しても、すぐさま対応可否と納期を迅速に回答できるようになるため、レスポンス品質が向上。納期回答の根拠が在庫データに基づいて明確になることで、営業担当と顧客とのコミュニケーションが安定し、社内・社外との情報共有がスムーズになります。
こうした体制が整うことで、納期遅延や欠品を起因とするクレームを未然に防げ、顧客満足度の向上・維持を実現します。
製造業における在庫の種類と特徴
一口に在庫といっても、製造業においては多種多様なものが該当します。どのような在庫があるのか、その種類と特徴を解説します。
在庫の主な種類
在庫管理を行う際には、前提として、自社にどのような在庫が存在するか整理しておくことが在庫管理の第一歩です。製造業の在庫には、原材料や部品、製品以外にも、下記のようなさまざまな種類があります。
| 在庫の種類 | 説明 |
|---|
| 製品 | 製造が完成した完成品で、商品として販売できる品 |
|---|
| 半製品/中間品 | 製品に組み込まれるユニット品や中間品。完成品ではないが、そのまま販売することも可能 |
|---|
| 部品 | 製品や半製品、中間品の組み立ての一部として使う品。部分品の略称であり、パーツとも呼ばれる |
|---|
| 原材料 | 品目を製造するうえで必要となる原料や材料。原料は完成したときに原形をとどめないもの、材料は完成したときに原形をとどめているものとされるが、厳密には区別されておらず原材料とまとめていわれることもある |
|---|
| 仕掛品 | 製造現場に払い出された製造途中の部品や原材料。半製品/中間品と異なり、そのまま販売することはできない |
|---|
| 支給品 | 製造工程を外部工場に委託する際に支給する(される)原材料や部品。無償支給と有償支給がある。無償支給品は支給した方の資産として、有償支給品は支給された方の資産として管理される。有償支給品の費用は、外注仕入費と相殺する場合と通常の売上として処理する場合がある |
|---|
| 資材 | 製造に必要となる材料のほか、段ボールなどパッケージ用の包装資材やラベルを指すこともある |
|---|
どの在庫の管理が重要かは、業種・業態によって異なります。
- 組み立てが中心の製造業:部品や半製品などの管理が重要
- 加工が中心の製造業:原材料や工程間の仕掛品の管理が重要
- 配合を中心とする製造業:原材料や中間品の管理が重要
また、生産工程や管理目的ごとでも在庫の役割は異なり、重要度も変わります。例えば、調達段階では、生産の安定稼働を支える原材料の在庫が重視されるのに対して、製造段階では工程間のスピード差を吸収する仕掛品の在庫が重視されます。
加工業と配合業に共通する在庫管理の難しさ
在庫管理は製造業において欠かせないものですが、実際に徹底して行うには大きく三つの課題があります。
在庫管理が難しい理由
- 歩留まりとロスの
不透明さ - 切粉や端材、蒸発などのロスを定量化できない
- 投入量と出来高が合わず、在庫差異の原因が不明
- 実績記録を登録していないと、標準値の見直しができない(勘と経験)
- 複雑な在庫単位
- 発注(缶)・在庫(kg)・使用(g)など単位がバラバラ
- 現場の手計算や感覚に頼った換算によるミス
- 表計算ソフトによる管理限界と信頼性の低下
- ロット・有効期限
管理 - どの製品にどの原料ロットを使ったか追跡できない
- ロット管理を紙でしている
- 期限切れ在庫の廃棄や誤出荷のリスク
特に現場の勘や経験頼りになっている工程の場合は、データ化したくてもできない部分が多く、細かい管理が難しくなっています。
また、Excelや紙で計算・管理することで、在庫の数が合わなかったりロットを管理しきれなかったりといったヒューマンエラーの温床にもなりがちです。例えば、リコール時にピンポイントで不良品を特定できず、回収範囲が拡大して必要以上に費用が膨らむケースも考えられます。
こうした壁を乗り越えて、細かく管理を行き届かせることが大切です。
適正な在庫管理を実現するための考え方と管理指標
過剰在庫でも欠品在庫でもない、バランスの取れた適正な在庫を実現するための考え方と管理指標を解説します。
適正在庫の考え方
適正在庫とは、欠品によるリスクと在庫保有コストのバランスが取れた在庫水準を指します。
適正在庫の水準は、企業全体で一律に決めるのではなく、品目ごとの需要特性・用途・重要度に応じて個別に設定しましょう。品目によって需要の波や調達リードタイム、欠品時の影響度が異なるため、一律の基準で管理すると過不足が生じやすくなるためです。
