公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)
大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。
意外に分かっていないリースと買い取りの違い。そのもの自体の違いは分かっていても税務対策はどう違うのかまで分かっていないのが実情。今回はそこをきちんと解説していただきます。
[2016年 8月19日公開、2023年12月27日更新]
まとまった金額の設備投資を実行しようとする時、購入方法について検討する必要があります。余剰資金がないようであれば、借り入れをして購入するか、リースとするかを選ばなくてはなりません。余剰資金があれば現金で一括購入ということも選択肢に入ってきます。それでは、リースと買い取るのとどちらがお得なのでしょうか?
まずは経済的な観点で見てみます。リースとはその名の通り、モノを賃貸することです。一定の期間、モノを借りて、その間の賃借料を払い、期間終了後にモノを返すというのがリースの基本です。使用できる期間は限られていますが、購入するよりも安く済むという利点があります。
しかし、リース契約の中には中途解約が禁止され、リース料の総額がモノの購入価格とほぼ変わらない場合があります。これをファイナンス・リースといいます。ファイナンス・リースはモノの購入金額を一定期間にわたって支払っていることになりますから、経済的実態としてはモノを割賦で購入したこととほぼ一緒になります。
銀行から借り入れをして購入した場合も、購入金額である元本に利息を上乗せしたものを一定期間で返済していくので、基本的にファイナンス・リースとお金の流れは同様になります。
現金での一括購入はお金が最初に出ていくのみで、モノはずっと使えるという一番シンプルな形です。
税金はどうなるのでしょうか。買い取った場合は、通常の減価償却費として、照明器具の場合は15年にわたって経費となります。ファイナンス・リース以外のリースでは、その期間に対応するリース料が経費となります。ファイナンス・リースの場合は2パターンあり、一つはリース期間終了後に無償または安い金額で買い取れるオプションがついているものです。これを所有権移転ファイナンス・リースといいます。譲渡権つきリースもこれに該当します。所有権移転ファイナンス・リースは購入した場合と全く同じ処理になります。つまり、設備投資した金額が法定耐用年数15年にわたって減価償却費として経費になるということです。もう一つはそれ以外のファイナンス・リース(所有権移転外ファイナンス・リースといいます)についても、購入した場合とほぼ同様の処理ですが、減価償却費だけリース期間(図1では5年間)にわたって定額で計上していくことになります。
図1がキャッシュの動きと経費計上のタイミングのイメージになります。資金繰りと経費になるタイミングを勘案して自社に合っているのはどの方法なのかを検討しなければなりません。税務上の取り扱いについては顧問税理士にご相談ください。
最適な導入方法の考え方は企業によってさまざまです。これまでのまとめを行いながら、「資金繰り計画」を中心にとらえた内容をお届けします。
公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)
大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。
導入コストが気になる方には、リースでの導入をお勧めします。リース期間が満了すると、所有権はお客様に移行する「譲渡権つきリース」なので、リース期間が終わってもそのままご利用いただけます。
蛍光灯からLED照明に取り替え工事をした場合、LED照明への取り替え費用は税務上どのような取り扱いになるでしょうか?
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