「ものづくり」を支える「生産革新ファミリー」とは

日本の製造業を支える中堅・中小企業にとって、「品質」「原価」「納期」の三要素をいかにバランスよく管理するかは、競争力の源泉です。大塚商会が提供する「生産革新ファミリー」は、こうした製造現場の課題に真正面から向き合い、業務全体の最適化を支援する生産管理ソリューションです。
この「生産革新ファミリー」は、組立・加工・配合といった多様な製造業態に対応する六つのパッケージで構成されています。繰り返し組立業向けの「生産革新 Fu-jin」、個別受注と標準品の両方に対応する「生産革新 Raijin」、量産加工業向けの「生産革新 Ryu-jin」、多品種少量加工業向けのクラウド型「生産革新 Wun-jin」、配合業向けの「生産革新 Blendjin」、そして部品構成表管理に特化した「生産革新 Bom-jin」といった業種・業態に応じた最適な選択が可能です。
実際の導入では、真の実稼働を実現するため、大塚商会の専門組織「製造SP」が現場の声を丁寧にヒアリングし、業務形態や課題に応じて柔軟に構成を提案します。
繰返・量産加工型に特化した「生産革新 Ryu-jin」とは
「生産革新ファミリー」の中でも「生産革新 Ryu-jin」は、組立業向けの「生産革新 Fu-jin」や「生産革新 Raijin」とは異なり、繰返生産・量産加工を行う製造業に特化した生産管理システムです。特に高額なプレス機や成形機などを使用する加工現場において、機械の稼働率や段取り替えの効率を最大化することをコンセプトとし、以下のような特長を備えています。
対象業種と生産形態
「生産革新 Ryu-jin」は、自動車・電気部品、金属加工、樹脂加工、食品製造など、繰返生産や量産加工を行う製造業に特化し、現場で求められる特定の課題解決に対応しています。
システム構成
販売管理システムに依存せず、単体で稼働できる点が大きな特長です。この柔軟性により、既存の販売管理システムを継続して活用しながら、生産管理機能のみを刷新したいという企業のニーズに応えることができます。
計画策定の柔軟性
自動車産業で一般的な内示や、電気業界のフォーキャストといった予測情報に加え、確定受注データも活用し、変化に強い柔軟な生産計画を立案できます。確定受注を待っていては納期に間に合わないという加工業特有の事情に対応するため、予測情報を基に先行してものづくりを行う計画立案をサポートします。
管理手法
組立業向けシステムで一般的な製番管理(受注にひも付けて管理する手法)をあえて採用せず、総量管理の考え方を取り入れている点も「生産革新 Ryu-jin」の特徴です。総量管理では、異なる受注や内示であっても同じ品目ごとにまとめて計画・指示を行えるため、効率的なまとめ生産が可能になります。これにより頻繁な段取り替えの削減が可能になり、生産効率の向上につながります。
重点管理項目
特に機械の稼働率や段取り替えの効率が重視されるため、工程ごとの生産ロット、負荷、仕掛在庫のコントロールが重要な管理項目になります。工程能力差(機械工程と手作業工程など)による仕掛在庫の滞留を防ぐために、計画段階で上限在庫や下限在庫の設定を考慮し、適正在庫を維持することで、リードタイム短縮とコスト削減を実現します。
主な導入業種例
「生産革新 Ryu-jin」は、以下のような幅広い繰返・量産加工業種に対応しています。
| 業種カテゴリー | 導入例(製品・業態) |
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| 金属加工・鉄鋼業 | 金属プレス製品製造、鍛工品製造、金属スプリング製造、鋲螺(びょうら)類製造など |
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| 樹脂製品製造業 | 工業用樹脂製品製造、合成樹脂製容器製造、工業用樹脂製品加工など |
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| 輸送用機械製造業 | 自動車部品製造、自動車操縦装置製造など |
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| 食品製造 | 肉製品製造、水産食料品製造、調味料製造、総菜製造など |