具体的には、生産停止に直結する重要部品は安全在庫を厚めに確保し、需要が安定している汎用(はんよう)品は薄く保つなど、メリハリのある管理が効果的です。
適正在庫の維持が、経営基盤の安定につながります。
在庫管理の管理指標
在庫管理が大切だといっても、どのような観点から管理すべきか分からないと適切な在庫量を保つのは難しいでしょう。ここでは、在庫管理において注視すべき二つの管理指標をご紹介します。
需要予測・売上予測と在庫計画
需要予測とは、自社製品が将来どれくらい売れるかを見込む取り組みです。将来の需要をできる限り高い精度で予測して、必要なときに必要なだけ生産することが理想です。
そのため、在庫計画は生産計画との連動が不可欠で、製造数量・製造タイミングを在庫計画と整合させることで、現場の稼働ロスや余剰人員の発生を防げます。
一般的な需要予測の手法としては、次の三つのような統計的手法が挙げられます。
- 移動平均法
- 過去の売上の平均から、将来の需要を予測する手法
- 指数平滑法
- 過去の予測値と実績値を割り出し、両方を使って需要を予測する手法
- 回帰分析
- 需要と因果関係がありそうな変数を組み込んだ予測モデルを用いて、需要を予測する手法
従来は、営業担当者の見積りや顧客からのフォーキャスト情報(需要見通し)を活用して、勘や経験を基に予測することも多くありましたが、近年ではAIを用いることで、人では気付きにくいデータの傾向を捉えた高精度な予測も実現しています。
こうした予測結果を在庫計画に反映することで、過剰在庫や欠品といった需給アンバランスを防ぎ、保管コストや販売機会の損失を抑えられます。
在庫回転率などによる現状把握と分析
在庫回転率で現状を可視化すると、「なんとなく動きが悪い商品がある」「過剰在庫になっている気がする」という感覚的な課題認識を数値で明確にできます。
在庫回転率とは、保有する平均在庫が、一定期間に何回売れたかを示す指標です。「期間中の出庫数÷期間中の平均在庫数」で算出します。数値が高いほど在庫の入れ替わりが活発で、効率的に仕入コストが売上に変換されている健全な状態といえます。
在庫データを数値で分析することで、売れ筋商品と滞留在庫・動きの悪い在庫を客観的に可視化。仕入れ量の見直しや、販売戦略の修正へ踏み出す明確な根拠が得られます。
また、同業種の平均回転率と自社数値を比較すれば、在庫と販売のバランスのどこに課題があるかが明確になります。数値による現状把握こそが、在庫適正化に向けた改善の第一歩です。
在庫管理を最適に行う具体的な方法
在庫管理を行う必要があると分かっていても、なかなかうまく実行できていないケースも多いでしょう。最適な在庫管理を行う具体的な方法をご紹介します。
在庫管理の方法
在庫管理の方法は、大きく「手動管理」「Excel管理」「システム管理」の3種類に分けられます。
| 管理方法 | メリット | デメリット |
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| 手動管理 | | - 記載ミスや計算ミスが起きやすい
- 品目数が増えるほど管理が破綻しやすい
- 過去データを活用した分析にも対応できない
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| Excel管理 | - 低コストで紙よりも効率良く管理できる
- 自社の運用に合わせてカスタマイズしやすい
- 表計算機能により半自動で在庫数を算出できる
| - フォーマットを担当者個人が作り込むと属人化が進む
- 異動・退職時の引き継ぎが難しい
- リアルタイム更新や複数人での同時編集に限界がある
- 高度なデータ分析には不向き
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| システム管理 | - 製品を構成する部品や原材料を含めて、総合的に管理できる
- 入荷から出荷までの履歴をリアルタイムで一元管理できる
- 過去の出荷データを活用した需要予測や在庫回転率などのデータ分析もできる
- 複数拠点・複数担当者でも運用しやすい
| - 導入・運用コストが高い
- 操作習熟に時間がかかる場合がある
- 自社業務とシステムがマッチしないリスクがある
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ある程度の製品数量までは、紙やExcelでも管理できますが、品目・数量、構成品が増えるにつれ計算ミスや記載ミスが発生したり、計算式の管理が難しくなったりと、管理に穴ができるリスクがあります。
