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あかるい税制活用
第10回 減価償却方法と資金繰り

減価償却には一般的に定率法と定額法がありますが、定率法と定額法では資金繰りに与える影響が異なるので注意が必要です。

[2017年 4月19日公開]

減価償却の基本

照明設備を購入した場合、その購入費用はどのように経費になるでしょうか? 部品の交換として修繕費と分類される場合や中小企業が30万円未満の照明設備を購入した場合は即時に購入費用全額が経費となります。それ以外は建物附属設備の電気設備と分類され、定められた15年という耐用年数に従って減価償却していくことになります。

減価償却の方法には定額法と定率法などがあります。減価償却の方法は事前に所轄の税務署に届け出をすれば、資産の種類ごとに減価償却方法を選定できます。届け出をしない場合は法定の償却方法を使う必要があります。以前は照明設備の法定の償却方法は定率法であり、届け出をすれば定額法も適用できるということでしたが、2016年4月1日以降に取得する建物附属設備については定額法に一本化されました。つまり新規に照明設備を購入した場合は定額法しか使うことができないということです。

定率法と定額法の基本

定率法とはその名の通り固定資産の帳簿価格に耐用年数ごとに定められた一定率を乗じて減価償却費を計算する方法です。最初の年は購入した価格に一定率を掛けたものが減価償却費となり、その後は過去の減価償却費を差し引いた帳簿価格に一定率を掛けるため、最初のうちは減価償却費が大きく計算され、年を追うごとに徐々に減価償却費が小さくなっていく方法です。一方、定額法とは固定資産の購入した金額に一定率を乗じた金額が減価償却費となり、基本的には毎年同じ減価償却費となる方法です。

資金計画から減価償却の仕方を考える

定率法と定額法のどちらでも長い目でみれば経費となる金額は同じです。一般的には定率法の方が有利と言われています。設備投資をした直後に大きな減価償却費となる傾向があり、税金が減る効果が早く現れるためです。設備投資をしてすぐに税金が大きく減るので、減った分の税金を次の投資に回すことができるという考え方もあります。

ただし、借入をして設備投資をした場合に資金繰りの観点では定額法がより安全です。例えば10年の耐用年数の固定資産を借入期間10年の融資を受けて購入したとします。借入金の元本返済額はお金が外部に流出していきますが、経費になりません。会社にとってはお金を支払っているのに、その分、税金が減らないので、資金繰りを悪化させる要因になります。

一方、減価償却費はお金を購入時に支払っているので、減価償却費として経費になる際にはお金が減りません。減価償却費は資金繰りを良くする効果があります。定額法による減価償却費と借入元本の返済額はほぼ同じになり、税金に対する効果が相殺されて資金繰りは安定します。

定率法の資産に融資を受けて購入している場合は、後々で、減価償却費が小さくなって税金が増えるのに、経費にならない借入金の元本返済が変わらずあるため、資金繰りが苦しくなる可能性があり注意が必要です。

著者紹介

公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)

大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。

税理士法人ファーストライン

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