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| 機械製造業 | 建設・鉱山機械製造、ベアリング製造、油圧・空圧機器製造など |
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繰返・量産加工型の製造現場でよくある課題
繰返・量産加工業では、機械の稼働効率や資材調達の複雑さなどを背景に、さまざまな課題に直面することがあります。特に計画の精度、在庫管理、品質トレーサビリティといった面で、次のような問題が起きやすい状況があります。
【納期】計画の非効率と納期リスク
工程ごとの生産ロットや段取り替えの効率、工程負荷を十分に考慮しないまま計画を立てているとムダが多くなり、生産効率の低下や納期遅延につながる恐れがあります。
さらに自動車業界の内示や電気業界のフォーキャストといった予測情報と、確定受注データがうまく連携されていない場合、計画の遅れや納期リスクが常に発生します。特に加工業では、確定受注を待っていては間に合わないため、予測情報を基に先行して手配を進める必要が生じます。
【部材構成】複雑な単位管理と共通材料の管理不足
品目ごとの在庫単位・発注単位・使用単位の変換が適切に行われないと、計算ミスによって誤発注や過剰在庫が生じる恐れがあります。例えば、キロで仕入れ、本で在庫管理し、ミリで使用するといった複雑な単位変換が求められるケースもあり、正確な管理が欠かせません。
さらに複数の製品に共通する材料や中間品の管理が不十分な場合、在庫を有効に活用できず、結果として調達の効率が落ちてしまいます。
【在庫】仕掛在庫の滞留と適正コントロールの困難さ
機械工程と手作業工程などの生産能力の差を計画段階で十分に考慮していない場合、仕掛在庫が滞留し、結果としてリードタイムの延長やコスト増加につながります。
また、工程ごとの仕掛在庫量を適切に管理できない場合、過剰在庫や欠品が発生し、安定した供給やコスト面に支障をきたすことがあります。
【調達】共通材料の非効率な発注
複数の製品で共通する材料の必要数を自動的に集計できない場合、発注の効率が悪化し、精度も損なわれてしまいます。さらに共通材料の必要数や在庫状況を全体的に把握できない場合、まとめ発注(ボリュームディスカウント)が行えず、結果として調達コストやリードタイムが増加してしまいます。
【工程】段取り替えの多発と生産性・稼働率の低下
工程間で仕掛品の適正な在庫を管理できない場合、生産が滞りやすく、納期の遅延が繰り返される恐れがあります。さらに生産ロットや工程ごとの能力差、負荷状況を十分に考慮していない場合、段取り替えが頻発し、その結果として機械の停止時間が増え、生産性や設備稼働率の低下につながります。
特に高価なプレス機や成形機を導入している中小製造業にとっては、機械を遊ばせないための効率的な計画が重要です。また、品目ごとの加工工程を正しく設定していない場合、工程負荷に偏りが生じ、計画の安定性が損なわれます。
【原価】原価管理の遅れと改善活動の停滞
下位構成品レベルでの原価積み上げ計算を手作業に頼っていると、品目ごとの原価を正確に把握することが難しくなります。さらに標準原価と実際原価の差を十分に分析できない場合、改善活動が停滞し、ムダの発生や利益率の低下につながります。
【品質】トレーサビリティの不足と品質リスクの増大
製品に使われた原材料の調達先や使用履歴、または特定の原材料を用いた製品を正しく把握できない場合、ロットトレース(トレーサビリティ)の確立が困難になります。その結果、不具合が発生した際には原因の解明や影響範囲の把握に時間を要し、品質リスクが増大します。特に自動車産業や食品製造のように品質基準が厳しい業種では、トレーサビリティの確保が欠かせません。

上記のほかに販売受注連動パターンとして運用することも可能です。
「生産革新 Ryu-jin」でスムーズに解決
繰返・量産加工業に特化した「生産革新 Ryu-jin」を導入することで、機械の稼働率や仕掛在庫のコントロールといった現場特有の課題に対して、実務に即した機能による具体的な解決が期待できます。ここでは前項で挙げた課題に対して、「生産革新 Ryu-jin」がどのようなアプローチで改善を実現するかをご紹介します。
工程負荷・段取り替えを考慮した最適な生産計画