また、紙やExcelで管理していても、実際の運用と合っていないケースは多くあります。例えば、「現場で勝手に持って行ってしまう」「勝手に多く作ってしまう」「失敗したものを隠してしまう」など、帳簿上と実際の在庫が合わず、信用できないからと毎回現場に確認する非効率な運営も珍しくありません。
まだまだ今までの勘と経験で「だいたいこのぐらいだろう」と感覚的に進めている企業も多くあるのが現状ですが、最近では勘と経験が通用しにくくなってきており、在庫が思うようにコントロールできないという問題が発生しやすくなっています。
導入・運用コストは高くなりますが、余剰在庫の削減や欠品防止といった効果が大きく、データ分析による最適化ができる「システム管理」が、長期的にはコストパフォーマンスの向上が見込めます。
在庫管理を効率化するためのステップ
効率的な在庫管理は、ツールを導入するだけでは実現しません。目的の明確化から現状把握・ルール整備・標準化・システム化・継続的な改善まで、段階を踏んで取り組むことが重要です。ここでは、在庫管理を効率化するためのステップをご紹介します。
導入目的・KPIを決める
在庫管理の効率化に着手する前に、まず「何を改善するか」を明確にする必要があるため、在庫管理の目的とKPIを決めましょう。
余剰在庫の削減が目的なのか、欠品防止なのか、在庫回転率の向上なのかによって、取り組むべき施策は異なります。自社の現状を把握して、課題に応じて必要な施策を考えましょう。
- 余剰在庫が多い → 発注量・生産ロットの見直し、需要予測精度の向上
- 欠品が頻発する → 安全在庫の再設定、部門間の情報連携強化
- 在庫データが不正確 → 入出庫記録の仕組み改善、デジタル化
改善の方向性が定まったら、成果を測るKPIを設定します。代表的な指標としては、在庫回転率(年間売上原価÷平均在庫金額)や、欠品率、保管コスト率などがあります。
これらの目標値を各部門で共有することが重要です。部門ごとに異なるKPIで動いていると、営業は欠品回避のために多めの在庫を求め、生産は効率優先で大ロット生産を志向するなど、全体最適と相反する行動が生まれやすくなります。
導入目的とKPIを組織全体で統一することが、改善施策を実効性のあるものにする前提条件です。
現状の在庫を“正”にする
定期的な棚卸を実施し、システム上の在庫数と実際の数量を照合しましょう。在庫の正確な数量把握は、全ての在庫管理施策の土台です。
差異が見つかった場合は見落としで済ませず、入出庫の記録ミスや二重計上などの原因を特定し、業務フローそのものを是正することが重要です。原因に手をつけないまま数値だけを修正しても、同じズレが繰り返されてしまいます。
また、バーコードやQRコードを活用した入出庫管理を導入するといった手入力によるミスを減らし、リアルタイムで正確な在庫データを維持する手法の導入も検討しましょう。
システム上の数値と現物が一致している状態を維持することで、需要予測や発注管理の精度向上にもつながります。
適正在庫と補充ルールを決める
「いつ・どれだけ発注するか」を毎回考えなくて済むように、適正在庫と補充ルールを決めておくと、ムラ・ムダをなくしたり経験や勘で動いたりすることを防げます。
まず適正在庫を実現するには、品目をABC分析で分類して、品目ごとに管理の重点と発注ルールを変えましょう。売上・使用金額の大きいA品目は日次での在庫監視と精密な需要分析を行い、欠品リスクを最優先で抑えます。一方、重要度の低いC品目は週次・月次の簡易チェックと定期発注で対応し、管理工数を最小化します。
次に補充ルールを決めるには、「安全在庫」と「発注点」を数値で明確に設定しましょう。
- 安全在庫
- 過去の需要データと調達リードタイムのばらつきを基に算出。目標欠品率(例:1%以下)を満たせる最小量に絞る
- 発注点
- 「安全在庫+リードタイム中の平均使用量」で計算し、在庫がその水準を下回った時点で自動的に発注が走る仕組みを整える
この二つの数字を品目ごとに出して「在庫が発注点を下回ったら発注する」と決めれば補充ルールの完成です。ルールを定めると、担当者の判断ミスや発注漏れを防ぎやすくなります。
入出庫・引当・実績の運用を標準化する
入出庫・引当・実績の各業務は、担当者によってやり方がバラバラになりやすく、データの精度にばらつきが生じがちです。運用を標準化することで、誰がやっても同じ結果になるようにしましょう。
- 手順の統一
- 「入庫したらまずバーコードを読む」「引当は受注確定と同時に行う」といった作業の順番・方法を決める
