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大塚商会 インサイドビジネスセンター LED相談室

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あかるい税制活用
第14回 LED照明で使える税制の種類と特徴

LED照明の導入をする際に活用できる税制を知ることで、皆様の会社の希望や状況に適した税処理をすることができる可能性があります。適用される税制の種類や条件などをご紹介します。

[2023年11月27日公開]

新規の取得か、既存の照明設備の修理・改良か?

『LED照明の導入にあたって活用可能な税制を判断する』ためには、それが「新規の固定資産の取得」か、「既存の照明設備の修理・改良」かを判断する必要があります。建物の新築・増築などで電気設備そのものを新設し、それに付帯するLED照明を購入する場合、また、それ自体が照明設備そのものであるコンセントを挿して単独で機能するような照明器具を導入する場合は、新規の固定資産の取得と判断できます。一方、安定器や分電盤などと一緒にあることで照明として機能できるLED照明の工事の場合は、既存の照明設備の修理・改良に該当するものと考えられます。

後者の"既存の照明設備の修理・改良"と判断されるのであれば、さらに「資本的支出」か「修繕費」かという判断を行う必要があります。

前者の"新規の固定資産の取得"と判断されるのであれば、原則、固定資産として資産計上して、法定耐用年数で減価償却する処理になります。固定資産の新規取得ですので、一括償却資産や少額減価償却資産としての処理も条件次第で可能になります。詳しくは下記にご紹介します。

既存の設備の修理・改良の場合

LED照明設備の工事が「既存の設備の修理・改良」の場合の会計処理は、資本的支出として会計処理(減価償却)するか、修繕費として会計処理(その年の単年度経費)するかの二択になります。固定資産の価値や耐久性をあげるものは資本的支出とされ、固定資産の維持管理・原状回復となるものは修繕費とされます(詳しくは「LED照明を単年度の経費にできる「修繕費」の注意点」の記事をご参照ください)。

あかるい税制活用 第3回 LED照明を単年度の経費にできる「修繕費」の注意点

次に、修繕費扱いができる金額の閾(しきい)値について説明します。「一つの計画に基づく同一の固定資産について行う修理・改修等」に対して、その費用の額が20万円未満であれば、内容的に資本的支出であっても修繕費で処理することができます。また、資本的支出か修繕費か悩ましいものについては、その費用の額が60万円未満であれば修繕費として処理できます。LED照明の工事で「一つの計画に基づく同一の固定資産について行う修理・改修等」とは、照明設備が設置されている部屋ごと、区画ごと、スイッチ系統ごとといった区分にすればよいでしょう。

既存器具をそのまま使用するLED照明の工事は修繕費となりますが、既存の器具を交換する工事を含むLED照明の工事は資本的支出か修繕費か悩ましいものです。既存器具まで交換する場合には使用される部屋ごとといった単位で、工事費用総額が60万円未満であれば、修繕費として処理できるということになります。

新規での固定資産取得の場合

新規で固定資産を取得する場合、原則はLED照明の購入費用や工事費を資産計上し、法定耐用年数にわたって減価償却することで少しずつ経費になっていくことになります。

ただし、取得価額が小さい場合には通常の減価償却とは異なる方法での経費計上が可能になります。具体的には以下のとおりです。

  • 取得価額10万円未満……少額の減価償却資産として全額を経費処理することができる
  • 取得価額20万円未満……一括償却資産として3年で償却することができる
  • 取得価額30万円未満……青色申告の中小企業者は、年300万円までは全額を経費処理できる(特例)

ここでいう取得価額とは、LED照明そのものの購入対価でないことに注意が必要です。取得価額には、購入対価に送料や据え付け工事費などの付随費用も含みます。また、金額の判定をする際にはどのような単位で判断するかも重要です。「通常1単位として取引されるその単位」で判定する必要があります。資産としての機能を発揮できる単位となっているか、デザインや素材などの統一性から半端になっていないかを考慮する必要があります。

例えば一つの部屋に3カ所ある窓に同じデザイン・素材のカーテンを設置した場合、1カ所だけ別のデザインのカーテンにしてしまうことは通常考えられません。このような場合は三つの窓のカーテン全部で「通常1単位として取引されるその単位」となります。

LED照明で考えた場合には、オフィスとして使用されている一つの部屋の天井にある照明器具のうち一つだけLED照明、そのほかは全部従来型の蛍光灯という使い方は通常想定されません。LED照明に関しては、部屋や区画、スイッチ系統ごとなどの単位が「通常1単位として取引されるその単位」となると考えられます。その単位の取得価額が上記の金額未満かどうかで判断していくことになります。

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「あかるい税制活用」 総括・導入計画のまとめ

最適な導入方法の考え方は企業によってさまざまです。これまでのまとめを行いながら、「資金繰り計画」を中心にとらえた内容をお届けします。

  • 導入費用はさまざま、その選び方は?
  • 借入、税制活用、補助金活用 など…

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著者紹介

公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)

大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。

税理士法人ファーストライン

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