「生産革新 Ryu-jin」は、一般的な製番管理ではなく、まとめ生産を前提とした総量管理の考え方で運用されるため、効率的な生産計画の立案が可能になります。
まず、工程ごとの生産ロットや効率的な段取り替え、さらに工程負荷を十分に考慮した計画を立案できることでムダのない計画が実現し、生産効率と納期順守率が向上します。
また、内示やフォーキャストといった確定受注前の予測情報と確定受注データを適切に活用することで先行手配が可能となり、確定受注を待っていては間に合わないという加工業特有の事情に対応し、部材不足による計画遅延を防止できます。
一つの材料から一つの型で複数の異なる形状の製品を生産する「セット取り」にも対応した計画立案が可能となり、効率的な生産を実現します。

単位変換機能と共通材料の統合管理
複雑な単位管理や共通材料の管理不足といった課題に対し、「生産革新 Ryu-jin」は調達効率化に直結する機能を提供します。
まず、品目ごとの在庫単位・発注単位・使用単位を変換できる機能により、キロで購入し、本で在庫し、ミリで使用するといった異なる単位を扱う場合でも計算ミスを防止できるため、誤発注や過剰在庫の発生を抑えてコスト削減と計画精度の向上につながります。
また、複数製品間で共通する材料や中間品を一元的に管理できるため、在庫の有効活用が可能となり、調達効率化とリードタイム短縮に役立ちます。加えて、品目ごとの加工工程をきめ細かく設定できることで、工程ごとに最適な生産計画を立案し、工程負荷の平準化と安定した納期を両立することができます。
工程能力差を考慮した仕掛在庫の適正コントロール
「生産革新 Ryu-jin」のマスター構造は、工程間の生産能力差を計画に反映させることを可能にします。
一般的な部品構成(BOM)ありきの管理ではなく、工程を重視したマスター構成となっているため、工程ごとの生産能力差を正確に反映できます。これにより工程能力差による仕掛品を計画段階で考慮し、過剰在庫や欠品を防止することで、仕掛在庫の滞留を回避し、リードタイム短縮とコスト削減を実現します。
さらに工程ごとの上限在庫、安全在庫、下限在庫を設定し、安全在庫を満たす、あるいは上限在庫を超えない計画を立てることで、在庫が過少・過剰にならないよう適正にコントロールでき、安定供給と在庫コストの低減につながります。

生産計画に基づく発注計画の自動立案とまとめ発注
生産計画に連動した発注計画を自動で立案することで、調達業務の効率化とコスト削減を実現します。
生産計画から算出された所要量に基づき、在庫状況や発注ロット、発注単位を考慮した不足分の発注計画を自動的に作成するため、原材料の手配漏れを防止できます。さらに複数製品の生産で必要となる共通材料の要求数を自動集計することで、効率的かつ柔軟な発注計画が可能になります。
共通材料の要求数や在庫数を包括的に把握することで、まとめ発注(ボリュームディスカウント)による購買効率化とコスト低減を実現し、価格競争力の向上につながります。
段取り替え最小化とリアルタイムな負荷調整
高価な機械設備を多く抱える加工業において、重要となる設備稼働率の最大化を支援します。
工程ごとの生産ロットや能力差、負荷状況を考慮し、段取り替えを最小化する最適な生産計画を立案することで、生産性や設備稼働率を高め、製造コストの削減につなげることができます。
また、工程別や機械別に計画情報(負荷)の確認や変更が可能であり、上限負荷時間を設定しておくと色による警告表示で負荷オーバーを早期に察知できるため、迅速な計画変更や調整が行えます。
IoT / MES連携オプションを利用することで、IoT実績収集システム「実績班長」などと連携し、生産指示に対する機器や作業の実績をリアルタイムで収集できます。これにより作業の着手や完了、中断、段取り替えや中断理由を正確に把握でき、生産性のさらなる向上に役立ちます。
下位構成品レベルからの原価自動集計と差異分析
原価積み上げ計算を自動化することで、迅速かつ正確な原価把握と改善活動の推進を可能にします。
まず、下位構成品レベルでの原価積み上げを自動集計することで、品目ごとの原価を正確に把握でき、迅速な収益性分析が可能となり、コスト改善に直結します。さらに品目ごとの標準原価と実際原価の差異を分析することで、改善活動に生かすことができ、ムダの削減や利益率の向上につながります。