- タイミングの統一
- 「実績はその日のうちに入力する」など、いつ記録するかを明確にルール化する
- ツールの統一
- Excelや紙のメモなど、人によって異なる記録手段を止めて全員が同じシステムに入力する
業務手順をマニュアル化して誰がやっても同じ結果が得られる体制を整えることで、システム上の在庫数と実際の在庫数の乖離(かいり)を抑制でき、発注判断や生産計画の精度が高まります。
また、マニュアル化の際には「現場視点でのメリット」を伝えましょう。何のために行うのか・現場がどう楽になるのかをきちんと説明しておかなければ、現場は「やらされているムダな工程」と感じやすくなります。そのため「棚卸が楽になる」「余計な残業を減らせる」など、具体的なメリットを伝えることが大切です。
システム化/「見える化」する
在庫管理の精度を高めるには、システム化による在庫状況の「見える化」が重要です。
「どこに何が幾つあるか」をリアルタイムで把握できていないと、実際の在庫数とシステム上の数が合っておらず誤発注したり、部門ごとにバラバラのデータを見ていて判断がずれたりといった問題が起きがちです。
「見える化」によってデータの精度と鮮度が上がれば、データに基づいて適切に判断をくだしやすくなります。そのためにはシステム化が欠かせません。手書きやExcelでの管理では、タイムラグや記録ミスが積み重なり「見えているつもりで実は見えていない」状態になりやすいからです。
特に品目数が多い・複数拠点や複数工程にまたがる・入出庫の頻度が高いといった企業ほど、アナログ管理では限界があります。
定期的な在庫管理の見直し
在庫管理の改善は一度行って終わりではなく、定期的に見直してアップデート・ブラッシュアップしていく必要があります。
需要パターンや調達環境、生産能力は変化するため、適正在庫の水準も定期的に再設定する必要があります。具体的には、在庫回転率・欠品率・保管コスト率などのKPIを定期的に測定し、目標値との乖離を確認しましょう。
乖離が見られた品目については、ABC分析を用いて重要度を再評価し、安全在庫の設定や発注点を修正します。また、各部門が個別最適を追いかけることで全体にひずみが生じることもあるため、営業・生産・購買の関係者が定期的に集まり、需給バランスを数値で確認することも有効です。
PDCAを回しながら改善を継続することで、現場の実態に即した在庫管理の精度を着実に高めていけます。
在庫管理のシステム化のポイント
在庫管理をシステム化するうえで、押さえておきたいポイントをご紹介します。システム導入後に「思ったより成果が出ない」「現場とかみ合わない」といった問題が起きないように、事前に確認しておきましょう。
システム化の種類
在庫管理のシステム化には、目的や規模に応じた複数の選択肢があります。
最も基本となるのが在庫管理システムで、入出庫の記録や棚卸、在庫状況の分析など在庫業務に特化した機能を備えています。
| システム名 | 主な特長・機能 | こんな企業におすすめ |
|---|
| 在庫管理システム | 入出庫の記録や棚卸、在庫数のリアルタイム把握、発注アラートなど在庫業務に特化。シンプルな構成で導入しやすい | 倉庫・物流・小売業など、在庫の正確な把握と棚卸効率化を優先したい企業 |
|---|
| 生産管理システム | 受注情報を基に、生産指示・工程進捗(しんちょく)・部材発注・在庫を一元管理。製造ラインの「モノの流れ」全体を可視化できる | 製造業(加工業・組立業・配合業など)で、納期管理や工程管理の精度を高めたい企業 |
|---|
| 販売管理システム | 受注・売上・請求・仕入・買掛・在庫を横断的に管理。在庫管理機能を内包しつつ、販売業務全体をカバーする | 卸売・商社・メーカーなど、販売から在庫・請求までを一つのシステムで完結させたい企業 |
|---|
近年はこれらに加え、下記のような仕組みとの連携も進んでいます。自社の業種・業態・規模に合わせ、単機能のシステムから複数機能を統合したERPまで、適切な組み合わせを選ぶことが重要です。
- IoT
- センサーで、倉庫内の在庫数や温度・湿度などをリアルタイムに取得。在庫管理システム・生産管理システムへ自動送信し、棚卸や入出庫の記録が自動化される。異常検知のアラートを即時に受け取れるのもメリット
- AI
- システムに蓄積された入出庫履歴・受注データ・季節変動などを学習し、将来の需要を予測。「いつ・何を・どれだけ発注すべきか」をシステムが自動算出でき、過剰在庫や欠品のリスクを大幅に抑えられる