製品・原材料間の双方向ロットトレース
厳格な品質管理が求められる自動車部品や食品製造業において、品質リスクの最小化につなげられます。
ロットトレース機能により、製品に使用された原材料がいつどこから購入あるいは生産されたものなのかを的確に把握することができ、親品番(製品)から子品番(原材料)へ、また子品番から親品番へと双方向のトレーサビリティを確保します。これにより不具合発生時の原因究明や影響範囲の特定が迅速化され、品質リスクの低減につながります。
「生産革新 Ryu-jin」の特長
「生産革新 Ryu-jin」により、繰返・量産加工業を営む企業の業務効率が高まるだけでなく、経営面でも多くのメリットが得られます。ここでは、「生産革新 Ryu-jin」の主な特長をご紹介します。
繰返・量産加工型に特化
自動車・電気部品、金属・樹脂・食品などの製造業に対応し、繰返・量産加工型に特化した仕組みを備えています。
最適な生産計画立案
内示やフォーキャスト情報に基づき、工程別在庫や負荷を考慮した最適な生産計画を立案することができます。
仕掛在庫の適正管理
工程能力差による仕掛在庫の滞留を防ぎ、適正在庫を維持することで納期順守率を向上させます。
発注計画の自動立案
生産計画にひも付いた発注計画を自動で立案し、共通材料のまとめ発注によって調達コストを削減します。
単位変換機能による精度向上
発注単位・在庫単位・使用単位の変換機能を備え、計算ミスを防止します。
工程重視のマスター構成
工程を重視したマスター構成により、加工手順を正確に表現し、効率的な生産管理を実現します。
品質向上とトレーサビリティ
ロットトレース機能を活用することで、品質向上とトレーサビリティの確保が可能です。
IoT / MES連携による実績収集
IoT / MES連携オプションを利用することで、リアルタイムでの実績収集が可能になります。
開発ツール連携による柔軟性
開発ツールとの連携により、カスタマイズを低減し、現場にフィットしたシステム構築を実現します。
単体動作の柔軟性
販売管理システムに依存せず、単体での運用が可能です。
「生産革新 Ryu-jin」導入ステップ
「生産革新 Ryu-jin」を含む「生産革新ファミリー」では、単なるシステム提供にとどまらず、導入企業が安心して稼働まで進められるよう、体系化された導入プロセスを提供しています。現場の実態に即したフィッティングから、実稼働までの各ステップは、業務の定着と成果創出を確実にする設計となっています。

1.フィッティングコンサルティング
まずは現場の業務内容や課題を丁寧にヒアリングし、「生産革新 Ryu-jin」の機能と照らし合わせながら、最適な運用イメージを構築します。標準機能でどこまで対応可能か、必要なカスタマイズは何かを明確にし、導入の方向性を固める重要なステップです。
2.マスターシミュレーション
次に実際の業務データを基にマスター情報の整備とシミュレーションを行います。この段階では、代表的な製品を中心に、運用に必要となるマスター情報の登録を行います。また、システム導入・入れ替えのタイミングで既存のマスター情報を見直す場合も多く、マスターの精度が、後工程の安定性を左右するため、何度も丁寧な検証が必要となります。
3.運用シミュレーション
構築されたシステム環境を使い、実際の業務フローに沿った運用シミュレーションを実施します。受注から出荷、在庫管理、原価計算まで、各業務が想定どおりに動作するかを確認し、運用上の課題や改善点を洗い出します。ここでの検証が、次のステップである並行稼働の成功につながります。
4.並行稼働
本番環境と旧システムを並行して稼働させることで、業務への影響を最小限に抑えながら、新システムへの移行を進めます。実務担当者が実際に操作することで、習熟度が高まり、現場での定着が加速します。並行稼働の期間中に発生する課題もプロジェクトメンバーが一体となって対処していきます。
5.実稼働
並行稼働を経て、いよいよ本番稼働へ移行します。業務フローが安定し、システムが現場に定着した段階で正式な運用がスタート。導入後もサポート体制が継続されるため、運用中の改善や機能追加にも柔軟に対応可能です。
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