システムの選定基準とポイント
無数にあるシステムの中から、自社にぴったりなものを選ぶには選定基準を定めておくことが大切です。自社に合うものを選びやすくなるのはもちろん、選定途中でブレが生じることを防げます。具体的には、下記のようなポイントに注意しましょう。
- 自社の生産形態に合うか:加工業・組立業・配合業など、業種によって必要機能が異なるため、同業種・同規模の導入実績があるシステムを優先的に検討する
- 必要機能が過不足ないか:多機能であればよいわけではなく、自社の課題解決に直結する機能がそろっているかを基準に選定する
- 現場が使い続けられるか:導入初期だけ活用されて、使いにくく形骸化するケースも多いため、現場担当者が日常的に操作しやすいUIか確認する
- データ連携と拡張性:販売管理・会計・発注管理など、既存システムとのデータ連携が可能か、事業拡大に応じて機能追加できる拡張性があるか確認する
- 導入後に回る体制か:システム稼働までの伴走支援はもちろん、トラブル発生時の対応スピードも含め、ベンダーのサポート体制も考慮する
特に「現場定着」は、導入後に最も失敗が起きやすい重要なポイントです。経営層や情報システム部門が選定しても、実際に毎日使うのは現場担当者です。現場にとって使いにくかったり作業の役に立たなかったりするようでは、現場に浸透せず使われなくなるでしょう。選定段階から、現場スタッフの生の意見・視点を取り入れることが大切です。
生産管理システム導入のメリット
生産管理システムを導入すると、在庫状況や数量をリアルタイムで正確に把握・管理できるようになり、業務効率化とコスト削減の両立が可能になります。その結果、適正在庫の維持により過剰在庫を防ぎ、保管コストの削減やキャッシュフローの改善につながります。また、在庫確認にかかる時間が大幅に削減され、担当者が本来の業務に集中しやすくなるのもメリットです。
在庫管理システムと生産管理システムの関係
在庫管理システムと生産管理システムは、どちらも「在庫」を扱うシステムですが、カバーする範囲と目的が異なります。二つのシステムの役割と連携のポイントを理解しておくことが、自社に合った運用設計の第一歩です。
在庫管理システムの役割
在庫管理システムは、品目ごとの在庫数量や入出庫の記録を一元的に管理し、「今どこに何が幾つあるか」を可視化するシステムです。手作業やExcelと比べて管理精度が大幅に向上し、棚卸の効率化や誤出庫の防止などに効果を発揮します。
ただし、在庫管理システム単体での導入は、管理できる範囲に明確な限界があります。在庫の実態を正確に把握するには、受注・出荷のデータ、発注・受入のデータ、製造工程での入出庫データがリアルタイムで連動していることが前提です。これらの連携がない状態では、システム上の在庫数と実際の在庫数がすぐにずれはじめます。
例えば、受注による出荷や製造時の部材消費がシステムに反映されなければ、「帳簿上は在庫があっても現物はない」という事態が起こります。在庫管理システムだけを先行導入することは、根本的な課題解決にならないケースが多く注意が必要です。導入検討の段階から、周辺業務との連携を視野に入れることが不可欠です。
生産管理システムとの違い
生産管理システムは、生産計画の立案から工程管理・原価管理・納期管理までを包括的に扱う基幹業務システムです。
在庫管理は、生産管理システムの構成要素の一つであり、資材の調達計画や発注計画と連動することが前提となっています。一方、在庫管理システムが対象とするのは、現物在庫の保管場所・入出庫実績・棚卸といった倉庫内の現場業務です。
| 比較項目 | 在庫管理システム | 生産管理システム |
|---|
| 主な目的 | 現物在庫のリアルタイム把握・管理 | 生産計画の立案・QCD最適化 |
|---|
| 管理対象 | 保管場所・入出庫実績・棚卸 | 生産計画・工程・原価・納期 |
|---|
| 管理の視点 | 今・どこに・何が幾つあるか | いつ・何を・幾つ作るか |
|---|
| 在庫管理の位置づけ | 主機能 | 構成要素の一つ |
|---|
| 主な利用者 | 倉庫・現場スタッフ | 生産管理部門・経営層 |
|---|
| 情報の性質 | 現場レベル(現物・実数) | 計画レベル(予定・推移) |
|---|
| 他システムとの関係 | 生産管理システムを補完 | 在庫管理を内包しつつ全体統括 |
|---|
つまり、生産管理システムが「いつ・何を・幾つ作るか」という経営・計画レベルの情報を扱うのに対し、在庫管理システムは「今・どこに・何が幾つあるか」というリアルタイムの現物情報を扱います。
管理の目的と対象範囲が異なるため、両者は競合するものではなく、それぞれが補完し合う関係にあります。
在庫管理と生産管理の連携ポイント
生産管理システムと在庫管理システムを連携させるポイントは、生産計画と在庫データをリアルタイムで同期させる点にあります。
生産計画を立案する際に、現在の在庫数量や調達リードタイムを参照できれば、必要な資材を過不足なく手配でき、欠品による生産停止や過剰在庫によるコスト増加を防げます。
また、設計変更や納期変更が生じた場合も、在庫情報へ即座に反映することで、発注済みの資材数量の見直しや優先順位の調整がスムーズに行えるでしょう。現場での取り違えや、欠品リスクを防げます。
在庫管理を単独の業務として切り離して運用すると、在庫状況が生産計画に反映されるまでにタイムラグが生じ、情報のズレが部門間の連携ミスや納期遅延に直結するかもしれません。
製造業では、生産管理システムの「いつ・何を・どれだけ作るか」を計画する機能と、在庫管理システムの「今・どこに・何が幾つあるか」を正確に把握する機能を組み合わせて、データが双方向に流れる仕組みを構築することが安定した生産体制の土台となります。
生産管理システム導入による在庫管理のメリット
生産管理システムを導入すると、在庫管理の精度が上がったり運用が楽になったりと多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットをご紹介します。
1.製造業の在庫の種類に合わせた管理ができる
生産管理システムを活用すると、製造業の品目の種類に分けた在庫管理ができます。単に在庫といってもさまざまな種類があります。どの在庫の管理が重要かは業種・業態によって異なります。組み立てが中心の製造業では部品や半製品などの管理が重要であり、加工が中心の製造業では原材料や工程間の仕掛品の管理、配合を中心とする製造業では、原材料や中間品の管理が重要になります。製造業の場合、以下のようなものを考慮しましょう。
| 在庫の種類 | 説明 |
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| 製品 | 製造が完成した完成品で、商品として販売できる品 |
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| 半製品/中間品 | 製品に組み込まれるユニット品や中間品。完成品ではないが、そのまま販売することも可能 |
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| 部品 | 製品や半製品、中間品の組み立ての一部として使う品。部分品の略称であり、パーツとも呼ばれる |
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| 原材料 | 品目を製造するうえで必要となる原料や材料。原料は完成したときに原形をとどめないもの、材料は完成したときに原形をとどめているものとされるが、厳密には区別されておらず原材料とまとめていわれることもある |
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| 仕掛品 | 製造現場に払い出された製造途中の部品や原材料。半製品/中間品と異なり、そのまま販売することはできない |
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| 支給品 | 製造工程を外部工場に委託する際に支給する(される)原材料や部品。無償支給と有償支給がある。無償支給品は支給した方の資産として、有償支給品は支給された方の資産として管理される。有償支給品の費用は、外注仕入費と相殺する場合と通常の売上として処理する場合がある |
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| 資材 | 製造に必要となる材料のほか、段ボールなどパッケージ用の包装資材やラベルを指すこともある |
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2.有効在庫の時系列管理ができる
生産管理システムを導入すると、製造業の有効在庫の時系列管理ができます。有効在庫とは、実際に使うことができる在庫のことです。具体的には、以下の計算式で求められます。

有効在庫数量は、時系列で捉えていく必要があります。入庫・出庫予定は、今日・明日・1週間後など日々変化するからです。Excelのような表計算ソフトなどで管理している企業もありますが、品目が多ければ多いほど適正管理は至難の業です。
この点、生産管理システムを活用すると、日々変動する有効在庫を時系列で管理できます。受注や生産計画の情報から所要量計算を回し、入庫予定や出庫予定、リードタイムを把握して、納期に合わせて必要な部品数を自動的にはじき出してくれるので、現場で判断する必要がありません。
また、従来は現場の勘や経験に頼っていた適正在庫数量の算出も、これまでの受発注や入出庫データなどから分析することが可能です。

3.在庫の引当管理ができる
生産管理システムを導入すると、製造業の引当を含めた在庫管理ができます。
「在庫引当」とは、注文を受けた段階で必要な分の在庫を確保しておくことです。それにより使いたいときにあったはずの在庫がない、といったトラブルを避けることができます。製造業の場合、在庫引当には、「製品」在庫の引当と「部品や材料」在庫の引当の2種類があります。
生産管理システムを導入すると、製品在庫の引当と部品や材料在庫の引当が適正化されます。
ただし、引当分以外に一切使えないようにしてしまうと、急な受注があった際にそちらに割り当てるなどの対応ができないため、柔軟な運用が必要です。
4.製造業の棚卸が楽にできる
生産管理システムを導入すると、製造業の棚卸が楽に実施できるようになります。
棚卸とは、決算日に残っている製品などの在庫数を確認して、在庫金額を計算することです。棚卸には、会社の損益を把握する重要な意味があります。
生産管理システムを導入して、日々の在庫を適切に管理できていれば、大変な棚卸も楽にでき、半年に一度の棚卸や月次棚卸も可能です。コンピューター上の在庫と現物の在庫が合致しているかを確認すればいいので、日次棚卸も実現できます。
生産管理システムにより在庫管理の精度が上がり、帳簿上の在庫と実際の在庫の一致率が高まれば、面倒な棚卸の頻度を最小限にすることも可能です。すると、毎月棚卸が必要だった企業でも、半年に1回や年に1回、数年に1回など、棚卸の頻度を下げられます。
5.柔軟な単位変換ができる
品目ごとに発注単位・在庫単位・使用単位をそれぞれ個別に設定でき、場面ごとに異なる単位を設定できるようになります。例えば、原材料をキログラム単位で仕入れ、本単位で在庫管理し、ミリメートル単位で使用するといった複合的な単位体系にも対応可能です。
また、一つの品目に複数の単位を登録しておくことで、場面に応じた単位を自動的に呼び出せます。入出庫処理の際は設定した変換係数を基にシステムが自動換算するため、現場での手計算は不要です。計算ミスによる誤発注や過剰在庫の発生といったヒューマンエラーを未然に防ぎ、在庫精度と発注精度の両方を高められます。
6. ロット管理や有効期限管理ができる
生産管理システムを導入すると、原材料の入庫から製造工程での使用、製品の出荷まで、全ての履歴をロット単位で追跡できるようになります。
そのため、品質トラブルが発生しても対象ロットと影響範囲を即座に絞り込めるため、原因究明や製品回収にかかる時間を大幅に短縮できます。該当ロットだけを回収できるので、回収・対応にかかるコストや手間を最小限に抑えられるます。
また、期限間近・期限切れの在庫を自動検知してアラートを表示してくれるため、期限切れ原材料の工程投入を未然に防いだり、廃棄になる前に出荷順を調整しやすくなったりと、品質事故・不良品出荷の防止や廃棄ロスの削減に効果的です。
入荷日・製造日ごとのロット在庫を把握できることで、古い在庫から順番に出荷する先入・先出を確実に実行できます。担当者の経験や判断に頼らずに済むため、現場作業の標準化にもつながります。
大塚商会の在庫・生産管理ソリューション
生産管理システムの導入を検討しているなら、大塚商会の在庫・生産管理ソリューションがおすすめです。どのようなシステムなのか、特長を解説します。
大塚商会の生産管理システム「生産革新ファミリー」
「生産革新ファミリー」は、お客様の要望を製品開発に生かした大塚商会のオリジナル生産管理システムで、六つのパッケージシステムにより全ての製造業に対応しています。受発注、在庫、品質、原価など、さまざまな生産管理の悩みを解決し、販売や会計など基幹業務システムとのデータの相互連携も実現します。









生産革新 Fu-jin
販売管理と一体化された組立業向け製販一気通貫型の生産管理システムです。製品構成が決まっている標準品の見込・受注生産に対応し、構成部品の発注・在庫管理や製造・進捗、出荷・売上、請求・入金・支払などをトータルに管理。「リードタイム短縮」、「納期遵守」、「コスト低減」、「生産性向上」等をサポートします。自社工場を持たないファブレス企業にも対応できます。

生産革新 Raijin
標準品や規格品の“繰返生産”と、個別品や特注品の“個別受注生産”との両方に対応したハイブリッド型の生産管理システムです。また、販売管理と一体化された組立業向け製販一気通貫型のシステムであるとともに、部品構成表管理システム「生産革新 Bom-jin」と連携し、設計部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減、納期短縮、生産効率の向上を実現します。

生産革新 Ryu-jin
自動車・電気部品や、金属・樹脂・食品などを繰返生産・量産加工する製造業に特化した生産管理システムです。内示・フォーキャスト・確定受注などの情報を基に、変化に強い柔軟な生産計画が行え、工程間の仕掛在庫なども含めた在庫の適正コントロールが可能。

生産革新 Wun-jin
販売管理をベースに工程管理や製造指図書発行などが行える、シンプルなオールインワンパッケージのクラウド型システムです。「大げさな生産管理システムは必要ない」といったお客様のご要望にお応えします。また、クラウド利用で初期費用を抑えることによって、これまでシステム導入が難しかった小規模加工業様もすぐにご利用いただけます。

生産革新 Blendjin
化学製品・食品・香料・化粧品・薬品などを配合する製造業向けの生産管理システムです。配合表・レシピをもとに材料手配、製造指示、製品・材料・資材などの在庫管理や、ロットトレース機能による品質管理、品質検査の記録管理などをトータルにサポートします。

生産革新 Bom-jin
生産管理とのデータ連携を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、サプライチェーンとエンジニアリングチェーンの要となるBOM(部品構成表)構築、標準化・流用化設計、設計業務の効率化を実現します。
在庫管理・生産管理を支援する関連システム
生産革新ファミリーと合わせて、販売・仕入・在庫情報を一元管理できる「SMILE 販売」を組み合わせることで、受注から出荷・棚卸まで基幹業務全体を一つのシステムで完結できます。複数拠点や複数倉庫を持つ企業でも在庫状況をリアルタイムで把握でき、過剰在庫や欠品といったリスクを軽減できます。
また、汎用タイプから製造業・食品業など業種特化型まで幅広いラインアップを用意しているため、在庫管理の属人化・棚卸工数の増大・在庫差異の頻発といった自社固有の課題に応じた製品選定が可能です。
オンプレミス・クラウドの提供形態にも対応しており、スモールスタートによる段階的な導入も検討できます。
生産管理システム導入による在庫管理の改善事例
生産管理システムを導入し、在庫管理の効率化を実現させた企業の事例をご紹介します。
日本メタルガスケット株式会社
事業内容
メタルガスケットおよび各種ガスケットの開発・製造・販売
棚卸期間を5日から2日へ短縮、入力専門オペレーター1.5人分の工数削減
日本メタルガスケット株式会社では、多品種・少量生産への移行で、製品点数が約250点から750点以上に増加し、生産管理の複雑化が課題となっていました。従来は、1日の生産終了後に担当者が紙へ実績を手書きし、翌日にオペレーターがシステムへ入力する運用だったため、前日データのまま翌日の生産をスタートせざるを得ない状況です。手書き文字の判読ミスや数字の転記ミスも頻発し、データの信頼性に問題を抱えていました。
こうした課題を解消するため、生産管理システム「生産革新 Ryu-jin V 2nd Edition」とIoT・RPAを連携させたDXを実施。全生産設備にIoT端末を設置し、生産数量や稼働時間をリアルタイム収集、RPAで夜間に自動取り込みする仕組みを構築しました。
入力作業が自動化されたことにより、入力専門オペレーター1.5人分の工数がゼロになり、担当者はより付加価値の高い業務に集中できるようになりました。また、ヒューマンエラーの排除でデータ信頼性が向上し、在庫・進捗管理のタイムラグも解消。在庫管理の精度も向上したことで、棚卸期間の5日から2日へ短縮に成功しています。
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著者︓株式会社大塚商会 谷口 潤
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